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 こちらのグラフに見るとおり、昨日11月27日、ロシア通貨のルーブルが米ドルに対してかなり下落した。その要因に関し、アルファバンクに所属する信頼と実績のエコノミスト、N.オルロヴァ氏がこちらの記事でコメントしているので、以下要旨を整理しておく。

 オルロヴァ氏いわく、ルーブルが急落した主原因は、地政学と、近年外貨を市場にもたらす主な経路であったガスプロムバンクに対する米国の制裁である。トレーダーらは、2022年以降ロシアに流入する外貨の半分強がガスプロムバンク経由だったと見ている。ガスプロムバンクに対する制裁により、輸出業者はロジスティクスの大幅な変更を余儀なくされている。輸出業者にとって、これは急激なショックである。

 外貨は他の銀行を経由してロシアに流入し続けるだろうが、その供給が低下し、他方で実業界からの需要は高まっている。為替が弱くなると、多くの輸入業者が外貨調達を急ぐ。特に、事業計画を立てなければならない年末にはそうなる。これが、我々が目撃している為替急落の原因だ。

 この傾向がいつまで続くかを予測するのは、地政学によって為替が決まる状況ゆえ、非常に難しい。多くが、全体的な交渉プロセスにかかっている。

 ルーブルが過去最低レベルまで下落することが必至というわけではないが、市場にはルーブル安に歯止めをかけられるプレーヤーはほとんど残っていない。2022年までは、多額の外貨資金を保有する企業があった。ルーブル安時には外貨を売ってルーブルに転換することを好むプレーヤーが常にいた。今ではそのようなプレーヤーはほとんどいない

 ルーブルの状況が、12月20日のロシア中銀の政策決定会合に影響を与えることは不可避。ルーブル安がインフレをさらに刺激する可能性があるためだ。12月会合での利上げは、これまで以上に重要なものになりそうだ。従来はマーケットの金利予測は23%だったが、今や市場は24、25%を意識している。


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