箱根山の火山活動に関する情報 | 国土地理院
最終更新日:2015年11月11日

箱根山の火山活動に関する情報

だいち2号干渉SARによる地殻変動について

注意:画像をクリックすると地理院地図が表示されます。
大涌谷周辺における最新のSAR干渉結果
                   図:2015年7月5日~2015年11月8日の解析結果

使用したデータ一覧

地理院コンテンツ名の列をクリックすると、地理院地図に解析結果が表示されます。
観測条件(1) 観測条件(2) 観測条件(3) 観測条件(4)
衛星進行方向 南行 北行 北行 南行
電波照射方向
入射角 43° 33° 43° 46°
地理院地図コンテンツ名 2014年10月9日~2015年5月7日
噴火警戒レベル1→2(5月6日)
2015年3月1日~2015年5月10日
噴火警戒レベル1→2(5月6日)
2014年12月12日~2015年4月17日
噴火警戒レベル1
2015年5月28日~2015年8月6日
噴火警戒レベル2→3(6月30日)
地理院地図コンテンツ名 2015年5月7日~2015年5月21日
噴火警戒レベル2
2015年5月10日~2015年5月24日
噴火警戒レベル2
2015年4月17日~2015年5月15日
噴火警戒レベル1→2(5月6日)
2015年8月6日~2015年8月20日
噴火警戒レベル3
地理院地図コンテンツ名 2015年5月21日~2015年6月4日
噴火警戒レベル2
2015年5月24日~2015年6月7日
噴火警戒レベル2
2015年5月15日~2015年7月10日
噴火警戒レベル2→3(6月30日)
地理院地図コンテンツ名 2015年6月4日~2015年6月18日
噴火警戒レベル2
2015年6月7日~2015年7月5日
噴火警戒レベル2→3(6月30日)
2015年7月10日~2015年7月24日
噴火警戒レベル3
地理院地図コンテンツ名 2015年6月18日~2015年7月2日
噴火警戒レベル2→3(6月30日)
2015年7月5日~2015年11月8日
噴火警戒レベル3→2(9月11日)
地理院地図コンテンツ名 2015年7月2日~2015年7月16日
噴火警戒レベル3
地理院地図コンテンツ名 2015年7月2日~2015年8月27日
噴火警戒レベル3
地理院地図コンテンツ名 2015年7月16日~2015年8月27日
噴火警戒レベル3
地理院地図コンテンツ名 2015年8月27日~2015年10月22日
噴火警戒レベル3→2(9月11日)

解析結果からわかること

「干渉SAR(解析期間)」をクリックすると、地理院地図に解析結果が表示されます。


【噴火警戒レベル2】(噴火警戒レベルの期間:2015年9月11日~)

干渉SAR(2015年7月5日~2015年11月8日) 
  • 観測条件(2)のデータを用いて解析(PDF形式:987KB)を行いました。解析の機関は、2015年7月5日から2015年11月8日の18週間です。
  • 2015年7月5日から2015年11月8日の18週間で最大11cm程度(注)の衛星から遠ざかる地殻変動が見られます。
  • 6月末のごく小規模な噴火の後、収縮性の変動が継続している可能性があります。
今回の結果は速報であり、より詳細な分析等により、今後内容が更新されることがあります。
国土地理院では今後も継続的に地殻変動を監視していきます。
(注)干渉SARの精度は一般的には数cm程度とされています。また、衛星の観測条件が異なる場合、同じ地殻変動であっても、解析結果の見え方に違いが生じます。

干渉SAR(2015年8月27日~2015年10月22日) 
  • 観測条件(1)のデータを用いて解析(PDF形式:1.1MB)を行いました。解析の期間は、2015年8月27日から2015年10月22日の8週間です。
  • 2015年8月27日から2015年10月22日の8週間で最大4cm程度(注)の衛星から遠ざかる地殻変動が見られます。
  • なお、2015年7月2日から2015年8月27日の解析結果(9月8日公表済み)では、最大7cm程度(注)の衛星から遠ざかる地殻変動が見られています。
  • このことから、6月末のごく小規模な噴火の後、収縮性の変動が継続している可能性があります。


【噴火警戒レベル3】(噴火警戒レベルの期間:2015年6月30日~)

干渉SAR(2015年7月2日~2015年8月27日, 2015年7月16日~2015年8月27日,2015年7月2日~2015年7月16日) 
  • 観測条件(1) のデータ(7月2日、7 月16 日)と最新データ(2015年8月27日)との解析(PDF形式:982KB)を行うとともに、2015年7月2日から2015年7月16日の解析結果を精査しました。
  • 2015 年7月2日から2015年8月27日の8週間の解析結果では、これまでの変動の範囲(赤枠)で、最大7cm 程度(注)の衛星から遠ざかる地殻変動が見られます。変動が最大の箇所は、6 月末のごく小規模な噴火によって生じた火口・噴気口の近傍です。
  • 2015年7月2日から2015年7月16日の2週間と2015年7月16日から2015年8月27日の6週間の解析結果においても、ノイズレベル(注)と同等ではありますが、それぞれに最大3cm 程度(注)の衛星から遠ざかる地殻変動が見られます。
  • このことから、6月末に発生したごく小規模な噴火後に収縮性の変動が生じている可能性があります。

干渉SAR(2015年8月6日~2015年8月20日) 
  • 観測条件(4)のデータ(2015年8月6日)を用いて解析を行いました。解析の期間は, 2015年8月6日から2015年8月20日の2週間です。
  • これまでの変動の範囲(赤枠)では、ノイズレベル(注)を超えるような変動は見られません。

干渉SAR(2015年5月28日~2015年8月6日) 
  • 観測条件(4)のデータを用いて解析を行いました。解析の期間は, 2015年5月28日から2015年8月6日の10週間です。この結果は、6月末のごく小規模な噴火の時期を含む、長期間の地殻変動を表しています。
  • ごく小規模な噴火の時期を含む別の解析結果と同様に、これまでの変動の範囲(赤枠)の南端で、直径100m程度の非干渉(クリックすると説明ページへ移動します)の範囲(青枠)が見られます。この範囲では何らかの原因で地表の状態が変化したと考えられ、噴気孔の形成と噴出物の堆積の可能性があります。
  • なお、これまでの変動の範囲(赤枠)では、上記の非干渉(クリックすると説明ページへ移動します)の範囲を除くと、5月28日から8月6日までの10週間で最大12cm程度(注)の衛星に近づく地殻変動が見られます。この変動の範囲と分布は、観測条件が異なるほぼ同期間の解析結果と整合しており、大きな変化は見られません。

干渉SAR(2015年7月10日~2015年7月24日) 
干渉SAR(2015年7月2日~2015年7月16日)     ⇒解析結果からわかることの内容について更新しました。この期間の変動については、9月8日公表のものをご覧ください。

干渉SAR(2015年5月15日~2015年7月10日) 
  • 観測条件(3)のデータを用いた解析結果との比較(PDF形式:459KB)を行いました。解析の期間は、2015年5月15日から7月10日の8週間です。
  • これまでの変動の範囲(赤枠)の南端で、直径100m程度の非干渉(クリックすると説明ページへ移動します)の範囲(青枠)が見られます。この範囲では何らかの原因で地表の状態が変化したと考えられ、噴気孔の形成と噴出物の堆積の可能性があります。
  • なお、これまでの変動の範囲(赤枠)では、上記の非干渉の範囲を除くと、5月15日から7月10日までの8週間で最大12cm程度(注)の衛星に近づく地殻変動が見られます。地殻変動は、観測条件が同じ4月17日から5月15日の4週間での最大12cm程度(注)から、8週間で最大12cm程度(注)となりました。
大涌谷から南東方向に見られる色の変化の原因は、現時点では特定できませんが、大気の影響(クリックすると説明ページへ移動します)を受けている可能性があります。

干渉SAR(2015年6月7日~2015年7月5日) 
  • 観測条件(2)のデータを用いた解析結果との比較(PDF形式:677KB)を行いました。解析の期間は、2015年6月7日から7月5日の4週間です。
  • これまでの変動の範囲(赤枠)の南端で、直径100m程度の非干渉(クリックすると説明ページへ移動します)の範囲(青枠)が見られます。この範囲では何らかの原因で地表の状態が変化したと考えられ、噴気孔の形成と噴出物の堆積の可能性があります。
  • なお、これまでの変動の範囲(赤枠)では、上記の非干渉の範囲を除くと、6月7日から7月5日までの4週間で最大8cm程度(注)の衛星に近づく地殻変動が見られます。地殻変動は、観測条件が同じ5月24日から6月7日の2週間での最大7cm程度(注)から最大8cm程度(注)となりました。
大涌谷から南東方向に見られる色の変化の原因は、現時点では特定できませんが、大気の影響(クリックすると説明ページへ移動します)を受けている可能性があります。

干渉SAR(2015年6月18日~2015年7月2日) 
  • 観測条件(1)のデータを用いた解析結果との比較(PDF形式:640KB)を行いました。
  • これまでの変動の範囲(赤枠)の南端で、直径100m程度の非干渉(クリックすると説明ページへ移動します)の範囲(青枠)が見られます。この範囲では何らかの原因で地表の状態が変化したと考えられ、噴気孔の形成と噴出物の堆積の可能性があります。
  • これまでの変動の範囲(赤枠)の南東側にも変動が見られます。上記の非干渉の範囲を除くと、地殻変動は最大7cm程度(注)です。
  • なお、これまでの変動の範囲(赤枠)では、6月18日から7月2日までの2週間で最大7cm程度(注)の衛星に近づく地殻変動が見られます。地殻変動は、観測条件が同じ6月4日から6月18日までの最大3cm程度(注)から最大7cm程度(注)となりました。


【噴火警戒レベル2】(噴火警戒レベルの期間:2015年5月6日~2015年6月30日)

干渉SAR(2015年6月4日~2015年6月18日) 
  • 観測条件(1)のデータを用いた解析結果との比較(PDF形式:593KB)を行いました。
  • 変動の範囲と分布に大きな変化は見られません。
  • 6月4日から6月18日までの2週間で最大3cm程度(注)の衛星に近づく地殻変動が見られます。地殻変動は、観測条件が同じ5月21日から6月4日までの最大10cm程度(注)から最大3cm程度(注)となりました。
  • 以上を総合的に勘案すると、地殻変動は依然として継続しているとみられます。
  • 観測条件が同じ2014年10月9日からの変動量は、6月4日までの最大30cm程度(注)から、6月18日までで最大33cm程度(注)となります。

干渉SAR(2015年5月24日~2015年6月7日) 
  • 観測条件(2)のデータを用いた解析結果との比較(PDF形式:819KB)を行いました。
  • 変動の範囲と分布に大きな変化は見られません。
  • 5月24日から6月7日までの2週間で最大7cm程度(注)の衛星に近づく地殻変動が見られます。地殻変動は、観測条件が同じ5月10日から5月24日までの最大12cm程度(注)から最大7cm程度(注)となりましたが、依然として継続しています。
  • 観測条件が同じ3月1日からの変動量は、5月24日までの最大20cm程度(注)から、6月7日までで最大27cm程度(注)となります。

干渉SAR(2015年5月21日~2015年6月4日) 
干渉SAR(2015年5月10日~2015年5月24日) 
  • 衛星の観測条件が同じ2015年3月1日と2015年5月10日のデータを用いた解析結果との比較を行いました。
  • 変動の範囲と分布に大きな変化は見られません。
  • 5月10日から5月24日までの2週間で最大12cm程度(注)の衛星に近づく地殻変動が見られます。なお、2015年3月1日から2015年5月24日までの変動量は最大20cm程度(注)です。

干渉SAR(2015年5月7日~2015年5月21日) 
  • 衛星の観測条件が同じ2014年10月9日と2015年5月7日のデータを用いた解析結果との比較を行いました。
  • 変動の範囲と分布に大きな変化は見られません。
  • 5月7日から5月21日までの2週間で最大15cm程度(注)の衛星に近づく地殻変動が見られます。なお、2014年10月9日から2015年5月21日までの変動量は最大20cm程度(注)です。

干渉SAR(2015年4月17日~2015年5月15日) 
  • 5月10日までの解析結果と比べて、変動の範囲と分布に大きな変化は見られません。
  • 今回の解析では、最大12cm程度(注)の衛星に近づく地殻変動が見られます。
なお、衛星の観測条件がそれぞれ異なるため、同じ地殻変動であっても、解析結果の見え方に違いが生じます。

干渉SAR(2015年3月1日~2015年5月10日) 
  • 変動の範囲に変化は見られません。
  • 5月7日までの変動の領域Aにおいて、5月10日までの解析では、領域A内の南西側に変動の領域Bが見られます。
  • 領域Bでは、最大8cm程度(注)の衛星に近づく地殻変動が見られます。
  • なお、5月7日と5月10日の観測では、衛星進行方向と電波照射方向が異なるため、同じ地殻変動であっても、見え方に違いが生じます。

干渉SAR(2014年10月9日~2015年5月7日) 
  • 大涌谷内の直径200m程度の非常に狭い範囲で、最大6cm程度(注)の衛星に近づく地殻変動が見られました。この変動は、地下の浅い所での膨張をとらえている可能性があります。
  • また、2014年12月12日~2015年4月17日の解析では、このような地殻変動は見られません。


【噴火警戒レベル1】(噴火警戒レベルの期間:2015年5月6日以前)

干渉SAR(2014年12月12日~2015年4月17日) 
  • ノイズレベル(注)を超えるような変動は見られません。

参考資料
下記をクリックすると説明ページへ移動します。
観測データは、火山噴火予知連絡会衛星解析グループを通して、JAXAから提供されたものです。
解析:国土地理院    原初データ所有:JAXA

火山基本図

箱根山の火山基本図(陰影段彩)及び火山基本図を地理院地図で見ることができます。画像をクリックしてください。

このwebページで公開している地理空間情報のご利用について

国土地理院コンテンツ利用規約に従ってご利用ください。
これらの画像等につきましては、
  • 現地の被災状況を心配されている国民の皆様への直接の情報提供
  • 関係機関が行う今後の対応等についての検討
等に対する重要な情報を提供する目的で行っています。

問い合わせ先

(だいち2号干渉SARによる変動に関すること)
国土地理院測地部 宇宙測地課長 小林知勝(直通 029-864-4813)
地理院地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長 宗包浩志(直通 029-864-6925

(GNSS連続観測結果に関すること)
【観測結果について】
国土地理院測地観測センター 地殻監視課長 仲井博之(直通 029-864-5971)
国土地理院測地観測センター 地殻監視課長補佐 都筑三千夫(直通 029-864-6259)
【REGMOSについて】
国土地理院測地観測センター 電子基準点課長 檜山洋平(直通 029-864-5977)
国土地理院測地観測センター 電子基準点課長補佐 重松宏実(直通 029-864-6278)

(火山基本図に関すること)
国土地理院応用地理部 地理情報処理課長 小野康(直通 029-864-6920)
国土地理院応用地理部 地理情報処理課長補佐 岡本勝浩(直通 029-864-6921)

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、以下のページからダウンロードしてください。