2017年11月12日イラン・イラク国境付近の地震に伴う地殻変動
合成開口レーダー(SAR)解析によって明らかとなった地殻変動作成:2017年11月15日、更新:2018年3月5日 English version of this page
概要2017年11月12日に(UTC)にイラン・イラク国境付近でMw7.3(USGS)の地震が発生しました。震央付近では建物が倒壊し死者が出るなど、大きな被害が生じています。 この地震に伴う地殻変動を把握するため、日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータを使用してSAR干渉解析を行いました。
これまでの解析により、以下のことがわかりました。 (地殻変動の特徴)
(震源断層モデル)
(参考:現地での利活用) これらの解析結果については、イラン国立地図センター(NCC:National Cartographic Center of Iran)に迅速に提供を行いました。 その情報提供に対して、 「災害の全体像が見えない初期段階において、イランの災害対応局が災害対応のためのリソース(救援物資、救助隊など)をどこに投入すべきかを判断する材料として役立った」 として、NCCから感謝の意が表されました。 干渉画像図4. [PNG: 6.72MB]
図5. [PNG:6.06MB]
*1 W:広域観測(Normal) (参考: ALOS-2プロジェクト/PALSAR-2(JAXA)) 図6. 解析範囲 解析:国土地理院 原初データ所有:JAXA 本成果は、地震予知連絡会SAR解析ワーキンググループの活動を通して得られたものです。 震源断層モデル(滑り分布モデル)地震概要
分析に使用した人工衛星日本の地球観測衛星 「だいち2号」(ALOS-2)
広報・講演・論文発表Kobayashi, T., Y. Morishita, H. Yarai, and S. Fujiwara (2018), InSAR-derived Crustal Deformation and Reverse Fault Motion of the 2017 Iran-Iraq Earthquake in the Northwest of the Zagros Orogenic Belt, Bull. Geospatial Info. Auth., 66. [PDF: 1.3MB]
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