2022年11月号(No.15) | 日本脳科学関連学会連合

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脳科連バイマンスリーメールマガジン 2022年11月号(No.15)
http://www.brainscience-union.jp
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日本脳科学関連学会連合会員学会・連携法人会員及び評議員の皆さま

バイマンスリーメールマガジン2022年11月号(No.15)をお届けします。
お手数ですが、貴学会内の会員の皆さまへのメール配信をお願い致します。

❏今号のコンテンツ
・副代表選挙・運営委員選挙のご案内:選挙管理委員会委員長 加藤総夫
・ポスト革新脳・国際脳及び学術会議の中長期計画提案について:将来構想委員長 花川隆
・第15回リレーエッセイ:川合謙介(日本てんかん学会 理事長) 
・会員学会・法人会員の皆様へ:広報委員長 上田陽一
・活動報告(10~11月)
・事務局だより

【副代表選挙・運営委員選挙のご案内】
選挙管理委員会委員長 加藤総夫
今年7月,次期代表選挙が行われ,その結果,神経学会からの評議員,高橋良輔先生が次期代表に選出されました.現在,「in elect」として,現代表・伊佐 正先生の代表としての活動に加わってくださっています.
さて,2023年1月1日から始動するこの次期体制を支援する(1)副理事長2名,および,(2)運営委員5名の選挙を行います.次期の脳科連の活動の方向性を決める重要なメンバーを選ぶ選挙ですので,できるだけ多くのみなさまの推薦・立候補,ならびに,投票をお願いいたします.

1.副代表2名の選出について
運営規約第7条に基づき副代表2名を選出します.すでに,11月25日に立候補・推薦の募集のご案内をお送りし11月30日に締め切りましたところ,3名以上の立候補がありましたので,選挙を行います.
投票は,12月1日から6日正午までの期間に行います.選挙は前回同様,電子投票によって行います.投票のGoogle FormsのサイトURLを12月1日にメール配信します.
投票は非記名・匿名とし,投票情報の秘匿性を担保します.多重投票を防ぐためのランダムIDコードを12月1日に投票サイト情報とIDコードのメール配信します.この投票用IDコードは,評議員1名に1つ付与されるもので,選挙期間中,投票に必要になります.この方式で,投票者のメール・氏名入力や,一般のアンケート・サイトなどが利用するcookie書き込みなどをせずに多重投票を防ぐとともに投票内容を秘匿化します.投票用IDコード表は事務局担当者が保管し,投票終了後破棄します.選挙管理委員会からはアクセスできません.
投票期間が短くなっております.投票サイトURL,および,投票用IDコードを記したメールをご確認後,できるだけ速やかにご投票ください.
2.運営委員5名の選出について
運営規約第7条に基づき8名の運営委員会のうち,代表,副代表をのぞいた5名を選出します.
立候補,および,推薦の募集期間:12月7日(水)~14日(水)正午
募集公示時に,必要な書類をメールでご案内しますので,ご記入の上,事務局までメールでご送付ください.6名以上の立候補・推薦があった場合,選挙を行います.副代表選挙と同様に非記名・匿名の電子投票を行います.投票期間は, 12月15日-22日(木)正午を予定しておりますが.運営委員選挙の詳細は,選挙公示時に改めてご案内いたします. 以上,副代表選挙への投票,および,運営委員の推薦・立候補のお願いでした.ご質問・ご意見がありましたら選挙管理委員長までご連絡くださいますようお願いいたします.
(文責:加藤総夫 fusao@jikei.ac.jp

【ポスト革新脳・国際脳及び学術会議の中長期計画提案について】
将来構想委員会委員長 花川隆
将来構想委員会委員長の花川です。脳科学関連学会連合の皆様におかれましては、2022年の暮れも迫ってきたこの時期、研究・教育・臨床にお忙しくされていることと存じます。
さて、2022年12月の中旬には、日本学術会議が行なっている「未来の学術振興構想」の策定に向けた「学術の中長期研究戦略」の公募の締め切りがあります。そもそも日本学術会議とは、昭和24年に設立された人文・社会科学、生命科学、理学・工学全ての研究者を代表する機関であり、科学こそが文化国家の基礎であるという理念のもと、科学の進歩とその恩恵を行政、産業及び国民生活に浸透させることを目的にしています。内閣総理大臣が所轄していますが、政府からは独立して職務を行う独立の機関です。従来、日本学術会議は学術の大型研究に関するマスタープランとして数年に一回国家として重点的に推進すべき大型学術計画を公募し、学術の強化・発展を支援してきました。現在日本学術会議は時代に合わせた組織改革を進めており、今回その一環として、従来のマスタープランよりもより広い視野に立った社会課題や中長期的に未来社会を展望した施作のあり方を考えるべく、「未来の学術振興構想」を策定することにしました。
「未来の学術振興構想」は今後20-30年くらいの先を見越した学術振興のグランドビジョンを複数提示し、それぞれのグランドビジョンについてその実現の観点から必要となる学術研究構想を示すことを目指しているとのことです。
現在、将来構想委員会では、「学術の中長期研究戦略」に応募すべく、鋭意準備を進めております。引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。

【第14回リレーエッセイ】
日本てんかん学会 理事長 川合謙介
日本頭痛学会の平田幸一先生からご指名いただきました自治医科大学脳神経外科の川合謙介です。私からは日本てんかん学会やてんかんと脳科学の関連についてご紹介させていただきます。
日本てんかん学会は、1967年にてんかん学並びに関連する学術の進歩向上を図ることを目的として設立されました。最初は非公開の研究会として始まり、1979年第13回から公開の学会となりました。2007年に一般社団法人化しています。
日本てんかん学会の大きな特徴は学際的であることです。基礎神経科学、神経学、脳神経外科学、精神医学などさまざまな領域の医学研究者が領域の垣根を越えて活発に交流しています。
会員の割合は時代による変化もありますが、現時点では会員約3,100名のうち、小児神経科医が44%、脳神経内科医と脳神経外科医がそれぞれ18%、精神科医が15%、基礎研究者等が5%という構成です。
脳科連の皆様にあらためて申し上げるまでもありませんが、てんかん学やてんかん診療は、神経科学や脳科学ときわめて密接に関わりながら発展してきました。てんかん原性の研究はニューロンの興奮・抑制、膜電位、チャネルなどの基礎的神経生理学と共に進歩してきました。日本発のAMPA型グルタミン酸受容体拮抗薬のペランパネルは抗てんかん発作薬(最近では抗てんかん薬AEDの用語は用いず、anti-seizure medication, ASMを用います)として世界で使用される薬剤です。最近では、KNCQチャンネルやGABA受容体の遺伝子変異とてんかんの一つの原因として明らかにされ、病態解明に新たな知見を加えています。また、小児てんかんの原因として頻度の高いmalformation of cortical developmentは解明の進む大脳の発生過程に応じて分類され、その中でも頻度の高いfocal cortical developmentでは手術標本を用いた研究でGABAによる脱分極が示されました。ヒト脳科学との関わりでは、脳外科の父と呼ばれるPenfieldの機能局在(運動感覚野のホモンクルスなど)はまさに、覚醒下でのてんかん手術中の脳電気刺激によって得られた知見です。患者H.Mのてんかんに対する両側海馬・海馬傍回切除後の記憶障害は、両側の海馬手術は禁忌という負の遺産となり、その後のヒト記憶研究の端緒となっったのもご存知の方は多いと思います。
最近では、てんかんの診断や治療に用いられる頭蓋内電極を用いたヒト高次脳機能やBMI研究が大きく発展しています。さらにてんかんやその他の神経難病に対する脳電気刺激によるニューロモデュレーション治療の進歩や普及も目覚ましいものがあります。この領域では日本での研究開発が遅れを取っており、最近の経済状況などもあって欧米の最先端治療機器の導入も困難という状況に大きな危機感を抱いております。
以上のような学術研究とは別に、社会との関わりが大きいのもてんかんという疾患、そして日本てんかん学会の特徴の一つです。てんかんという疾患は発作の様態から、古来ヨーロッパでは「悪魔つき」としてとらえられ、差別の対象となってきました。癲癇という漢字表記もネガティブな意味を含みます。日本てんかん学会のもう一つの大切な使命として、患者会である日本てんかん協会と協調して、てんかんに関する社会全体への啓発活動や、てんかん患者の権利を保護し生活の質を向上する活動を行っています。日本てんかん学会は、国際てんかん学会(正式名称は国際抗てんかん連盟, ILAE)の日本支部でもありますので、世界各国のてんかん学会と協調し、てんかん学の発展とてんかん患者の生活の質の向上のために活動しています。
今年は世界保健機構WHOで、”Intersectoral Global Action Plan on Epilepsy and Other Neurological Disorders”が採択され、これから10年間の重点課題としててんかんが取り上げられました。具体的な行動計画の中には、てんかん研究やそのための研究費増額なども含まれています。
日本てんかん学会の多くの会員が、日本の脳科学とてんかん学の進歩のために脳科連の皆様と連携を深めてゆきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

次回のリレーエッセイは齊藤延人先生(日本脳神経外科学会 理事)にバトンタッチされます。

【会員学会・法人会員の皆様へ 広報活動への御礼と引き続きのご協力のお願い】
広報委員会委員長 上田陽一
先日の情報共有アンケート(30会員学会中25学会よりご回答いただきました)にご協力いただきありがとうございました。情報共有を所属会員の皆様に周知しているとご回答いただきました学会(17学会)におきましては引き続きのご協力をお願い致します。所属会員に周知可能もしくは条件付きで可能との回答をいただきました会員学会もございますので、ぜひご検討いただきますようお願い申し上げます。
また、脳科連バナー&リンクをお願いしたところですが、さっそくホームページに設置いただきました5会員学会、2法人会員におきましては心より感謝申し上げます。学会ホームページへのバナー設置はハードルが高いとお察ししますが前向きにご検討いただけましたら有り難く存じます。
今後もバイマンスリーメルマガを含めUp-to-dateな情報発信に努めますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

【活動報告(10~11月)】
第2回産学連携諮問委員会(Web)が開催されました。(10月24日)

【事務局だより(主に会員学会事務局向け)】
・評議員の変更がございましたら、事務局までご連絡をお願いいたします。
・メールマガジン内容へのご意見やお問い合わせは、貴学会の事務局経由でお願いします。