第24回運営委員会
【日本脳科学関連学会連合 第24回運営委員会(拡大運営委員会) 議事録】
日時
2021年5月16日(日)15:00~17:20
場所
Web会議(Zoom)
参加者
(敬称略)
伊佐 正 (日本神経科学学会)
尾崎 紀夫(日本生物学的精神医学会)
斉藤 延人(日本脳神経外科学会)
高橋 良輔(日本神経学会)
池田 和隆(日本神経精神薬理学会)
小泉 修一(日本神経化学会)
岩坪 威 (日本認知症学会)
花川 隆 (脳科学将来構想委員会・委員長)
上田 陽一(広報委員会・委員長)
加藤 総夫(選挙管理委員会・委員長)
山脇 成人(代表補佐・日本神経精神薬理学会)途中入室
岡部 繁男(代表補佐・日本解剖学会)
松田 哲也(代表補佐)
奥村 哲 (脳科学リテラシー委員)
(欠席)
谷内 一彦(日本薬理学会)
事務局:理化学研究所 脳神経科学研究センター 吉川、孝子
オブザーバー:京都大学 武井
開会挨拶
伊佐代表より開会挨拶および理化学研究所・吉川センター長室長の紹介がなされた。
第21回運営委員会議事録に関して、広報体制の強化、事務局体制の安定化、脳科学オリンピックの安定化、選挙、将来構想委員会、広報、賛助会員について説明がなされた。第22回運営委員会議事録に関して、将来構想委員、脳科学オリンピックの参加費、評議員会の開催形式、賛助会員について説明がなされた。
第23回運営委員会議事録に関して、京大の霊長類研究所の共同利用・共同研究拠点の継続申請については最終的には申請がなされなかったこと、脳科学オリンピック寄附金会計業務委託について説明がなされた。
議事
1. 事務局移転・委託について
伊佐代表より、理化学研究所・脳神経科学研究センターが本連合の事務局を引き受けることがより困難となっている現状について説明がなされた。さらに業務委託候補先として、今年度より脳の世紀推進会議の事務局を引き受けているアクティブネット社とオンライン面談し、見積書を取得した旨の説明がなされた。概算見積額は、本連合の収入が93万円であるのに対し、事務局業務委託費用に加えた本連合の運営費用を鑑みると、赤字となる。このため黒字運営のために会費の値上げが必要となる旨の説明がなされた。
斉藤副代表より、外注であれば見積額はリーゾナブルであるとの意見がなされた。外注以外の選択肢として、特定の研究室の秘書やパートタイマーに依頼することも提案がなされた。これに対して、伊佐代表より後者の可能性については事務局の継続性を併せて考える必要があるとの意見がなされた。
池田委員より、理化学研究所と同様に脳神経分野で日本を率いる組織としては国立精神・神経医療研究センター(NCNP)と生理学研究所があるが、これらの組織で引き受けてもらう可能性についての質問がなされた。また、文科省の支援事業の活動の一環に入れてもらう可能性についての質問がなされた。これに対して、伊佐代表より支援事業は時限のプロジェクトでサイエンスオリエンティドであるため、このような学会連合を支援する資金の獲得が容易ではないのではないかとの意見がなされた。岩坪委員よりNCNPは伝統的な機関で機動的な対応が難しく、すぐに本件について対応することは難しいとの意見がなされた。これに対して、伊佐代表よりこれらの研究機関においては業務を引き受ける上での理由付けが難しいであろう旨の補足説明がなされた。
尾崎副代表より他学会での事務局の業務委託の見積もりと比較してもこの見積額がリーゾナブルであることを確認した旨の発言がなされた。
会費の値上げの必要性について、尾崎副代表より本連合設立当初の価格設定の根拠について質問がなされた。これに対して、岡部代表補佐より生物科学学会連合(生科連)を参考にし、ミニマルエッセンスに基づいて特に基礎系の学会で負担に感じない金額で設定された旨が説明された。小泉委員より外部委託に賛成であるが、現在の倍以上の金額になるため、経費節減していることを示した上で新価格を提示するとより理解が得られるのではないかとの提案があった。尾崎副代表からも会場費を節減するなど経費節減に関する姿勢を見せる必要があるとの意見がなされた。これに対して、伊佐代表より評議員会がオンラインのみで良いかどうかについては議論の余地がある旨の発言がなされた。山脇代表補佐より、オフラインでのコミュニケーションの必要性からもアフターコロナではハイブリッド開催になるのではないかとの意見がなされた。高橋委員より、本来本連合として事務局を独立して持っているべきで、理化学研究所の特別なご厚意で恩恵があったことを主に評議員に説明するのが良いのではないかとの意見がなされた。また会費の値上げは一度に7万円にする方が良いのではないかとの意見がなされた。
池田委員より生科連における会費と事務局体制についての質問がなされた。これに対して、岡部代表補佐より生科連の会費の説明があり、また日本解剖学会については脳神経分野に関連しない会員への本連合に加盟し続ける説明が難しくなる可能性がある旨の意見がなされた。尾崎副代表より精神神経学会においても他とのバランスを鑑みて会費の値上げに対する疑義が呈される可能性がある旨の発言がなされた。加藤選挙管理委員長より日本医学会連合の会費の説明がなされた。伊佐代表より評議員会で会費は6万円で提案し、経営努力をする旨の説明がなされた。また、相見積もりも取得する旨の説明がなされた。
2. 日本医学会連合との関係について
尾崎副代表より以下の説明がなされた。
医学会連合は学術会議との連携が緊密化しており、学術会議よりも即応性が高くCOVID-19拡大時の対応も迅速であった。また門田会長は健康・医療戦略推進本部、ゲノム医療協議会のメンバーでもあるなど、要職に就いている。医学会連合には脳神経分野の役員がいない状況である。
斉藤副代表より医学会連合は臨床ベースであるため役員候補としては臨床系の先生が相応しいこと、役員の選出についてルールがあるのではないかということ、どのような切口でアクセスするのかを鑑みる必要がある旨、説明がなされた。
高橋委員より医学会連合の効用についての質問がなされた。これに対し、尾崎副代表よりゲノム医療に関しては関連があるかもしれない旨の説明がなされた。ただ、本年は既に次期の役員推薦の時期を過ぎていることが判明し、本件は継続審議となった。
3. 脳科学オリンピックの運営について
奥村委員より以下の説明がなされた。
2021年の脳科学オリンピックはCBTでのテストを行い、ファイナルのみ対面で行う
予定である。CBTについては見積もり比較を行った。7/23-8/7の日程が予選となる。
CBTについては従来より大幅に費用がかかるため、高校生の自己負担も発生する。
今後webは脳の世紀推進会議から本連合に徐々に移行する予定である。2022年以降の開催形式については大会後検討したい。
松田代表補佐より、生物学オリンピックのように協賛金を募る可能性について質問がなされた。これに対して、奥村委員より今年は大会運営に専念し、来年以降事務局体制も含めて協賛金を募ることを検討したいとの回答がなされた。
山脇代表補佐より協賛金を募るにあたってミッションを明確にし、SDGsなど企業が参加しやすいメッセージを発信するなど工夫が必要ではないかとの発言がなされた。
4. 産学連携委員会の設置について
池田委員より、以下の説明がなされた。
各学会との連携に加えて本連合との連携のメリットを明確にする必要がある。
薬効評価などについてはアカデミアと連携してよりエビデンスに基づいた形にしていきたいという企業ニーズはある。昨今の産学連携を重視する学問の方向性に基づいた産学連携のグラントの作成、企業でのオープンサイエンスの活動の支援など脳科連が果たすべき役割はあるが、COIの検討なども同時に必要である。
尾崎副代表より、精神医学関連学会での動向の説明がなされた。市民、学生への市民活動への支援を製薬企業は行っている旨の説明がなされた。
松田代表補佐より、Win-winの関係の構築に向けて考える必要はあるが、産学連携の可能性がある旨の発言がなされた。
伊佐代表より、本委員会の発足のためのWGのメンバー候補として、池田委員、尾崎副代表、松田代表補佐、高橋委員、および斉藤副代表の推薦する先生が指名され、評議員会に向けて進展させることとなった。
5. 運営規約について
加藤選挙管理委員長より、現行の運営委員選出等における不十分な点について池田委員より指摘があり、代表へ答申がなされた旨の説明がなされた。伊佐代表よりオンサイトべースでの規約がデジタル選挙に対応できていない現況について補足説明がなされた。運営委員会でイニシアチブを取り、選挙管理委員と協議しながら規約改正案を作成することについて、伊佐代表より説明がなされた。
6. 6月30日評議員会の議題について
伊佐代表より医学会連合の議題を除いて本運営委員会での議題を評議員会での議題とする予定である旨が説明された。
7. 将来構想委員会の活動について
花川将来構想委員長より以下の説明がなされた。
現状はマスタープランが下りてきていないので、特段新しい活動はしておらず、代わりに会員学会における将来構想委員相当の委員会の有無のアンケートを行っており、会員学会とのパイプを強化しつつ、マスタープランの作成のためにそれらの委員との会議を夏頃予定している。
松田代表補佐より、文科省の動向について以下の補足説明がなされた。
今後はライフサイエンス委員会の下の脳科学作業部会として立ち上がり、この中で議論や報告がなされる。4月から9年間の脳とこころの研究推進プログラムが立ち上がっており、革新脳、国際脳、公募中の2つのプロジェクトが傘下に入ることになる。
8. 日本学術会議の協力団体について
伊佐代表より以下の説明がなされた。
メリットとしては情報が得られる、後援などがある。デメリットはほぼない。費用がかからない。
尾崎副代表より学術会議としては即応性を高め、国民との対話を行うために学協会と連携していく方向性であり、コミットする価値がある旨の発言がなされた。
岡部代表補佐より医学会連合及び生科連との連携についての説明がなされた。
9. 脳科連ジャーナルについて
池田委員より以下の説明がなされた。
日本でIFの高いジャーナルがないことが問題である。個別の学会ではIFの高いジャーナルを作ることが難しいが、本連合であればIF10以上のジャーナルの立ち上げも可能ではないか。
伊佐代表より、いくつかの学会のジャーナルを統合することを評議員会で提案する案が示され、これに対して、池田委員より伝統のある学会同士のジャーナルの統合の難しさ、既存ジャーナルのIFを上げることの難しさについて説明がなされた。
岡部代表補佐より、日本で脳科学のジャーナルを立ち上げる際に、IFに捕らわれない「よい雑誌」の定義について議論する必要性があるのではないかと意見がなされた。
本議題については、将来構想委員会において議論していくこととなった。
10. 脳科学エデュケーター制度について
花川将来構想委員長より質問があり、池田委員より制度の説明がなされた。
本議題については、将来構想委員会において議論していくこととなった。
11. コロナ禍でのメンタルヘルスについて
山脇代表補佐よりコロナ禍でのメンタルヘルスの提言の背景について説明がなされた。
昨年緊急提言したコロナ禍でのメンタルヘルスのフォローアップは学術会議で行うべきか、本連合で行うべきかの提起が伊佐代表よりなされた。
尾崎副代表より、学術会議ではワクチンも含めた製薬開発の在り方、臨床研究の在り方、臨床情報の集約化、臨床研究人材の育成、が議論されており、この流れを活かすことについて意見がなされた。
12. 広報に関連して
上田広報委員長より以下の報告がなされた。
バイマンスリーのメールマガジン、リレーエッセイ、豆知識、サイトポリシーの制定についての説明がなされた。
以上