ヘルプ
マイページ
朝日新聞1995年1月17日付夕刊掲載記事
2015年8月12日
朝日新聞1995年1月17日付夕刊1面(広告はぼかしています)
17日午前5時46分ごろ、近畿地方を中心に西日本から東日本にかけての広い地域で地震があった。大阪管区気象台によると、神戸と洲本で震度6(烈震)、京都、彦根、豊岡で震度5(強震)を記録した。震源は淡路島付近、北緯34.6度、東経135.0度で、深さは約20Km、マグニチュードは7.2(推定)の直下型地震だった。この地震で阪神間や淡路島を中心に各地で建物の倒壊や火災が相次いだ。
警察庁や朝日新聞社のまとめによると、死者は439人、生き埋めなどの行方不明者は583人。負傷者は1377人。家屋の損壊は1971棟にのぼっている。JRの新幹線、在来線、私鉄が損傷を受け、高速道路の陥没、高架の落下が相次ぎ、交通網はマヒ状態となった。電気、水道、電話なども各地で寸断され都市生活に深刻な打撃を与えている。
気象庁は「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」と命名した。国内で300人以上の死者を出した地震被害は1948年6月の福井地震以来。また近畿地方で震度6を記録したのは、1927年3月の北丹後地震(M7.3)以来。大阪管区気象台は、淡路島から六甲にかけて走る断層のいずれかが動いたと見ている。
警察庁などによると、神戸―大阪間での大きな被害が広がっており、死者の内訳は兵庫県で436人、大阪府で3人。兵庫県内のうち、西宮市で80人以上、芦屋、宝塚の各市では30人以上。尼崎市では7人の死者が確認された。また震源に近い淡路島では家屋の倒壊が激しく、30人が死亡した。
建物は、神戸市東灘区で住宅30戸が倒壊。宝塚市内では数百カ所が全壊し、24人以上が生き埋めになっている。芦屋市内でも民家の倒壊などで100人余りが生き埋めになっている。
神戸市繁華街の三宮センター街ではダイエー三宮店が3階部分を中心に崩れたほか、同市垂水区では高層マンションが倒壊。同市兵庫区の兵庫警察署では3階建てのうち、留置場のある2階部分が押しつぶされた。
また、地震発生から、兵庫県、大阪府の各地で火災が発生。午前11時を過ぎても、神戸市内の各地で炎上が続いている。大阪市消防局によると、同市内では18件の火災が起きた。
交通網は、鉄道、道路ともに各地で寸断された。
JR東海道、山陽新幹線は、地震による停電で始発から運転を見合わせた。山陽新幹線は阪神地区で少なくとも5カ所で高架橋が破損しており、名古屋―広島間で運転を休止している。JRの在来線、私鉄各線も各地で列車の脱線が相次いだ。また、橋げたなどの損傷のために運転マヒ状態になっている。
道路では、阪神高速道路で神戸、西宮両市の7カ所で橋げたが落ち、走行中の車数十台が次々に落下。西宮市では、橋げたの支柱が根元から崩れ、橋げたが約100メートルにわたって落下し、走っていたトラックなどが地面にたたきつけられた。また、橋げたの落下で、多数の車が下敷きになり死者も多数出ている模様だ。
NTTによると、神戸市内で交換機の異常があり、一部地区で電話がつながらなくなった。また全国からの通話が殺到し、兵庫、大阪、京都、愛知などへの電話はかかりにくい状態が続いている。
■100万戸が停電
電気事業連合会に入った連絡によると、地震の影響で神戸市を中心に100万世帯が停電になっている。また各地の原子力発電所に影響はなく、通常通り運転している。
注 気象庁は2001年4月23日、1994年以後のM6.0以上の地震を中心にマグニチュードを再計算、修正しました。この記事で「兵庫県南部地震」と表記されている阪神大震災のマグニチュードは7.3に修正されています。
PR注目情報
PR注目情報