危うい斜面 災害大国 迫る危機:朝日新聞デジタル

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危うい斜面 災害大国 迫る危機

 都市部の丘陵地を切り開いた造成地、地中深くが地すべりを起こす山間部。地震や風水害に頻繁に見舞われる日本列島には、揺れや大雨で崩れやすい「斜面」が広がっています。自治体の実態把握が遅れる中、「災害リスク」にどう向き合えばいいのか。現状と課題を探りました。
 全国各エリアの「地すべり地形・人工地形の分布が分かる地図」がページ下部にあります

大規模な地すべりの様子を捉えた動画

2004年8月、国道168号の地すべり(近畿地方整備局提供)

2004年8月10日午前0時15分ごろ、奈良県大塔村で大規模な地滑りがあり、国道168号が約120メートルにわたって崩落した。映像は、崩落が発生する瞬間。現地で監視していた国土交通省近畿地方整備局が衛星通信車に積まれたカメラで撮影した。

地すべり地形と人工地形

 下の地図でエリアを選択すると、そのエリア内にある地すべり地形や人工地形の分布が分かります。関連記事のほか過去の災害の記録もご覧いただけます。

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活断層地図の凡例

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地すべりは防災科学研究所の「地すべり地形データベース」、人工地形は国土地理院の土地条件図のデータから作製

過去に発生した斜面災害

▼他の地域

北海道

北海道 災害の原因・名称、発生日地すべり(気象状況は不明)1962年10月17日
災害規模バスが海中に押し出され死者14人(幅600m、長さ1千m)
発生場所(地名は現在)乙部町豊浜
災害の原因・名称、発生日低気圧による豪雨・土石流1973年9月23~25日
災害規模死者・不明者8人、家屋全壊99戸、半壊24戸(土石流6万8千立方メートル)
発生場所(地名は現在)知内町小谷石
災害の原因・名称、発生日有珠山噴火に伴う泥流1978年10月24日
災害規模死者・不明者3人、家屋損壊・埋没250戸
発生場所(地名は現在)有珠山周辺
災害原因・発生日豪雨による崖崩れ1990年11月5日
災害規模死者2人、重軽傷3人、家屋全壊2戸(崩落幅40m、高さ30m)
発生場所(地名は現在)函館市
災害の原因・名称、発生日地震による斜面崩壊1993年7月12日
災害規模死者30人、けが人9人、家屋全壊3戸(高さ50m、幅150m、 土砂量1万5千立方メートル)
発生場所(地名は現在)奥尻町

東北

青森県 災害の原因・名称、発生日十勝沖地震による山崩れ・地すべり1968年5月16日
災害規模死者33人
発生場所(地名は現在)八戸市(尻内、豊崎)、五戸町(豊間内、中森)、十和田市(伝法寺、奥瀬)、南部町(苫米地、剣吉、斗賀、虎渡)
岩手県 災害の原因・名称、発生日岩手・宮城内陸地震(最大震度6強)2008年6月14日
災害規模死者2人、重軽傷者37人。土砂崩れに巻き込まれ、奥州市の林道で20人乗りバスが、崖下に転落し、重軽傷7人。一関市祭畤(まつるべ)で80人、須川温泉で約100人が孤立
発生場所(地名は現在)岩手県内
宮城県 災害の原因・名称、発生日岩手・宮城内陸地震(最大震度6強)2008年6月14日
災害規模死者14人、行方不明者4人、住家被害1902戸(6市町)。栗駒山の荒砥沢ダムの周辺などで大規模な山崩れ発生
発生場所(地名は現在)宮城県内
秋田県 災害の原因・名称、発生日八幡平澄川温泉地すべり1997年5月10~11日(地すべり・土石流)
災害規模地すべり発生後、水蒸気爆発、土石流発生。死傷者ゼロ、澄川温泉の宿泊施設9棟、赤川温泉の7棟が全壊、宿泊客が全員避難
発生場所(地名は現在)秋田県鹿角市八幡平澄川
山形県 災害の原因・名称、発生日肘折地区地すべり、融雪による地下水の上昇2012年3月31日(県道亀裂)4月10日(県道崩落)
災害規模計13万m3程度の土砂が流れ、県道が崩落。銅山川も一時的にせき止められ、村道も冠水
発生場所(地名は現在)大蔵村肘折地区
福島県 災害の原因・名称、発生日東日本大震災・藤沼湖の決壊2011年3月11日
災害規模死者7人。1歳の男児は今も行方不明。住宅の全壊19戸、床上・床下浸水55戸
発生場所(地名は現在)須賀川市江花の藤沼湖

関東

茨城県 災害の原因・名称、発生日豪雨による土砂崩れ1961年6月29日
災害規模死者7人
発生場所(地名は現在)日立市
栃木県 災害の原因・名称、発生日東日本大震災2011年3月11日
災害規模全壊3棟、死者2人
発生場所(地名は現在)那須烏山市神長(かなが)
群馬県 災害の原因・名称、発生日突然の崩落。崩落の危険性指摘の場所1966年7月30日未明
災害規模3戸16人が生き埋め、うち5人死亡
発生場所(地名は現在)嬬恋村の笹平地区、崖の斜面下部にはJR吾妻線万座・鹿沢口駅
埼玉県 災害の原因・名称、発生日台風の影響による関東大水害1910年8月8~15日
災害規模山崩れ2870カ所、死者・行方不明者347人
発生場所(地名は現在)小鹿野町(赤平川)、秩父市(吉田川)、ときがわ町(都幾川)
千葉県 災害の原因・名称、発生日台風25号1971年9月6~7日
災害規模死者56人
発生場所(地名は現在)旧小見川町、銚子市など13市町
東京都 災害の原因・名称、発生日台風12号による土砂崩れ1991年8月20日
災害規模2棟が全壊。死者・行方不明者4人
発生場所(地名は現在)奥多摩町
神奈川県 災害の原因・名称、発生日台風12号による豪雨1989年8月1日午前3時過ぎ
災害規模崖崩れで3人死亡、救出中の消防署員3人が崖の崩落で死亡
発生場所(地名は現在)川崎市高津区

甲信越・静岡

新潟県 災害の原因・名称、発生日中越地震による土砂災害2004年10月23日
災害規模死者4人、負傷者1人、家屋全壊18戸、半壊27戸、一部損壊48戸
発生場所(地名は現在)長岡市、小千谷市、十日町市、魚沼市など
長野県 災害の原因・名称、発生日地附山地すべり1985年7月26日
災害規模死者26人、重軽傷4人、全壊55戸、半壊5戸
発生場所(地名は現在)長野市上松(地附山)
山梨県 災害の原因・名称、発生日台風26号による「足和田災害」1966年9月25日
災害規模根場地区で死者・行方不明者63人、近くの西湖地区で死者・行方不明者31人
発生場所(地名は現在)富士河口湖町の西湖の北側
静岡県 災害の原因・名称、発生日宝永地震(マグニチュード8.6)による「白鳥山の崩落」1707年10月28日
災害規模死者約30人(白鳥山が崩落し、富士川より東の長貫村全員が生き埋め)。崩れた土砂により富士川がせきとめられ、3日目に決壊。下流も被害
発生場所(地名は現在)富士宮市内房の白鳥山

東海

岐阜県 災害の原因・名称、発生日台風16号による「9・15豪雨」1999年9月15日
災害規模死者7人、行方不明者1人、全壊13棟、半壊19棟(河川の水害による被害含む)
発生場所(地名は現在)飛騨市周辺、郡上市北部
愛知県 災害の原因・名称、発生日集中豪雨による災害1972年7月12~13日
災害規模死者・行方不明者68人、全壊271棟、崩壊土砂量約200万立方メートル
発生場所(地名は現在)西三河地域(豊田市周辺)
三重県 災害の原因・名称、発生日台風21号による土砂災害2004年9月29日
災害規模死者・行方不明者7人、全壊11棟、半壊14棟
発生場所(地名は現在)大台町
静岡県 災害の原因・名称、発生日宝永地震(マグニチュード8.6)による「白鳥山の崩落」1707年10月28日
災害規模死者約30人(白鳥山が崩落し、富士川より東の長貫村全員が生き埋め)。崩れた土砂により富士川がせきとめられ、3日目に決壊。下流も被害
発生場所(地名は現在)富士宮市内房の白鳥山

北陸

富山県 災害の原因・名称、発生日集中豪雨2008年7月28日
災害規模土砂災害で孤立83戸。豪雨被害全体では、負傷者2人、全壊13棟、半壊10棟、床上・床下浸水280棟
発生場所(地名は現在)南砺市全域
石川県 災害の原因・名称、発生日能登半島地震2007年3月25日
災害規模土砂災害64件、家屋一部損壊2戸
発生場所(地名は現在)能登地方(輪島市、七尾市、志賀町、珠洲市、能登町)
災害の原因・名称、発生日集中豪雨2008年7月28日
災害規模土砂災害9件、家屋全壊2戸、半壊4戸、一部損壊1戸
発生場所(地名は現在)金沢市湯涌地域の山間部など浅野川上流域
福井県 災害の原因・名称、発生日福井豪雨2004年7月18日
災害規模死者1人、負傷者1人、崖崩れ29カ所、土石流91カ所、家屋全壊25棟、半壊45棟、一部損壊76棟、道路被害(斜面崩壊)33カ所
発生場所(地名は現在)嶺北部、足羽川流域

近畿

滋賀県 災害の原因・名称、発生日多羅尾水害・集中豪雨1953年8月15日
災害規模土石流などで死者44人、負傷者130人、家屋全壊40戸、流出8戸、半壊6戸、一部損壊18戸
発生場所(地名は現在)甲賀市信楽町多羅尾
京都府 災害の原因・名称、発生日南山城水害・集中豪雨1953年8月14~16日
災害規模水害全体で死者221人、行方不明115人、被害家屋5676戸。木津川、和束川流域の崩壊は1万5592カ所
発生場所(地名は現在)府南部の相楽、綴喜郡(井手町や和束町などが中心)
大阪府 災害の原因・名称、発生日台風10号の豪雨1982年8月1日
災害規模死者8人
発生場所(地名は現在)富田林市嬉、河南町平石
兵庫県 災害の原因・名称、発生日阪神大震災1995年1月17日
災害規模地すべりで死者34人、全壊13戸、半壊3戸
発生場所(地名は現在)西宮市(仁川百合野町、仁川町6丁目)
奈良県 災害の原因・名称、発生日紀伊半島大水害・台風12号による豪雨2011年9月3~5日
災害規模崖崩れなどで死者14人、行方不明者10人、家屋全壊49棟、半壊71棟、避難者数938人(ピーク時)
発生場所(地名は現在)十津川村長殿・野尻、五條市大塔町宇井、天川村坪内など
和歌山県 災害の原因・名称、発生日紀伊半島大水害・台風12号による豪雨2011年9月3~5日
災害規模水害全体で死者56人(うち災害関連死6人)、行方不明者5人、家屋全壊240棟、半壊1753棟、一部破損83棟
発生場所(地名は現在)那智勝浦町市野々・井関・川関地区、田辺市伏菟野・熊野地区、新宮市南檜杖地区、みなべ町清川地区など

四国

徳島県 災害の原因・名称、発生日台風10号による豪雨2004年8月2日
災害規模土石流により死者2人、家屋全壊1戸、半壊1戸。崩壊土砂量は50万~100万立方メートル
発生場所(地名は現在)那賀町坂州大用知
香川県 災害の原因・名称、発生日台風23号による豪雨2004年10月20日
災害規模土石流で死者4人、家屋全壊20戸、半壊8戸
発生場所(地名は現在)さぬき市の寒川町と大川町
災害の原因・名称、発生日台風17号による豪雨1976年9月11日
災害規模土石流などで死者24人、家屋全壊21戸、半壊2戸
発生場所(地名は現在)小豆島町谷尻地区
愛媛県 災害の原因・名称、発生日芸予地震2001年3月24日
災害規模崖崩れ14カ所、地すべり2カ所。家屋一部損壊2戸
発生場所(地名は現在)今治市山方町1丁目、内子町石畳、久万高原町直瀬、西予市三瓶町和泉、今治市大三島町野々江など
災害の原因・名称、発生日台風21号による豪雨2004年9月29日
災害規模死者10人、負傷者5人、被害家屋41戸。土石流36カ所、地すべり7カ所、崖崩れ41カ所
発生場所(地名は現在)新居浜市大生院など東予地方が中心
高知県 災害の原因・名称、発生日繁藤(しげとう)災害・集中豪雨1972年7月5日
災害規模幅170m、高さ80mにわたって山の斜面が崩壊。死者61人
発生場所(地名は現在)香美市土佐山田町繁藤

中国

鳥取県 災害の原因・名称、発生日台風12号による豪雨2011年9月2~4日
災害規模土砂災害で家屋全壊3棟、半壊3棟、一部損壊7棟。のり面崩落など道路被害約100カ所
発生場所(地名は現在)伯耆町、倉吉市など県中西部
島根県 災害の原因・名称、発生日梅雨前線による豪雨1983年7月23日
災害規模土砂災害による死者87人、家屋被害は全壊442棟を含め1448棟
発生場所(地名は現在)浜田市三隅町岡見(死者13人)、同市穂出町中場(死者15人)、益田市、江津市、川本町など県西部が中心
岡山県 災害の原因・名称、発生日台風19号による豪雨1990年9月17~20日
災害規模崖崩れなどで死者8人、負傷者8人、全壊8戸、半壊3戸、一部損壊49戸
発生場所(地名は現在)土砂災害による死者が出たのは岡山市北区横井上、里庄町新庄、玉野市上山田など
広島県 災害の原因・名称、発生日集中豪雨1999年6月29日
災害規模土石流などで死者31人、行方不明者1人
発生場所(地名は現在)広島市、呉市など主に県西部
山口県 災害の原因・名称、発生日集中豪雨2009年7月21日
災害規模豪雨災害全体で死者22人、重傷者13人、家屋全壊33棟、半壊77棟
発生場所(地名は現在)防府市など県内各地

九州・沖縄

福岡県 災害の原因・名称、発生日福岡沖地震による斜面崩壊2005年3月20日
災害規模153棟全半壊、全島民約700人が避難、重軽傷者19人
発生場所(地名は現在)福岡市西区玄界島
佐賀県 災害の原因・名称、発生日豪雨による土砂災害1962年7月8日
災害規模死者・行方不明者40人、家屋倒壊32戸
発生場所(地名は現在)佐賀県太良町大浦地区
長崎県 災害の原因・名称、発生日長崎大水害1982年7月23~24日
災害規模死者・行方不明者299人(7割以上が土砂災害による)
発生場所(地名は現在)長崎市一帯
熊本県 災害の原因・名称、発生日天草大水害1972年7月6日
災害規模死者・行方不明者123人(ほぼ全員が土砂災害による)
発生場所(地名は現在)上天草市姫戸町、同市龍ケ岳町、同市松島町、天草市倉岳町
大分県 災害の原因・名称、発生日大分県中部地震1975年4月21日
災害規模やまなみハイウェイ(県道)道路のり面や盛り土の崩壊
発生場所(地名は現在)大分県九重町など
宮崎県 災害の原因・名称、発生日台風14号による土砂災害2005年9月4~7日
災害規模死者11人、複数箇所で深層崩壊発生
発生場所(地名は現在)椎葉村、高千穂町、美郷町、宮崎市など
鹿児島県 災害の原因・名称、発生日平成5年鹿児島豪雨災害1993年6月12日~9月20日
災害規模死者105人
発生場所(地名は現在)鹿児島市北部など

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