【調査対象のワード】
- ガス
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一時、44万5千戸が供給停止
ガスを使えず、ホットプレートでホイル焼きを調理する飲食店=2011年3月16日、仙台市青葉区
「ガス」の検索数は3月12日午前10時にピークになりました。12日午後4時半時点で岩手・宮城・福島などで約44万5千戸が供給停止でした。
地震が起きたら
津波で大きな被害を受けた仙台市の液化天然ガス製造工場=2011年3月15日、仙台市宮城野区、同市提供
日本ガス協会は、地震が起きたときの行動について次のように呼び掛けています。
- 身の安全を確保
まずは机の下などに身を隠すなどしましょう。震度5相当以上の場合は、ガスメーターが自動的にガスを遮断します。慌てず落ち着いて行動しましょう。 - 揺れがおさまったらガスの火を消す
ガス機器を使っていた場合、火を消してからガス栓も閉めてください。 - 再び使うときには…
ガス機器周辺でガスの臭いがしないか、変形・破損などの異常がないかを確認しましょう。
- 身の安全を確保
- ガソリン
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「買いだめ」追い打ち
灯油を1人10リットル以内で在庫が尽きるまで販売するガソリンスタンド=2011年3月14日、岩手県釜石市
道路が寸断されたことで被災地にガソリンを供給できなくなりました。製油所の操業停止が相次ぎ、首都圏でも手に入りづらくなりました。利用者の「買いだめ」も追い打ちをかけました。「ガソリン」は3月14日以降断続的に検索されました。
ガソリン抜き取りに注意
約1キロ先の給油所から最後尾で給油を制限する看板を掲げる従業員=2011年4月13日、盛岡市
消防庁によると、樹脂製の灯油用給油ポンプを使って車からガソリンを抜き取ると、ガソリン自身が帯電して火災が起こるおそれがあり非常に危険です。二次被害を防止する観点からも控えてほしいと呼び掛けています。
- 電気
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405万戸が停電
避難所の歌津中学校。地震発生翌日の12日が卒業式の予定だった。停電の体育館には紅白幕が残っていた=2011年3月14日、宮城県南三陸町
東京電力が計画停電を始めると発表した3月13日に検索数もピークとなりました。3月12日午後5時時点で東北や関東地方の405万戸が停電していました。
グラッときたら…
節電のため照明を落としたソニービル=2011年3月14日、東京・銀座
東京電力によると、地震が起きたら使用中の電気製品のスイッチを必ず切りましょう。火災のおそれがあります。避難するときは、電気の消し忘れによる事故を防ぐために、分電盤のブレーカーを下げましょう。
東京電力「地震が起きたときは」懐中電灯で部屋全体を明るく
消防庁によると、アルミホイルにシワを入れて天井にかざし、下から懐中電灯で照らすと部屋全体を明るく照らすことができるそうです。停電時に活用できそうです。
- 水道
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140万戸が断水
大地震に備える トイレはどうする?
「水道」の検索数は3月13日がピークになりました。13日午後1時時点の断水は、茨城県47万戸、宮城県31万戸、千葉30万戸など少なくとも140万戸に上りました。
断水時、トイレどうする?
便袋式の携帯トイレ。内側に吸収シートがあり、便座にかぶせて使う=総合サービス提供
断水しても便器は使えます。災害用トイレとして便袋があります。吸水凝固シートがついた袋を洋式便器にかけて用を足す防災用品です。日本トイレ研究所では、さまざまな災害用のトイレを紹介しています。
日本トイレ研究所
関連記事「トイレはどうする? 健康に直結、便袋の準備を」バケツを使って洗浄も
下水管が破損していなければ、バケツなどに水をくみ、直接便器内に流すことで洗浄ができます。衛生陶器大手TOTOが、断水時の便器の洗浄方法について動画で紹介しています。トイレの種類によって必要な水の量は変わります。
TOTO「断水時のトイレの使用法について」
- 復旧
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JRは首都圏全線が運休
復旧作業が進み、真新しい電柱が並んでいた=2011年3月27日、宮城県南三陸町
3月11日夕方から自宅をめざす人が都心の主要駅に集中しました。JR東日本は、午後6時20分に首都圏の全線を終日運休にすると発表しました。午後8時40分に東京メトロ銀座線、都営大江戸線が再開。午後10時ごろから西武鉄道や京王電鉄などが次々と運転を再開しました。
このステッカーが頼りに
「災害時帰宅支援ステーション」のステッカー
内閣府によると、大地震が起きたときは、まず職場や学校など安全な場所にとどまることを考えます。帰宅の基本は「安全に」「自力で」「歩いて」。「災害時帰宅支援ステーション」のステッカーを貼ってある店舗などでは、水道水やトイレ、休憩の場などを提供しています。
- 風呂
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風呂
東日本大震災が発生した3月11日は、東北地方の季節は冬。避難所などでは「体が芯から冷える」などとして、風呂を望む人が多くいました。政府の「被災者生活支援特別対策本部」が2011年4月6~10日に実施した被災3県の避難所の実態把握調査では、「大震災以来、入浴できていない」と回答した避難所が全体の5%、「週に1度程度入浴可能」との回答が32%でした。
風呂を手作りした避難所も
岩手県陸前高田市の慈恩寺では、避難している人たちががれきの中からドラム缶を拾ってきて、手作りの五右衛門風呂を作りました。避難所での簡易風呂の作り方を紹介するブログもあります。
- 銭湯
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被災してもいち早く営業再開
途切れなく利用者が訪れる「鶴乃湯」。周囲には津波のがれきが残る=2011年4月19日、岩手県釜石市
ロウソクで銭湯営業=2011年3月17日、千葉県茂原市茂原の桜湯
岩手県釜石市の銭湯「鶴乃湯」は、浸水した1階部分から大量の泥やがれきを撤去して4月4日から営業を再開しました。経営者は「年々お客が減って、銭湯はこのまま消えゆく運命と思っていた。こんな形で皆さんのお役に立ててうれしい」と話しました。毎日、400人以上が訪れていたそうです。
営業する銭湯を紹介するサイトも
震災当時、「被災地で今すぐ入れる風呂」の一覧がインターネットで公開されました。発信しているのは、関西在住の銭湯好きでつくるグループ。手分けして現地に電話して最新情報を集め、連日更新したそうです。
- ヨークベニマル
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スーパーの再開、待ち焦がれた人々
時系列でみる災害食
ヨークベニマルに行列
福島県郡山市に本社を置くスーパーマーケット。被災当時、南東北と北関東に約170の店舗がありましたが、震災発生から数日たっても半数の店が休業していました。
最も多くの店を展開する福島県では、3月15日の時点で営業を再開したのは66店舗中37店。食料や生活必需品を買い求める人たちからは、「こんな状況の中でよく営業を再開してくれた」と感謝の声が数多く寄せられたそうです。
買いだめなどが影響、首都圏でも品不足
首都圏のスーパーでも、品不足や臨時休業が相次ぎました。食品工場の被災で商品を調達できず、交通網の乱れもあって物流センターからの出荷が滞りがちだったためで、一部の消費者のまとめ買いも影響しました。
農水省が緊急時に備えた食料品の備蓄リストを作っています。
農水省「緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド」
関連記事「時系列でみる災害食 好きな物、食べながら蓄えて」
- 炊き出し
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炊き出し各地で
支援物資がなかなか届かなかった被災地では、ボランティアらによる炊き出しも行われました。
災害時に役立つレシピ
非常時のレシピがネット上でも様々紹介されています。埼玉県では、女子栄養大学などの協力を得て作成したレシピをホームページ(非常食レシピ)で公開しています。
- 常備した食材・缶詰が利用できること
- 簡単・手軽に作れること
- 体が温まること
- 栄養面からみてもバランスが取れていること
が考慮されたそうです。
- 給水
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断水は最大で257万戸
生死分ける水の確保
厚労省のまとめによると、東日本大震災では19都道県の約257万戸で断水が起きました。断水戸数が最も多かったは茨城県で、総世帯の8割にあたる約80万戸が断水しました。
1日に必要な飲料は1人3リットル
仙台市が災害備蓄用に水道水を詰めて作ったペットボトル水
人間の体が必要な水分の量は1人3リットルとされています。備蓄の方法としては、ミネラルウォーターの買い置きのほか、水道水のくみ置きもあります。清潔でふたのできる容器(ポリタンク、ペットボトル、水筒など)に、目いっぱい入れて密閉して直射日光を避けて保存すれば3日程度、冷蔵庫に入れれば10日程度、飲むことができます。東京都水道局では備蓄のコツを紹介しています。
東京都水道局「くみ置く際の留意事項」
関連記事「生死分ける水の確保 1日に必要な飲料、1人3リットル」
- 高速バス
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2カ月で30万人輸送
高速バスの乗り場は仙台から他県に向かう人たちで、朝から長い列ができた=2011年3月19日午前8時21分、仙台市
震災後、復旧に時間がかかった新幹線や在来線に変わり、被災地とほかの東北各地や首都圏を結んだのは高速バスでした。国土交通省によると、震災後2カ月間で首都圏-東北地方間の31路線で30万人を輸送したそうです。
2カ月で30万人輸送
「全国避難所ガイド」のサービス画面(ファーストメディア提供)
地震発生時に、職場や出張先など住んでいる場所にいるとは限りません。そんなときにどこに避難すれば良いのでしょうか。ソフトウェア開発会社ファーストメディアの無料スマホアプリ「全国避難所ガイド」は、全国12万件の避難所を収録し、随時更新しています。現在地周辺の避難所を検索すると、道案内をしてくれます。
- IBC
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IBC
IBC岩手放送のサイトに開設された「IBC安否情報」=IBC岩手放送提供
「IBC」とは、盛岡市に本社を置く地元のテレビ・ラジオの放送局「IBC岩手放送」です。2011年3月13日に自社のサイト内に「IBC安否情報」を開設し、岩手県内の被災者の安否情報(生存者の名前、現在いる場所、住んでいた場所)を11年10月2日まで掲載していました。
3月11日夜にラジオでの岩手県釜石市の安否情報を読み上げたのをきっかけに、局に安否情報を放送してほしいという市民からの情報が集まり始めました。ラジオの放送とともに、いつでも調べられるようにとサイトでも情報を掲載することにしました。最終的に約2万5千人分の情報が集まり、3月中だけで600万アクセスがあったそうです。
- 宮城交通
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震災翌日に運行再開
津波と火災で跡形もなくなったミヤコーバスの気仙沼営業所。整備場と焼けこげたバスの残骸だけが残っていた=2011年5月1日、宮城県気仙沼市
宮城交通は子会社のミヤコーバスと合わせ、2016年2月現在で553台のバスで県内外を結ぶ高速路線と、地域路線を運行する県内最大手です。路線バスは震災翌日から仙台市内で運行を再開し、5月の連休明けには沿岸部を含めほぼ平常ダイヤに戻りました。ミヤコーバスは、気仙沼、古川、石巻の計3営業所が全壊または水没し、バス31台を失いました。
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11日14時46分 東日本大震災が発生
11日15時18-50分 太平洋沿岸各地に津波の最大波が襲来
11日18時20分 JR東日本が終日首都圏の全線運休を発表。帰宅困難者出始める
11日20時40分 東京メトロ銀座線、都営大江戸線が再開
12日3時20分 日本のすべての沿岸に津波警報と津波注意報を発表
12日7時11分 菅首相が福島第一原発に到着
12日15時36分 福島第一原発1号機が水素爆発
13日5時10分 福島第一原発3号機で原子炉注水不能に
13日17時58分 津波注意報解除
14日11時01分 福島第一原発3号機で原子炉建屋が爆発
14日17時ごろ 東京電力が計画停電を開始
15日8時56分 東京―那須塩原間で東北新幹線が4日ぶりに運転再開
15日13時10分 東京証券取引所で、日経平均株価が暴落
15日22時30分 静岡県富士宮市で震度6強を観測
16日8時 仙台と東京・新宿を結ぶ高速バスが再開
16日10時30分 消防庁が死者・行方不明者数が9千人を超えたと発表
16日16時30分 テレビ各局で天皇のビデオメッセージが一斉に放送
17日13時45分 海江田経産相が節電を求める談話を発表
17日16時 国交省が首都圏の鉄道各社に夕方のラッシュアワーの運転本数削減を指示
17日17時45分 みずほ銀行のシステム障害が発生。すべてのATMがダウン