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震災から4年。福島では依然12万人が避難しています。食、仕事、生きがい……。福島の今を映す数字はどれでしょうか。データをもとに歩いたルポとともにお伝えします。
2014年の福島県産米約1075万袋のうち国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を上回ったのは何袋でしょうか。
①ゼロ
全量全袋検査と呼ばれ2012年に始まった。全ての県産米が対象で1袋ごとに放射性セシウム濃度を調べる。基準値を超えると廃棄される。基準を超えたのは12年産米では71袋、13年産米では28袋だった。
福島県産米の作付面積と収穫量は回復傾向にある。震災直後は福島第一原発から半径20キロ圏内や計画的避難区域などで作付けが制限されたが14年産米は2100ヘクタールに縮小。新たに3900ヘクタールが制限解除に向け一部作付けが可能となった。
福島
宮城
岩手
福島
宮城
岩手
東大大学院の関谷直也・特任准教授は2013年4月、福島県産の食品についてのアンケートを全国の1万4091人に実施した。それによると、「特に産地を気にして購入することはない」と「積極的に福島県産を選んで購入している」が7割を占め、「積極的に福島県産は避けている」の3割を大きく上回った。
28.0% | 57.7% | 14.3% |
28.1% | 68.7% | 3.2 % |
積極的に福島県産は避けている | 特に産地を気にして購入することはない | 積極的に福島県産を選んで購入している |
(東大大学院の関谷直也・特任准教授が2013年4月に実施したアンケートによる)
関谷特任准教授は「7割の消費者が食べても良いと考えているのに、スーパーの棚に福島県産の食品が並ばないなど流通市場がいまだ回復していない。流通業者にこのような消費者の心理を認識してもらうことが大切だ」と指摘する。
「復興支援セミナー」で参加者と話す藤田浩志さん=東京都中野区
「福島県産の農産物の一部は、ようやく他県産と同じ土俵に上がりつつある」。2月中旬、東京・中野で開かれた市民向けのセミナーで、福島県郡山市の農家で野菜ソムリエの藤田浩志(こうし)さん(36)が強調した。一方、コメについては「依然、価格が低い傾向にある」という。
藤田さんは郡山市で20ヘクタールの水田を耕作する一方、郡山農業青年会議所のメンバーと2003年から取り組んでいる「郡山ブランド野菜」のニンジン作りをしている。
福島県産の農産物について「1、2年目は被災地の応援として購入してくれていた」と藤田さん。この1年ほどは、モモやブランド化に取り組んだ野菜などについては「他県産と対等に競い合うことができつつある」という。
ただ、コメは野菜などと違って特徴を出すのが難しく、厳しい競争を強いられているという。「コメが余ってきた場合、消費者が避けるのはまず福島県産だ」と感じている。
藤田さん自身、価格変動の影響をできるだけ避けるために、地元の酒蔵や家畜の飼料用として畜産農家に出荷する量を増やしている。「よい品質のコメを作って、まずは地域の業者の方からの信頼を得るしかない」と話す。
コメを店頭で精米して量り売りをする東京都墨田区の亀太商店を2月下旬、訪ねた。店頭には北海道から九州までのコメ約40種類が並んでいるが、福島県産はなかった。
仕入れた福島県産のコメを抱きかかえる市野沢さん=東京都墨田区の亀太商店で
副代表の市野沢利明さん(56)によると、震災前はコシヒカリなど3種類の福島県産を店頭に並べ、売り上げは全体の5%を占めていた。だが、震災後の2011年秋以降、店頭に出していない。「出しても売れない」からだ。
しかし、この1年ほどで変化があらわれた。福島出身者や都内在住でも応援したいという人から、「福島県産ないですか」と在庫を問い合わせる電話が月に1回程度かかってくるようになった。市野沢さんはこのような需要を逃さぬよう、14年産は「福島中通りひとめぼれ」300キロを仕入れて別室に保管。すでに120キロが売れた。
量り売り用のコメ約40種類が並ぶ店頭=東京都墨田区の亀太商店で
市野沢さんは「福島県産のコメは店頭販売は少ないが飲食店向けの業務用では出回っている。店頭に並べる予定は今のところないが仕入れは続けていく」と話している。
一部の設問の設定と解説について、開沼博氏への取材を参考にしました。
取材:笹円香、山本晋 制作:中西鏡子、上村伸也
全国の地すべり地形と人工地形の分布マップを掲載
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全国の活断層マップを掲載。震度予想データも
日本が抱える原発問題。16原発の放射能拡散予測も掲載
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