160号 テイスティングコメント 【後半/全2回】 | WHISKY Magazine Japan

160号 テイスティングコメント 【後半/全2回】

November 17, 2019 | 0 Comments


from Issue 160

テイスティング:ロブ・アランソン、リンジー・グレイ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

トマーティン 50年  50年  45.3%

  • 蒸溜所名: トマーティン蒸溜所
  • 地域: ハイランド
  • 価格帯: £181-
  • 入手可能場所: 全世界

ロブ・アランソンSCORE9.0

香り
最初は、モルトと木の香りがたっぷり。伐採したてのオーク材から、納屋で何年も風に晒した丸太の匂いまで感じさせる。やがて砂糖煮したフルーツの香りが旺盛に立ち上がり、特にリンゴとプラムのような匂いが印象的。瓶から取り出したマヌカハニーの香り。
フルーツ風味が増してきて、トロピカルな印象へと変化する。パッションフルーツ、鉄板焼きのパイナップル、モモ。チョコレートで包んだトフィーキャンディーの風味もある。
フィニッシュ
余韻は長く、みずみずしい。ドライに霧散するまで、フルーツとオークの風味が入れ替わりながら延々と余韻を響かせる。
コメント
本当にみずみずしいウイスキー。熟成の成果を感じさせるが、フルーツ香が全体のバランスをまとめている。

リンジー・グレイSCORE8.8

香り
濃厚な塩キャラメルに浸したホブノブビスケット。ココナッツファッジ、オレンジマーマレード、イチゴ味の子供用歯磨き粉。その後からバーベキューで焼いたバナナと洋ナシの砂糖煮を思わせる印象がある。喜びに満ち溢れたフルーツ香の競演。
砂糖煮した核果をシロップの中でぎゅうぎゅう詰めにしたような味わい。サワープラム、アーモンドクロワッサン、弾けるようなブルーベリーの味わい。フローラルな風味が波のように押し寄せる。ラベンダー入のバタークリームやモクレンのような香り。
フィニッシュ
複雑で重層的な面白い余韻。軽やかでジューシーな感触と、オイリーな口当たりを残す。
コメント
複雑で多彩なフレーバーの競演。軽やかで、同時にリッチな味わいのウイスキー。まさに味覚のセンセーションを感じさせてくれる。



カテゴリ: 風味