格言再考-格言から益を得る

格言再考

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人生から一層の喜びを得るのに、格言は有用な道具となり得ます。格言は先人の知恵と言われているように、先人が失敗や様々な経験の中から得た教訓を簡潔に表現したものですから、それには深みがあり、強い印象を与えます。
   『義を見てせざるは勇なきなり』
とは至言です。勇気とは正しいことを行う強さだということがはっきり分かります。
   『虎穴に入らずんば虎子を得ず』
同じように、勇気を示すべきときがあることを、類推によってわたし達に納得させます。それは記憶に残り、わたし達の心を動かします。こうして格言は、知恵を生活に当てはめる力となります。

一般に知恵は経験を通して得られるものです。『経験は知恵の父』という格言の通りです。ですから、老人には確かに若者よりも知恵があります。また、『老人の死は図書館を焼失するのと同じ』とも言われているのです。しかし、知恵を得るためにいつも失敗や苦しい経験をしなければならないというわけではありません。先人の知恵を学んで当てはめるなら、苦い経験を経ずにその知恵を得ることができるのです。『失敗は成功のもと』といいますが、失敗せずに知恵を学べるのです。そして、その知恵が成功をもたらすのです。

それでも、格言から真に益を得るには格言というものを正しく評価し、また理解しなければなりません。では、以下のことを考察してみましょう。

情報化社会と格言
情報化社会の中で格言はもう古臭いのでしょうか?情報が氾濫している社会にあって本当に必要な益となるのはどんな情報なのでしょうか。現代社会における格言の意味を一緒に考えて見ましょう。
格言は全て真実か
『昔から言うことに嘘はない』とよく言われます。では、格言は全て真実といえるのでしょうか?もしそうでないとすれば間違った格言にはどんなものがありますか。どうしたら真実か否かを評価できるでしょうか?
格言はどんなことを語っているか
どんな格言を思い出せますか?幾つか例を上げて考えて見ましょう。そうすると何か見えてくるものがあるあるかも知れませんね。
格言を正しく理解する方法
格言は正しく理解して初めて役に立ちます。では、どんなことを念頭に置いたらよいでしょうか?誇張法、類推、比較など一般的な表現方法などについても考えてみましょう。
格言から真に益を得る方法
格言の辞書的な意味を暗記してもあまり益とはならないでしょう。では、真に益を得るにはどうしたらよいでしょうか?幾つか例を上げながらじっくり考えて見ましょう。

*ここで言う格言とは、深い経験を踏まえ、簡潔に表現した戒めの言葉。人生の真理や処世術などを述べ、教えや戒めとした言葉。昔から人々の間で言いならわされた、教訓などをもった簡潔な言葉。ことわざ。

今週の格言」の例を幾つか挙げてみましょう。

《今週の格言-例1》『病は気から。』
このことの真実性は医学的にも認められてきています。ストレスに起因する病気は約80%と言われています。怒りや消極的な感情が身体的に有害であることも明らかになっています。反対に、穏やかさや喜びは健康に寄与するのです。病気になっても希望を捨てないなら、直る見込みはずっと高くなるのです。
━Check Point━
 □①精神と病気の関係を認める。
 □②消極的な感情を避ける。
 □③穏やかさや喜びを保つ。
 □④病気になっても希望を捨てない。
 □⑤

「病は気から」
病気は気の持ち方一つで悪くもなり、良くもなる。
▼英文
Fancy may kill or cure.
(幻想は殺したり治したりする。)
《今週の格言-例2》『論語読みの論語知らず。』
知識を得ても実行しないなら知らないのと同じです。知識は実践して初めて価値があるのです。では、知識を取り入れましょう。それを理解するようにしましょう。そして、何よりもそれを実践するように心がけましょう。そうするとき、それはあなたに益をもたらすのです。
━Check Point━
 □①実行しないなら知らないのと同じ。
  □②知識を取り入れて理解する。
 □③それを実践するように心がける。
 □④
 □⑤

「論語読みの論語知らず」
書物の上のことを理解するばかりで、これを実行し得ない者にいう。
▼英文
Practice what you preach.
(あなたの説教することを実践しなさい。)
《今週の格言-例3》『井の中の蛙大海を知らず。』
宇宙的な視野に立ってものをみたいと思います。それには何が必要でしょうか。まず、広い心が大切です。新しい考えや他の人の意見をとり入れる広さです。それには謙遜さも関係しています。自分は何でも知っているという尊大な態度ではなく、自分は何も知らないという謙遜さです。さらに、学んで成長したいという意欲も大切です。では、常に学び続けましょう。
━Check Point━
 □①広い心をもつ。
 □②謙遜な態度を失わない。
 □③学んで成長する意欲を保つ。
 □④
 □⑤

「井の中の蛙大海を知らず」
考えや知識が狭くて、もっと広い世界があることを知らない。世間知らずのこと、見識の狭いことにいう。
■広い心(open mind)
先入観や偏見を捨てて、新しい考えを受け入れる開かれた精神態度。
▼英文
He that stays in the valley shall never get over the hill.
(谷にとどまる者は決して丘を越えることはない。)
《今週の格言-例4》『盗人にも三分の理。』
どんなことにも理屈はつけられるということ。もちろん、盗みを正当化する理由はありません(情状酌量すべき根拠はあるとしても)。という訳で、人は自分を正当化する点では達人なのです。では、自分を正当化する傾向に欺かれないようにしましょう。一方、他の人の過ちを情状酌量すべき根拠には目敏くありましょう。
━Check Point━
 □①誰でも自分を正当化する点では達人。
 □②自分を正当化する傾向に欺かれない。
 □③他の人の過ちに洞察力を示す。
 □④
 □⑤

「盗人にも三分の理」
どんなに筋の通らない事にも、理屈をつければつけられるものである。
■情状酌量すべき根拠
うっかりしていた、勘違い、考え事していた、問題を抱えていた、体調が悪い、その他の事情etc.
《今週の格言-例5》『毒を以て毒を制すべきか。』
これは世の中の一般的な方法になっています。仕返しは普通のことなのです。しかし、これは明らかに正しくありません。正しいことわざに、「善で悪を征服する」というものがあります。そうありたいものです。他の人の悪故に、自分が悪を行う必要はないのです。では、常に善を行い、親切にし、平和を求め続けましょう。
━Check Point━
 □①仕返しをしない。
 □②常に善を行う。
 □③誰にでも親切にする。
 □④できる限りすべての人に平和を求める。
 □⑤

▼英文
Keep conquering the evil with the good.
(善で悪を征服し続けなさい。)

今週の格言

今週の格言にはどんな意味がありますか。
今週の格言は真実ですか。
どんなときに当てはまりますか。
他に関連した格言がありますか。
本当に真理を理解しましたか。
今週、この格言から益を得ましたか。

格言入門診断テスト

診断テストはあなた自身を客観的に見る助けになります。正確な診断のために良く考えて答え、そして、診断結果に沿って良心的に努力しましょう。きっとあなたの幸福は増し加わることでしょう。

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