今週の指標 No.989 - 内閣府
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今週の指標 No.989 東日本大震災により大きな影響を受けた関東地域の消費行動

ポイント

2011年4月28日

  1. 3月11日の東日本大震災の発生は、一時的に消費者の買いだめ行動がみられた一方で、消費マインドの冷え込みや自粛ムードを招き、それまで持ち直しの動きがみられていた個人消費を引き下げる方向に働いた。

  2. 消費マインドの冷え込みについては、内閣府「消費動向調査」によれば、3月の消費者態度指数は38.6ポイント(季調値)となり、前月差▲2.6ポイントと過去最大の低下幅となった。 ここで、各地域の消費者態度指数の低下幅のうち、どの程度が震災の影響によるものかを見るため、震災後に回収した回答による指数の低下幅と、震災前の回答での低下幅の差を検証すると、関東及び東海地域で低下幅が大きく、直接被災した東北地域以上に震災の影響が大きかったことが分かる。 このうち、最も低下が著しかった関東地域について、指数を構成する意識指標毎に要因分解してみると、震災の影響による今後の「暮らし向き」(▲1.0)、「耐久消費財の買い時としての判断」(▲0.9)の悪化が、主に指数を引き下げたことがうかがわれる(図1、2)。

  3. 他方、震災直後の消費者の買いだめ行動については、内閣府経済社会総合研究所によるアンケート調査で、震災及び原発事故後に消費者が実際に取った行動をみると、今回の震災を機にペットボトル・電池等生活必需品の購入を行ったと回答した者が20.2%、保存食・非常食、非常用持出袋等防災用品の購入を行ったと回答した者が14.3%に及んでいる。これを県別でみると、特に関東地域で33.9%の者が震災を機に生活必需品の購入を、21.3%の者が防災用品の購入を、それぞれ行っており、全国的にみても高い比率の者が買いだめ行動を取っていたことが分かる。ただし、調査を実施した3月下旬の時点でも行っている者はそのうち1割に満たず、比較的冷静な対応に戻ってきている様子がうかがわれる(図3、4)。


図1.地域(ブロック)別の消費者態度指数
図2.関東地域の消費者態度指数低下の要因分析
図3.震災・原発事故を受けての生活必需品の需要行動
図5.震災・原発事故を受けての防災用品の購買行動
問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付
成田 浩之 直通 03-3581-1392
政策調査員(経済社会総合研究所-研究官室)
川原 健太郎   直通:03-3581-0930

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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