2022-10-23 Sun
Moi!昨日はずっと曇りの陰鬱なお天気でしたが、今日はいいお天気に恵まれています。最高気温は5度で、なんかもう冬ですよね。
さて、先週ヘルシンキに行ったときに気になる美術館の展示に行ってみました。Kamppiショッピングセンターの近くにあるAmos Rex美術館です。この美術館はセイナヨキの新しい図書館、Apilaの設計も手掛けているのです。外から見るとこんな感じ。
美術館は地下にあるのですが、地下におりる窓から外の様子も見えます。
天井にはスカイライトがあり、自然光が入ってきます。
天井の雰囲気もよいですよね。
今回のHans Op de Beeck展、すごくよいという口コミを見かけて何の気になしに行ったのですが、美術館の外に列ができていて入場制限がされていました。秋休みで学生も多かったせいもあると思われます。これは見終わった後に撮ったものですが、私が並んだときはもう少し列は長く、30分ぐらい待ちました。待っている時に中東風面立ちの若い女性グループから”これは何の列ですか?”と聞かれました。ええ、フィンランドで並んでまで待つというのは珍しいですからね。美術館だと答えると納得してどこかに行ってしまいました。
展示室に踏み入れたらそこはモノトーンの静寂の世界が広がっていて、圧倒されました。
Tatiana (soap bubble)という作品。一瞬本物の人かと思うような、シャボン玉を丁寧に持った少女像。少女の上にはシャボン玉もあるというリアルな作品。
こちらはThe Settlementという作品。日本にもありそうなひっそりと存在する海辺の街。どこか郷愁を誘うような魅力に見入ってしまいました。
暗い中に灯る灯りの温かさとか。少し建物が朽ちている感じも細やかに表現されていました。
The Cliffという崖の上に座った14歳の少女と少年の作品。解説によると少年は少女に熱い視線を送っているのに少女は少年のことを見ず、前の恐らく水平線をまっすぐに見つめているアンバランスさ。洋服の質感とかも見逃せません。
彼の作品はどこか寂寥感漂う作品が多いです。この少年もビー玉遊びに興じているはずなのに、どこか手持ちぶさたのようなちょっと寂しそうな表情、と思いきや解説によると目を閉じて集中しているのだそうです。
がいこつの上に止まる蝶。静物画のようなぶどう、本のどっしりとした感じも伝わってくる不思議な作品でした。
The boatmanという作品。ボートをこぐ少年の筋肉や角度、躍動的でした。
BGMもないモノクロの空間の真ん中にあるメリーゴーラウンド。Op de Beeckさんはこれを馬鹿気た悲喜劇の演出だと考えているとのこと。
よく見たらがいこつと化したパラソルを持った女性が立っていたりするのですよね。
この作品の正式名称はMy bed a raft, the room , the sea and then I laughed some gloom in me。Op de Beeckさんは子どもの頃ベッドがいかだで、海に浮かんでいることを想像していたそうです。
枕のふかふか具合とか、ブランケットの皺、ナイトテーブルに置かれた小物などの再現性に妥協なし。
Brianという作品で、この少年中は瞑想中とのこと。手には水晶玉を持っているのですが、この後ろ姿の肉付きとか自然過ぎて実は白塗りの生きている人間が座っているようにも見えたのでした。
The Silent Pianoという作品。鍵盤が全部白。そのせいか中世の古いお城にあるピアノを想起しました。
等身大やミニチュアの作品が多かったのですが、これは巨大ケーキでした。スポンジの感じもふわふわに見えてくるから不思議。Happy Birthdayという作品。
Stargazingという作品。周りを水に囲まれた岩山のてっぺんにはツリーハウスがあります。岩山には頂上に上るための階段があり、これも細かいのです。
もう1度行ったらまた違った発見がありそうなおもしろい展示でした。
ミュージアムショップにはマリメッコ商品も売られていました。
今回の展示は写真ではなかなか細やかな再現性は伝わらないと思うので、もし興味があり、観に行けるなら足を運んでいただきたいです。並んだ甲斐がありました。
ということで皆様、引き続きよい週末をお過ごしください。
忍耐強く待てる方も、列に並ぶぐらいなら別の方法を考えるタイプの方も
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