2021-10-30 Sat
Moi!今日も典型的な北欧の晩秋のどんよりとした曇りが続いた1日でした。最高気温は10度。先週末は最高気温が1度だったのが嘘のようです。
さて、先日仕事関係の方にメールを送ったところ、ご不幸があって休みを取っているという簡単な返信がきました。”今まで働き過ぎていたから、仕事は他の人に任せてゆっくり休んでください”と拙いフィンランド語で簡単なメールを送ったところ、数日経ってその方から電話がかかってきました。私のメールを読んで本当に働き過ぎていた、休まなければならないと思ったと痛感し、そのお礼の電話だったのです。
驚くと共に、フィンランド語もちょっと怪しい移民の私にお電話くださったことがとても嬉しかったのです。その人は私の得意なこと、苦手なことを見抜き、ストレスのない程度に仕事をくださる、気遣いのできる人。私を移民ではなく一個人として評価してくくれる人と出会うと本当に有難いことだと思うのです。
でも実際は色々な人がいる訳で。
例えばこちらに来たばかりの頃、当然フィンランド語はほとんど理解できず。その時にある人が絵本を何冊くれました。もらっておきながらなのですが、絵本を読み進めようとしたのですが早々に断念しました。辞書を引いて意味がわかってもおもしろくなかったのです。(心が汚れている…?)
以前”オレンジデイズ”のドラマを観ていた時にうまいなぁと思ったシーンはこんなストーリー。
主人公の大学生は世界的な活躍が期待されていたバイオリニスト。でも不幸にも聴力を失い、色々なことに投げやりになる。
一方同じ大学の手話サークルの先輩は授業中に彼女に手話通訳をしてあげたり、それに加えてなんとか主人公を励まそうとする面倒見がよくて”親切な”人。ある日その先輩は目を輝かせて主人公に”(あなたのために)聴力がなくても練習に来てもいいと言ってくれるオーケストラを見つけてきたわよ”と告げる。
そしてそれもいいかと練習に行ってみる主人公。実際のオーケストラは素人の集まりで主人公のレベルとは雲泥の差。主人公はこんなレベルの人と一括りにされたと傷つき、オーケストラ団員も彼女の技術に舌を巻き、明らかにレベルの差に場が凍るというエピソード。
手話サークルの先輩は”その人のことを思って”苦労してオーケストラを見つけました。でもその先輩は主人公を個人としてではなく”聴力のないバイオリンを弾いていた人”としか認識していなかったのです。
でもこういうことって日常でもよくあることのような気がします。同じような立場に立ったことのない人はなかなか想像しづらいですもんね。私に絵本をくれた人も言葉で苦労した生活をしたことがなかったのかもしれないし、そんなに深く考えずに思いつきでくれたのかもしれません。
ちなみに学習障害がある子どもを教えている友達は私にCDつき絵本をくれました。それはとても興味ありました。それは日本語でもなじみのあったムーミンだったから。
一方私はどうかというと、先日FacebookのMarket Placeであるものの売買が成立し、その人が家にその品物を引き取りに来ることになりました。買ってくれる人はロシア人男性。Facebookの投稿はロシア語のみ。しかもメッセージで値引きを依頼され、住所の聞き方も乱暴。ちょっと取引の時は注意しなければと構えていました。実際はただのフィンランド語があまり話せないだけの人で問題なく受け渡しができ、ちょっと疑って悪かったなと反省したのでした。
まあでも自分の身は自分で守らなければならないので、初めて会う人はある程度はフィルターをかけて対応した方がいいこともありますよね。でももしその人とやりとりが続く場合は肩書きやグループのフィルターをなるべく取り去って、自分の中のその人の情報を編集しながら一人の人間として向き合いたいなと思ったのでした。
最後の写真は本文と関係ありませんが、この湖のように澄んだ心を持ちたいものですが、なかなか。
ということで皆様、よい週末をお迎えください。
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