Visit Lakeus 2016年04月13日
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Author:Visit Lakeus
フィンランド中西部在住。
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価格競争
Moi!

昨晩はオーロラアラートが上がっていたようですが、段々この時期になると暗い時間が減ってくるのでアラートが上がってもオーロラが見えるチャンスは減ってきます。今日は朝から晴れ。気温は少し肌寒い7度です。

こちらに来て思うことは働く人が大切にされているということ。基本的に残業をしないワークスタイル、長い休暇(夏休みは4週間から6週間)など。家人の働きぶりを見ていると人件費もしかり。例えば先日PCにオフィスの設定をしてもらったのですが、請求額は結構な金額でした。もちろん技術的な知識が必要だろうし、設定中の待ち時間は拘束されている訳だから仕方ないと思います。そして請求がくればその正当な対価を支払うスタイル。

そういえば以前家人の車の修理を出した時、故障の原因がきちんと特定できないのにあまり関係のないパーツをスウェーデンから輸入してこれまた結構な額の請求をもらいました。その後、しかるべきところに頼めばかなり格安で、しかも確実に直ることがわかったので、私はもっと値引きを交渉すべきだと家人にプレッシャーをかけた助言したのです。その時に印象的だったのは”彼らもそれなりの時間をかけているのだから、その対価は支払うべきだ”と。その時にもこの国の人達の、働いている人へ敬意のようなものにはっとしたのでした。

昨日は新たなサービスを始めようとしているフィンランドと話していたのですが、同じ姿勢を感じました。そのサービスには外部のサービスも含めてのパッケージになり、話を聞いているとどうもその外部サービスの通常価格に自分達の手数料も上乗せしていくのでどうしても値段設定が高くなっていく模様。

この辺り本当にバランスが難しい。もしこのサービスが国内に限られているならそんなに価格のことは気にしなくてもいいかもしれません。なぜなら人件費が高く、またそれが保護されているのを皆理解しているから。裏を返せば自分達も守られているという安心感もあります。ただこれがグローバルな観点で闘おうとするとひずみが生じてくるような気がします。

例えばフィンランドの国鉄のVR。VRは長年独占企業だったので高めの価格を設定していました。ところが(海外資本ではないのですが)格安長距離バス、Onni busが出現して多くのお客さんがOnni busに流れました。今まで片道50ユーロぐらいするセイナヨキ-ヘルシンキの価格が最安値でたったの2ユーロ、普通でも10ユーロ前後で行けるようになったので、その衝撃、おわかりいただけるでしょうか。そして結局VRもこの度大幅な人員削減と大胆な価格値下げに踏み切り、こうして価格競争が始まったのです。

今政府が頭を悩ませているのは、長年守られてきた働く人のよい環境。今の状態をキープしていけばますます国際競争力は弱まるばかり。ただ働く方としても、条件がよくなるのは大歓迎ですが悪くなるのは大反対。”何で働いている人にしわ寄せがきて、働いていない人達が厚遇されているんだ”という意見なども。フィンランドもこれからが正念場のようです。

最後の写真はこんな日常の些末なことも忘れさせてくれる昨日の川の様子。この辺りは一般道より少し低いところにあるためまだ雪が残っています。春まで後一歩。
雪の残る川

ということで皆様、よい一日をお過ごしください。

労働者のリベンジの手段の一つがストライキ。特に輸送関係の会社にこれを行使されると痛い。雇用者側と労働者側の諍いに利用者を巻き込まないでほしい、というのが本音です。
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フィンランドの生活 | 14:55:18 | トラックバック(0) | コメント(0)
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