2014-05-07 Wed
Moi!まだ少し肌寒い日が続きます。お天気がいいのがせめてもの救い。室内にいると陽射しも強く、暖かいのでそのつもりで外に出ると空気の冷たさにびっくりします。目標は10度越え、といったところでしょうか。
さて、昨日に引き続きロシアのViipuri(英語名Vyjorg)の旅行記を綴ってゆきます。今日ご紹介するのは、この旅のメインの目的だったアルヴァ・アールトの設計した図書館についてです。
Viipuriの図書館は1927年にアールトの設計がコンペで選ばれました。最初は北欧古典主義に基づく設計だったのですが、1933年に建てられる場所も変更になり、再度設計し直し、現在のモダニズム建築となったそうです。完成したのは1935年。当時はまだフィンランド領でした。
第2次世界大戦で被害は受けなかったものの、その後メンテナンスがきちんとされなかったため、ひどい状態になったそうです。実際改修前にViipuriを訪れた人達は、口をそろえて見るに耐えないぐらいボロボロだったと言います。この改修プロジェクトに携わっている方から改修前の写真をプレゼンで見せてもらったのですが、白が特徴の壁はボロボロ、おまけに床の一部はとてもロシアチックな派手な模様に変えられていたり、ただただ言葉を失うばかりでした。
そこで1992年にAlvar Aalto Clubとフィンランドの環境省が音頭を取り、この歴史的に価値のある建物を改修しようということになりました。その資金はフィンランド内ばかりでなく、スウェーデン、ドイツ、スイス、アメリカ、スペイン、カナダ、もちろんロシアなどなど他国からもサポートを受けたそうです。そしてフィンランドの前大統領
アールトの図書館は緑に囲まれたところに建っていて、手前にはこのようなヘラジカの像が迎え入れてくれました。
そして、そしてお待ちかねの図書館が近づいてきました。
入口のところにはロシア語と一緒にフィンランド語でも”Viipuri市図書館”と記載されています。
美しい白さ、新しさ。以前の状態のことを思うとなんだか胸が詰まる思いです。
まず一番最初に入ったのは1Fにあるホール。この写真は何度か目にするチャンスがあったのですが、イメージは白黒。それが自分の目の前に広がっているときの気持は言葉には言い表すことができません。
このうねる天井!しかもすべて木で構成されています。
ホールの奥に進むとこのようなスペースが。白と木のコントラストが斬新にも見えるのですが、見ていると落ち着くのです。
規則的に並べられたスツールと波打つ天井のコントラストも素敵でした。
こちらはホールの手前にあった待合の空間。この椅子、座り心地がよかったです。
1Fはこの大きなホールがあるためかクロークもありました。このクロークの女性が究極に愛想が悪かったです。
2Fに上がると貸出コーナーが広がります。一番に目に入ったのがスカイライト。セイナヨキの市庁舎では会議室に2個しか使われていないので、こんなに大量のスカイライトを見るとまたまたアドレナリンが上昇します。
こちらは読書スペース。天井が高いので圧迫感がありません。
そしてこの芸術的な手すり。
この人は誰でしょう、ではなくこの物体はなんでしょう?
答えは本用エレベーターなのだそうです。エレベーターまで木製とは心憎いですね。
本棚の上に鎮座する馬のぬいぐるみ。隣にはこの図書館のアルバムらしきものが。ちゃんと見ておけばよかったです。
そして場所は子どもセクションに移ります。このランプもおもしろい形をしています。子ども用なので低めのテーブルや椅子が置かれています。右に風船もありますね。
このテーブルがかわいい!
次は新聞・雑誌コーナー。ここにはゆったりとした机、そして向かって左側はPCが使えるようになっていました。
屋上にも行きました。実は右側の建物にスカイライトがたくさんあり、有志は梯子をよじ登って行くことができたのです。たぶん上るのは上れそうだったのですが、カメラの安全確保の自信がなかったのと、下りるときに惨事が起きそうな気がして諦めました。(高所恐怖症でなかったら)
クイズその2.この6本の白いポールは何でしょう?
答えは地面につる草の種を蒔いて、つる草が伸びてきたときにそれを巻きつけるためのポールなのだそうです。白い壁に緑が映えそうです。
図書館内ではカメラを片手に写真を撮っている人も何人か見かけました。是非是非この素晴らしい図書館がVyjorgの住民の方々に愛され、市民の憩いの場となればと思います。セイナヨキの図書館も今年の終わりまで改修工事が続く予定ですが、また新しく生まれ変わる図書館、今から楽しみです。
ということで皆様、よい一日をお過ごしください。
屋上に上らなくてよかったもう一つの理由は私の足の短さ。梯子と梯子の間が結構あったのです。これで納得、に
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