2014-05-06 Tue
Moi!昨日積もっていた雪もほとんど溶けました。まだ最高気温は10度に届きませんが、たぶん少しずつ春に向かって前進するものと思われ(希望し)ます。
先週末は2泊3日でロシアのViipuri(=ヴィボルグ)に行ってまいりました。一番の目的はアルヴァ・アールトが設計した図書館。アールトファンの人達18人のツアーでした。メンバーのうち、多くの方が既に現役を引退された人生の先輩方が殆ど。Wikipediaには載ってないような深いお話を聞くことができ、とてもためになり、楽しい旅行となりました。
このViipuriという街は歴史的に様々な出来事があり、フィンランド人にしてみると少し複雑な感情が湧き起こる街のようです。
その歴史はざっくり書くと、1718年から400年あまりの間スウェーデン領、その後、1721年から約400年の間はロシア領に。1917年のロシア革命後にフィンランドが独立宣言をし、Viipuriは1918年から1940年までフィンランド領となりました。この間、この街はTurkuに次ぐ第3の都市として貿易の地、国際交流の盛んな、また色々な国の文化が融合された豊かな街として栄えたそうです。アルヴァ・アールトの図書館ができたのもこの間のことです。しかしその後ロシアとフィンランドの間に冬戦争があり、その後この街は再びロシアの統治下となったのです。冬戦争の間、Viipuriの約7万人の住民はフィンランド西部に避難したのだそうです。ちなみにフィンランド語ではViipuriというのですが、英語表記はVyjorg。スウェーデン語からきているようです。
こちらはViipuriの駅です。
Viipuriはヘルシンキから電車で2時間半。ロシアに行くのは2度目でしたが、電車の中でパスポートをチェックされるのはなんとも不思議な気がします。ロシアにはビザが必要で、これがまたパスポートをロシア領事館に郵送しなければならなかったりとややこしいのですよね。今回はもう間に合わないかと思ったのですが、旅行会社の方の迅速な対応でどうにか参加することができました。
Viipuri駅に着いたらまずはパスポートコントロールを通過。ロシア人は一般的に愛想がない表情がないし、非常に官僚的で情け容赦のない威圧感が。今回はフィンランド以外のパスポートを持っていたのはアルゼンチン人の方と私のみ。しかも私はフィンランドの滞在ビザやら、パスポートが旧姓のまま(新姓は別ページに追記)だったりで、他の人よりチェックするところがたくさんあり、ちゃんと通してくれるかドキドキでした。税関では申請するものは何もないと言っているのに、行きも帰りもスーツケースを開けさせられました。行きはルーブルをいくら持っているかと聞かれたので、面倒なのでお財布の中を見せてあげました。別に怪しいものじゃありません。
こちらは駅の中。天井がとても高く、豪華。
こちらは駅の外観。
初めて踏み入れるViipuriの街。フィンランドでは見られない色合いが美しい建物もたくさんある一方、手入れがされないまま、廃墟と化した建物も街中にたくさんありました。Viipuriで一番有名なVyborg城。ガイドさんがとても丁寧に説明してくれ(逐次通訳入れて1時間半かかりました)たのですが、ふと見ると中の壁は一部剥がれたまま、電灯は2本あるうち1本は抜き取られたり、電灯が切れたままのものも。そういうのを見ると複雑な気持になりました。きっとフィンランドの人達にとってみればその思いはさらに深くなることでしょう。すんだことに仮説を立てても仕方はありませんが、それでも”もし”Viipuriが今もフィンランド領だったらこの建物はどうなっていたんだろう?と考えずにはいられませんでした。
剥がれ落ちた外壁。いつ改修されるのでしょう。
これは廃墟を逆手に取ったアート。実際の窓が絵に溶け込んでます。
こちらは1904年生まれ。あー、窓が…。
一方こんな素敵な色の建物も。このセンス、好きです♪
正面の建物は新しめ。右側の建物は古いのですが素敵でした。
この緑の建物もなかなか。後で見るといろんなアングルで何枚も通るたびに撮っていました。
この建物の窓のところに熊発見!
Viipuriの街は海に面しています。きづいたらあまり海の写真は撮っていなかったのですが、こちらはなかなか素敵です。左側が美術館になっていて、ちょうど5月6日までエルミタージュ美術館展をしていて、見ることができました!
看板もかわいいのです。
ロシアはとにかく物価が安いです!食事もおいしいし、お腹いっぱい食べて5ユーロ強とかで信じられない価格でした。
こちらはスーパーで見かけたサッカーをあしらったビール。
水は気をつけた方がいいみたいです。同室だった方のお友達。ロシアで生水は一切口にせず、歯磨きのときもペットボトルの水を使っていたのにシャワーのときに口に入ってしまったようで、何日も入院したそうです。その話を聞くまでは歯磨きぐらいなら吐き出すから大丈夫かと思ったのですが、その考えは捨て、しっかりペットボトルの水を使いました。おかげさまで何も問題なしです。
最後はスターリン像。ソ連崩壊後、多くのスターリン像は壊されてしまったので今では珍しいのだそうです。
Viipuriの旅行記はまたもう少し続きます。皆様、よい一日をお過ごしください。
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