2014-03-27 Thu
Moi!今週は雲一つない気持のいい天気が続きます。難点なのが埃っぽくなること。冬の間は雪もあったりで水分たっぷりだったのですが、道が乾いてくると一気に土埃が目立ってきます。そういうこともあり、自転車に乗るときはなるべくアスファルトの車道沿いを避けて、歩行者&自転車専用の道を通るようにしています。アスファルトは埃を吸収しませんが、土は埃を吸収してくれる包容力を持っていることに気付きました。
さて今週から約1週間セイナヨキの剣道クラブ、誠心剣会に日本から剣道の先生と4名の学生の方が来られています。先生は既にフィンランドだけで7回来られているベテランの方。フィンランドの毎回いろいろな地区に出向いて指導されているそうです。実はセイナヨキに誠心剣会が発足したのはごく最近なので、今回選ばれたのだそうです。私のフィンランド人の友人で新聞記者でもあるアンネの情報でこのことを知りました。アンネも半年ぐらい前から剣道を始めています。
私は幸運にもアンネの先生へのインタビューの通訳として同席させていただくチャンスをいただきました。先生は剣道の最高段の8段保持者だけあり、道を極め続けてきたからこそ語ることのできる貴重なお話をうかがうことができました。印象的だったのは、武道で大切なことは相手に対する思いやり。そして自分と対峙すること。相手に勝てばよし、ではなく対戦が終わっても相手に対する礼儀が重んじられること。礼儀は試合中ばかりではなく、日常生活にも深く関わっていること。
また心技体のバランスが取れて初めてよい剣道ができること。今ちょうどNHKの大河ドラマの「軍師官兵衛」にはまっているのですが、日頃から武道を極め、勉強を怠らず、目上の方を敬う、皆で一致団結して一つの目標に向かう、そのようなシーンの数々が先生のお答えを聞きながら思い出されました。武道は英語では”Martial arts"と訳されますが、まさに心と技と体が一体となった「芸術」だということを実感できます。
昨日はせっかくのチャンスなので練習を見学させていただきました。
誠心剣会をセイナヨキに設立したのはマルクス。実はマルクスはご近所もご近所、庭が隣同士という奇遇さ。それはさておき、マルクスが日頃メンバーの指導に当たっていますが、基本用語はフィンランド語ではなく日本語で教えているのも印象的でした。技術はもちろんですが、練習場に入るとき、出るときにはどのメンバーもお辞儀を忘れません。
こちらは素振りの様子です。素振りはすべての基本。皆真剣そのもの。掛け声も日本語でイチ、ニ…と言ってました。メンバーは学生から社会人まで色々。男性の長髪率が高かったのがフィンランドらしいところでしょうか。
こちらは防具をつけての稽古。先生はもちろん、日本の学生の方々もフィンランド人を積極的に指導していました。
最初はゆっくり。次は動きを早めて。でも基本の動きは同じです。
このように1時間半の稽古はあっという間に終わりました。無駄のない美しい動きは、茶道に通じるものを感じました。無駄のない美しい動きからくる改心の一本はまさに芸術でした。
先生のインタビューの答えの中で、フィンランド人も礼儀を大切にしてくれていると聞き、遠く離れた日本の伝統文化を重んじてくれているフィンランド人がいると思うと嬉しい気持になりました。私はまだまだ微力ではありますが、少しでもこのような素晴らしい日本の伝統的な文化、考え方などを伝えてゆくことができればと思わせてくれた素晴らしい経験でした。
最後の写真は稽古が終わっての風景。学校の校庭からですが、空が本当に美しかったです。この後星もキラキラ輝き、北部の街に向かっていた家人は運転中に大きなオーロラも見たそうです。
ということで皆様、よい一日をお過ごしください。
練習後はマルクスの家でのパーティーに参加させてもらいました。オーブンで焼いたお餅、ラーメンも好評でした、に
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