D・Cの超卵~(元)男子中学生のウルトラエッグ~ シン・ウルトラマン
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D・Cの超卵~(元)男子中学生のウルトラエッグ~

男子中学生(DC)の時に、ウルトラエッグ(超卵)を紹介する為に始めた
ウルトラマンシリーズの玩具紹介と最新作の感想を中心としたブログです。
管理人は社会人となり、ブログは10周年突破!ありがとうございます!

『シン・ウルトラマン』のBlu-rayが到着しました

DC超卵です
明日はいよいよ円谷プロ設立60周年記念日!
10年前に『ウルトラマンギンガ』のTV放送決定が発表され
ウルトラマンシリーズが復権したのも、円谷プロ設立記念日でしたねぇ。
今年のTV新作ウルトラマンの発表は、おそらく4/21でしょうし
個人的には「ツブコン」を発表すると予想していたのですが
そちらも既に先日発表されてしまいましたし
明日は一体、どんな特大発表が待っているのか。
それとも特に新情報は何も無いのか?w
楽しみですねぇ・・・

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本日は久しぶりに『シン・ウルトラマン』の話題!
それがコチラ!
シン・ウルトラマンBlu-ray !!!

昨年5月13日に劇場公開され、歴代ウルトラマン映画史上最高興行収入をたたき出した
大ヒット映画『シン・ウルトラマン』のBlu-rayが、円谷プロ設立記念日の4月12日に発売!
予約開始日に予約したら、北海道の僻地でもフラゲ出来ました・・・ありがとうございます・・・

『シン・ユニバース』としては前作にあたる、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が
21年3月に劇場公開され、8月にアマプラ見放題に追加。
その後、映像ソフトが発売されたのが23年3月という事で
劇場公開から映像ソフト発売までピッタリ2年かかった前代未聞の作品だったので
劇場公開→まずはアマプラ見放題追加という
『シン・エヴァ』と同じ道を辿っている『シン・ウルトラマン』も
映像ソフトの発売が滅茶苦茶遅くなるのでは・・・?と不安だったのですが
劇場公開から1年経たずに映像ソフト化、という
邦画にしてはちょっと遅いかな…?程度のスピード感で発売されましたね。

余談ですが、この本予告が公開されてからまだギリギリ1年経ってないんですよ。
なので、我々は外星人メフィラスに出会ってから、まだ1年経ってないんです。
君、存在感濃すぎない?



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『シン・ゴジラ』『シン・エヴァ』のBlu-rayと一緒に。
うーん・・・イイ・・・!
『シン・エヴァ』は、これまで出た『ヱヴァ新劇場版』と統一されたデザインなので
他の『シン』と揃わないのは仕方ないとして
同じ東宝配給の『シン』2作品は、統一感のあるパッケージなのがアツいですよね。
まだ気が早いですが、東映配給の『シン・仮面ライダー』のパッケージを
『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』と揃える事は可能なのでしょうか・・・?

本編ディスクも視聴してみましたが、Blu-rayなので当然高画質。
FireTVで見るアマプラ版と比べても、大分鮮明にクッキリ見えますね。
家庭で楽しめる最高品質の『シン・ウルトラマン』なのは間違いないと思います。

通常版にも収録されている特典ディスク①には
舞台挨拶や記者会見などの、主に資料的価値の高い特典映像を多数収録。
他にも多数配信されたCMや「M八七」のコラボPVまで入っていましたね。

そして1番楽しみにしていた、特別版限定の特典ディスク②には
特撮オタク待望のメイキングが多数収録。
イイですよぉ・・・これこれ・・・
メイキングを見たくてBlu-rayを買っているようなものですからね・・・

今回のメイキング映像は
①撮影メイキング -狭間の存在-
②CG Modeling Movie
③VFX Breakdown
 この3本。

①はその名の通り、ドラマパートのメイキングになっており
撮影中のキャストの皆さんのインタビューも盛り沢山。
そして何より、樋口組なので撮影現場の雰囲気が非常に和やか…w
他にも、このメイキングで初めての映像化となる
長澤まさみさんが撮影中に出会った、『初代マン』のレジェンドキャスト

ウルトラマン役:古谷敏氏のインタビュー&撮影風景。
シン』を制覇した男 竹野内豊氏のインタビューなども収録!
俳優の方が参加された特撮シーンのメイキングも収められており
さらに映画を深く楽しめる事間違いなしです。

②は外星人と禍威獣たち全員のCGモデルが360°収録!
これが本当の映像資料と呼ぶに相応しい特典ですね・・・
ウルトラQ禍威獣たちをくまなく見れるのも楽しいですし
エネルギー消耗時ウルトラマンのモチーフも判明します。
(モチーフがハッキリと明言されるのは、
何気に初かもしれません)

③は②で完成したCGを生かした、VFXシーンの製作現場の舞台裏。
古谷敏氏や庵野秀明が担当したモーションキャプチャーも見れますし
各シーンのCGモデル製作の舞台裏も見応え十分。
特殊撮影技術=特撮のメイキングとして楽しかったですね。



特別版には、16Pフルカラーの解説書も付属しており
メイキングの細かい解説も載っていて資料性抜群。
今回のBlu-rayは『シン・ウルトラマン』を100%堪能するには必携の
永久保存版アイテムと呼べるのではないでしょうか。
『シン・ウルトラマン』ファンは大満足間違い無しのアイテムでした。

それはそれとして・・・
解説書に庵野秀明インタビューが無いのが
庵野秀明ファンとしては少々足りない。
『シン・ゴジラ』と『シン・エヴァ』のBlu-rayにも
庵野秀明の新インタビューは掲載されていなかったので
期待はしていなかったのですが、やっぱりか・・・と。
『シン・ウルトラマン』について庵野秀明が語ったインタビューは
「シン・ウルトラマン デザインワークス」の最後の取材ページだけなので
もっと多角的に色々な観点で庵野が語るインタビューが読みたいんですよねぇ・・・

『シン・ゴジラ』は公開からしばらく経って発売された
定価1万円の巨大書籍「ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ」に。
『シン・エヴァ』は来月発売予定の総括書籍
「プロジェクト・シン・エヴァンゲリオン」に
それぞれ庵野秀明のロングインタビューが掲載されているので
『シン・ウルトラマン』もそういった書籍の発売に期待したい所。
というか、定価1万円超えでも構わないので
『ジ・アート・オブ・シン・ウルトラマン』が欲しい
ですね・・・
『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』は
『シン・ゴジラ』の全てが網羅された資料本として
非の打ちどころがない究極の一冊
でしたし
プロジェクト始動から、映画公開までの全ての工程が日付メモと共に語られている
庵野秀明 7万文字超ロングイタビュー
も本当に最高なんですよねぇ。

Blu-rayとこの「ジ・アート」が揃ってこその、『シン』シリーズなので
『シン・ウルトラマン』と『シン・仮面ライダー』も期待しております。
以上!『シン・ウルトラマン』Blu-rayのレビューでした。
それでは~
  1. 2023/04/11(火) 21:08:27|
  2. シン・ウルトラマン
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『シン・ウルトラマン』を振り返る ━ 貴方は【ウルトラマン】なの それとも【庵野秀明】なの? ━

DC超卵です
すっかり触れるタイミングを逃していましたが
『シン・ウルトラマン』から、にせウルトラマンがアーツ化決定。
映画本編でも微妙な違い過ぎて、見分けが付きませんでしたが
フィギュアでもやっぱり見分けが付きませんねw
写真を見た限り、関節機構がゾーフィと同じ仕様になっており
リピアー本人より動きそうなのがなんともw
首を付け替えれば、リピアーVer1.5として遊べるのかもしれませんが
ゾーフィは付け替えれなかったので、にせも難しいかな・・・


logo_shin-ultraman.jpg
2022年5月13日の公開から約4カ月。
先月の段階で、ほとんどの劇場での上映を終了した『シン・ウルトラマン』
興行収入は現在計測中との事ですが、40億円超えは確実であり
ウルトラマンシリーズの劇場版としては過去最高の興収を記録。
2022年上半期を代表する、大ヒット作品となりましたね。

もちろん自分も公開日に鑑賞し、鑑賞直後の興奮冷めやらぬ状態で
映画本編の感想と小ネタの感想という記事を2つ更新しましたが
実はその最中に、言語化出来ないモヤモヤが常に頭の中にありました。
あれから約4カ月。毎日そのモヤモヤと向かい合う中で
少しずつ、自分の中にある『シン・ウルトラマン』評を整理出来てきた…という事で
時期外れにはなってしまいますが
もう一度、『シン・ウルトラマン』という作品について
自分が感じた率直な想いをブログに残したい
と思いますので
お時間のある方は、最後までお付き合い頂けますと幸いです。
(※2022/09/11 初稿・2022/11/18 加筆・訂正しました)


●参考文献
 ・「ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ」(2016年、庵野秀明、グラウンドワークス)
 ・「シン・エヴァンゲリオン劇場版 劇場用パンフレット」(2021年)
 ・「シン・ウルトラマン デザインワークス」(2022年、庵野秀明、カラー)


    目次
    『ウルトラマン』の映画として
    庵野秀明の映画として
    庵野秀明の苦労


■貴方は【ウルトラマン】なの?


まず、今回の記事が作品の批判を目的としたもので無い事を伝える為
改めて自分の考えを強調しておきます。
自分は公開直後の感想でも、触れた通り

『シン・ウルトラマン』は与えられている役割を完璧に果たした
【ウルトラマンの映画】として
100点満点の傑作映画だったと思います。


『シン・ゴジラ』は、当時虫の息だったゴジラシリーズそのものを再生・復活させるべく
『ゴジラ』ファンはもちろんの事、『ゴジラ』に興味の無い一般客層も取り込む為に
1本の邦画として目新しいエンタメ要素を詰め込んだ娯楽超大作だったのに対し
現在ウルトラマンシリーズは、TV新作が10年連続で製作されるなど
56年の歴史の中で過去最高と呼んでもおかしくないくらい絶好調。

なので『シン・ウルトラマン』は、

近年の邦画にしては破格の予算による、超豪華キャストと大迫力の映像で
これまでウルトラマンに触れた事のない人の興味を引き
その上で、原点にして頂点である『初代ウルトラマン』の面白さを徹底再現した
超豪華なただの『ウルトラマン』の映画を見せる事で
少しでも多く人に、ウルトラマンの魅力を伝え広め
そして願わくば、これまでの歴代ウルトラシリーズに触れて
現行のTVシリーズのファンになって貰いたい。

そんな製作陣の意図が映画から自分は感じ取れましたし
その製作意図に忠実な素晴らしい映画に仕上がっていたと思います。
これが『シン・ウルトラマン』を【ウルトラマンの映画】として100点満点だった
自分が声を大にして言いたい理由。
こんな!超豪華なただの『ウルトラマン』の映画を
幼少期からずっと見たかったんですよ!!!



■それとも【庵野秀明】なの?

さて、ウルトラマンの大ファンとして大絶賛して来た『シン・ウルトラマン』ですが
15年間も熱狂的な庵野秀明信者を続けている自分
としては
この『シン・ウルトラマン』に満足出来ませんでした。
何故なら、この映画が庵野らしくないからです。

庵野作品の魅力といえば、何と言っても型破りな作風。
『シン・ゴジラ』は、邦画のお約束かつダメな部分をすべて廃する事で
今までの邦画に無かった、全く新しい見心地を提供。
それが多くの観客に衝撃を与え、爆発的ヒットを記録しました。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』も25年越しの完結編でありながら
決して日和ったり、安牌な方向性に走る事無く
再び賛否両論や議論を巻き起こすような、非常に尖った作品を届けてくれました。

では、『シン・ウルトラマン』はどうだったでしょうか?
ストーリーはTV本編の展開を完全になぞっており
自分のような『初代ウルトラマン』視聴済みのファンには既視感ばかり。
『シン・ゴジラ』が『初代』ゴジラをベースとしつつも
現代日本の風刺や、東日本大震災の隠喩を作品に盛り込んだ

ある種の社会派映画として、非常に高い完成度で仕上がっていたので
『シン・ウルトラマン』も、『初代ウルトラマン』の要素を生かしながら
現在の社会情勢とリンクするような、志の高い作品
を期待していたのですが

『シン・ウルトラマン』は、『初代ウルトラマン』を再現する事に注力し過ぎ
一般視聴者に訴求出来るような、テーマ性やメッセージ性は皆無。

庵野・樋口コンビが本気で『初代ウルトラマン』を再現した
という部分が映画の面白さのメイン
になっており
その文脈を理解していない非オタクが
初見で100%楽しめる映画とは言い切れないのも非常に残念。
個人的に1番残念だったのは、初見のインパクトが
『シン』シリーズ前二作より遥かに劣っていた事ですね。
内輪受けというか、『シン・ゴジラ』よりは確実にオタク向けの映画なんですよね。

『初代ウルトラマン』が『初代ゴジラ』程、深いテーマ性を内包していないので
『シン・ウルトラマン』も『シン・ゴジラ』よりエンタメ寄りになる。
という事なら、この方向性でも納得出来るのですが
『シン・ウルトラマン』はエンタメ映画としても、やや難有り。
例えば、映画のクライマックスとなるゼットン戦に向けた
人類の英知を集めた会議シーンは、何故かVRで拍子抜けしますし
ウルトラマンVSゼットン戦も、ただ体当たりしただけ終わってしまい
最終決戦の盛り上がりが、56年前の『初代ウルトラマン』TV本編に負けています。

そして本作をエンタメ映画たらしめる、最大のポイントにして
メインストーリーの中心を担う、キャッチコピーでもある
そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。の部分も
万人が納得出来るような展開・描写になっておらず、庵野作品らしくないなぁと。
登場人物のバックボーンや性格を描写しない作劇
しっかりと『シン・ゴジラ』から継承されていますが

これが『シン・ウルトラマン』のメインストーリーである 

外星人ウルトラマンと地球人の交流を描くにおいて相性最悪。

『シン・ゴジラ』は日本政府の構造とゴジラの対決がメインなので
尺を取るだけで邪魔な登場人物の内面描写を省いただけであり
『シン・ウルトラマン』は、人類とウルトラマンの交流をメインに据えるなら

『シン・ゴジラ』の真似事でドライな人間描写にするのでは無く
登場人物の内面などの描写=人間ドラマをもっと増やすべきでしょう。

初見の方に、この映画だけでそのテーマ性を伝えるには

圧倒的に描写が足りていなかった
と思います
よ、やっぱり。

他にも『シン・ゴジラ』で好評だった
無駄を一切省いたリアリティ重視のドラマパート
『シン・ウルトラマン』ではあまり継承されず

特撮的・アニメ的にデフォルメされた、幼稚な台詞回し・演出の連続。
長澤まさみさん演じる浅見の過剰な演出も賛否両論でしたよね。
他にも本作は粗を挙げ出したらキリが無いくらいで
邦画らしい残念ポイントが満載なのは、
『シン・ゴジラ』とは対照的。
どうもそこに、庵野秀明作品らしいロジカルな面白さが感じられなかったのです。


■余談:多忙過ぎて可哀想な庵野秀明


ウルトラマンの映画】としては、滅茶苦茶面白いのに・・・!
【庵野秀明が創った作品】としての見所が何も無い・・・!!!

それが、庵野秀明信者の自分が『シン・ウルトラマン』に納得出来ない理由
そして、ここまで読んで下さっている貴方は
きっと心の中で、あるいは口に出してツッコんでくれたハズ。

だって、『シン・ウルトラマン』って樋口監督作品だし。

そうです・・・!
それが1番納得出来ないんですよ・・・!!! 


決して樋口監督の事が嫌いな訳では無いんです。
むしろ樋口監督の特撮演出は今回も冴え渡っていました。
今回、自分が1番言いたいのは
庵野秀明が100%全力で取り組める環境で
『シン・ウルトラマン』を製作して欲しかった。

という事なんです。

庵野秀明が『シン・ウルトラマン』にどのように関わったか分かるのが
『シン・エヴァ』公開直後に放送された、「NHKプロフェッショナル 庵野秀明」。
現在、完全版がAmazonプライムビデオで配信中。)
『シン・ゴジラ』完成直後から、『シン・エヴァ』公開まで
庵野秀明の4年間に密着したドキュメンタリー番組なのですが
その番組の中で

・内容が気に入らず、全編脚本を書き直す庵野秀明
・その脚本の締め切りが近いのに、スタジオから居なくなる庵野秀明
・締め切り直前に再び脚本を書き直すと宣言する庵野秀明と
 それを聞いて、一気に顔色が悪くなるスタッフ  
などなど 

庵野秀明の自由奔放過ぎる身勝手な製作スタイル
NHKを通して改めて世間に知れ渡った事で、大きな話題になりましたね。
しかし、『シン・エヴァ』『シン・ウルトラマン』が劇場公開され
そして『シン・仮面ライダー』の公開が近づく中で
これらの衝撃シーンの編集が適切では無かった事実が浮き彫りになります。

大変話題になった、ス
タジオから突然居なくなる庵野秀明のシーンは
実は『シン・エヴァンゲリオン』の製作と並行して
庵野秀明が『シン・ウルトラマン』の脚本執筆やデザイン監修
さらには劇中CGのモーションアクターまで務め
それに加えて、『シン・仮面ライダー』の脚本や設定の監修を行っていた為。
庵野秀明は、決して自分勝手に製作スケジュールを遅延させていたのではなく
大作映画である『シン』シリーズを3本も掛け持ちする事になった苦労人なんです。

その中でも、9年も完結を待たせている『エヴァ』には特に力が入っており
ドキュメンタリーを見ている限りだと、『エヴァ』の作業に係りっきり。
その最中でスタジオから消えたりしていた時は
きっと『シン・ウルトラマン』と『シン・仮面ライダー』の作業があったのでしょう。

つまり、庵野秀明は
『シン・ウルトラマン』に100%全力で取り組めていない所か
『シン・エヴァ』と『シン・ライダー』も理想の完成度では無い可能性がある訳です。


現に、庵野秀明は『シン・ウルトラマン』の脚本・映像のクオリティ面で
どちらにも納得行かない、あるいは諦めた部分がある事

「デザインワークス」掲載のインタビューで明言していますし
『シン』シリーズ3本掛け持ちで疲れ果てた。とも発言。
【ウルトラマン生誕55周年】に間に合わせたかった気持ちは分かるのですが
【エヴァンゲリオンの完結】という最難関課題に加えて
『シン・仮面ライダー』も含めた、3本同時製作が本当に正しかったのかどうか?

『シン・ゴジラ』と同様、庵野総監督・樋口監督コンビで作られた『シン・ウルトラマン』は
今よりもさらに面白い作品になっていたのではないか?

決して叶う事は無い、IFの願いではありますが
舞台裏を知ってしまった以上、そう思まずにはいられないですし
『シン・エヴァ』も『シン・仮面ライダー』も
それぞれ1本ごとに集中して製作すれば、さらに完成度が高まったのでは?

庵野秀明ファンとしては、残念に感じてしまうのです。



という訳で、長くなってしまいましたが
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
【ウルトラマンの映画】として大満足した自分と
【庵 野 秀 明 の映画】として満足出来なかった自分の気持ちに
これで整理を付けられたかな、と一安心していますw
色々と粗の多い作品ではありましたが
見所の多さも一般的な映画とは比較にならない作品ですし
色々とツッコみながら見るのが1番な映画なのかもしれません。





興収は『ゴジラ』と『エヴァ』の約半分ではありましたが
『ウルトラマン』シリーズのファン層が広がったのは肌で感じますし
現行作品の『デッカー』に加えて、『Z』や『初代マン』を見てくれる人が増えた時点で
『シン・ウルトラマン』は大成功だったと宣言して問題ない
と思います。
あとは、庵野秀明の構想にあった、『続・シン・ウルトラマン』と『シン・ウルトラセブン』の
『シン・ウルトラマン』3部作が本当に実現するかどうか。
特に第2弾となる『続・シン・ウルトラマン(仮)』は
庵野秀明が監督・脚本を務める予定で
庵野秀明が一番やりたかったウルトラマンになる
と明言されていますし
今回の個人的な不満を払拭してくれる映画になりそうで、待ち遠しい限り。
庵野秀明は「『シン』シリーズ3本掛け持ちで、もう映画は疲れた」との事なので
もう実写映画製作の場から離れてしまうかもしれませんが
『ヱヴァQ』から『シン・エヴァ』まで約9年待ったファンとして
首を長ーくして待っています。

まずは!3月公開予定の『シン・仮面ライダー』まであと半年!
庵野秀明の映画が3年連続で見れる
庵野秀明とは思えないペースの速さが、多忙っぷりを物語っていますねw

「旧1号編」のダークでアダルトな雰囲気と
「旧2号編」のアクション重視のエンタメ路線が融合した
庵野秀明映画らしい、未だかつて見たこと無い映画に仕上がっている事を御期待します。

以上、『シン・ウルトラマン』の総評でした。
それでは~
  1. 2022/11/18(金) 00:00:00|
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シン・ウルトラマン 感想 小ネタ&考察編

DC超卵です
本日、IMAXで『シン・ウルトラマン』2回目を鑑賞して参りました!
やはりIMAXはスクリーンが巨大でワクワクしてしまいますよね・・・!
画質も綺麗なので没入感も高まりますが
高画質になった分、スマホで撮影されたと思われるシーンの画質がやや気になる・・・w
IMAXは音響も大幅にパワーアップしているのがポイントで
禍威獣が暴れる音と、逃げ惑う人の声が別の場所から聞こえるのは
臨場感が高まって、やっぱり見応えも増しますよね・・・!
+500円で映画体験の質が大幅に向上しますから
まだ未体験の方は是非!

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という訳で、2回目の鑑賞はサプライズに驚かされる事も無く・・・w
隅々の細かい部分まで、冷静に集中して見る事が出来たので
内容をより深く理解出来たと同時に、語りたい事が大量に湧いてきまして・・・w
この記事は、人に読んでもらおうとかそういった事は全て捨てて!w
完全にDC超卵が話したい事を話す、超絶駄文長文記事です!!!
自分なりに何とかまとめてみた感想記事はコチラ!!!
細かい部分が気になるぞ!という濃いファンの方は
DC超卵なりの視点で、ガッツリ全編振り返って行く所存ですので
長文に覚悟して、ごゆっくり御覧なさって下さい!
それでは行ってみましょう!
当たり前ですがネタバレ注意です!!!

■これから110分、不思議な空間に入って行くのです・・・


まず、上映前の予告で声が出そうになりましたが
『シン・仮面ライダー』の最新予告が解禁!
コウモリ男と蜂女のデザインも解禁されましたし
『シン・ゴジラ』の教授役の塚本晋也さんの出演も発表されましたが
絶対に原作版の立花藤兵衛じゃないですか・・・!似てる・・・!!!
『ゴジラ』『ウルトラ』のシンと見比べると、映像の豪華さが圧倒的に足りず
残念邦画臭がちょっと漂うのですが、まだ製作中でクオリティアップすると信じて、期待したい所!
『シン・仮面ライダー』も滅茶苦茶楽しみなんですよ・・・

さて!『シン・ウルトラマン』がいよいよ上映開始!
『ウルトラQ』のロゴが回って、『ウルトラマン』のロゴが登場するシーンは
今回の『シン・ウルトラマン』でも絶対に外せないオマージュポイントだと思っていたので
公開前までは【東宝】のロゴがグルグル回ると思っていたのですが
『シン・ゴジラ』のロゴだなんて思わないじゃないですか・・・!
『シン』シリーズとはいえ、『ウルトラマン』シリーズの映像内に
『ゴジラ』のロゴが登場した歴史的な瞬間を目撃してしまい、震えてしまいますね。
この権利の壁を奇跡的に突破してみせた、庵野秀明という男・・・!
デザインワークス掲載の庵野氏の手記によると
「特撮ファンとしての自分達の【心】を表現したかった」と仰っているので
『シン・ゴジラ』のイメージを突き破る『シン・ウルトラマン』のイメージ?
なんて深読みをしてしまいますが・・・

そして開始1秒で完全に心を掴まれてしまったのですが
原典の着ぐるみ改造を完全再現するかのように
シン・ゴジラを改造したシン・ゴメスの登場には興奮と同時に心の中で爆笑!
『シン・ゴジラ』のロゴの後にこれは本当にズルいですよ・・・
巨大不明生物の第1号がゴジラに酷似しているというのは
『ウルトラQ』オマージュでありながら、作品同士の繋がりの想像も膨らむナイスアイデアでしたね。
ここからは「ウルトラQ」のオープニングをBGMに
禍特対が設立される原因となった、巨大不明生物が続々登場!
マンモスフラワー(ジュラン)、ペギラ
ラルゲユウス、カイゲル(ゴーガ)、パゴス・・・!
『ウルトラQ』の怪獣達を、大スクリーンでこんなに拝めるなんて・・・
ペギラが冷凍ガスで「東京氷河期」にしてしまったとか
ラルゲユウスは行方不明になってしまったなど、『Q』ネタも満載。
ゴーガがカイゲルという名前になっているのは
企画初期段階だと、名前がカイゲルだったのを再現した小ネタなんでしょうけど
そんなの伝わらないよ・・・
そして、この禍威獣の中にパゴスが居た事で
マニアの方は先の展開を予想出来たのではないでしょうかw


■第3話「禍特対出撃せよ」

透明な物体が移動しているとの報告を受け
現場に到着した、禍特対のメンバー。
透明な物体は電気を吸収する事で実体化する禍威獣ネロンガでした。
どこか楽しそうに、明るく禍威獣対策を話し合う禍特対のメンバーは
個性豊かな曲者の集まりで、まさに『独立愚連隊』。
怪獣対策の仕方はしっかり現代風にアップデートされており
ネロンガに餌を与えないよう、政府や電力会社と連動して発電所の電源を落したり
電気を放出させる為にネロンガの角を破壊しようとしますが
ネロンガは蓄えた電気をレーザーのように発射し、対空兵器を全て遮断。
禍特対は成す術無く、新たなる対抗策を練る事になります。

ここまでは『シン・ゴジラ』並に巨大不明生物に対するリアルなシュミレーションだったのに
神永が作戦区域に少年を目撃したため、救助の為に禍特対の業務を放棄。
普段からは神永は単独行動が多いという設定だとしても
上司である田村班長自身が、しっかり神永の単独行動に許可を出しており
ここから一気にリアリティラインが低下しましたね。
『シン・ゴジラ』との方向性の違いが明確に表れ始めたシーンだと思います。

神永が少年を救出しようとした瞬間、突如大気圏外から飛翔体が襲来。
その衝撃で吹き飛んだ瓦礫が少年を襲いますが
神永が身を挺して守った事で、少年は何とか無事でした。
主人公とウルトラマンの融合は重要な場面ですが
ここが『初代ウルトラマン』第1話と大きく異なるのがポイント。
今回の『シン・ウルトラマン』では、危険を顧みず少年を助けて命を落とした
神永の自己犠牲に、ウルトラマンが興味を持った事で融合を果たしましたが
これは『帰ってきたウルトラマン』第1話の再現なんですよね。
『初代ウルトラマン』第1話はウルトラマンの不注意による事故で
ハヤタ隊員と衝突してしまい、やむを得ず融合した訳ですが
やっぱり、高度な文明を持つ外星人が
そんな凡ミスをしてしまうのは滑稽ですから・・・w

最初に我々の前に現れたウルトラマンは
ベータカプセルを使って出現していないからなのか
シルバーのボディにグレーの模様という非常にシンプルな姿。
これは色違い商品が出しやすそう・・・と思いましたが
なんと!顔は微妙にシワが寄っているAタイプのマスク!
『初代マン』の第1話~第13話に登場したマスクで
口の開閉ギミックの都合で、顔面がどんどん変形して行き
ヒーローとは思えないくらい、不気味な顔をしているんですよねw

ネロンガは外敵に向かって、電撃を放ちましたが
ウルトラマンは第3話を完全再現した胸筋バリアで防御。
透明になったネロンガや山間部に隠れますが
ウルトラマンは山を突き破る強力な熱光線を放ち
山を突き破りながら、ネロンガを撃破してしまいました。
まさか予告のスペシウム光線のシーンが
実際の映画ではAタイプだったなんて・・・w

第1話のベムラー戦でウルトラマンと出会うのは
2004年公開の映画『ULTRAMAN』で既にリメイク済み。
第2話のバルタン星人戦でウルトラマンと出会うのは
1993年にOV発売の『ウルトラマンパワード』第1話と
2001年公開の『劇場版コスモス THE FIRST CONTACT』でリメイク済み。
そんな過去作とのネタ被りを避ける為に
今回はネロンガ戦でウルトラマンと出会う事になりましたが
特に違和感は感じず、自然流れでしたね。


■第9話「電光石火作戦」


公安から長澤まさみさん演じる弘子が禍特対に加入。
歩く弘子の後ろ姿を追うシーンのBGMには
『シン・ゴジラ』のゴジラ第3形態が海に戻った後に
翌日の日本がいつもの朝を迎えたシーンで流れていた「Early morning from Tokyo」が。
『シン・ゴジラ』では、ゴジラ上陸後の翌日も
直接被害が無かった地域の人たちは
普通に登校して、普通に出社しなければならないという
対岸の火事だと思い込んでいる市民と、そういった生活を強いられる日本を
揶揄するかのように流れていた曲でしたが
今回も禍威獣の出現に慣れてしまった政治家達が
緊張感の無い話をたくさんしているシーンで流れており
『シン・ウルトラマン』でも使うタイミングはバッチリだった訳です。

禍特対では先のネロンガ戦で降着した、謎の巨人の話題で盛り上がっており
着衣なのか皮膚なのか分からないというお馴染みのツッコミ。
神永は巨人の着陸に巻き込まれたにも関わらず、何故か無傷なのもお約束ですね。
巨人の命名シーンも気になる所でしたが
今回は浅見が報告書でウルトラマンと命名。
2回見て2回とも上手く聞こえなかったのですが
浅見の旧職場だった公安の研修時代に
重要機密を扱う時に使っていたコードネーム・暗号?が由来みたいですね。

当のウルトラマン本人は広辞苑を高速で読みながら
地球の言葉を学習していたのが面白かったですが
ウルトラマンという名前を知った時にどう思ったのでしょう。
斎藤工さんは【宇宙人っぽい】などの様々な理由を
キッカケとしてオファーされたそうですが
ウルトラマン一体化する前と後の演じ分けが本当にお見事!
ネロンガの作戦を立案している時は若干生き生きしていたのに
弘子が来てからは超然的になって、人間味が完全に消えてしまう・・・
2回目で気付きましたが
神永ってウルトラマンと一体化して以降、1回も瞬きしてないんですよ。

1人分のコーヒーしか持ってこなかった事を浅見に気が利かないと怒られ
自身は単独で完全生物なので。と反論するウルトラマン=神永。
しかし、服もコーヒーも他人に作ってもらってんでしょ!
またしても浅見に怒られてしまい
ウルトラマンはそれが【群れ】か、と認識していましたね。
この会話で思い出すのはやっぱり『エヴァ』
生命の実を手に入れ、完全生物となった神の使いである使徒に対し
知恵の実を手に入れた人類は、科学と群れの力で使徒を次々と殲滅して行き
地球の生態系の頂点を賭けた戦いに勝利する物語でしたね。
今回の『シン・ウルトラマン』は生命と知恵の実こそ登場しませんが
これらの些細な会話によって
外星人も単独で生存可能な完全生物たちであり
群れでしか生きられない地球人は大きく劣っている事
を伝えてくれるシーンでありながら
【群れで支えながら生きる、弱き地球人の魅力】
ウルトラマンが気付くという重要シーンでもありましたね。

山間部から出現したガボラは
シン・ゴジラの背中を貫いた、架空の地底貫通爆弾MOPIIを数発受けても無傷である事から
その外皮硬度はシン・ゴジラ第4形態以上・・・!

原典の初代ガボラは、『Q』のパゴスからネロンガ→ガボラへと改造されたのは有名ですが
今回はその着ぐるみ改造のメタネタが設定に生かされ
パゴスやネロンガと同形状の生物兵器という設定に!
パゴスとガボラは原典でも、ウランを好んでいるという共通点がありましたから
今回のガボラもパゴスと同様に
放射能を撒き散らすことを目的とした生物兵器のようです。

どう倒しても放射能の
処理問題が厄介である事をパゴスで経験しており
ガボラの対処方法に
禍特対が苦悩している最中
先のネロンガ戦でロストしたウルトラマンが再び出現。
本来の姿は銀色(ネロンガ戦)でしたが
変身時にウルトラマンの形状と
神永の形状を両方維持する事にエネルギー消費をする為
模様が赤色に変わって、顔がCタイプのマスクに変化。
ようやく、我々の知っているウルトラマンとなりました。

カラータイマーが無いため、時間制限が無いのか?と
話題になったシン・ウルトラマンでしたが
今作はエネルギー減少のサインを
身体の模様の色の変化で表現するのには驚かされましたね。
緑色の模様はスーツのウルトラマンだと
グリーンバックとの兼ね合いで敬遠されるデザインなので
フルCGのシン・ウルトラマンだから実現出来た姿。
『帰マン』以降の昭和2期放送時に
児童誌設定として、光の国の非戦闘員は
緑の模様の帰マンであると掲載されていたのですが
わざわざそれを拾ってきたのか?それとも偶然か…?

ガボラは原典だと、ヒレ以外に特徴の無い地味な怪獣でしたが
今回はアルキメデススクリューと呼ばれる
アタッチメントが取り付けられた生物兵器という事で
背中の尻尾が二又に分かれ、グルングルンと大暴れ!
これは・・・庵野秀明が大好きな古代怪獣 ツインテールだ・・!
極めつけは、二又の尻尾を地面に突き刺し、安定させ
頭部のヒレを高速回転させながら
顔面から陽電子砲のような激ヤバビームを発射!
これは・・・シン・エヴァ冒頭10分のエヴァ4444Cだ・・・!


■第18話「遊星から来た兄弟」


ガボラの長距離ビームを身体で受け止めて
放射能を全て吸収し切ってくれただけで無く
あとしまつが面倒な死体を別次元に持ち帰ってくれたウルトラマンに対し
禍特対の面々はウルトラマンと意思疎通が可能ではないかと
本気で検討しようとしたその時!翻訳装置を使って地球人の言語を話し
地球との友好を結ぼうとする外星人ザラブが出現します。

驚いたのがそのデザインで
成田亨のデザイン画で各部が透けているのを再現するため
なんと身体の後ろ半分が透明になっており
まるで組み立て途中のプラモのような姿に。
これは可動フィギュア化は不可能でしょうし
立体物も手足の接続の処理が難しそうですね・・・
声を担当されたのは、大人気声優の津田健次郎さん
初代ザラブの声の再現度の高さに驚愕!
『ちびまる子ちゃん』の祖父:友蔵役でお馴染みの
青野武さんが演じていた初代ザラブのように
セクシーな美声なのに何処か怪しい、あのザラブでした。

ザラブは下等生物である地球人が使用する
インターネットやデータは容易に破壊復元可能な事から
それを餌に世界諸外国と提携を結ぼうとする
中々のやり手っぷり
には笑ってしまいましたw
ザラブが居れば、敵対国の経済を完全に破壊できる訳ですからね。
また、ザラブはウルトラマンの熱光線のエネルギーが
133番目の元素「スペシウム133」であると明かしていましたが
これはイデ隊員がスペシウム光線の威力の完全再現に成功した
最強のレーザー銃「マルス133」が名前の由来でしょう。
自身を利用した人類の、仲間割れによる自滅を目論んでいたザラブですが
そんなひどい事をする理由は【仕事】だから。
で、出たーーー!!!!!
庵野秀明がザラブで1番好きなポイントー!!!


環境破壊や同族での戦争など、人類がとにかく幼稚で愚か過ぎるので
詳しい事はよく分かりませんが、地球上にマーカーが発動。
ザラブ星の決まりで人類を絶滅させる事が決定したみたいですね。
後述のメフィラスの項で考察していますが
このザラブの言うマーカーというのは
もしかしたら、最初期に現われた禍威獣の事かもしれませんし
禍威獣を日本に埋めていったのはザラブかもしれません。

70億の全人類を全滅させる事を「仕事」と評するザラブは
我々下等生物の価値観が全く通用しない未知の存在。
人間が川に繁殖する危険な外来種を駆逐するように
ザラブにとっては宇宙という川の外来種を駆逐している程度
なのでしょう。
ここら辺はしっかりSFしていて、大好物なんですよね・・・
ザラブは浅見のパソコンを通じて
神永の正体がウルトラマンである事を世界中に公表し
その状況でニセウルトラマンに変身して、街を破壊する事で
神永及びウルトラマンを社会的に抹殺する作戦を遂行。
防災大臣はウルトラマンが偽物である事をしっかり見極めており
人を見る目がある事が証明されましたねw

神永が車を出そうとシフトレバーに手をかけて際に
ザラブも手を重ねてくる完全再現にも笑ってしまいましたがw
神永はザラブに捕まってしまい、絶体絶命のピンチ。
そんな神永を助けてくれたのはやっぱりバディの浅見。
原典のザラブ戦だと、ハヤタのうっかりで
たまたまベータカプセルを基地に忘れた事によって
ザラブ星人にベータカプセルを盗られずに済んだのですが
今回は神永自身がバディを信頼する事の価値を試す為
ベータカプセルを浅見に託す形になりましたね。

さらに、もう1人のバディとも呼べる超有能の元同僚を演じたのは
現在放送中の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』で
主人公 桃井タロウの父を演じている和田聰宏氏。
役名は加賀美という名前のようですが
ウルトラマンになる男の元同僚であると考えると
加賀美=鏡=ミラーマン・・・!?
ちなみに各キャラの命名には
今回も庵野秀明流のルールがあるそうですが
禍特対メンバーは妻安野モヨコ氏の漫画 『働きマン。』からの引用で
キャストが設定されていない、ちらっと映る政治家の苗字が
『白い巨塔』の引用(例:鵜飼さんなど)
なのは分かったのですが
キャストが設定されている、メインの政治家達の由来が分からないんですよね・・・

正体をウルトラマンと知った状態で、初めて神永と対面した浅見。
バディとして情報共有を怠った神永を叱り
予告でも印象的だったあの台詞
「あなたは外星人なの?それとも人間なの?」が炸裂!
原典ではメフィラスがハヤタ隊員に問いましたが
今作では浅見が神永に問う形に変化。
その問いを受けて、神永の出した答えは
「両方さ。狭間にいる事で見える事もある。」
陸と海を分ける渚のように、使徒と人間の狭間に立ち
使徒=完全生物である自分よりも劣る
人間 碇シンジを幸せにしたかった渚カヲル
と同じく
外星人と地球人の両方の価値観・観点を見比べる事で
ザラブが愚かだと決めつけ、駆逐しようとしている
地球人だけが持つ魅力にウルトラマンは心奪われたのでしょう。
ザラブに監禁される直前に読んでいた『野生の思考』は
高度な文明を持ってビル街で暮らす人間(外星人)と
ジャングルの奥地で暮らす人間(地球人)に上下関係は無く
それぞれが等しく価値のある存在なのだと説いた著作。

これを読んで、ウルトラマンも自分の気持ちに納得したのでしょうね。

原典ではホシノ君を捕まえていたニセウルトラマンでしたが
今回は浅見を捕まえて大暴れ。
そこにきたぞ!われらの本物のウルトラマン!
ビル壊しながら登場するウルトラマンが大好きだと
様々なインタビュー等で語っていた庵野秀明ですが
原典のザラブ戦と同様に、ビルを突き破っての登場ですね。
両手を添えて、浅見を地面に降ろすお約束をやった後は
ウルトラマンVSウルトラマンの浪漫に満ちたバトル開始!
ここで流れるのは!ウルトラマンの勝利確定BGMとしてお馴染みであり
原典のザラブ星人戦で初めて使用された
「♪勝利(M-5)」が原曲で流れ始め、途中からは豪華アレンジVerに!
これを待っていたんですよぉ!
あぁぁぁぁぁ格好いいぃぃぃぃ!


ウルトラマンがどこか感情的で、怒っているように見える
CGモーションの演技力の高さも素晴らしいですし
当時の戦闘シーンの完全再現にも爆笑。
しっかりとニセの目にチョップが当たり
本気で痛がってしまうウルトラマンも健在でした。
スペシウム光線を食らって正体がバレてしまったザラブは空を飛翔。
ウルトラマンもそれを追う形で空中戦がスタートします。
ここで流れるBGMこそ、原典の初代ザラブ戦でも流れましたし
初代バルタン星人との空中戦での印象が特に強い「♪空中戦(A-2)」!
こちらもアレンジVerで、なんて格好良いんでしょう…
夜景の摩天楼を超音速で飛行するウルトラマンとザラブの空中戦は
多額の予算をかけたフルCG作品だからこそ実現出来た

ウルトラマンファンがずっと求めてきた、圧巻の映像表現。
これらのシーンの【画の格好良さ】は流石の樋口監督、安定感の塊でした。
原典とは異なり、
ザラブを八つ裂き光輪で真っ二つにした事からも
これらの空中戦は、夜の市街地で飛び回る初代バルタン星人戦と
八つ裂き光輪初披露回となる、バルタン二代目へのリスペクト
も込められているのかなと。
(スペシウム133の元ネタであるマルス133もバルタン二代目回で初登場)
ちなみにデザインワークスによると
バルタン星人の登場は事務所(円谷プロ)NGだったそうで・・・


■第33話「禁じられた言葉」


正体がバレた神永は行方不明になってしまい
それに付随して、バディの浅見も無断欠勤。
しかし、市街地で浅見を発見したとの報告を受け
向かった禍特対の前に現れたのは、巨大長澤まさみ。

いやぁ・・・流石にやらないと思ったんですけど
やっちゃったかぁ・・・

原典でヒロインのフジ隊員が巨大化したシーンの再現な訳ですが
ウルトラマン初見の人には凄まじいインパクトだったでしょう。
だってあの、超一流女優の長澤まさみが巨大化したんですよ!?
これから一生、長澤まさみが怪獣図鑑に載るんですからね・・・?
と思いましたが、長澤まさみさんのデビュー作が
『ゴジラxモスラxメカゴジラ 東京SOS(03年)』で
モスラを導く、双子姉妹の小美人役だったので
大分前から怪獣図鑑の常連でした・・・
小人と巨人の両方経験した女優は史上初…?
いや!巨大フジ隊員に加えて『ウルトラQ』の由里ちゃん役で1/8にされた
元祖ヒロイン 桜井浩子さんの方が55年先でした!

巨大浅見弘子を調査する禍特対の後ろに、突然姿を現した謎の男 メフィラス。
登場BGMが『SSSS.DYNAZENON』で
皆が過去のトラウマを思い出す際の曲なのはどういう選曲理由・・・?
コートと帽子という適当な身だしなみだったザラブと異なり
メフィラスはスーツに身を包んだ人間の姿で、態度も非常に紳士的。
しかし、お互い両手で行う名刺交換の場では無いにも関わらず
一般的に敬意が無くて無礼だとされる、片手で名刺を渡す姿はどこか鼻につきますね・・・

ウルトラマンが巨大化する謎の仕組み=ベータシステムをメフィラスも所持しており
ザラブのような暴力的な外星人に対する自衛手段として
人類を巨人へと変化させる福音〈エヴァンゲリオン〉を授ける事が目的で
地球に来訪したとメフィラスは禍特対に説明。
おそらくベータシステムは
外星人が本当の姿を6次元空間に収納し
別の姿に小型化したり、一瞬で本当の姿を呼び出す事を可能としたシステム
であり
ウルトラマンは外星人として初めて地球人と融合した結果
人間がベータシステムに点火する事で
6次元空間の外星人ボディを装着出来ることを証明してしまった
ため
地球人がベータシステムを使えば、簡単に巨大化した地球人ボディを装着して
兵器運用可能な生物兵器になれる事を宇宙中に広めてしまった
んです。
巨大浅見弘子はそのデモンストレーションであり
メフィラスは地球人にベータシステムのセールスに来た営業マン。
演じられた山本耕史さんはとにかくメフィラスに適役で
表向きは紳士的だけど中身は自分勝手な最低野郎というメフィラスの再現が完璧!
「私の好きな言葉です。」既に流行り始めていますね…w

そんなメフィラスが日本政府に要求したのは
「ベータシステムを提供する代わりに、メフィラス自身を人間より上位の存在
=神に等しい存在として日本に置いて欲しい。」
という条件。
つまり原典のメフィラスと同様に
「日本をあなたにあげますと言ってくれないかね?」という【禁じられた言葉】な訳です。
総理の「前向きに検討します」という返答と、下手な作り笑いには笑わせて頂きましたw
メフィラスの目的は地球に自衛手段を与えてあげる事では決して無く
その真の目的は、巨大生物兵器の種が70億機もあるこの地球を
他の外星人が手をつける前に、自身の手中に収めて管理すること。

彼は外星人0号という事で、ウルトラマンより先に地球に潜伏し
日本で活動停止していた生物兵器を再起動させる事
人類が禍威獣に怯えて防衛手段が欲しくなったところに
ベータシステムを提供して、管理者になるつもりだったようですが
ウルトラマンが生物兵器の起動を察知して、駆け付けてしまい
そんなウルトラマンに便乗して、予定外のザラブも地球に来てしまった訳です。
ザラブのような暴力的な外星人が来たおかげで
自衛手段としてベータシステムの訴求力が増すのが良かった

目的のためにザラブを泳がせ、利用していたようですが
これは2代目ザラブが初代メフィラスの手下だった原典を彷彿とさせますね。

禍威獣は生物兵器である事がメフィラスによって明かされ
ウルトラマンは外星人による禍威獣の再起動を確認した為に地球に来た事も判明。
デザインワークスに掲載されている裏設定によると
外星人たちは争いの際に核弾頭を使うと環境に悪く、効率も悪い事に気付き
そういった兵器の使用は宇宙全体で使用禁止となり
生物兵器で争う事が決まりになった
ようです。
その生物兵器が何故か地球の日本にだけ多数保管されており
「何故かこの国にしか禍威獣は出現しない!?」
となっていた訳です。
メフィラス曰く、初期の禍威獣は人間の環境破壊によって目覚めたとの事で
禍威獣を目覚めさせる程の環境破壊がマーカーとなり
ザラブは愚かな人類を駆逐しに来た
のではないでしょうか。
ウルトラマンはネロンガ戦から地球に来ていますから
その前後に出現したパゴスとガボラはメフィラスが再起動したも禍威獣で
ゴメス・マンモスフラワー・ペギラ・カイゲルは環境破壊による目覚め?
ラルゲユウスだけ姿を消していて、未だ消息不明との事ですが
もしかしたら、メフィラスが鳥でベータシステムの実験をしていたのでは・・・?

包囲されてしまった公園からメフィラスが移動してきたのは
下町にありそうな、味わい深い小さな居酒屋。
いや・・・怪獣散歩じゃないんですから・・・
そこで流れている歌謡曲は五木ひろしさんの「小鳥」!
こちらは1974年に放送された、TVドラマ版『日本沈没』の挿入歌
樋口監督は、五木ひろしさんがこの「小鳥」を
レコーディング以来、数十年振りに歌うことになった
「小松左京音楽祭」のインタビュー
「 『シン・ウルトラマン』にも小松左京要素がある」と明かしていたんですよね!
他のインタビューでも、樋口監督のTV版『日本沈没』への熱い愛を拝見していたので
このように予想していたのですが、完璧に的中していて本当に嬉しい!!!
ちなみにこの「小鳥」はTVドラマ版『日本沈没』で何度も流れるのですが
第19話 函館編のラストで掛かるシーンは涙をこらえずにはいられませんので
気になる方はAmazonプライムビデオで是非!
さて、割り勘でいいか?ウルトラマン?
この居酒屋の店主が、樋口監督もデザイン担当として参加している
『仮面ライダーBLACK SUN』の白石和彌監督でしたね。

既にメフィラスは日本の神になる事を日本政府と密約済みであり
ベータシステムを手にした人類が争うことを避けるため
ウルトラマンは仲間たちと共に重大な規約違反を犯す事を決意!
神永は浅見の匂いを嗅いで、6次元空間に隠されているベータボックスの位置をマークしますが
正直、このシーンがかなり冗長!
女心が分からないウルトラマンを笑うシーンなのは分かるのですが
「え、今嗅ぐの?」という浅見の台詞で切っても十分面白かったと思うんですけどね。
斎藤工さんファンへのサービスなんでしょうか・・・?
庵野氏曰く、このシーンで浅見から神永に対する恋愛感情がもっと出るはずだったとの事ですので
お風呂に入っていない浅見が、神永に嗅がれて落ち込む台詞までカットをかけない事で
浅見から神永に対する恋愛感情を、少しでも増やしたかったのかもしれません。

他国の衛星が補足出来ないような極秘の場所で
日本政府と密約成立のセレモニーを行うメフィラス。
そのメフィラスの横に居るのは
竹野内…豊さ…え?赤坂さん!?
パンフレットには「政府の男」としか記載されておらず
デザインワークスの手記で「ご想像にお任せします」と庵野氏に言われているこの男!
いや、でも自国の利益の為に手段を選ばないこの男
やっぱり『シン・ゴジラ』の赤坂秀樹では…!?
初代ゴジラを倒した芹沢博士役の平田明彦さんが
初代マンの岩本博士役としてサブレギュラーだった事のオマージュなのか。
繋がっているか、繋がっていないかはともかくとして
竹野内豊さんという超大物俳優を使った、超豪華で贅沢なお遊びですね…w
あまりのサプライズに初見時は心臓の魂動が止まりませんでしたよ。

極秘セレモニーのクライマックスでベータボックスを召喚したメフィラスでしたが
6次元空間で待機していたウルトラマンがそれを強奪。
空中で待機していた禍特対のヘリに思いっきり投げ飛ばします。
その場でウルトラマンが握り潰してもいいハズなのですが
ウルトラマンはベータボックスを受理すると決断した人間の考えを尊重し
その処遇自体は地球人たちに委ねる事
に。
それなら、総理がメフィラスから受け取っても同じ事では?と思うのですが
総理があの場で受け取ってしまうと、メフィラスに日本をあげる交渉が成立してしまうので
ウルトラマンはその交渉だけを阻止した・・・という事で良いのでしょうか。
後述しますが、ウルトラマンは外星人の干渉には関与しますが
地球人の選択自体には関与せず、傍観の立場ですからね。
ここは暴力の嫌いなメフィラスと、ウルトラマンを巨大化状態で決闘させる為に
こういった展開になるのは仕方ないと思うのですが
脚本に無理があると批判されてしまう気もしますね・・・

ウルトラマンの暴挙に流石のメフィラスも激昂し
ベータシステムを起動する事で、外星人のボディを装着して巨大化!
ここで流れる、最初の予告のBGM!!!
2021年1月に公開され、この1年4カ月間。
おかしくなるぐらい、何度も見直したこのBGMを
ついに映画館で聞く事が出来た感動と興奮と・・・!
フルVerは鷺巣詩郎節が炸裂しまくっていて、最高でしたね。

そしてシン・メフィラス(仮)がスタイリッシュ過ぎる・・・!!!
滅茶苦茶格好良くて、滅茶苦茶好きなんですよ、このデザイン。
ウルトラマンと互角か、それ以上の実力を持つ侵略者として
ウルトラマンと対を成すダークヒーローなデザインがたまらないんですよ!
UMO01r_01.jpg
でも、この中年体形への愛着が忘れられない・・・!
うーん・・・落ち着くなぁ・・・
ただ!決してシン・メフィラス(仮称)が嫌いな訳じゃないんですよ。
シン・メフィラス(仮称)はまた違った格好良さで大好きになったんですよ!!!
是非、フィギュアーツ化をよろしくお願いします・・・!
原典同様、ウルトラマンとの実力は互角であり
こちらもザラブ戦に続いて、戦闘シーンの再現も完璧です。
神永の身体を維持する為にエネルギーを消費するウルトラマンは
メフィラスとの光線の撃ち合いで敗北しそうになりますが
ウルトラマンの背後にメフィラスが見た者は・・・!
メフィラスの代名詞である、「よそう。」もしっかり言ってくれましたし
メフィラスがウルトラマンに言い残した最後の言葉は
さらばウルトラマン━━━━


■最終回「さらばウルトラマン」

神永の遺体を見つめるウルトラマンの元に
突然現れた、ウルトラマンと同族の外星人。
彼は 謎の宇宙人 ゾーフィ。ウルトラマンと同じ光の星の住人です。
ゾフィーは、『初代マン』最終回でゼットンに敗れたウルトラマンを救う為に
初めて地球に姿を現した、味方のウルトラマンである事は当然ご存知だと思いますが
56年前の放送当時は、再放送や録画が無かったため情報が錯綜しており
同じく『初代マン』最終回に初登場し、ゼットンを召喚したゼットン星人と情報が混濁した結果
様々な児童誌でゼットンは謎の宇宙人ゾーフィに操られていると紹介されてしまったんですよね。
(こちらの復刻版に該当記事が掲載されているようですよ。)
2006~2008年頃の「ニコニコ動画」創世記の頃に
ネット上では空前のゾフィーブームというものが巻き起こった訳ですが
その渦中で【謎の宇宙人ゾーフィ】ネタもよく話題に挙がっていた事から
近年も知る人ぞ知るレベルでは広まっている、マニアックなネタではあったのですが
それをこんな超大作映画のラスボスのネタに使っちゃう度胸・・・!
しかも今回上手いのが、原典をしっかりなぞった【ゾーフィ】なので
全ウルトラマンの司令塔として大活躍する
本物のゾフィーには風評被害が行かないんですよねw

ゾーフィのデザインもまた知る人ぞ知るデザインで
まず、何パターンが模様のデザインが存在するゾフィーですが
今回はもちろん『初代マン』に登場したデザインを再現。
頭部は『初代マン』初登場時のみ黒かったトサカを再現し
マスクは『初代マン』の後に、型を帰マンに流用したとされているので
現存する撮影当時の帰マンのマスクをスキャンしてCG化。
そして今までのどのウルトラマンにも該当しないそのカラーリングは
ウルトラマンの生みの親である成田亨氏が
新たなるウルトラマン作品に向けてデザインを描き下ろしたにも関わらず
企画が消えてしまったため、その姿が世に出る事が無かった
【NEXT】及び【ウルトラマン神変】と呼ばれるイラストの、黄金のウルトラマンの再現。
「えー!神変じゃん!」と思った人が、一体何人居るのか・・・w
成田さんが【神変】を描くキッカケになったとされる
タバコのヤニで汚れて、黄金になったゾフィーのマスクを
『シン・ウルトラマン』でCGモデルに使用したと公開前に判明していたので
「もしかして・・・」とは思っていましたけど
ウルトラマンの別形態では無く、これをゾーフィとして登場させて
我々の予想を大幅に裏切ってくるのが、やっぱり庵野秀明の凄さなんですよ。

そんなゾーフィの声を演じるのは、日本を代表する声優 山寺宏一。
『エヴァンゲリオン』シリーズの加地リョウジ役でお馴染みですね。
ゾーフィ及び、光の星の住人は
宇宙の様々な生命体の管理・粛清を担当している高位の生命体であり
ウルトラマンもその任務を帯びて、地球に到来したにも関わらず
自分よりも弱き者の命を守る為に、その身を犠牲にした神永に興味を抱き
光の星の掟を破ってまでも、命を共有して一体化してしまった
んですよね。
しかし、メフィラスにも追及されていた通り
神永がベータカプセルを使ってウルトラマンに変身出来る事が判明した為
宇宙全域の外星人が地球人の生物兵器としての利用価値を認識。
70億人も居る地球人が生物兵器として利用され、宇宙の秩序が乱される事を避ける為
光の星は地球及び全人類を廃棄処分にする事を決意。
ゾー
フィはその命を受けて、天体制圧用最終兵器ゼットンを起動させます。
しかし、ウルトラマンは禍特対の仲間と共に戦い続けてきた中で
弱き人類が支え合う事で生まれる可能性の価値を既に見抜いており
さらに罪を重ねる事を承知の上で、光の掟を破ってゼットンに立ち向かう事を決意します。

『初代マン』の最終回に登場し、ウルトラマンを殺してしまった
シリーズ史に名を残す、最恐最悪のラスボス ゼットンですが
今回は初代ゼットンの無機質なデザインの魅力を継承しつつも
最早禍威獣とは呼べない、超巨大な戦艦のような姿に変形。
庵野監督の『トップをねらえ!』に登場した、宇宙怪獣を連想させますし
人類が空を見上げた際に、ポツンと浮かんでいる姿は
『巨神兵東京に現る』の巨神兵の姿にそっくりでした。
shf068_11.jpg
また、初代ゼットンの必殺技は一兆度の火球であり
そんな温度の火球を放ったら、宇宙が蒸発しちゃうよ!と
お約束のネタのようによくツッコまれていたのですが
今回の「天体制圧用最終兵器ゼットン」は
地球を含めた、その周辺の銀河系そのものを滅却する必要があるので
一兆度の火球を放たなければならないんですよね・・・

ゼットンへの対応を求めて、禍特対に鳴りやまない電話。
田村班長の電話の着信音は元祖科特隊の着信音(ミサトさんの着メロ)でしたが
他のメンバーの電話の着信音もそれぞれ違う音が鳴っており
凄い勢いで鳴り響くので上手く聞き取れませんでしたが
おそらく昭和ウルトラシリーズの歴代防衛チームの通信音かと・・・
そんな中、神永が禍特対基地に現れ、仲間達に全ての真実を告げましたが
そこに突然現れたのは、政府の男 竹野内豊!!!
国連でウルトラマンを制御する新たな組織を設立するらしく
そこで日本の立場を維持する必要があるのか
ウルトラマンに国連に属するよう、お願いをしに来たようです。
しかし、メフィラス戦同様ウルトラマンは、人類の選択に干渉しないと拒否。
禍威獣を含む外星人の不当な侵略行為にのみ加勢してくれるそのスタンスは
文明監視員として地球で戦った、ウルトラマンマックスを彷彿とさせますね。
そんなウルトラマンに対して、政府の男は
禍特対メンバーの命を交換条件に強制連行しようと恫喝。
夢では無く、現実を見て行動するこの男は、やっぱり赤坂秀樹では・・・!?
政府の男の発言に流石に驚きを隠せない禍特対メンバーでしたが
ウルトラマンは凛とした態度で、そんな事をしたらゼットンより先に全人類を滅ぼすと恫喝。
ウルトラマンは類が好きになったというよりも、禍特対メンバーが大好きなんでしょうね・・・
この前後のシーンで、滝と船縁にマグカップ渡されるシーンがあったと思うのですが
なぜ船縁のカップに、『まどか☆マギカ』のキュゥべぇが・・・?
一方的で身勝手かつ、不条理な【契約】を結ぼうとしたからでしょうか・・・?

浅見に見送られながら、神永はウルトラマンに変身。
実はこの『シン・ウルトラマン』は作品全体を通して
浅見が神永に失望・信頼を繰り返すストーリーになっており

突如出現したウルトラマンの事を覚えてない(失望)
→公安でマークしても捕まえられない(信頼)
→バディなのに外星人である事を隠していた(失望)
→神永は浅見を信頼して、ベータカプセルを託していた(信頼)
→浅見に内緒でメフィラスと公園で出会っていた(失望)
→禍特対ヘリが無事着陸出来るように見守っていた(信頼)


神永は浅見を相棒(バディ)と認識するように努力していますし
浅見もしっかり神永との信頼関係が気付けているんですよね。
巷の感想を見ていると、「バディ感が薄い」という意見をよく目にするのですが
自分はこの関係性の変化の流れに気付いたので、あまり気にならないんですよね。
むしろ、浅見に対する神永の信頼の仕方が不器用なのが
群れで生きる事に不慣れなウルトラマンが頑張っているように見えて
微笑ましく感じられる
ので、自分は結構好きだったり。
先述の通り、デザインワークスに掲載の庵野秀明の手記によると
浅見がこの信頼感に加えて、恋愛感情をもっと抱く予定だったそうですが
主人公とヒロインの恋愛は『初代マン』に必要無いので
個人的には、現在の完成品ぐらいの関係性の方が好みかなと・・・

浅見に見送られたウルトラマンは
自身の何百倍も巨大なゼットンに立ち向かいますが
原典同様、特殊な光波バリアには手も足も出ず
初代ゼットンも使っていた赤い光線を大量に食らい
神永の姿に戻って、地球の海に落下してしまうのでした。


■第37話「小さな英雄」

ウルトラマンの敗北を知り、絶望する内閣や閣僚達。
ゼットンが地球を滅却する事を把握した日本政府及び国連は
真実を公表せずに、滅びの時を知らぬまま滅亡する事を受け入れます。
この状況は、『日本沈没』の超重要人物 渡老人と
山本総理の会話の中で生まれた名言である
「何もせんほうがえぇ。」ですね・・・
禍特対にもその情報は伝わっており、特にショックが大きかったのは滝。
滝は自身の物理学の知識こそが、人類を新たなステージに導くと信じていたのに
人類の物理学の常識を遥かに凌駕した外星人たちの来訪により
自分が出来る事を完全に見失い、絶望してしまいました。
そんな天才 滝くんの出身大学は【城北大学】なのですが
この城北大学って仮面ライダー1号 本郷猛の母校なんですよ・・・
『シン・ユニバース』ってそこも繋がっちゃうんですか・・・?

ウルトラマンが居れば、人間が戦う必要は無いのではないか?
ウルトラシリーズを見た事のある人なら、誰もがぶち当たる疑問ですが
この疑問を『初代』の段階で既に真っ向から描いているのが
『初代ウルトラマン』が誕生から56年経った今も、愛されている理由でしょう。
『ウルトラマン』第37話「小さな英雄」では
天才発明家であるイデ隊員が、滝と同じ悩みに直面し
新兵器を開発出来ず、怪獣を前にしてもウルトラマン頼りで
全力を尽くさず、まともに戦わなかった結果
人間に友好的な怪獣 ピグモンを怪獣に殺されてしまう結果に。
人類が全力を尽くして戦うからこそ、ウルトラマンが助けてくれると気付いたイデは
ウルトラマンが苦戦を強いられている、怪獣の首領(酋長) ジェロニモンを
イデ自身が開発した新兵器 スパーク8でウルトラマンと共に撃破。
これからも
イデは、ウルトラマンと共に怪獣に立ち向かうと、決意を新たにするのでした。
絶望した滝は階段の手すりを思いっきり叩いていましたが
この階段って、『初代マン』最終回で元祖科特隊の基地として使われた場所では・・・?

神永が自身に残してくれたUSBメモリを船縁に教えてもらう事で滝は覚醒。
中に入っていたデータは、ベータシステムの原理を地球人でも理解できるように
人間の記号や数式に置き換えた設計図でした。
そんなデータと共に残されていたのは、ウルトラマンからの言葉。
ウルトラマンは決して万能の神ではない。
君たちと同じ、命を持つ生命体だ。
僕は君たち人類のすべてに期待する。
と・・・

「ウルトラマンは決して神では無い。」
これは、『劇場版メビウス&ウルトラ兄弟(06年)』で
初代ウルトラマン本人であるハヤタが、ルーキーのメビウスに伝えた言葉。
「ウルトラマンが人間を救うのでは無い。人間と力を合わせ、戦ってきたのだ。」
これは、『ウルトラマンギンガ(13年)』最終回で
変身能力を封印されたウルトラマンタロウが
人類の声援の力で変身能力を取り戻し、復活した時の言葉。
イデ隊員と滝の苦悩は些細な悩みに過ぎず
ウルトラマンは昔からずっと、人間と力を合わせて怪獣を倒して来たんです。
それは『シン・ウルトラマン』のウルトラマンも例外では無く
ウルトラマンは禍特対メンバーを、そして人類を信じて、このデータを託してくれました。
絶体絶命の危機に陥った時に、人類は世界中の叡智を結集し
地球全体で力を合わせる事で、その強大な危機を乗り越えられる。

それは『エヴァンゲリオン』シリーズや『シン・ゴジラ』の頃から変わらない
庵野秀明から観客へと向けた不変のメッセージ。
その礎を気付いたのは、やはり『日本沈没』などの小松左京作品群でしょう。

ここから滝が覚醒する事で、物事が急ピッチで進んで行く訳ですが
『シン・ゴジラ』のヤリオリ作戦と比べると
人類が叡智を結集している感が映像に全く出ていない・・・!
プレステVRで国際会議に参加する滝は面白いんですけど
やっぱりここは『エヴァ』のヤシマ作戦のあのBGMをかけても構わないので
国籍を超えた世界中の人たちが、ゼットン対策に向けて力を合わせている場面を
実際に映像として見せてくれた方が、盛り上がったのではないでしょうか・・・
この後のゼットン戦も結局、ウルトラマン1人で挑むだけなので
ついに倒したぞ!というカタルシス(爽快感)に繋がらないのがなんとも・・・

滝はベータカプセルをウルトラマン状態で点火し
6次元空間を展開したまま、ゼットンの一兆度の火球にぶつかる事により
別宇宙へ全てを転送してしまうブラックホールを発動させる仕組みを発見!
このシーンの、ウルトラマンも一緒に消滅する可能性があると分かった瞬間
即座に作戦を拒否し、異なるプランを要求する田村班長が大好きなんですよ・・・
こんな温かい人が禍特対の班長をやっていたから
ウルトラマンは人類を守ってあげたくなったのでしょうね・・・
しかし、神永は自身の命を犠牲にしても、人類の未来を守る意思を表明し
一兆度の火球を構えるゼットンに対し、ウルトラマンへ変身。

最後の最後で元祖の変身バンク再現はズルいでしょう。

赤い背景をバックに巨大化した右拳を構え
上空高く飛翔するゼットンに向かって行くウルトラマン。
残り時間が画面に表示されているのは
TV版『エヴァ』の初号機&2号機VS分身使徒 イスラフェル戦っぽいですね。
ウルトラマンはゼットンを目前に再びベータカプセルを点火!
強大なエネルギーと共にブラックホールが出現し、ゼットンが消滅。
しかし、滝の想定通り、ウルトラマンも吸い込まれてしまう・・・!
今までと同じく、フルCGにも関わらず常に飛び人形状態のウルトラマン。
ガボラ戦やザラブ戦では笑えていたはずなのに
同じポーズのまま模様が緑になるウルトラマンが、こんなに哀しいなんて・・・
ウルトラマンはブラックホールに吸い込まれ、宇宙の彼方に消えてしまいました。

〈22/06/18追記〉
※日本語字幕付き上映で、ウルトラマンの本名が「リピア」では無く
 「リピアー」である事が発覚しましたが、当記事は公開当時の体裁を保つため
 全文「リピア」表記になっております、ご了承下さい。


ウルトラマン、目を覚ませ→目の電飾ピカッは笑いましたが
ウルトラマンを助けてくれたのは、光の星のゾーフィ。
ゾーフィはウルトラマンの【生きたい】というサインを目印に
わざわざ別次元までウルトラマンを助けに来てくれました。
ウルトラマンからの情報供与があったとはいえ
ゼットンを見事退けて見せた、人類のしぶとさにゾーフィは感動。
そんな人類の未来を見届けるべく、光の星は地球全滅を中止したようです。
ゾーフィは傷付いたウルトラマンに光の星に戻るよう言いますが
ウルトラマンは命を神永に渡すので帰れない、とこれを拒否。
ウルトラマン、そんなに人間が好きになったのか。
ゾーフィも驚いていましたが
ウルトラマンは神永の為に命を差し出すと言っているんですよ。
人間にとっては蟻のような下等生物にですよ?
どうしてそんなに、人間の事が好きになってくれたんだウルトラマン・・・
序盤から触れられていましたが
弱いなりに群れて、支え合って、懸命に生きようとしている
そんな人類の可能性をウルトラマンは好いてくれたのでしょうか。


〈追記〉
ウルトラマンが人類を【幼い】と評しているのも印象的で
結局、ウルトラマンが人類を守ってくれた理由は
冒頭の子どもを守って死んだ神永と同じなんですよね。
子どもと大人なら、大人の方が生産性が高いのは明らかで
生産の低い子どもを守るために、大人が命を落としてしまうのは非効率なんですよ。
例えばメフィラスが、地球人の子どもか大人の命のどちらかを選ぶ局面に立ったなら
アイツは生物兵器として有用性の高い、大人の命を迷いもせず選ぶと思うんです。

でも、ウルトラマンは、リピアはそれを選ばなかった。
子ども達=幼ない地球人の希望に溢れた未来を守りたいから。
まだまだ環境破壊もするし、戦争も繰り返すけど
いつか光の星の住人のように成長してくれる
そんな地球人の未来をリピアは見守りたかった。
やっぱりヒーローなんですね、ウルトラマンは・・・

『初代マン』のゾフィーは命を2つ持って来てくれましたが
ゾーフィの光の星にそんなとんでもシステムは存在しておらず
命は1つのまま、ゾーフィは神永とウルトラマンを分離してしまいました。
また、初めて神永の姿を借りずに喋ったウルトラマンですが
その声を演じていたのは、なんとこれまたスター俳優 高橋一生さん!
『シン・ゴジラ』の巨災対イチの変人 安田役でお馴染みですが
竹野内豊さんと同じく、また『シン』の世界に帰って来てくれるなんて・・・
なにより高橋一生さんは『コスモス』TV本編で
ムサシの親友パイロット ミツヤとしても出演されていましたし
久しぶりに『ウルトラマン』に帰って来てくれたんですね!
〈追記〉
何度か見直して気付きましたが
巨大メフィラスと話す時のリピアの声も高橋一生さんでしたね・・・

ゾーフィが呼んでいた、ウルトラマンの本名は【リピア】。
既存の生態系に重大な悪影響を及ぼす外来種でありながら
その花言葉は「絆」「誠実」「私を理解してください」
こんなにウルトラマンにピッタリなお花があっていいのでしょうか・・・

そして本作のラストを飾る主題歌 米津玄師氏の「M八七」。
タイアップ曲の完成度が高すぎる事に定評がある、米津玄師氏ですが
今回もウルトラマンと人間の絆を彷彿とさせる歌詞が完璧過ぎますし
非常に聞き心地の良い綺麗な音色が染み渡るので
クライマックスに聞く主題歌として完璧なんですよ・・・



禍特対メンバーに見守れながら目を覚ました神永。

いまに枯れる花が 最後に僕へと語りかけた
「姿見えなくとも 遥か先で見守っている」と━━「M八七」米津玄師


果たしてゾーフィはウルトラマンと神永をどのように分離させたのか。
それは劇中で明かされる事はありませんでした。
しかし、人間が生物兵器に転用出来る事が判明し
地球は狙われている!
今・・・宇宙にただよう幾千の星から、恐るべき侵略の魔の手が・・・

迫りくる外星人に立ち向かえるのは、ミラクルマンのナンバー【7】を持つ者か。
それとも、轟く叫びを耳にして、ウルトラマンが帰ってくるのか!?

映画『シン・ウルトラマン』は
『初代ウルトラマン』の魅力的な部分がひたすら詰め込まれた、カオスな【迷】作にして
自分の空想していた浪漫が全て実現したような、まさに夢のように至福の112分。
今まで見て来た映画史上【最も楽しい映画】!!!

『シン・ゴジラ』を超えるロケットスタートを決めたようですし
これからもより多くの人にこの映画が広がり
ウルトラマンシリーズが持つ魅力がもっともっと広がり続ける事を祈っております。

ここまで辿り着いてくれた方々。本当にありがとうございました・・・
以上!シン・ウルトラマンの小ネタと考察でした。
それでは~
  1. 2022/05/16(月) 00:16:05|
  2. シン・ウルトラマン
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シン・ウルトラマン 全体の感想(ネタバレ無/有)

DC超卵です
logo_shin-ultraman.jpg
2019年8月1日の情報解禁から約3年の時を経て
2022年度実写邦画注目度No1の超大作。
シン・ウルトラマン』がいよいよ本日、5月13日から上映開始!
DC超卵もその完成をこの目で見届けて参りました・・・


■前置き (記:2022/05/12)

小学3年生だった2008年。
ウルトラマンを筆頭とする【特撮】にしか趣味の無かった自分は
ある一つのアニメと出会い、人生を狂わされる事になります。
それがレンタルビデオ屋でDVDを借りて来た『新世紀エヴァンゲリオン』。
それは僕が庵野秀明を見つけてしまった最高の瞬間。
こんなオタク特有の深読み大量のブログを始めたのは
画面に映っていない情報を深読みしても良いと教えてくれた、庵野秀明の影響。
公開当時に見た『新劇場版:破(09年)』は
10年生きた僕の人生において、最も鮮烈で美しい映像体験でした。

時が流れて2016年。
東宝が2016年公開の実写映画で最も予算を用意した状態で
僕が敬愛してやまない庵野秀明と『平成ガメラ』特撮監督の樋口真嗣がコンビを組んだ
12年振りの国産ゴジラ新作『シン・ゴジラ』は公開されました。

メインキャラですら素性や過去は映像で一切説明されず
全員政府関係者の登場人物達による、驚異の早口会話劇と
拘りのカメラアングルとカット割りで生み出された、クセになる圧巻のテンポ。

徹底的にシュミレーションされた2016年当時の日本を舞台に
突如出現したゴジラに対して、戸惑いながらも全力で対応する
2016年当時の日本政府を描いたポリティカルフィクション的な面白さ。

これらの要素が、
岡本喜八監督作である『日本の一番長い日』や
『日本沈没』などの小松左京作品群からインスパイアされている事は
様々な映画や小説に触れた、今だからこそ分かる事ですが
近年の日本映画のお約束を尽く破壊する展開の連続
2016年公開当時に高校2年生だった自分にとって
今までに見た事の無い、あまりにも衝撃の体験
でした。

また『初代ゴジラ』は、公開当時の観客が最も恐れる
【戦争】の恐怖がテーマとして描かれた作品だったのに対し
『シン・ゴジラ』も、公開当時の観客が最も恐れる
【東日本大震災】の恐怖にテーマを置き換える事によって
1954年の『初代ゴジラ』が観客に与えた恐怖・インパクトを
2016年に再現した
リブート作品として完璧だったにも関わらず
ドキュメンタリータッチかつ圧巻のテンポで描く【岡本喜八の面白さ】と
SF・ポリティカルフィクションを突き詰めた【小松左京の面白さ】に加えて
【東日本大震災】のその後を生きて行く日本国民にエールを送る
庵野秀明の持つ娯楽性を最大限に発揮した、エンターテイメント超大作
であった事に
自分は甚く感動し、痺れ、放心し
『シン・ゴジラ』は、マイベスト映画1位の座に君臨しました。
そして約3年前、2019年8月1日を僕は忘れません。
企画・脚本:庵野秀明×監督:樋口真嗣による
『シン・ゴジラ』コンビが贈る最新作
シン・ウルトラマン』製作決定の瞬間を━━━

僕の人生を狂わせた『ウルトラマン』『エヴァ』『シン・ゴジラ』という三巨頭のコラボに
心躍らないはずが無かったのです。
それから半年後、人類はコロナ禍という
未だ終息の目処が経たない未曾有の危機に陥り
庵野秀明総監督の次作となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』も公開延期。
本来、2021年初夏に公開予定だった『シン・ウルトラマン』も
『シン・エヴァ』の延期によりスケジュールがずれ込み、公開延期を余儀なくされました。

2021年3月に公開され、25年の歴史に
ついに終止符を打った『シン・エヴァ』は
これまでずっと『エヴァ』を追い続けて来たファンと
『エヴァ』の人気に囚われ続けて来た登場人物たちへ
それぞれかけられた【呪縛】から解放する、同窓会かつ集大成とも呼べる作品であり
アニメーション作品に『シン・ゴジラ』で培った実写作品の要素を取り入れ
現在の技術で可能な、映像表現の面白さの全てを詰め込んだ意欲作でしたが
『シン・エヴァ』完成までに庵野秀明が歩んできた人生を
登場人物全員に反映させてストーリーを展開していく私小説的な造りは変わっておらず
それが『エヴァ』らしさである事から、そこは絶対に曲げてはいけない部分ですし
あの庵野秀明が、『エヴァ』をこんなに綺麗に完結させられた事。
そんな人生を歩んでこれた事にも感動した
のですが
『ヱヴァ破』や『シン・ゴジラ』にあった、爆発的な娯楽性は引き継がれておらず
『シン・エヴァ』のエンターテイメント性の低さは、個人的にとても期待外れでした。
シン・ウルトラマンのデザイン発表の瞬間を
「ツブコン2019」で斎藤工さんと樋口監督と一緒に会場で見てから約2年半。
『シン・ウルトラマン』の最初の予告公開から約1年半。
『シン・ゴジラ』の衝撃を期待して、少し肩透かしを食らった『シン・エヴァ』から約1年。
『シン・ウルトラマン』の制作発表から約3年。
『シン・ゴジラ』のあの衝撃と感動から約6年。

ついに、2022年5月13日(金)、ウルトラシリーズ生誕55周年記念作品
エンターテイメント超大作シン・ウルトラマン』が幕を開けます。

自分の人生の全てが詰め込まれていると言っても過言では無い
その瞬間を
この目で見た時に、自分は何を想うのでしょうか。


■『シン・ウルトラマン』感想(※ネタバレ無し)


ul1.jpg
という訳で、待ちに待った『シン・ウルトラマン』!
仕事で疲れた身体に鞭を打って、当然初日に見て参りました。
まずはまだ未見の方にネタバレ無しの感想をお伝えすると

まさしく
空想と浪漫。そして、友情でした。


バラエティ豊かな1話完結のストーリー群と連動して
毎週登場する新怪獣に立ち向かう、ウルトラマンの姿を見た空想。
高度経済成長期真っ只中の日本の空気を象徴するかのように
個性豊かで底なしに明るい科特隊のメンバーが、多彩なメカニックで怪獣に挑む浪漫。
そして、元祖『初代ウルトラマン』では重視されていなかった
異星人であるはずのウルトラマンが人類の為に戦ってくれる理由・根拠・友情。

『シン・ゴジラ』が『初代ゴジラ』の魅力をアップデートし
現代の観客に『初代ゴジラ』の衝撃を伝えてくれたように
『シン・ウルトラマン』も『初代ウルトラマン』の様々の魅力を進化させ
現代の観客に『初代ウルトラマン』の衝撃を伝えてくれる
55年間も世界中の子ども達を魅了し続ける『ウルトラマン』の魅力
日本映画史に残る、最高峰の映像表現で現代に蘇らせた
最高のエンターテイメント体験をお見逃しなく。


1時間50分見所しかない、本当に楽しい映画なので
『ウルトラマン』が好きな人・好きだった人は絶対に満足出来ますし
『ウルトラマン』を知らない人は、『ウルトラマン』の魅力を叩き付けられる最高の映画体験。
ネタバレされてしまうと、面白さが半減・・・いや8割減してしまうので
気になった方は是非、その衝撃と感動を映画館でご確認下さい!!!

『初代ゴジラ』を公開当時に見た人の感情を追体験する事が出来たのが
『シン・ゴジラ』を見た時に最も感動して痺れた部分だったので
『シン・ウルトラマン』も、ウルトラマンに初めて出会った衝撃を再現してくれたのは
『初代ウルトラマン』が大好きなのに、リアルタイムで経験出来なかった事を悔やむ
ウルトラシリーズ一ファンの端くれ
として、本当に嬉しかったですよ・・・
一度では理解できないような圧巻の情報量なのは、流石庵野秀明作品。
早く2回目、3回目と何度も劇場に足を運びたいですね。

では・・・
ネタバレ有で感想を語り合いましょうか!!!













ネタバレ注意!
映画未見の方は閲覧禁止です。















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  1. 2022/05/16(月) 00:00:00|
  2. シン・ウルトラマン
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『シン・ウルトラマン』 予告がついに公開&何故、ネロンガ・ガボラなのか

DC超卵です
本日、4月18日は『ウルトラマントリガー エピソードZ』公開から1ヶ月!
メチャクチャ私事ですが、実家から引っ越してから1ヶ月という事になります。
初めての一人暮らしですが、非常に生活しやすい便利な場所に引っ越して来たので
今のところ、全く不自由なく暮らせているのが本当にラッキー。
写真やブログも、実家に居た時と全く遜色なく取り組めています。
あとは仕事に慣れれば完璧なんですけれども
中々苦労しますね、やっぱり・・・

logo_shin-ultraman.jpg
公開まで1ヶ月を切って、いよいよ公開という実感が湧いて来た『シン・ウルトラマン』。
2019年8月に製作発表されてから、約3年・・・ようやくです。
そんな高まる期待感をさらに高めてくれる、最高の映像が本日早朝に公開されましたね。

先週金曜日から、日本各地の劇場で上映されていた
82秒の完全版の予告編が、ついに本日ネット上でも解禁!
『シン・エヴァ』の際も、話題作の封切と同時に劇場で予告を先行解禁し
時間が経つまでネット上には公開せず、飢餓感を煽る事で
予告見たさに話題作もついで見てもらおうという巧みな宣伝戦略を取っていましたが
今回もそんな戦略の巧みさが遺憾なく発揮されていますね・・・
30秒Verが金曜日にネット解禁されたので、なんとか耐えられましたが
もし30秒Verが無かったら、自分は間違いなく土日に『コナン』を見に行ったと思いますw
さらに予告の解禁と合わせて、劇場グッズ情報も一部解禁され
後日書店で販売される「デザインワークス」の劇場先行販売や
映画の醍醐味ともいえるパンフレットの発売が封切と同時に行われる事も発表。
パンフレットにはキャスト・スタッフのインタビューが掲載されるだけでなく
NHK『達人達』でチラっと見れた、樋口監督のアイデア手帳も掲載予定。
デザインワークスには庵野秀明による1万2千字の手記も掲載!という事で
この2冊を手にする事で、『シン・ウルトラマン』の深淵に迫る事が出来そうですね・・・
気が早いですが、おそらく発売されるであろう
『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』のような、全記録全集にも期待が高まりますね・・・


■新予告で明らかになった事

本日解禁の新予告には、初公開の台詞やシーンが満載であり
色々と気になる事ばかりで、何度見直した事か!
とりあえず、個人的におっ!と思った部分をピックアップすると

●神二が銃を向けていたのが、ザラブだった事。
昨年1月に初公開となった最初の特報から存在していた
車内で新二が助手席に銃を向けるシーン。
誰に銃を向けているのかを考察させる意図があったと思われ
自分もまんまと策にハマって、「誰だ誰だ・・・?」と思慮を巡らせていたのですが
まさかのザラブ星人が助手席に座っている予想外のシーン。
原典通りだと、この後ザラブに新二は捕まってしまいそうな気もしますが
ザラブが手の平を発光させているシーンが追加されている事から
ニセウルトラマンでは無く、ウルトラマン本人が洗脳される展開もありそう・・・?

そしてこのシーン、おそらく撮影当時の2019年段階では
今までのウルトラシリーズには無い、斬新なシーンだったと思うのですが
撮影終了後の『タイガ』であった、ヒロユキの助手席に乗るタイガ。
そして、翌年『Z』の後部座席でハルキに道案内するジャグラー・・・
近年の作品とネタ被りしてしまって、既視感があるのが仕方ないけど勿体ない!w


●今度は『独立愚連隊』!?
今回の予告で追加されたシーンで印象的なのが
早見あかりさん演じる由美が発する、「霞が関の独立愚連隊へようこそ~」という台詞。
これは禍特対に途中加入する事になった
長澤まさみさん演じる弘子に対する台詞だと思われ
おそらく、『シン・ゴジラ』の巨災対のように
禍特対が出世ルートから外れた、はぐれ者達が集まる組織だという事を
弘子に遠回しに伝える為に、こういった自虐的な台詞回しになっていると思うのですが
【独立愚連隊】と聞いて思い出すのが
やっぱり、岡本喜八監督作『独立愚連隊(1959年)』なんですよ。
『独立愚連隊』は【日本軍各隊のはぐれ者達によって結成された組織】であり
禍特対が【出世に無縁な霞が関のはぐれ者】が集められた組織である事を伝える台詞として完璧なんです。

庵野作品は岡本喜八監督の影響をモロに受けている事で有名であり
特に岡本喜八監督の代表作である『日本のいちばん長い日(1967年)』
政府・閣僚が玉音放送阻止というクーデターに対抗する為
凄まじいテンポで会話劇が繰り広げられるドキュメンタリー風作品なのに対し
『シン・ゴジラ』は政府・閣僚がゴジラ上陸という災害に対抗する為
凄まじいテンポで会話劇が繰り広げられるドキュメンタリー風作品に仕上がっており
『シン・ゴジラ』は『日本のいちばん長い日』のリメイクと言っても、過言では無い作品。
『シン・ゴジラ』最重要人物である牧悟郎教授の写真が
岡本喜八監督である事もそれを裏付けていますね。
今回『シン・ウルトラマン』では、わざわざ予告で
直接『独立愚連隊』と発言する大ヒントをくれている訳ですから
この機会に是非、ご覧になってみては如何でしょうか。
映画として文句無しの面白さですし、『エヴァ』や庵野秀明のルーツとしても見応えありです。


■何故、ネロンガとガボラなのか

今回の予告で新たに追加された台詞の中で
個人的に1番「これは・・・!」と感じたのが
ドリル形態になって進行するガボラのシーンの後に
「核廃棄施設まで、あと山一つしかない!」という新二の台詞。
原典のガボラはウランを主食としていた事から
今回のシン・ガボラも放射能が好物であろう事は
この新予告の新台詞でおそらく確定。
予告でネロンガが映るシーンは、高圧電線が映り込んでおり
ネロンガも原典通り、電気を主食としている事もほぼ確定でしょうね。

昨年1月に予告が公開され、ネロンガとガボラの登場が発表された時から
個人的にずーっと引っ掛かっていたんですよ。
「どうしてネロンガとガボラなんだ?」と。
今回のウルトラマンのデザインコンセプトや
「M八七」という初期設定から名前が取られた主題歌。
さらに原典はラゴンの改造だったザラブ星人が
今回の新デザインはデザイン画に忠実である事から分かるように
当時の製作陣が、制限の無い中で創りたかった
『ウルトラマン』の本当の姿を目指している事は明白
なのですが
ネロンガとガボラだけ、着ぐるみの改造を前提としてデザインされており
制限の無い作品を目指している『シン・ウルトラマン』の中で歪だったんですよ。

CG予算の削減の為に四肢のデザインを共通化させる為
原典の着ぐるみも四肢が共通だったネロンガとガボラを抜擢するなら
成田亨デザインで着ぐるみ新造のレッドキング→改造のアボラス
成田亨デザインで着ぐるみ新造のゴモラ→改造のザラガスのように
制限の無い中デザインされたメジャー怪獣が改造されたパターンでも良いのに
何故、マイナーで制限まみれのネロンガとガボラなのか。

それはネロンガの改造元である東宝怪獣のバラゴンのデビュー作
『フランケンシュタイン対地底怪獣』が『ウルトラマン』のルーツであり
巨大人間VS巨大怪獣を最初にやった作品として
オマージュを捧げている・・・というのもあるんでしょうけど
「核廃棄施設まで、あと山一つしかない!」という台詞から分かる通り
ネロンガとガボラは四肢を流用出来る都合の良いデザインかつ
庵野作品名物の反核・反放射能のメッセージを伝えられる怪獣だったからでしょうね。
DAICON FILM版の『帰ってきたウルトラマン』でも
自主製作の時代から核兵器に警鐘を鳴らしていた庵野氏。
電気と原子力という、日本の課題を餌にするネロンガとガボラを通して
『シン・ウルトラマン』ではどんなメッセージを伝えてくれるのでしょうか。



予告が公開される度に色々と語ってしまう『シン・ウルトラマン』。
庵野&樋口コンビの掌の上で、踊らされている気がしますねぇ・・・w
https://www.khara.co.jp/2022/04/18/sudw/#more-19622
各サイトでは、デザインワークスに掲載されているデザイン画が先行公開されていますが
背中にドリルがあるはずのガボラの背面が剝き出しになっている画が・・・!
文字は拡大しても潰れてよく見えませんが
「背面はネロンガと共通するボディにアルキメデススクリュー×××が
アタッチメントとして組み込まれている設定を具現化している」

と書かれていませんか・・・!?
これは、ネロンガのボディを何者かが改造してガボラにしたのか。
あるいは、ネロンガもガボラも生物兵器であり
共通ボディにアタッチメント付け替えで2モードチェンジするのか!?

あああああっ!早く見たい!!!
公開まであと3週間半。予告を見まくり、ひたすら耐えるのみです。
以上!『シン・ウルトラマン』最新予告の感想でした。
それでは~
  1. 2022/04/18(月) 20:01:13|
  2. シン・ウルトラマン
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プロフィール

DC超卵

Author:DC超卵
北海道在住、20代のウルトラマン好き。
2歳の時に見たバルタン星人特集VHSが原因で
ウルトラマンにハマってから抜けられず。
玩具「ウルトラエッグ」の魅力を伝えたくて
中学1年生の時にこのブログを始めました。
男子中学のDCだったのにブログ設立から
10年経過。気付けば一児の父です。
今は現行サイズのソフビシリーズと
可動フィギュア「ウルトラアーツ」の図鑑を
製作しています。

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