※2018年12月28日現在、時間的都合で未完結です。※2019年2月2日加筆。未完結です。※2019年5月27日加筆。未完結です。(序章)
「10年に一度の珍事」と世間を賑わせた雪が降ったのは、その年の5月も半ばのことだった。
やがてその雪解け水が無数の星屑となって天の川に流れ込んだ。
そして天の川を溢れ出した星屑が、漆黒の闇の中、二本のレールとなり果てしなくどこまでも連なったは、その年の7月のことだった。
これが「天の川鉄道」の誕生だ。
人々は、「銀河鉄道の再興」を口にした。
そして、どこからともなく、誰からともなく「息子太陽ありがとう!」という言葉が流行語のように響き始めた。
かつて、
「息子太陽ありがとう!」
というキャッチコピーで、「銀河鉄道」がその名を宇宙中に轟かせたは、20世紀のことだった。
僕らが、GWHさんに再会し、「天の川鉄道」の開通を祝って南の島への楽園ツアーに出かけたのは、この年のゴールデンウィークのことだった。
時系列的矛盾あるが、事系列的にはそうなのだから仕方がない。
<目次>
・ジェビー
・ウッバーくん
・GWHさん
・84年製-e-lvn456
・五月雪
・ストロベリーダンス
・そしてヨンサンラ(ジェビー)
目次でジェビーに呼称がない。
ジェビーは、性別不詳。
それで皆、「ジェビー」と呼び捨てにしているが、、親近感からくる友好的な呼び捨てだ。
ついでにジェビーは、年齢も職業も不詳だ。
誰もジェビーの素性に詳しい人はいない。
ルックスは、贅肉をすべて削ぎ落とした引き締まった体を、宇宙的銀色(スペイシーシルバー)のウエットスーツに真っ黒に日焼けした顔以外すべて包み込んでいる。もちろん頭髪も。真っ黒い顔の奥に金色の目が鈍く光っている。
まさに「精悍」という言葉がジェビーそのものだ。
ジェビーは、いつも浜辺で歌を歌っている。
その容姿も手伝って誰もがサーファーだと思い込むのだが、ジェビーは、完全な金づちで決して水には近づかない。
これほどまでに見た目が実態を裏切りるケースもないだろう。
見た目が実態を裏切りると言えば、精悍そのもののジェビーだが、かなりの大食漢でその胃袋は無尽蔵と言われている
。
「底なし」ではなく「無尽蔵」と言われているのは、ジェビーの胃袋が一つではないということで。
一つの胃袋が満腹になると、新しい胃袋が作られるらしいのだ。
そんなジェビーが、お腹いっぱい食べて陽気に歌っているのは、この年出会った「84年製-e-lvn456」のお陰だ。
この年というのは、もちろん、「天の川鉄道」が誕生した年だ。
(ウッバーくん)
ウッバーくんは、2001年生まれのニューヨーカーでティーンネイジャー。性別は男。
男ではあるが、東洋の古い話に感化されて自分は竹から生まれたお姫様だと信じ込んでいる。
信じ込んでいるをとっくに通り越して、彼の中では揺るぎない事実として直立不動のものとなっているようだ。
彼は、両親に自室を畳敷きの和室にリフォームし
てもらった。床の間付きという本格的なもので、そこに開閉式筒型竹製ベッドを立てその中で立ったまま眠っているという。
床の間に立つそれは、天空へとまっすぐに力強く伸びる一本の竹のようだった。その様子は、まるで彼の中で芽生え直立不動のものとなった例の揺るぎない事実のようでもあった。そんな彼は、お人好しでいつも人に振り回されているそうだ。
やがて彼は、東洋の古い話の通り、月へと帰った。
(GWHさん)
GWHさんは、といってもGWHというのは、ジェビーやウッバーのような人名ではない。
なんというか・・・社名や屋号をまるで名前のように呼ばれている人を時々見かける。あれでである。
GWHが何の略だったかは、ハッキリと覚えていない、「ゴールデンウィークホリデイ・・・」とか言うツアーの企画名あったか「ゴールデンウィークホリデイ・・・社」という企業名だったか・・・そんな感じ。
だが、僕らの記憶の中にその男性はしっかりと存在していて、お互い顔見知りで、この年の南の島への楽園ツアーもGWHさんに手配してもらったわけだ。
ウッバーくんの月帰りもGWHさんの仕事だそうだ。
ちなみにGWHさん個人の名前は未だに知らない。
「天の川鉄道」の開通を祝ってのことだから、この年というのは、もちろん、「天の川鉄道」が誕生した年だ。
(84年製-e-lvn456)
(五月雪)
「五月雨」と書いて「さみだれ」と読む。
「五月雪」と書いて何と読むのだろう。
「シンシンシン。シンシンシン。シンシンだい。」
ある地方で歌い継がれている童歌がある。所謂、伝承歌。
故に、「シンシンシン。シンシンシン。シンシンたい。」と歌われることもあるようだ。
むしろ興味深いのは、この地方の特徴的気象の方かもしれない。
特徴的と言えば、窓下のそれ。(ストロベリーダンス)
(そしてヨンサンラ)
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