WIND OF MOON 2009年09月
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WIND OF MOON

アニメ、漫画(たまにドラマや音楽)の感想・雑感を気の向くままに綴っています。
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No  269

アニメ【NARUTO】346話感想

■346話「結成!」2009年9月10日放送
脚本/彦久保雅博 絵コンテ・演出/福田きよむ 作画監督/Eum,Ik-hyun

命を懸けた大博打。
これが素面でいられようか。
とはいえ、それは綱手側であり、酒豪の綱手を悪酔いさせる位の衝撃。
これが最後の告白も、最後だからこその自来也の告白だった気がしてなりません。死を決心する位の任務でもなければ、多分告白する事もなかったでしょう。

自来也と綱手は、恋愛としての対象を内包しつつも、もっと大きな(友)愛や信頼で繋がっているのでしょう。
ダンは恋愛の対象だった綱手ですが、今となってはダンと自来也を同じラインでは語れない。
アタックしては玉砕だった自来也の、綱手に対する気持ちは常に本物だったと思います。勿論、はぐらかしてはいますが綱手も自来也の気持ちは分かっていた筈。
同胞として、信頼できる強き者として存在し続けてきた自来也が、今回だけはもう帰って来ない、そんな気がしてならないのは、自来也の『年寄り(年長者)の在り方』や『綱手との賭け』から察しがつきます。
綱手と別れる最後まで、湿っぽくさせまいとする彼の心遣いがかえって遣る瀬無いです。そして、彼の器の大きさを感じさせます。

この回で初めてナルトの両親が誰なのか分かったのですが(原作連載当時、父親についてはやはりね、という感じがありました)、
外見は父親似、内面は母親似。
母親のうずまきクシナは外の人間(渦の国のくノ一)。
そんな外の里の同業とどういういきさつで夫婦になったのか、興味が尽きない訳ですが、
ナルトが母親姓を名乗っているというところをどう説明するのか、こちらも興味があります(てか、説明プリーズ、岸本先生!)。

で、ナルト。

イタチが、何故抜け忍となった弟サスケにナルトが執着するのかという問いに、
ナルトは少なくともイタチよりは兄弟だと思っているから、と答えます。
その理由を聞いたイタチは少し笑みを漏らします。
連載当時、
『この笑み』を、ナルトを愚かだと思って漏らした嘲笑に思えたのです。
でも、
原作でイタチがどうなったのか分かっているので、ちょっと考えが変わりました。
嘲笑に思えたイタチの笑みは、本当はナルトの『あきらめないド根性』に対する敬意が込められていたのではないかと。

180度、感じ方が変わってしまいました(マダラの説明が真実ならば)。

イタチが何をしにナルトに会いに来たのか、何となく想像はつくのですが、
サスケを守る為、
ここぞというサスケの危機に『イタチの最後っ屁』(イタチの屁なんて、先生、あんまりです!)ナルトに発動されるんじゃないかと。

外れたら笑って下さい。

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No  268

2009年劇場版【NARUTO】火の意志を継ぐ者 感想

劇場版 【NARUTO疾風伝】火の意志を継ぐ者
脚本/武上純希 
絵コンテ/むらた雅彦 横山彰利 熊谷雅晃 増田俊彦 にいどめとしや
総作画監督/鈴木博文 清水義治 堀内博之 櫻井親良 金塚泰彦
演出/むらた雅彦 熊谷雅晃 濁川敦 小野田雄亮 宅野誠起
監督/むらた雅彦

劇場6作目となる本作品は、アニメ放映時の内容と日本での出来事がリンクし、『リアルタイム2009年夏』をとても感じさせてくれる内容となりました。多分後にこの作品を見る都度、「ああ、これは2009年の夏の作品だったな」と思い出させてくれることになるでしょう。

で、日本での出来事とは、皆既日食が観測されたことと大河ドラマ【天地人】が放映されている事。そのうち大河ドラマの方は直接内容がリンクされているわけではありませんが、最近の戦国武将・歴女ブームの流行りをスタッフが感じての事だろうなぁ、といった印象(笑)。

作品の方へ話題を戻しますが、
『火の意志を継ぐ者』というタイトルからして、非常に原作の根本を問うた内容となっています。
根本→思想。
シカマルの師アスマは、明日を担う子ども達の為に命懸けで戦った。
そのアスマの父三代目火影も同じ。
子どもたちを守るということは未来を守ること。

さて、今回の敵は元々は木ノ葉の忍者卑留呼。
自分の弱さに劣等感を持ち、仲間と共闘するよりも他人の能力を取り込み己個人を強くする道を選んだ忍です。

今回の作品はなかなか味わいが深く、原作とのリンクや、アニメ放映時とのリンク、日本での出来事とのリンクなど、これを『外側』とするのなら、
1.カカシ班結成当時のカカシの教えと戦場のボーイズライフでのオビトの言葉
2.新生カカシ班の鈴取り合戦と、歪んでしまった思い出の鈴
3.アスマの遺志とそれを受け継いだシカマルの意志
4.拳を交えたからこそナルトの気持ちが分かる我愛羅
など、これらは作品の『内側』のリンクと言えるでしょう。

結局は『自分は何の為に生きるのか』というのがテーマなわけですが、
敵に攻め込まれ最後の手段となったとき、安易な自己犠牲はさせない、というのがナルトの心情なんです。勿論カカシだって、綱手だって、亡くなってしまった三代目もアスマだってそうでしょう。
しかし子ども達は未来の希望ですから、その為に年長者は命を懸ける。そして守ってもらった者は犠牲になった人の命の重みを感じながら意志を受け継ぎ、次の世代へ伝授する。
でも、ナルトは犠牲になってしまった人を偲びながら生きていくのは悲しすぎると言いました。確かに自分が今生きているのは、大事な人の犠牲があってこそで、それを背負って生きていくのは辛い。
綱手も、里長としての立場上、辛い決断だったのです。
その辺りの事を、我愛羅役の石田彰さんがパンフレットで見事に語っていらっしゃいます。
『集団にとって正しい事と、個人にとって正しい事を天秤にかけるのは難しい』と。
ナルトは掟を破るのはクズだが、仲間を見棄てるのは更にクズだというカカシの教え通り、カカシを救出しに向かいます。
ただこの行動、卑留呼の最期に語りかけたカカシのセリフからも考えさせられたのですが、
ナルトにはかなりの実力があったからこそ、カカシの自己犠牲を食い止める事ができた、という事なのです。

信頼関係がある仲間と、力で服従させた集合体とは違う。
卑留呼は劣等感から仲間との繋がりを切ったところが、ナルトと違うベクトルに傾いていってしまった、という例。
劣等感という出発点は同じでも、ナルトは仲間との絆を作り、犠牲にさせない、仲間を救うという信念を貫く為に(本人にはあまり自覚症状はないみたいですが)、精神的にも忍術もとても強くなった。信念は曲げないだけならただのバカですが(^^;)、ナルトにはそれを貫く強い意志と術が伴っている。だからこそ、人はナルトに希望を見出し、信じて絆ができるのでしょう。

今回は敵側の卑留呼サイドはオリジナルキャラですが、木ノ葉側は原作キャラ。
サスケの代わりにサイを入れ、ナルトの同期生が勢揃い。術の見せどころもバッチリあって、お子様から、ストーリーの巧みさで大人まで楽しめる内容でした♪


ところで、
監督が、テレビアニメで原作にはない左近の臓物どぱーーー(ーー;)のむらたさんだったのでちょっと心配だったのですが、異形の描写があの程度で良かったです。

スタッフは殆どTVアニメスタッフで、絵も安定している上にTVで見慣れているせいか違和感も全くなし!


ところで、
●WJに書いてあった、ラストのあっと驚くものってナルトが火影になっている、ってことですか?
分からん(???)

●禁止された筈の風遁螺旋手裏剣、ナルトは使って大丈夫だったんでしょうか?
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No  267

アニメ【NARUTO】感想

■345話「消失」 2009年9月3日放送
脚本/鈴木やすゆき 絵コンテ・演出/木下ゆうき 作画監督/すがやゆりこ

衝撃だらけの回!!!
《衝撃その1》ついに明らかに!暁のリーダーペインと黒幕うちはマダラ=トビ!!!
と言うか、
トビとマダラって別人だったんじゃないの?最初の設定では。
家でいつもコレが話題になるのです(^^;)。
文字通り面が割れていないのをいいこと(?)に。
だって、
デイダラの巻き添えを食って死んだトビをリーダーは、「あの程度の男ならいくらでも補充が利く」と言ったんですよ!?
「デイダラは惜しかった」と、明らかにデイダラの方がリーダーの評価は高いです。まぁ、トビはいつも逃げ腰だったし、今までこれといった能力を発揮していた様にも思えないし。ならば何故トビは暁に?って事になるのですが、そこは鬼鮫が言う様に「陰鬱な組織の場を和ませる為」…って、そんなワケあるかいッ!!!
「いくらでも補充が利く程度の男」=暁の黒幕!?
後付け設定なんじゃないの?

まぁいいや。真相は今後明らかになるでしょう。

サスケの息の根を止める手段として、周囲を巻き込む大爆発を起こして自爆したデイダラ。
この段階ではサスケとトビは死んだとされていました。
イタチを狙うサスケを、命懸けで阻止した(このセリフ、アニメではカット)デイダラの行為をイタチが感謝していると思ったのはイタチ以外の全員だった事でしょう。
そして季節外れの大雨の中。
鬼鮫はイタチの健康状態を知っている口ぶりです。
雨をいつも効果的に描く岸本さんですが、
冷酷なイタチがサスケの死を悼んでいるかのような、涙雨の様にも感じられます。しかし激しく降ったのもつかの間、雨はあがり晴れ間が覗きます。この時はイタチはサスケの生存を確信していました。イタチの心を当時は誰も読めなかった様です。勿論読者・視聴者である私にも。それがイタチの、というか岸本さんのねらいだったのでしょうけれど(^^;)。


《衝撃その2》うちは一族がイタチとサスケ兄弟以外にもいるという事実。
…って今更ですけれどね。
シスイは死んだんですかね(というか、本当にイタチに殺されたのでしょうか)。


おまけの(^^;)、
《衝撃その3》甲斐がいしいまでの重吾のサスケへの看病。
恋する乙女(笑)香燐はさておき、何故重吾と水月がサスケについて行くのか、よく分かったアニメでの説明。
水月は刀欲しさ、ということは以前にも説明があったけれど、重吾は殺人衝動が抑えられるのは、もうサスケしかいないから。
サスケは檻と言うけれど、水月も指摘している様にその檻には鍵はない。いつだって抜け出す事はできる筈。それに水月と違って重吾にはこれといった目的もなさそう。
矛盾している様だけれど、重吾が檻や手枷、足枷なくある意味『自由』でいられるのは『サスケの檻』があってこそ、という事なんです。
重吾は本当は動物好きな内気な性格。だから、自力ではどうにもできない殺人衝動が恐ろしくてならない。でも自己嫌悪や罪の意識に苛まれて自害するという訳でもない。君麻呂亡き後自由はないと思っていた重吾だから、友であった君麻呂が自分の生まれ変わりだと思ったサスケだから、重吾はサスケについて行こうとしているのですね。

今や力をつけ、仲間を持ち、捕獲レベル(!)が高くなってしまったナルト。
ナルトの中の九尾を狙うペイン。
イタチを狙うサスケ。
サスケを追うナルト。
そして写輪眼を十分使いこなせるようになったサスケと、尾獣の力を使って自分の野望を果たそうとする黒幕うちはマダラ。

おのおのの願望が混ざり合い、黒く渦をまいて大きな嵐となっていく予感がする回でした。
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No  266

アニメ【NARUTO】感想

■344話「芸術」 2009年8月28日放送
脚本/武上純希 絵コンテ/三宅雄一郎 演出/岡島国敏 作画監督/容洪 石田慶一

芸術とは他人に理解されないもの也?

デイダラとサスケは見ているものが違う。
(というか、そもそも忍者なのに芸術うんぬんと言っているデイダラに、同業の理解者がいるとは思えません(^^;)。
初めに術ありきで、デイダラの術を活かせる(^^;)のがテロリストという事だったんでしょうね…アブない芸術だ;)

サスケはハナからイタチの居場所しか頭にないし、
デイダラは対イタチというか写輪眼対策をどれだけ、イタチの弟で同じ写輪眼を持っているサスケに通じるのか試し、デイダラの芸術性(力量)を測りたい、サスケをひれ伏せたい。

C2ドラゴンもC4カルラもサスケに破られ、デイダラは体も心(プライド)もズタズタです。対し、サスケは体はボロボロですが、心までボロボロではありません。
結局、「血統に恵まれただけ」と自身に言い聞かせていた通り、いや、それ以上に血継限界の写輪眼の優位性を見せつけられたデイダラ。
加えて属性の土も、サスケの雷に負け。
里長である我愛羅をやったデイダラも、サスケには勝てません。
勝利を感じるのもつかの間、次の瞬間には写輪眼の脅威に曝されます。

C4カルラを放った後、デイダラに冷や汗が流れます(原作ではそれほどの効果を感じられなかっただけに、アニメのこのシーンはナイスです)。
渾身の力で直接サスケをC4カルラに閉じ込めても、やはり写輪眼からは逃れられなかった。
最後にはサスケの拳がデイダラを直撃しますが、ここで感じられたのは、

ナルト拳を交える事で絆ができるが、
サスケは拳を交えても絆を断ち切る、というか絆は結べない
んだ、ということ。余談ですが。

上忍の中には2つ以上の属性を扱える者も珍しくないので、イタチも火以外に複数持っていると思っていい。その中に雷があるかどうかは分かりませんが、もしそうなら、デイダラはイタチには勝てないという事になります。
結局、ここでデイダラは自爆するのでイタチとの直接対決は叶わなかったのですが、これは写輪眼=持って生まれた者に対する羨望の裏返しだから、対象者はサスケでも構わないのでしょう。
デイダラにはサスケが負けるのを直に見なくても、自爆することでサスケが必ず巻き添えを食う事を確信していたので、サスケの最期を見届ける必要もない。自らを爆破させる事で昇華させる、究極の彼なりのアートの完成です。

彼の(芸)術がもたらす恐れや動揺を受けないサスケや、持って生まれた瞳力でひれ伏せさせたイタチを、デイダラは相容れられなかった。
「そんなものは眼中にない」とサスケに言い放たれた時、デイダラは完全にキれました。
デイダラを完全否定されたのと同じだから。

他者を恐怖させる事でプライドを保っているデイダラにはどんな過去があったのでしょう。




●サスケがデイダラに披露しなかったもう一つの術は『麒麟』?

●原作2話分なのに、2分間も使い回しが!?
対写輪眼対策に、デイダラが左目を鍛えていた、という部分を回想シーンとして前回放映されたものを2分間もそのまま流したのには驚きです。
“天下のアニメNARUTO”なんですから、オリジナルシーンを挿入してデイダラの対写輪眼対策か彼の生い立ちなどを入れて欲しかった!!!

●デイダラが命と引き換えに発動した術、
段々体が透明化し、核に変化するところ、アニメではとても分かりやすかったです!
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