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プロフィール
Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。
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動物達の不思議な生態の秘密
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2019.02.08_11:43
カンチャンと茂雄さん
「先生、みなさん、おはようございます」
パナマハットをかぶり、上質なツイードのジャケット、
背筋のピンと伸びた、
とってもおしゃれなお爺ちゃんの声が病院に響き渡ります。
“茂雄さん”が柴犬の“カンチャン”を連れてやってきました。
カンチャンはリードを2本つけています。
1本は茂雄さんのベルトに縛り、
もう1本は右手で握っています。
受付の前に来ると、
茂雄さんはポケットから、
お金の入った封筒とメモ用紙を取り出し、
メモを大きな声で読み上げます。
「予防の薬、心臓のくすり、爪切り・肛門、お願いします」
自分の孫ぐらいの看護師さんに深々と頭を下げます。
そして封筒とメモ用紙を看護師さんに渡します。
封筒の裏には、
奥さんのやさしい字で
「足りないときは、次回もたせます。
病院を出たら、私に連絡お願いします」
カンチャンは、茂雄さんの横に座り、
茂雄さんの顔をじっと見ています。
順番になり、診察室に入ってもらいます。
「カンチャン、元気ですか?」
少し耳も遠いため、僕ははっきりと大きな声でたずねます。
「はい 元気です」
「何か心配なことありますか?」
「ありません」
2人の大きな声が病院中に響きわたります。
茂雄さんは72才、
4年ほど前から物忘れが始まりました。
病院に来たけど、何しに来たか忘れてしまい照れながら帰ったことも、
一度は、茂雄さんだけきて、カンチャンがいない、
ビックリして外を探してみると、
自動車の行きかう交差点を
カンチャンがリードをずるずる引きずりながらポツポツと歩いてきました。
あわてて、病院に連れて行きました。
茂雄さんを見つけると、尻尾を振り振り、茂雄さんの横にお座り。
この時以降は奥さんと相談して、リードは2本、
1本はベルトに結びつけることにしました。
最近の茂雄さんは、だんだんと感情の起伏が激しくなり、
時々癇癪をおこすようになってきたそうです。
お嫁に行った子供の顔と名前も、忘れてしまったことも、
子供がたまに来ると「どちら様?」・・・。
「私のことも時々忘れ始めている」と、
奥さんはぼやいていました。
外出は必ず奥さんと一緒に出掛けるのですが、
動物病院に来るのだけは、カンチャンと2人で大丈夫だそうです。
カンチャンと一緒の時は、
怒ることが一切ありません。
いつもニコニコしています。
名前もしっかり覚えているし、
病院でもカンチャンと一緒だとしっかりしていました。
家でもカンチャンのゴハンとお水は茂雄さんがやっているそうです。
以前は、茂雄さんの前を元気いっぱい好き勝手に歩き回るカンチャンを、
茂雄さんがリードで引っ張って散歩をしていました。
今のカンチャンは散歩中の茂雄さんの横、
車道側にぴったりと寄り添い、
いつものコースを歩きます、
違う道に行きそうになると、
カンチャンはお座りをして動かず、
「ワン」の一言
正しい道を教えます。
ある朝、奥さんが庭の鉢植えに水をあげている時、
いつもは必ずかける玄関の鍵をかけ忘れてしまい、
茂雄さんが一人で、家から出てしまいました。
あわてて、奥さんが家の周りを探しますがどこにもいません。
そんな時、カンチャンも家を飛び出してしまいました。
奥さんはパニック、
近所のスーパー、海辺の公園を探しましたが、
2人とも見つかりません。
動物病院にも探しに来ました。
警察に届け出をして
警察、御近所さん、散歩仲間、みんなで探しました。
奥さんは家で待ってもらうことに、
いなくなって3時間ほどたった昼すぎ、
家でじっと待つことができない奥さんは、
玄関の前でオロオロしていました。
そんな時“ワンワン”カンチャンの声が、
声の方向を見ると、
カンチャンが、茂雄さんとお坊さんを引き連れて歩いてきました。
お坊さんの話によると、
お寺の境内で、
茂雄さんが「かんちゃ~ん、かんちゃーん」
名前を呼びながら、ウロウロしていたそうです。
大きな声と、はだしのままの茂雄さん、
お坊さんが心配になり声をかけると、
「カンチャンがいない・・・」と、
とりあえず、お坊さんの雪駄を貸して、
一緒にカンチャンを探しました。
そこに、大きな柴犬が走ってきました。
「カンチャン」
お父さんが呼ぶと
カンチャンは尻尾をブルンブルン振りながら、
お父さんのまわりをグルグル走り回りました。
「カンチャン、探したぞ」
お父さんはカンチャンの頭をナデナデ。
14年前の暑い夏の朝、
お寺の縁の下で“く~んく~ん”
やっと目が開いたばかりの子犬がないていました。
いつも境内でお参りしてから会社に向かうお父さん。
子犬を抱き上げると、チュウチュウ指を吸い出したそうです。
とりあえず住職さんに預け、会社に向かいました。
その日会社は早退、ペットショップでミルクと哺乳瓶を買って、
「かんちゃん」を迎えに行きました。
お寺は2人の散歩コースとなりました。
しかし、家から歩いて30分、
お寺に行くためには大通りを超えなくてはいけないため、
最近はお寺に来ることはなくなりました。
お坊さんは植木用の麻紐をリードの代わりにかんちゃんの首輪に結んで、
茂雄さんにもってもらいました。
カンチャンと会えた茂雄さん、
落ち着きを取り戻し少ししっかりしました。
そして、カンチャンが茂雄さんを引っ張りながら、
2人でお寺を出て行きました。
心配のためお坊さんも一緒についてきてくれたのです。
認知症と肝臓病のお父さん、
白内障で目があまりよく見えず、
心臓の病気のカンチャン。
毎日2人はお互いに助け合いながら散歩をしています。
<五十三次どうぶつ病院 北澤 功>
〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
病院の診療時間 午前9:00~12:00 午後13:00~19:30
日曜日は午後17:00までとなります。
休診日 月曜日
臨時休診のお知らせ
2月10日(日)
都合により休診いたします。
2017.07.11_15:52
妻の愛
僕は最近、妻の愛を毎日感じています。
食べ終えた食器を置きっぱなしにしておくと怒ります、
靴下を脱いだまま置きっぱなしでも怒ります。
僕に怒る回数は変わりません、
逆に僕の態度に対してのイライラは増しているようですが、
愛を感じています。
何故かというと、僕のパジャマと枕カバーを“毎日”洗ってくれるのです。
おかげで僕は毎日洗い立てのパジャマと洗い立ての枕カバーで寝ています。
世の中のお父さんこんな幸せの人いますか?うらやましいでしょう。
最近病院に新しいワンちゃんが仲間入りしました。
17歳の高齢のお爺ちゃん“あ~ちゃん”です。
心臓が悪く、いつも寝てばかり、
ヨダレもひどく寝ていたところには見事に跡がついています
歯は全部で4本、その歯もすべて歯肉炎、
時々するくしゃみは周りに鼻水をばらまきます。
6月に来た時は意識が混濁し、歩けない、食べないという状態でした。
1週間ほど点滴をすると、元気を取り戻し少しではありますが食べるようになりました。
1メートル進むのに10分ほどかかりますが、歩けるようになりました。
しかし、ヨダレに鼻水、おしっこ、部屋中に彼の香り・・・。
犬の体臭はなぜするのでしょうか?
犬にはエクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺があります。
エクリン腺は、足の裏や鼻の頭などあり、
そこからでる汗はほとんど水、サラサラしてほのかに香ばしい臭がします。
アポクリン腺は、たんぱく質・脂質・アンモニアなどが含まれ、やや粘液性があります。
多少匂いがありますが、この汗自体はそんなに臭くありません。
しかし、この汗が皮脂とくっつくことにより、
酸化とともに雑菌が繁殖して獣臭となります。
人間だと脇の下からでる汗がこれにあたり、腋臭となります。
犬は全身にこの腺があるため匂いが出やすいのです。
それ以外にも肛門にも肛門腺と呼ばれる臭腺があり、
ここからも強烈なにおいを発します。この匂いは全ての犬で違っており、
カツオ節の香ばしい香りだったり、生臭かったりと個性が満点。
犬たちは顔をみて何とかちゃんとわかるのではなく、
お尻の匂いから誰々ちゃんとわかります。
会いたくない犬とすれ違う時は、
顔を隠すのではなく尻尾を下げて丸め肛門を隠し、ばれないようにします。
ちなみに、体臭がきついというのは、人間の感覚だけであり、
犬自身は全く「体臭がキツイ」と思っていません。
ちなみに犬はウンコのような有機物(生き物から出たもの)の匂いは いやではありません。 嫌いなにおいは、人間の作った科学的なにおい、たばこの匂い、 柑橘類、酢などがきらいなようです。
犬の匂いはたまたま人間が嫌いなにおいだということだけです。
人間のおじさん臭だって他人が臭いと思うだけで、
本人はちっとも臭いと思っていません。
さて、犬は嗅覚が人の数万倍から一億倍といわれています。
その為、例えばウンコの匂いなど数千倍に増して感じているのではと思われますが、
匂いが倍増するというのではありません。
ほんの少しの匂いでも感じ取ることができるということです。
猫が臭くないのはなぜ?
犬には全身にあるエクリン腺が、猫には肉球にあり、 ニオイの元となるアポクリン腺も目や口の周りなどのごく一部にしかありません。 そのためにニオイがしないのです。 また、とてもきれい好きで、暇さえあればあのざらざらした舌で毛繕いをするため、 体中の汚れが取れて、菌が増えません。 大好きな日向ぼっこも、太陽の紫外線による殺菌作用をもたらすので、 ニオイの発生を抑えます。 猫は待ち伏せ型の狩りをするのですが、ニオイがないことは身を隠すのに役立ちます。
犬の体臭を抑えるにはどうしらいいか? 匂いのもとの菌の増殖を抑えればいいのです。 アポクリンの汗と皮脂や角質・毛が混ざり合い菌が増えるとニオイが発生します。 ニオイを抑えるために、古い皮脂・角質と毛をなくし菌を増やさないことを目指します。 菌は風通しが悪くジメジメした環境が大好きです。 この環境を作らないためにはブラッシングが一番効果的、 古い毛と皮脂・角質を取り除いてくれますし、風通しもよくなります。 ブラッシング後にシャンプーをすると一層効果的。 頻度は月に1~2回ほどで、ベタベタした皮膚、乾燥した皮膚、赤く痒い皮膚など、 それぞれに合わせたシャンプーを使用します。 一番よくないのは、ブラッシングをしないで、皮膚に汚れや古い毛がついたままシャンプーすることです。 さらに、よく乾かさないでほっておいたりすると、 きれいにするのとは裏腹に、菌が大好きな環境を作り出すことになってしまいます。 皮膚病のときも臭いますので、適切な治療が大事です。 口臭も結構気になります。 口臭の元は歯石がついて歯肉炎になることによって発生するので、 毎日のブラッシングなどのケアが重要。 あ~ちゃんも毎日のブラッシングと薬用シャンプー、何回も鼻を拭いてあげる、 治療による歯肉炎の改善によりだいぶ匂いの発生がおさまりました。 心臓病の治療も身体のだるさが減り歩く時間が増え、床ずれも改善にもなり、菌の発生を抑えているようです。
先日、獣医師会の集まりがあり帰るのが遅くなってしまいました。 会議です、けっして2次会に行って大騒ぎをしていたわけではありません 疲れもありシャワーを浴びずにパジャマも着ないで下着のまま寝てしまいました。 翌朝目を覚ますと、般若の面のような奥さんが、 「なんでシャワー浴びないの、そのうえパジャマを着ないで寝るなんて・・・。」 すごく怒っています。 「あ~あ、今日はシーツも布団カバーまであらわなくちゃ・・・・。 今後の被害は、パジャマと枕だけにしてください。」 被害? 「あなたの匂いすぐにしみ込んでとれないから、毎日あらってあげているのだから・・。
自分の臭いわからないの!」
「はい、僕は自分の臭い気づきませんでした。」 奥さん、 加齢によるニオイ、 本人にはどうしようもできないのだから受け入れてください。
<お知らせ>
7月30日は休診となります。
TABICA(たびか) 主催
僕が上野動物園を案内するツアー
『一味違う動物園めぐり。
サルに注射された獣医師から学ぶ
「動物の不思議な生態」』
7月30日(日)開催決定!
開催日時:7月30日(日)9:30~11:30
開催場所:上野動物園
参加費:2000円 入園料別
申し込み・問い合わせ: TABICA(たびか)
☎03-6869-0775
https://tabica.jp/travel/702
<お盆休みのお知らせ>
8月12日(土)午後から8月16日(水)まで休診となります。
8月12日(土)午前は診療します。
もう一つお知らせ
7月25日号の週刊女性に記事を書きました。
写真も載ります。見てください。
<五十三次どうぶつ病院 北澤 功>
〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
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日曜日は午後17:00までとなります。
休診日 月曜日
2017.04.27_18:08
“こ~ちゃん”のおでこ
20年ぶりに“こーちゃん”に会いました。
コーちゃんは同級生、頭の半分がおでこになっていました。
それなのにサイドから後頭部にかけて残っている毛を無理くり伸ばし、
前にもってくるという往生際悪い髪型をしていました。
そういえば、僕のおでこもだんだん広がり、
毛も細くボリュームもなくなってきたような・・。
小学校時代のなつかしい思い出話をとともに、
髪の毛が生える薬はないのか、
これ以上抜けない方法はなどの話も
モコモコ、コロコロで、家中を元気に走り回っていた可愛い子犬も
10歳を超えると白髪が目立ち始め、毛は薄くなり、寝てばかりいるようになります。
室内で犬を飼うようになり、ワンちゃんたちは番犬やペットから家族に変わりました。
いつも一緒に過ごすようにより、元気がない、咳をするなど
体調が悪いと早めに気づくようになりました。
そのおかげでぐ~んと寿命が伸びました。
しかし、寿命が延びたおかげで、昔はなかったいろいろな病気も多くなりました。
そして、1つの病気だけではなく、同時にいろいろな病気を発症します。
耳が遠く、目も見えにくくなります。
腰も曲がり、便秘、おしっこを失敗してしまうようになることも・・・。
年をとることにより非常に多い病気として、
ワンちゃんは弁の閉まりも悪くなる心臓の病気があります。
猫ちゃんの場合は腎臓の動きが悪くなる病気があります。
これらは病気でもありますが老化の一つでもあります。
心臓の動きが悪いと、肺に水が溜まったり、肝臓が疲れてしまったり、
脚に力が入らなかったり、いろいろな臓器に負担がかかります。
全部を直そうと思うとたくさんの薬を飲まないうえ、一生涯飲み続ける必要の薬が多く、
とっても大変で、そのおかげで飼い主さんとの関係も悪くなることもあり、
毎日噛まれる飼い主さんまで・・。
年をとってからの病気は、治すというよりもどうやって上手に付き合うかが大事です。
心臓や腎臓の薬なども、治すためのものではなく、それぞれの負担を楽にしてあげ、
できるだけ悪くなるのを遅くしようという薬です。
目の場合、若い時は積極的に治療しますが、
年をとってからの症状は、痛いものなどは積極的に抑えますが、
見えにくくなるものなどはほっとくというのも選択の一つです。
僕たち人間は目に頼って生きているため、どんなに年をとっても
ちょっとでも目に違和感を感じると病院に行き、治療します。
少しでも見えにくくなる、目が見えなくなるなどはとてつもない恐怖です。
今は見えているのに、数年後に見えにくくなることを想像するだけですごいストレスを感じます。
そのため、大変だろうがお金がかかろうが、
少しでも進行を遅らせることができるのなら、徹底的に治療します
しかし、ワンちゃんネコちゃんは、目が見えなければ匂いや音などの五感を使い生活します。
今の現状を受け入れ、残っている機能を使い最大限利用し楽しく生きます。
また、人間は治療を理解しているため、
注射の痛さや、苦い薬、目薬の恐怖心もがまんできます。
ワンちゃんは治療を理解しているわけではなく、
飼い主さんを信用しているから、怖いから、
もしくはその後のご褒美があるからなどから、
薬を飲んだり、注射を打てたり、目薬をさせるのです。
それが、毎日となるととてつもなくストレスです。
高齢のワンちゃんは、
痛かったり、命にかかわるものは治療し、
命にかかわらないような病気とは、
様子をみながら上手に付き合っていくのがいいように思われます。
“こーちゃん”
髪の毛がなくなるのは痛くないし命にもかかわりませんから、
ほっておきましょう、
将来、毛がなくなる恐怖をかんがえながら生活するより、
今ある髪の毛に感謝して人生楽しみましょう。
<GW休診のお知らせ>
5月1日(月) 3日(水)から6日(土)まで休診となります。
<五十三次どうぶつ病院 北澤 功>
〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
病院の診療時間 午前9:00~12:00 午後13:00~19:30
日曜日は午後17:00までとなります。
休診日 月曜日
2016.10.06_16:28
たくさん触れてください
尻尾がくるっと巻いた、大きな柴犬が診察室に入ってきました。
“お~ コンちゃんか”
診察室に入ると診察台の前に座り、飼い主さんの命令を静かに待ちます。
きりっと吊り上がった目、しまった身体、
最近増えてきた白い毛は、
渋みをました“老侍”のよう。
「コンちゃんどうしました?」
「急に大きくなったんです」
「どこですか?」
コンタローは柴犬、タワーマンションの25階に住んでいます。
大きな帽子、黒いワンピースに白いカーディガン、
とっても上品な奥さんが飼い主さんです。
「たまです」
「頭のどこですか?」
どうも僕の聞き間違いの様子。
「いやいや、タマタマ・・、キン○○の方です。」
「あ~そうですか・・・」
診察台の上で、
「コンちゃん失礼」
そお~とタマタマに触れると、
左右の大きさが確かに違います、
大きくなった方は硬さも増しどうも腫瘍化している様子。
高齢ではあるがとっても元気、
すぐに手術でとってしまうことにしました。
手術後、飼い主さんに聞きました。
「よく気づきましたね」
「はい、私コンちゃんのタマタマ大好きで、
子犬の時から毎日触っていたんですよ。」
これはとっても大事なこと、
ワンちゃん、ネコちゃんはなかなか症状を出しません。
熱があっても病気の素振りを見せません。
もし野性で暮らしていると、体調が悪い素振りをみせると、
あっという間に天敵に襲われてしまいます。
少々あしが痛くても、何事もないように走ります。
また、全身毛に覆われているので、怪我なども発見しにくいのです。
そのため、日ごろから全身に触れてコミニュケーションをとっていると、
早期発見につながります。
普段から触れていてほしいところは?
・足 肉球に触れてから、体にむかって包み込むように触れてください。
痛い時はその場所で必ずいつもと違う反応をします。
爪切りもしやすいです。
・耳 大胆にマッサージしたり耳の穴に指を入れたりしてください。
耳の治療がとってもやりやすい。
・口、口の中に手を入れる練習、
口に触れるのを嫌がる子はとっても多いのです。
・お尻、普段から尻尾を持ち上げてお尻の穴を確認と肛門周りに触れてください。
普段から全身を撫でまわしてください。
病気の発見も早いですし、治療がとっても楽です。
ワンちゃんネコちゃんも麻酔、口輪されることなしで治療ができるので
ストレスが減ります。
飼い主さんの財布にもやさしい治療になります。
コンちゃんの退院のため、奥さんがやってきました。
ニコニコしながら頭を撫でると、
コンちゃんは、とれてしまうのではというほど尻尾を振りました。
奥さんもとっても嬉しそう。
奥さんは、両手で思いっきりコンちゃんの体を撫でまわします、
その手がだんだん下半身に、そして、ついに股間に手を伸ばしました、
「あら、ない!」
奥さんの顔が見る見る寂しそうになりました。
「そうですよ、2個ともとっちゃいましたから」
コンちゃんは、落ち込んでいる奥さんの顔を
お化粧がとれるのが心配なほど顔を舐めました。
「ま、元気だからいいか・・・」
奥さんはコンちゃんの顔をグリグリしました。
<五十三次どうぶつ病院 北澤 功>
〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
病院の診療時間 午前9:00~12:00 午後13:00~19:30
日曜日は午後17:00までとなります。
休診日 月曜日
スタッフ募集
五十三次どうぶつ病院では、新しいスタッフを募集中です。
仕事の内容は
僕の診療補助と、受付業務、その他入院動物のお世話などです。
とっても明るい病院ですよ。
資格がなくても、未経験者でも動物を愛せる方なら大丈夫
経験者だと給料をちょっと優遇します。
時間は AM8:00~PM20:00の間、シフト制で1日8時間
週休二日制ですが土曜日・日曜日の出勤あります。
募集は正社員とアルバイトです。
希望者は履歴書送ってください。
獣医師も募集します。
問い合わせは下記までメールでお願いします。
メールで回答します。
もしくは、電話番号を書いていただけましたら、折り返しの電話します。
tukimaru532@yahoo.co.jp
★お知らせ
『 獣医さんだけが知っている 動物園のヒミツ 人気者のホンネ』
僕が動物園で知り合った愉快な仲間たちのお話しです。
動物のあやしいウンチクまんさい!
この本をもって動物園に行ってください。
動物園が100倍楽しめます。
ということで
「この本をもとに多摩動物公園に行こう」
というツアーを 10月30日 日曜日 午後1時30分~多摩動物公園で開催予定です。
僕が案内します。
TABICA(たびか)という会社が主催のため参加費がかかります。
参加費 2000円 入園料別
詳しくは TABICA(たびか) 03-6869-0775 に問い合わせてください。
10月30日午後は僕は病院にはいません。
2016.07.07_16:17
愉快な3人組
ギャアー ギャアー
お~起きたか
病院内に謎の生き物の声が響きわたります。
ノック爺ちゃんの声です。
ノック爺ちゃんは19歳のパピヨン、
飼い主さんが怪我をしたため、しばらく病院で預かることとなりました。
ノックの両目は緑内障のため全く見えていません。
心臓病のため毎日薬が必要です。
腰は90度近く曲がり、つねに鼻先を地面につけながら歩きます。
1日のうち22時間ほどは寝て過ごし、
起きると病院内を、ウロウロ、
そして、本棚の下の段、ごみ箱の横など狭い所に頭をつっこんで動けなくなると、
大きな声で ギャアー ギャアー助けを求めます。
彼はバックができないのです。
声のする方を見に行くと、
ノックはトータのお腹に頭を突っ込み動けなくなっていました。
トータは18歳のミニチュアダックス、やはり腰が60度ほど曲がっています。
その曲がった腰の下にノックが頭を突っ込んでいました。
白内障の目はかすかに見えています。
そしてトータも、バックは出来ず、その上、右にしか曲がれません。
トータが部屋の左すみにいたところに、ノックが右側から押さえつけたようになっていました。
そこにどこからか、ミルクちゃんが足をブルブルしながらやってきました。
ミルクちゃんはこの中では1番の若手の16歳、
ミニチュアダックス。
腰は45度ほどの曲がり、いつも首を傾げています。
目はやや白く濁っていますが、若手だけあり、ぼやけてはいますが見えている様子。
食べることが大好きで肥満気味、
ノックの声を聴き、何か食べているのではと近づいてきました。
知恵の輪のように絡み合って動けない2人の横腹に体当たりして座り込みました。
3人の爺ちゃんワンコが絡み合って動けなくなってしまいました。
最近は良い薬がたくさんでき、治療方法も増えたため、
ワンちゃんたちの寿命がぐっと延びました。
その為に今まではあまり見られなかった、
腰が曲がる、目が見えないなどの老化現象が多くみられます。
“老化”するとどうなるの?
ギャアー ギャアー
今までの鳴き声と変わり、抑揚のない単調な鳴き声になります。
腰が曲がる
関節をつないでいる椎間板の水分が少なくなり、
クッション性が失われ関節の間隔が狭くなり腰が曲がってしまいます。
目が見えない
白内障などにより目が見えにくくなる
耳が遠くなる
歯がなくなる
同じ方向にしかまがらない
何故か右に旋回するワンちゃんが多いように感じます。
前にしか歩かない、バックができない
バックするのは高度な行動、
首が傾く、眼球が震える、
耳の奥の前庭神経の障害です。
狭いところに入りたがる
そして、頑固になる
でもこの3人、目が見えなかろうが、腰が曲がろうが、
足がヨタヨタしようが、
ちっとも落ち込んだりしません。
お腹が空くと起きあがり、
残った機能をフル活用して
食べ物を求めクルクル歩き回ります。
食べるまで時間はかかりますが、
とっても楽しそうに過ごしています。
食べ終わると、またお気に入りの場所で寝ます。
ワンちゃんたちは失われた機能を悲しんだりするわけではなく、
残った機能を最大限使い生活します。
クヨクヨなどしません。
僕たち人間はいつまでも完璧を求め、
失われる機能に恐怖し、
できなくなった機能を悲しみ、
不安、心配しながら生活していきます。
ノックにトータにミルク
3人の爺さん、
若いころに比べ寝てばかりいますが、
とっても幸せそう。
僕もこんな年の取り方をしたいな
<五十三次どうぶつ病院 北澤 功>
東京都大田区大森東1-5-2
病院の診療時間 午前9:00~12:00 午後13:00~19:30
日曜日は午後17:00までとなります。
休診日 月曜日
★ お知らせ
辰巳出版の 日本犬専門マガジン!
Shi-Ba(シーバ)
に連載始めました。
“毎日事件発生!? マニアな視点で診察中
北澤先生のおもしろ動物病院”
本屋さんで見つけたら読んでください。
★またまたお知らせ
やっとできました。
『 獣医さんだけが知っている 動物園のヒミツ 人気者のホンネ』
僕が動物園で知り合った愉快な仲間たちのお話しです。
動物のあやしいウンチクまんさい!
この本をもって動物園に行ってください。
動物園が100倍楽しめます。
犬養ヒロさんの絵がとってもかわいいですよ。