何日かで1知識 「生とは、死とは」⑤
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「生とは、死とは」⑤



「生とは、死とは」(瀬戸内寂聴・堀江貴文、角川新書)より


  7 国家権力に気をつけよう    軍部より恐いもの、それは「検察」


堀江 帝人事件とか。そういうものっていうのは全部検察が主導して罪を作り上げていくわけです。戦前はそれの手先が特高警察だっただけの話であって、実は検察が後ろで糸を引いていました。検察は組織的には元々大審院検事局だったんですけど、それが戦後は法務省管轄になって、一応三権分立に見えるような形にはなった。でも日本の検察が持っているものすごいパワーっていうのは結局戦後も全く解体されずに残ったんですよ。例えば「起訴便宜主義」というものですね。起訴・不起訴を、検察って自分で決めることができるんですよ。つまり、だからメインターゲットとなる人間がいるとするじゃないですか。そのメインターゲットをやるために、他の仲間たちに、お前は不起訴にしてやるからその代わり全部話せ、みたいな。検察官起訴独占主義なんで、検察官しか起訴ができないんですよね。今、ひとつだけ抜け道というか、違うルートができましたけど。検察審査会っていのができて、検察官が不起訴にした案件で、まあ裁判員みたいな制度なんですけど、二回連続でそこで起訴相当議決ができるようになったんですけど。それが唯一抜け道としてあるんですが、不起訴にすることはできない。それは検察官にしかできないんですね。

 しかも、検察官って独自操作機能を持っていて、それは認められてるんですよ。要は、起訴するだけじゃなくて、自分たちで捜査をすることができるんです。自分たちで起ち上げた案件って、どうしても起訴したくなるじゃないですか。例えば警察がやった捜査を第三者的に働かなくて。だから特捜部がやった案件ってのは必ず起訴されるわけですね。などなど、ほかにもいくつかあるんですけど、そういうその非常に強大な検察の機能を、終戦後GHQは解体しようとしたんですけど、できなかったんです。検察だけは。

 なんでかっていうと、GHQの汚職をネタにユスられたからです。民政局、GSかなんかだったと思うんですけど、捕食案件をネタにユスったんですよ。これをやるぞと。俺たちに手を出したらこれをやるぞと。で、取引をして、さっき言った日本の検察が持っている強大な力を維持できたんですよ。つまり、明治時代からずっと変わらないそのままの旧組織であるのは検察くらいですよ。


  検事が総理大臣になった

堀江
 検察は即時抗告するんですよね。

瀬戸内 そう! この即時抗告が恐いのよ。私、裁判の結果聞くとき、よくニュースで《勝訴》って紙を掲げて喜んでたりするのを見るけど、その人たちに「まだソクジがあるのよ」って叫びたくなる。


堀江 そうそう、戦前の検察を作った男は、あの人ですよ。平沼騏一郎。

瀬戸内 ああそれ! 大逆事件で手柄を立てて、そのあと首相になった人でしょ。

堀江 こいつが、検察中興の祖です。

瀬戸内 それが一番悪い奴よ、大逆事件では。


  国の怪しい動きは警戒しとかなきゃだめ

瀬戸内
 田中角栄だって捕まったんだからね。あのとき、なんで角栄のような人が捕まるのか、と単純に思ったもの。

 小沢一郎さんの陸山会事件なんかも結局は無罪だったわけよね。

 国のいろんな怪しい動きはみんな警戒しとかなきゃだめよ。毎日警戒し続けてちょうどいいくらいです。もうその動きは完全に始まっているからね。特定秘密保護法なんてものができて、検察なんかはまた水を得た魚なんじゃないかしら。

 検察が恐いっていうことで、みんなが口をつぐむ。それは戦前と同じなのよ。捕まっちゃうんだから。私も相当勝手なこと言ったりするけどね、とっ捕まらないようにだけは気をつけてる(笑)。とっ捕まったら最後だと思って。

堀江 ですね。それは事実です。ヤバイですね。


>>われわれ一庶民も国の怪しい動きには警戒せねばなるまい

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