何日かで1知識 2019年05月
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日米首脳の「絵」?


【 日米首脳の仲の良い「絵」 】

 2019/5/27、現代ビジネスに、高橋洋一さんが、『日米「ゴルフ外交」の意外な効果についての話をしよう』の記事を掲載した。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64853 

 以下はその概要。


1.安倍政権の国際的なプレゼンス

・日米の強固な関係を国際社会に示すためには、会談は不要
・それよりも「蜜月」をアピールする「絵」のほうが必要
・このため、「令和初の国賓」「ゴルフ」「相撲観戦」「護衛艦乗艦」というテレビ映りのいい「絵」をつくることを優先

(トランプ米大統領の訪日予定)
25日:パレスホテルに宿泊

26日:午前)千葉県茂原カントリー倶楽部でゴルフ
   午後)国技館で大相撲観戦、夕食は六本木の田舎家東店で会食

27日:午前)皇居で天皇、皇后両陛下に謁見。その後迎賓館で日米首脳会談
   午後)北朝鮮による拉致被害者家族との面会。夕食は宮中晩餐会

28日:午前)横須賀基地で海上自衛隊ヘリコプター搭載「護衛艦かが」に乗艦
   午後)羽田空港から帰国


⇒ 実質的な会議(会談)をしないことを前提としたスケジュール


2.アメリカ人のゴルフ

・アメリカ人は、ビジネスランチは比較的誰とでも行うが、ゴルフは基本的には好きな人としかやらない
・アメリカ人がゴルフをするのは、その相手に好意を持っている証

(安倍首相とトランプ大統領のゴルフ)

2017年2月:27ホール(フロリダ)
2017年11月:9ホール(埼玉)

2018年4月:18ホール(フロリダ)
2019年4月:18ホール(ワシントン)

2019年5月:16ホール(千葉)
合計:88ホール、15時間程度

(先日の韓国の文大統領とトランプ大統領の会談時間は」たった2分」)


<感想>
 安倍首相とトランプ大統領のツーショットの「絵」。
 強固な日米関係の国際社会へのアピールに留まらず、今後の具体的な国益に繋がることを祈念している。

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村上世彰氏のミッション?


【 村上世彰氏のミッション 】

 村上ファンドの村上世彰氏が子ども向けの投資教育をされていることを聞いた。
 
https://murakamizaidan.jp/education/

 そこで、「いま君に伝えたいお金の話」(村上世彰著、幻冬舎)を読んでみた。以下はその概要。


1 お金って何だろう?

お金には3つの特徴がある

(1)    何かと交換できる
(2)    価値をはかることができる
(3)    貯めることができる

・自立して生きていくためには、お金は絶対に必要である
・やりたいことをやるには、余分なお金があったほうがいい
・困ったときに、お金は君を助けてくれる
・君がお金を持っていれば、人を助けることができる


3 君がお金を手にする方法

  ミッションという宝物

 ある仕事に一生懸命取り組んでいると、いつの間にか自分のなかに使命感のようなものが生まれてきます。やり遂げられるかわからないほど難しいことだけれど、人生を賭けてチャレンジしたいこと。他の誰かではなくて、自分がやらなくてはいけないと思うもの。
 それを僕はミッションと呼んでいます。生きる意味や目的といってもいいでしょう。ミッションは、働くモチベーションになり、また、生きがいになります。好きかどうかもわからずにたまたま出会った職業でも、夢中になって一生懸命に取り組んでいれば、その仕事を通じてミッションが見つかることも、実際にあるのです。

(中略)

 もしかしたら、仕事そのものを選ぶ前に、君は好きなことや得意なことを通じて早い段階で君自身のミッションに出会うかもしれません。そうしたら、そのミッションを達成できる仕事を探せばいい。生きていくうえで、「何のために生きているのか」という明確な意味を見いだせたら、それはとても幸せなことです。だから、早いうちから好きなことや得意なことを見つけ、自分に何ができるのかと考える努力をしてほしいと願っています。


4 働き方が大きく変わる

<番外編>僕のミッション


 父の希望どおり国家公務員試験を受け、僕は通産省(現在は経済産業省)という役所に勤め、公務員として16年間働きました。法律をつくり社会をより良くするのが、役所の主な仕事です。僕は毎日、「日本のあるべき姿」について考え、その姿に近づけるためにがむしゃらに働きました。役所での仕事は刺激的で面白かった。
 組織のルールや論理に従わなければならないこともたびたびあって、納得のいかないことも多かったけれど、とてもやりがいのある仕事だったし、いろいろな人と出会い、いろいろな経験をさせてもらいました。そんななか、僕の大きな転機となったのは、「コーポレート・ガバナンス」という考え方を日本に浸透させる仕事の担当になったこと。
 コーポレート・ガバナンスとは、日本語にすると「企業統治」という、会社の経営がきちんとルールにのっとって行われているか、株主など会社に関わるすべての人にとって最善と思われる経営が行われているか、監視する仕組みのことです。

 (中略)

 そして、ファンドマネージャーは辞めましたが、いまも投資家です。変わらず「日本にコーポレート・ガバナンスを浸透させる」というミッションの達成に向けて日々挑戦を続けています。ミッションを達成する方法(仕事)はひとつではないといったとおり、仕事は替わっても、ビジョンもミッションも変わっていません。ファンドマネージャーの頃は、人から多くのお金を預かっているので、損を出すわけにはいきませんでした。
 だから、ミッション達成に向けてもう少し粘りたいところでも、自分の目標より、僕にお金を預けてくれている人たちのことを考え、あきらめなくてはならないこともありました。
 でも、いまは自分のお金だけを投資しているので、損をしても失敗しても、自分の意志で戦うことができます。ミッションだけをひたすら追いかける日々です。


5 稼いだお金を貯めて増やす

 100円の株が100円のままである可能性が100%のとき
 1(1倍)×1(100%)=1(基準値)

 A 300円になる可能性→10%、50円になる可能性→90%
  (3×0.1)+(0.5×0.9)=0.75

 B 1,000円になる可能性→10%、50円になる可能性→90%
  (10×0.1)+(0.5×0.9)=1.45


<感想>
 村上世彰氏は、「日本にコーポレート・ガバナンスを浸透させる」というミッションの達成に向けて、日々挑戦を続けている。
 私も自分のミッションを考えつつ、チャレンジをし続けていきたい。

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トランプとレーガン大統領の類似点?


【 トランプの対中姿勢≒レーガンの対ソ連姿勢 】

 2019/5/20、現代ビジネスに、高橋洋一さんが、『米中貿易戦争 検証して分かった「いまのところアメリカのボロ勝ち」』の記事を掲載した。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64731 

 以下はその概要。


1.中国の典型的な手口

(1)中国当局の輸入制限

・中国への輸出品について、中国当局が輸入を制限する


(2)合弁会社の設立

・輸出企業に対して「中国進出しないか」と、外国資本の支配権はない中国企業との合弁会社を持ちかける


(3)知的所有権・技術の「窃盗」

・立ち上げた合弁企業から技術を盗みだし、中国国内で新たな企業を創設して、その技術の独占を主張する

・また中国が他の先進国に直接投資し子会社を設立してから、投資国の企業や大学などから企業秘密や技術を盗む


2.アメリカの対応

(1)対中関税の引き上げ

・中国による知的所有権・技術の「窃盗」に対して、対中関税を引き上げ

 中国のアメリカからの輸入額:1300億ドル

 アメリカの中国からの輸入額:5390億ドル

 ⇒ 報復関税をやりあっても、中国には勝ち目はない


(2)物価への影響

・米中貿易戦争以降も、アメリカの物価はまったく上がっていない(インフレ目標2%の範囲内に収まる

 1)中国からの輸入品が他国製品によって代替できているか or 

 2)価格転嫁ができていないか=輸出側の中国企業が関税上乗せ分の損を被る(一方アメリカ政府は、まるまる関税分が政府収入増になる)


3.中国の物価

・食品を中心として物価が上がっている = 価格転嫁が進んでいる

・中国がアメリカからの輸入品(農産物)に関税をかけ続ければ、そのうちアメリカの輸出農家も影響を受けるだろう

 ⇒ アメリカ政府は輸出農家に何らかの形で補助金を出せばいい(関税収入があるので、補助金対策の財源には困らない)


4.トランプ大統領とレーガン大統領

・トランプ大統領の対中強硬姿勢

 ≒ レーガン大統領の対旧ソ連への強硬姿勢

 ⇒ 1980年代初頭に「力による平和」を旧ソ連に仕掛け、それがきっかけになり、旧ソ連の経済破綻、旧ソ連の崩壊を10年で引き起こした


・トランプ大統領:中国の知的所有権収奪と国家による補助金を問題にしている

・習近平体制:逆に中央集権化の流れを加速

 ⇒ 知的所有権収奪と国家補助金については、中央政府とともに地方政府もこれまで推進してきたが、それを「アメリカの追及が厳しいから、もうやめよう」と習主席が認めると、地方政府からの突き上げをくらう可能性が高い。だから、習主席としては絶対に認められない

 ⇒ 米中貿易戦争はしばらく続くことになるが、続けば続くほど、中国にとっては不利で、結局、習近平体制の基盤を揺るがすことにもつながるかもしれない。こうしてみると、ひょっとしたらトランプ大統領は中国の現体制の崩壊まで、この貿易戦争を続けるつもりなのかもしれない


<感想>
 米中貿易戦争はどこまで行くのか。
 レーガン大統領の対旧ソ連への強硬姿勢とトランプ大統領の対中強硬姿勢。
 トランプ大統領の本気度次第では、中国の現体制の崩壊に行き着く可能性も否定できない。

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取締役の善管注意義務?


【 取締役の善管注意義務 】


 世の中の時代の流れが早いため、資本移動を含んだ、会社同士のアライアンス事例が増えている。

 今日は、(アライアンスを締結した際の)「取締役の善管注意義務」について、添付HP*から考えてみたい。
*http://www.ishioroshi.com/biz/kaisetu/kaishahou/index/torisimariyaku_zenkan/


1.取締役の善管注意義務

取締役:会社から「委任」を受けている立場
(法律上:弁護士と依頼者、医師と患者と同じ、「委任者」「受任者」という関係)


2.日本の場合

・従業員(被用者)から取締役に昇進する例が多く、取締役になった後も従業員を兼務するケースも多く、取締役と従業員の区別を明確に理解していない方も多い

・会社と労働契約のもとにある従業員(使用人)と、取締役の間には、法律上の立場において大きな差がある

⇒ 取締役は、法律上は、「経営のプロ」として、会社に対して「善良な管理者の注意」をもって職務を負う義務(善管注意義務)を負っている(会社法330条、民法644条)

[ 会社法 ]
(株式会社と役員等との関係)

第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。

[ 民法 ]
(受任者の注意義務)
第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。


3.取締役の任務懈怠の責任

・取締役には善管注意義務があり、職務の遂行において当該義務に違反した場合、会社に対し損害賠償責任(任務懈怠責任)を負う

・例えば、以下のような場合に、取締役の権限の行使につき任務懈怠責任が認められる

◯会社法等の法令、定款、株主総会の決議に違反する場合

◯自己若しくは第三者の利益を図る目的、又は会社に損害を与える目的で行使される場合

◯通常の経営者を基準として、その判断が著しく不合理であった場合


4.経営判断の原則

(1)経営判断の原則
・取締役の任務懈怠責任の中で議論となるのは、取締役が経営上の判断を誤ったために会社に損失が生じたという主張がされる場合

・取締役としてもっぱら会社の利益のために行った経営上の判断が、後になって会社に損害を与えたとして責任の追求を受けることがある

・企業経営に関する判断は、激しく変化する外部環境と不確定な見通しのもと行わざるを得ず、一定のリスクが必然的に伴う

・経営判断については取締役の裁量権が一定範囲認められないと、取締役の企業経営を過度に萎縮させることになりかねない

⇒ 通常の経営者としての知見や経験という水準に照らし、前提たる事実認識や、事実に基づく判断に著しい不合理があったといえるようなケースで、取締役の責任が認められる、という判断がなされている

< 判断の基準時 >
「後知恵」の結果論ではなく、「判断時」の状況を前提とする


(2)判断プロセスの記録化の重要性

・経営判断の原則においては、「判断時」の状況に基づき判断が著しく不合理か否かが問題となる

・特に問題となりそうな決定を行う際や会社の重大な利害に関わる決定をする際、リスクの軽減のためには、「決定当時」に合理的な方法で情報収集、調査及び検討を行ったことや、これに基づき合理的な決定がなされたということを立証する資料を整えておくことが重要

⇒ 取締役の判断の過程・内容の合理性を示すため、取締役会議事録、取締役会や経営会議で用いた会議資料、またその前提としての社内外の調査資料などが重要な意味を持つ

⇒ 日ごろから資料の準備を怠らないことが、いざという場合にものをいう


<感想>
 今後のアライアンス時に備えて、決定前の判断の過程・内容の合理性を示すための資料を用意しておきたい。

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取締役の善管注意義務?


【 取締役の善管注意義務 】


 世の中の時代の流れが早いため、資本移動を含んだ、会社同士のアライアンス事例が増えている。

 今日は、(アライアンスを締結した際の)「取締役の善管注意義務」について、添付HP*から考えてみたい。
*http://www.ishioroshi.com/biz/kaisetu/kaishahou/index/torisimariyaku_zenkan/


1.取締役の善管注意義務

取締役:会社から「委任」を受けている立場
(法律上:弁護士と依頼者、医師と患者と同じ、「委任者」「受任者」という関係)


2.日本の場合

・従業員(被用者)から取締役に昇進する例が多く、取締役になった後も従業員を兼務するケースも多く、取締役と従業員の区別を明確に理解していない方も多い

・会社と労働契約のもとにある従業員(使用人)と、取締役の間には、法律上の立場において大きな差がある

⇒ 取締役は、法律上は、「経営のプロ」として、会社に対して「善良な管理者の注意」をもって職務を負う義務(善管注意義務)を負っている(会社法330条、民法644条)

[ 会社法 ]
(株式会社と役員等との関係)

第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。

[ 民法 ]
(受任者の注意義務)
第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。


3.取締役の任務懈怠の責任

・取締役には善管注意義務があり、職務の遂行において当該義務に違反した場合、会社に対し損害賠償責任(任務懈怠責任)を負う

・例えば、以下のような場合に、取締役の権限の行使につき任務懈怠責任が認められる

◯会社法等の法令、定款、株主総会の決議に違反する場合

◯自己若しくは第三者の利益を図る目的、又は会社に損害を与える目的で行使される場合

◯通常の経営者を基準として、その判断が著しく不合理であった場合


4.経営判断の原則

(1)経営判断の原則
・取締役の任務懈怠責任の中で議論となるのは、取締役が経営上の判断を誤ったために会社に損失が生じたという主張がされる場合

・取締役としてもっぱら会社の利益のために行った経営上の判断が、後になって会社に損害を与えたとして責任の追求を受けることがある

・企業経営に関する判断は、激しく変化する外部環境と不確定な見通しのもと行わざるを得ず、一定のリスクが必然的に伴う

・経営判断については取締役の裁量権が一定範囲認められないと、取締役の企業経営を過度に萎縮させることになりかねない

⇒ 通常の経営者としての知見や経験という水準に照らし、前提たる事実認識や、事実に基づく判断に著しい不合理があったといえるようなケースで、取締役の責任が認められる、という判断がなされている

< 判断の基準時 >
「後知恵」の結果論ではなく、「判断時」の状況を前提とする


(2)判断プロセスの記録化の重要性

・経営判断の原則においては、「判断時」の状況に基づき判断が著しく不合理か否かが問題となる

・特に問題となりそうな決定を行う際や会社の重大な利害に関わる決定をする際、リスクの軽減のためには、「決定当時」に合理的な方法で情報収集、調査及び検討を行ったことや、これに基づき合理的な決定がなされたということを立証する資料を整えておくことが重要

⇒ 取締役の判断の過程・内容の合理性を示すため、取締役会議事録、取締役会や経営会議で用いた会議資料、またその前提としての社内外の調査資料などが重要な意味を持つ

⇒ 日ごろから資料の準備を怠らないことが、いざという場合にものをいう


<感想>
 今後のアライアンス時に備えて、決定前の判断の過程・内容の合理性を示すための資料を用意しておきたい。

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取締役の善管注意義務?


【 取締役の善管注意義務 】


 世の中の時代の流れが早いため、資本移動を含んだ、会社同士のアライアンス事例が増えている。

 今日は、(アライアンスを締結した際の)「取締役の善管注意義務」について、添付HP*から考えてみたい。
*http://www.ishioroshi.com/biz/kaisetu/kaishahou/index/torisimariyaku_zenkan/


1.取締役の善管注意義務

取締役:会社から「委任」を受けている立場
(法律上:弁護士と依頼者、医師と患者と同じ、「委任者」「受任者」という関係)


2.日本の場合

・従業員(被用者)から取締役に昇進する例が多く、取締役になった後も従業員を兼務するケースも多く、取締役と従業員の区別を明確に理解していない方も多い

・会社と労働契約のもとにある従業員(使用人)と、取締役の間には、法律上の立場において大きな差がある

⇒ 取締役は、法律上は、「経営のプロ」として、会社に対して「善良な管理者の注意」をもって職務を負う義務(善管注意義務)を負っている(会社法330条、民法644条)

[ 会社法 ]
(株式会社と役員等との関係)

第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。

[ 民法 ]
(受任者の注意義務)
第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。


3.取締役の任務懈怠の責任

・取締役には善管注意義務があり、職務の遂行において当該義務に違反した場合、会社に対し損害賠償責任(任務懈怠責任)を負う

・例えば、以下のような場合に、取締役の権限の行使につき任務懈怠責任が認められる

◯会社法等の法令、定款、株主総会の決議に違反する場合

◯自己若しくは第三者の利益を図る目的、又は会社に損害を与える目的で行使される場合

◯通常の経営者を基準として、その判断が著しく不合理であった場合


4.経営判断の原則

(1)経営判断の原則
・取締役の任務懈怠責任の中で議論となるのは、取締役が経営上の判断を誤ったために会社に損失が生じたという主張がされる場合

・取締役としてもっぱら会社の利益のために行った経営上の判断が、後になって会社に損害を与えたとして責任の追求を受けることがある

・企業経営に関する判断は、激しく変化する外部環境と不確定な見通しのもと行わざるを得ず、一定のリスクが必然的に伴う

・経営判断については取締役の裁量権が一定範囲認められないと、取締役の企業経営を過度に萎縮させることになりかねない

⇒ 通常の経営者としての知見や経験という水準に照らし、前提たる事実認識や、事実に基づく判断に著しい不合理があったといえるようなケースで、取締役の責任が認められる、という判断がなされている

< 判断の基準時 >
「後知恵」の結果論ではなく、「判断時」の状況を前提とする



(2)判断プロセスの記録化の重要性

・経営判断の原則においては、「判断時」の状況に基づき判断が著しく不合理か否かが問題となる

・特に問題となりそうな決定を行う際や会社の重大な利害に関わる決定をする際、リスクの軽減のためには、「決定当時」に合理的な方法で情報収集、調査及び検討を行ったことや、これに基づき合理的な決定がなされたということを立証する資料を整えておくことが重要

⇒ 取締役の判断の過程・内容の合理性を示すため、取締役会議事録、取締役会や経営会議で用いた会議資料、またその前提としての社内外の調査資料などが重要な意味を持つ

⇒ 日ごろから資料の準備を怠らないことが、いざという場合にものをいう


<感想>
 今後のアライアンス時に備えて、決定前の判断の過程・内容の合理性を示すための資料を用意しておきたい。

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コクヨがぺんてる宛て間接出資?


【 コクヨ:ぺんてる宛て間接出資 】


 2019/5/10(16時)、コクヨ(7984)は、マーキュリアインベストメント(7190)のPI投資事業有限責任組合経由、間接的にぺんてる宛て資本参加することを発表した。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7984/tdnet/1702507/00.pdf

 以下は、その概要。


1.間接的な出資比率
37.45%


2.背景と目的 
(1)事業環境
・現在、グローバルステーショナリードメインにおいて持続的に企業価値を向上させていくためには、確固たる強みを有する企業同士がアライアンスを構築して新たな価値を創造していくことが不可欠


(2)ぺんてるのビジョン
・「私たちは、感じるままに想いをかたちにできる道具をつくり、表現するよろこびを育みます」というビジョンの下、日本を代表する筆記具メーカーとして、優れた技術と優秀な人材を有され、付加価値の高い商品を開発する高い技術力や、米国など競争の激しい海外市場においてもシェアを拡大できる強いマーケティング力を保有

・また「エナージェル」や「オレンズ」、「サインペン」など強いブランド力を持ちかつ付加価値の高い商品を、世界22の販売拠点を通じて120以上の国と地域で展開


(3)マーキュリアインベストメント(ぺんてる創業者から株式を取得)
・ぺんてるの収益性や成長性の改善・拡大を図れる事業会社への持分売却を検討
⇒ 当社はその候補として打診を受けた


(4)コクヨの考え
・確固たる強みを有されるぺんてるとアライアンスを構築

⇒ 両社がさらなる企業価値向上を実現し、グローバルステーショナリードメインにおけるトッププレイヤーへと飛躍できると判断し、当出資を決定

・当社はぺんてるが持つポテンシャルを更に伸長させるために、ぺんてるには当社の経営資源を活用いただき、共に取り組みを進めてまいりたいと考えている


3.株価終値推移
(1)コクヨ
 5/10 1,353円、5/13 1,367円、5/14 1,402円

(2)マーキュリアルインベストメント
 5/10 678円、5/13 673円、5/14 703円


<感想>
 本件は、コクヨの間接的なぺんてるへの資本参加案件。
 両社の強みを活かしたアライアンスを通じた、今後の展開に期待がしたい。

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トヨタとパナソニックが住宅事業を統合?


【 トヨタとパナソニック:住宅事業の統合 】

 2019/5/9、日経電子版に「トヨタとパナソニック、住宅事業を統合」との記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44557120Z00C19A5000000/

(トヨタのプレスリリース)
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/28037485.html
https://global.toyota/jp/filedownload/28053159

 一方、同日付けでユニ・チャーム高原社長の社長「尽くし続けてこそナンバーワン」との経営者プログが掲載されていた。
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO44452650X00C19A5000000

 高原社長が考える、経営者としての『プロ』としての以下三つの資質と冒頭の記事を関連付けてみたい。


1.課題発見力
・住宅事業専業メーカーがある中で、業界6位(トヨタホーム。含むミサワホーム)、業界10位(パナソニックホームズ)では、それぞれ単独では生き残ることはできない。


2.戦略実行力
・3ブランド(トヨタホーム、ミサワホーム、パナソニックホームズ)を存続させながら、調達などの共通化でコスト競争力を高め、パナソニックなどが持つ省人化や自動化の技術を盛り込み、効率化を推進する。


3.ビジョン創造力
・様々なモビリティーサービスにより、利便性を向上させ、街全体での新たな価値を創出していく。


<感想>
 EV電池の新会社設立で既に提携実績のあるトヨタ(出資比率51%)とパナソニック(同49%)。
 両社の共同出資(同一比率。+三井物産)で “街全体での新たな価値創出”を担う合弁会社の今後の動向を注視していきたい。

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消費増税の是非を問う衆参ダブル選挙の蓋然性?


【 消費増税の是非 】

 10月に迎える消費増税を再延期/凍結することの是非を問う、衆議院の解散はあるのか。

 2019/5/6の高橋洋一さんの現代ビジネスの記事『連休明け、令和の幕開けにふさわしくない「悪い数字」が出てくる予感』からその可能性を考えてみる。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64454


1.当面のスケジュール

 5月13日:「3月景気動向指数」発表
 5月20日:「1−3月期GDP速報(一次)」発表
 5月26〜28日:トランプ大統領来日
 6月8〜9日:G20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議
 6月19〜20日:日銀政策決定会合
 6月26日:今国会会期末
 6月28〜29日:G20大阪サミット
 7月1日:「日銀短観」発表
 〜*8月下旬:衆参ダブル選挙の可能性(?)
 *今国会延長時


2.高橋洋一さんの考え

(1)3月の景気動向指数の推計(対2月)
・▲0.5ポイント程度の可能性あり

(2)1−3月期GDPの推計(対前年10−12月期)
・▲0.5−▲0.2%程度の可能性あり

(3)北朝鮮などの安全保障問題
・日本の経済支援等が期待される

(4)米中貿易問題の世界経済への影響
・かなり不安定な空気が漂う

⇒ G20を控えて、世界的スケールでの日本の立ち位置が問われる状況で、10月に予定されている消費増税を行って世界からの期待を裏切ってもいいのか

⇒ 新聞は、消費増税の是非をほとんど報じてこなかったが、さすがにそうもいかなくなるのではないか


<感想>
 消費増税を巡っては、これまでの「財務省 vs 安倍政権」という国内問題から、「グローバル・ベースでの消費増税の是非」が問われる、検討次元そのものが変わってきたように思われる。
 グローバル的には、消費増税は再延期/凍結しかあり得まい。

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退職後の人生?


【 銀行を退職 】


 2019/4/30、個人的な話で恐縮ながら、約33年間世話になった銀行を退職した。

(ご参照)2019/4/25の日経新聞の「私の履歴書」
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO44137080U9A420C1BC8000/

 2009/4 D証券●部長へ就任
 2009/5 S銀行がN証券買収を発表
 2009/9 D証券退社
 2009/10 S銀行へ復籍
 2010/4 N証券●部長へ就任

 あれから10年。私も現在出向中の会社に転籍する。

 色々あったこの10年と色々ありそうな今後の10年。

 今まで以上に、これからの人生を楽しんで行きたい。

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