「ぶれない経営」
「ぶれない経営」(首藤明敏編著、ダイヤモンド社)より
星野桂路[星野リゾート]
ゴールドマン・サックス社が投資家として日本の観光・レジャー産業に注目してくださったことは、私は非常に感謝しています。日本の地方にポテンシャルがあると感じてくれた。何より世界の多くの投資案件の中で、日本の観光産業に潜在力があるということを示すことができたことが最も嬉しかった。私たちは世界トップクラスの投資家の期待利回りを達成しようと努力してきた過程を経験して、日本の観光産業が今後十分に投資対象になるという実感と自信を持つことができました。外資が投資するということに抵抗感を持つ人もいますが、それはナンセンス。資金は誰のものでも投資されることが重要。公共事業で地方が潤っていた時代もあれば、長期借入で事業を発展させてきた時代もある。しかし、よい悪いは別として、グローバル経済下でお金が世界の投資市場の中で動く時代においては、とにかく潜在力を世界に示し、誰のお金でもよいので日本の地方へ投資してもらうことが重要です。
日本のリゾートや旅館の現時点での実力は、世界の投資家に十分にアピールできるほどに至っていないかもしれない。将来はもっとできるという意味ですが、高く安定した利益を創出し続けるレベルにノウハウを成長させていくにはもう少し時間がかかるし、そこまでの道のりは険しいです。ただ、そういう期待を担うこれからの分野であることは間違いなく、その希望をスタッフと共有しながら仕事ができるとうことが最も嬉しいことですね。星野リゾートはこれからも創意工夫を続け、日本の観光産業を目覚めさせる立役者になることを通して、楽しいキャリアをスタッフに提供したいです。
>>星野リゾートの地方活性化に大いに期待したい