【 台湾有事を含めた脅威度を下げる 】
先日、「日本人が知らない台湾有事」(小川和久著、文芸新書)を読んだ。
以下は、一部抜粋。
< アメリカ国防総省の2023年版報告書 >
台湾に向けられた人民解放軍の戦力
【陸上戦力】陸軍42万人、戦車1100両(台湾8万9千人、900両)
【航空戦力】戦闘機750機(同300機)
【海上戦力】空母1隻(同0隻)、強襲揚陸艦3隻(同0隻)、駆逐艦34隻(同4隻)、フリゲート艦30隻(同22隻)
人民解放軍の総兵力:正規軍204万人
台湾:17万人(2018年に徴兵制を停止+対象者に4ヶ月間の軍事訓練を義務付け。2024年から1年間の徴兵義務復活)、陸軍9万4千人、戦車750両。海軍250隻(21万トン)、駆逐艦・フリゲート30隻、潜水艦4隻、海兵隊1万人。空軍510機、うち第4・第5世代戦闘機はミラージュ2000(54機)、F-16(77機)、F-16改(63機)、経国(127機)の321機。予備役166万人は計画上、48時間で動員可能とされている
「いまそこにある危機」を放置してきた
・日本が今すぐ手を打つべきなのは、中国、ロシア、北朝鮮の脅威度を下げること
・この3国は日本に着上陸する能力は備えていないが、ミサイル攻撃する能力は備えている
・日本としては、いかにしてミサイルを発射させないようにするか、それを堅固な防衛力に裏打ちされた外交力で実現しなければならない
・周辺国のミサイルの脅威に対して、ミサイル防衛、反撃能力、シェルター整備、サイバー防衛能力の4点を同時進行すべき
ご参考)令和6年版「防衛白書」(P82~83)
https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/pdf/R06zenpen.pdf
< 台湾周辺における動向 >
2020年9月~:中国軍機による台湾周辺空域への進入が増加
2021年:延べ970機以上が進入、2022年と2023年:延べ1,700機以上が進入、進入アセット:従来の戦闘機や爆撃機 に加え、2021年以降、攻撃ヘリ、空中給油機、UAVなど
2022年末~:台湾東部にも常態的に展開
2022年8月~:中国、台湾周辺海空域で 軍事演習をたびたび実施
2022年8月2日:ペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問に伴い、中国は、台湾を取り囲む6つの演習海域の設定を公表&台湾周辺において「一連の統合軍事行動」を実施すると発表
同月4日:中国は、9発の弾道ミサイルの発射を行い、このうち5発はわが国のEEZ内に着弾し、別の1発は与那国島から約80kmの地点に着弾(わが国領土の最も近くに着弾)。それ以降も、中国軍は台湾周辺海空域において約1週間にわたり、統合封鎖、対海上・地上攻撃、 制空作戦、空中偵察、対潜戦などの演目を含む大規模な軍事演習を継続。この軍事演習では、戦時における台湾の封鎖、対地・対艦攻撃、制海権・制空権の獲得のほか、サイバー攻撃や「認知戦」などのグレーゾーン事態に関する作戦といった、対台湾侵攻作戦の一部が演練された可能性がある
2023年4月:蔡英文総統(当時)が中米訪問の経由地として米国に立ち寄り、現地時間4月5日にマッカーシー米下院議長(当時)と会談したことを受け、中国は、4月8日から10日までの間、台湾周辺の海空域において、空母「山東」を含む多数の艦艇や航空機を参加させ、大規模な軍事演習を実施。中国は、この軍事演習では、台湾や周辺の海域への重要目標に対する模擬統合精密攻撃や、複数の軍種による統合封鎖などを演練したと発表
2023年8月:頼清徳副総統(当時)が南米訪問の経由地として米国に立ち寄ったことを受け、中国は、同月19日にも、多数の艦艇や航空機などによる軍事演習を実施。中国は、この軍事演習で、艦艇や航空機の連携や、航空・海上優勢の獲得などを演練したと発表
2024年5月:同月20日に頼氏が総統に就任したことなどを受け、中国は同月23日から24日までの間、金門島などの離島を含む台湾周辺の海空域において、多数の艦艇や航空機を参加させ、大規模な軍事演習を実施
さらに、中国軍はペロシ米下院議長訪台以降、軍用機の台湾海峡における中台 「中間線34」以東空域への進入を繰り返し実施。中国は、台湾周辺での一連の活動を通じ、中国軍が常態的に活動している状況の既成事実化を図るとともに、実戦能力の向上を企図。また、こうした中国側の軍事活動の活発化により、中台間の軍事的緊張が高まる可能性も否定できない状況。台湾をめぐる情勢の安定は、わが国の安全保障にとって、国際社会の安定にとっても重要であり、わが国としても一層緊張感を持って注視していく必要がある
<感想>
台湾有事を含めた「いまそこにある危機」に備えて、中国、ロシア、北朝鮮の脅威度を下げるための防衛能力を早急に高めておく必要があるように思われる
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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