三菱UFJFGは9,500人分相当の業務量を削減?
【 MUFG2017年度中間決算説明会 】
2017/11/21、三菱UFJFG(「MUFG」)が中間決算の会社説明会を実施した。
http://www.mufg.jp/ir/presentation/backnumber/pdf/slides1709.pdf
[ MUFG再創造イニシアティブ]
<全体像>(P27)
・シンプル・スピーディー・トランスペアレントなグループ一体型の経営を通じ、顧客・社員・株主その他のステイクホルダーに最善の価値を提供。課題解決型のビジネスを展開することで、持続的な成長と、よりよい社会の実現への貢献をめざす
1. グループベースでの顧客・事業軸運営の強化
2. デジタルを活用した事業変革
3. 生産性向上に向けたイニシアティブ
4. グループの経営体制の再構築
< デジタルを活用した事業変革 >(P32)
・店頭来店客数は07年度以降で約4割減少する一方、インターネットバンキングの利用数は増加
・「非対面チャネル」の利便性を高め、ロケーションフリー(来店不要)を実現。同時に「有人チャネル」の高度化・効率化を図る
< 非対面チャネルの進化 >(P33)
・UI/UXの改善、サービス・機能面の拡充により、顧客に選ばれる国内トップクラスの非対面チャネルをめざす
・店頭でしかできなかった手続きや相談機能を順次搭載し、モバイルで完結する取引を拡充
・モバイルで完結する取引件数:17/上期 約78% ⇒ 約95%
< 有人チャネルの高度化・効率化 >(P34)
・国内516店舗のうち、23年度までに70~100店舗を「機械化店舗(仮称)」に転換。店舗事務を効率化
・その他にも「セルフ端末(STM*・LINKS**等)」を順次拡大し、23年度には導入率100%をめざす
*STM:Store Teller Machineの略。「税金」「公共料金」「依頼書による振り込み」の受付機能を備えたATM
**LINKS:Low-counter Interaction on Knowledge Stationの略。テレビを介して各センターに接続し、「相続」「住宅ローン」等の業務を受け付ける新端末
< デジタルを活用した事業変革 >(P35)
・ロボティクスを活用し業務プロセスの効率化を加速
[ RPA (Robotics Process Automation) の活用 ]
16年度まで:約20業務で適用実施済(年間2万時間に相当)
⇒ 17年度中:約80業務に適用予定(年間約16万時間に相当)
⇒ 今後:加速度的に効率化をすすめ、約2,000業務への適用をめざす
[ 適用業務の事例(含む予定)]
・住宅ローンの書類点検
・株主総会議案の通知
・インターバンク決済関連業務
・外国送金関連業務の自動化
・決済データ等分析高度化
< 業務量の削減効果 >(P40)
・MUFG再創造イニシアティブの業務プロセス改革により、23年度までに対象業務量の30%を削減(商銀単体)
・23年度までに6,000名程度の人員減少(自然減)を見込む
・研修等の仕組みを整備し、成長分野への人材投入を行う予定
[ 業務量削減に沿った人員見直し(商銀単体) ]
1.対象業務量の30%削減(9,500人分相当)
・RPA活用
・AI活用
・非対面チャネル進化
2.6,000名程度の人員減少(自然減)
・大量採用期の退職者増加
・採用数コントロール
3.成長分野への人材投入
・戦略領域の強化
・研修等の仕組み整備
<感想>
MUFGも昨日のみずほFG同様、RPAやAIを活用した業務改革により、9,500人分相当の業務量を削減(30%)するという。モバイルで完結する取引件数が、17/上期で既に約78%(目標:約95%)。今後、この流れは、金融機関のみならず、(例えば)税理士等を含めた、色々な分野に広がって行くように思われる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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