何日かで1知識 竹内弘高
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社会に貢献する企業だけが存在を許される?


 ワイズカンパニー:社会に貢献する 】

 


 先日、ワイズカンパニー(The Wise Company)(野中郁次郎著/竹内弘高著/黒輪 篤嗣訳、東洋経済新報社、https://str.toyokeizai.net/books/9784492522301/)を読み返してみた


 以下は「共通善」に関する部分の一部抜粋(その2)

 


ワイズカンパニーの6つのリーダーシップの実践


生き方として共通善を追求する

 

もう一人の手本である柳井正も、理想主義や、未来や、共通善について同じようなメッセージを発している。柳井は『経営者になるためのノート』で次のように論じている。「使命が、社会をよくする方向に持っていく使命であればあるほど、それを具体化した商品やサービス、商売に対して、社会は共感してくれるのです。待ってました、素晴らしい、と拍手喝采で迎えてくれるのです。結果的に数値もついてくるというわけです」

 

柳井は、企業は利益をあげなくてはならないが、社会に貢献する企業だけが生き残れるということをはっきり述べている。つまり儲けることがすべてであるとか、儲けるためだったら何をやってもかまわないとか、すべてはお金のために経営するとかという考えは、きっぱりと否定している。

 

「こういう会社は、すぐに駄目になります。やはり会社というのは、社会に貢献できて初めて、社会から存在が許される、認められるものだと思います。会社は、生まれた瞬間から社会の公器です。ですから、社会に貢献できる会社だけが、時代を超えて、『社会にいていいよ』と言われるようになっていると思います。それだけ社会は厳しい、お客様は厳しいということです。会社によって儲けることは重要なことですが、それ自体は手段にすぎません。会社の最終目的は『人間を幸せにするために存在している』という使命の実現にあるべきなのです。
(中略)お金だけを追いかけるとお金に逃げられるのです」

 


<感想>
「社会に貢献する企業だけが時代を超えて、社会から存在が許される」というユニクロ・柳井正の言葉を肝に銘じてゆきたい

 

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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他人の利益を図らずして自らの繁栄なし?


【 ワイズカンパニー:他人の利益を図る 】

 


 先日、ワイズカンパニー(The Wise Company)(野中郁次郎著/竹内弘高著/黒輪 篤嗣訳、東洋経済新報社、https://str.toyokeizai.net/books/9784492522301/)を読み返してみた

 

 以下は「共通善」に関する部分の一部抜粋(その1)

 


ワイズカンパニーの6つのリーダーシップの実践

ワイズリーダーは、自社や社会によってーー株主にとってばかりではなくーー何がよいことかを見極める。

 

「リーダーは絶え間ない変化の中で判断を下し、行動を起こすことを求められる。判断を下すとき、広い視野に立って、社会にとっての善をなそうとするのが、われわれが考えるワイズリーダーである。

 

ワイズリーダーには道徳的な目的がある。 ビジネスリーダーは資本主義の担い手としては、自社にとってよいことをして、利益をあげ、株主価値の最大化を図らなくてはならない。

 

しかし同時に、常に社会にとってよいこと、全人類にとってよいこともしなくてはならない。

 


生き方として共通善を追求する

ワイズリーダーシップのこの実践の手本として、ここでは巨大企業の創業者二人を紹介しよう。

 

一人は世界一のファスナーメーカー、YKKの創業者、吉田忠雄。もう一人は、日本で最も急速な成長を遂げたアパレルブランド、ユニクロの運営会社ファーストリテイリングの創業者柳井正である。 

吉田は1934年、YKKを創業後に間もなくも、「善の循環」という経営哲学を打ち立てた。 企業は社会とともに反映することによってのみ生き残れるということだった。

 

「善の循環」の哲学は、「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」という吉田の考えと密接に結びついている。消費者と、供給業者や流通業者を含む関連産業と、社員の三社に利益が分配される「成果の三分配」が果たされるとき、企業の存在価値を社会に認めてもらえるというのが吉田の持論だった。

 


<感想>
「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」というYKK創業者の言葉を肝に銘じてゆきたい

 

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規律重視の安定志向からの脱却?


【 新たな時代に合わせた教育】



 2022/10/3、日経新聞に、竹内弘高教授の『「ルール破れる人」育てる』の記事が掲載されていた。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64761980Q2A930C2TCT000/

 以下は、一部抜粋。

 


1980年代までの日本は製造業を中心に人材育成に成功してきた。幼少期は家庭、大学までは教育界、卒業後は会社がベルトコンベヤーのように継ぎ目なく人材を育てた。決まった正解を導く偏差値競争の産物は規律重視の安定志向の人材だ。

 

しかし急速に技術が進展する現代で求められる人材像は真逆だ。新興企業の米モデルナがわずか数カ月で新型コロナウイルスのワクチン開発を果たした。

 

ワクチンになぞらえると、今の時代は「RNA」の要素を持つ人材が必要だ。Rは「rule-breaking(規則を破る)」、Nは「non-conforming(体制に適合しない)」、Aは「antithesis(アンチテーゼ)」だ。

 


日本はいまだに大企業の窓際族でも高収入を得られれば幸せと思っている。挑戦を恐れる風潮が続けば、バブル崩壊後の「失われた30年」は「失われた3世紀」になりかねない。

 

官僚の養成を担ってきた東京大をはじめ、国立大はアントレプレナー(起業家)教育など新たな時代に合わせた教育を強化すべきだ。最近は危機感を持った若者が東大を蹴って海外大に進んでいる。変革の好機を逃さなければ日本は再び世界で飛躍できる。

 


<感想>
 大学ゼミの教授だった竹内先生のRNA(rule-breaking、non-conforming、antithesis)。
 決まった正解のない社会で、体制に適合することなく、挑戦を恐れずに、変革の好機を捉えてゆきたい。

 

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デジタル時代でも重要なのは人間の知恵?


【 不確実性を勝ち抜くためのCEOの役割 】



 2017/10/14、大学の竹内弘高ゼミのOB会ゴルフコンペに参加した。同組で回った71歳になる先生にグロスでこれまで一度も勝てたことはない。

 以下は、KPMGコンサルティング株式会社主催の「不確実性の時代を勝ち抜くためのCEOの役割」と題する経営フォーラムの2017/10/11付け日経新聞広告書面(P22)や添付記事*からの概要。

 *ハーバード大学院の竹内教授が斬る「デジタル時代の経営イノベーションのあり方」
 
http://it.impressbm.co.jp/articles/-/15063


1.不確実性が高まる世の中でイノベーションを考える際の重要なポイント

 ・世の中の矛盾は、人間の知恵でしか解決できない
 (人工知能(AI)等のテクノロジーがいくら進化しようとも)

 ⇒ 0を1にする、9を10にすることは人の役割であり、経営イノベーションには人間力が重要である

 <事業を0から10までの段階に分けた場合の担い手>
 (Innovation in the Day and Age of High-velocity change)

 0~1:人間(Human)(無から有を生み出す(=何をするか))

 1~9:ビッグデータとAI(Big Date, AI)(AIやビッグデータ(それらを駆使できる人)に任せる)

 9~10:人間(Human)(顧客へのハイタッチ)


2.ミッション、ビジョン、バリューを明確にする

 ・ミッション(Mission):何のために存在するのか?(Why do we exist?) 

 ・ビジョン(Vision):どのような未来を創造したいのか?(What kind of future do we want to create?)

 ・バリュー(Value):どのような価値観や思いを大切にしているのか?(What values and beliefs do we hold dear?)


 <ホンダのケース>

 ・ミッション:世のため、人のためにモビリティーを高める
  スーパーカブ(60年前)⇒バイク⇒自動車⇒小型ビジネスジェット(全米を席巻中)

 ・ビジョン:小型ビジネスジェット開発により、飛行場で長い待ち時間に耐えるビジネスリーダーの利便性を高めたい

 ・バリュー:待ち時間を減らすことで、ビジネスリーダーは、家族とより多くの時間を共有できる


3.賢慮のリーダーが実践する6つの項目

(1)「善」を判断できる
 ・日本では当たり前だが、米国ではそうではない

(2)本質を把握できる
 ・分析的ではなく、直感的に把握できる必要がある

(3)場をつくる
 ・公式、非公式な場を絶えずつくる

(4)本質を伝える
 ・メタファー(比喩)やストーリー(物語)を駆使し、個人やグループの暗黙知にまで持っていく

(5)政治力を行使する
 ・相反する考えの人を束ねる

(6)実践知を育む
 ・徒弟制やメンタリングを通じて、他者(特に現場社員)の実践知の養成を促す


[ご参照]
「ハーバード竹内教授の原点。手紙と交渉で勝ち取った外資系の内定」
https://newspicks.com/news/1365612
「マッキンゼーとハーバードからオファー。てんびんにかけて下した決断」https://newspicks.com/news/1367747/body
「ハーバードの学生に人気の「インサイド・アウト」の授業」https://newspicks.com/news/1369968/body


<感想>
 野中郁次郎先生との共著「知識創造企業(Tne Knowledge Creating Company)」が出版されてから早20年。現在、来年の出版を目指し、その続編を野中先生と相談中とのこと。その野中先生は、カリフォルニア大学バークレー校ハースビジネスクールの「Lifetime Achievement Award(生涯功労賞)」を学者として初受賞*された。今から続編が楽しみである。
*
http://www.ibs.ics.hit-u.ac.jp/jp/news/2017/07/19105621.html

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東北から始まる「賢慮の資本主義」②



東北から始まる「賢慮の資本主義」(竹内弘高 vs 佐藤智恵、Voice 平成28年4月号)より


  日本体験で驚くこと

竹内
  昨年11月、私の教え子であるケイシー・ジェラルドがIFCの授業に来てくれました。彼は一昨年5月にハーバードを卒業したあと、MBAs Across AmericaというNPOを起ち上げた人物です。

 彼は「知識総合戦略(Knowledge-Based Strategy)」の考えがインサイド・アウト・アプローチである、と話していました。つまり、自分の思い、信念をベースに戦略、ビジネスを考えていく。これは自社を取り巻く環境や業界を分析して立ち位置を決めよ、というマイケル・ポーター的なアプローチとは逆なアプローチとは逆の新たな方法かもしれません。

 「共通善」の実現をビジネスの目的にしたいと考えるハーバードの学生にとって、彼の生き方は一つのロールモデルになっています。

佐藤  竹内先生は震災の翌年から被災地で実習授業を続けておらるわけですが、その原動力となっているものはなんですか。

竹内  一つはハーバードに恩義を感じていること。もう一つは、親からたたき込まれたミッションのようなものです。私は先述のようにインターナショナルスクールに12年間通い、日本の大学を出たのですが、その間、父親から「日本とアメリカの懸け橋になれ」と繰り返し教え込まれました。

 面白いのは、学生たちが一様に「街にゴミ箱がないがゴミも落ちていない」と言うこと。

 また、ハーバードの学生たちが驚くのは、日本のコンビニの店員が親切で効率的であることです。アメリカではコンビニの仕事は典型的な3K(きつい、汚い、危険)ですからね。こうした体験というのが「暗黙知」として学生たちに残るわけです。結果として、日本そして日本人を好きになって帰る。


  世界を舞台に活躍する日本の若者の力を行かせ

佐藤
  最後になりますが、今後、竹内先生はハーバードでどんな仕事をしていきたいですか。

竹内  ハーバードでの仕事はあと5年ぐらいだと考えていますので、まず自分の後継者を探さなくてはいけません。もっと先を見据えると、グローバルに活躍できる若い日本人を育成すること。

 マルティン・ルーサー・キング牧師は1963年の有名なスピーチで「I have a dream」と語りかけ、子供たちの未来にアメリカの将来を重ねました。私の思いも同じかもしれません。日本の高校生から二十代、三十代の若い世代が「賢慮の資本主義」の精神に基づいて世のため、人のために尽くす。そのような未来を創るのが私の夢なのです。


>>自分の思い、信念をベースに戦略、ビジネスを考える(インサイド・アウト・アプローチの)「知識総合戦略」の考えを持ちながら未来を創ってゆきたい

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