何日かで1知識 マッキンゼー
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過去のトレンドが破壊される時代に政府も国民もリセット?


「マッキンゼーが予測する未来 近未来のビジネスは、4つの力に支配されている」(リチャード・ドッブス他著、ダイヤモンド社)


  以下は掲題書からの一部抜粋。
 

 第2部 直観力をリセットするための戦略思考

  第10章 国家の政策こそ問題だ
       ーー社会と政府にとっての戦略的課題



 若者の失業率は高く上がり続けており、どの年代の人々にもリスクを抱えさせている


 私たちは、強固な生産性の伸びを促すことに必要な、10項目の支援要素を絞り込んだ。
 1.サービス産業分野での競争を妨げる障壁の除去
 2.公的部門と規制部門に効率と業績の管理を導入し、重点実施
 3.とくに新興国を中心に、物理的およびデジタル・インフラストラクチャーへの投資
 4.革新的な製品やサービスのR&D投資と、そうした研究開発需要の喚起措置
 5.生産性改善にインセンティブを与え、イノベーションを支援する法制の導入
 6.改善機機会と変化を促進する触媒を見つけるためにデータを活用する
 7.データの公開とデジタル・プラットフォームを通じて、生産性向上の全景観の中から新しい手法やツールを見つけ出し、その力をテコに普及を図る
 8。女性、若者、高齢者の労働市場への参加を促進する
 9.さまざまなスキルや労働力プールの強化を支援するため、移民制度の調整を行う
 10.職業により求められるスキルと教育のマッチングを改善し、労働市場をこれまでよりも柔軟にする

  ***

 過去のトレンドが破壊される時代が、政府と政策決定者に課している不確実性とプレッシャーの重大さと意義深さは、企業や経営者に課されるものと何ら変わらない。公共部門のリーダーもまた、こうした挑戦課題に正面から立ち向かうために、経営資源を確保し、合意を形成する能力によって評価されるようになるだろう。

 究極的には、政府の適切な規模や形を具体的な療法として処方することは難しい。個々の国ごとに、自分できめなければならないことなのだ。しかし、政府の置かれた状況が、拡大基調か縮小基調か、先進国か開発途上国か、財政状況が黒字化赤字か、といった違いにかかわらず、いずれの国家も敏捷性を持って素早く対応するように努力しなければならない。そうすることによって、どの国も脅威となりうるトレンドの数々から自国を絶縁し、守ることができるからである。

 さらに重要な点として、そうすることが、公共部門が提示された膨大な機会を活用できることにつながるのである。インセンティブ、規制、それにデータの知的な活用こそが、成功の要件なのだ。


  エピローグ 戦略的思索の果てに

 過去のトレンドが破壊される時代であっても、楽観主義のほうが結局は時代を制する、と私たちは確信している。作用しているさまざまな力のおかげで、私たちの住む世界は、10年後あるいはそれ以降には、今よりももっと良い世界になっているだろう。私たちが今まさに目にしている数々の変化の持つ規模と永続性を理解する人は、それに従ってぜひご自分の直観力をリセットし、新しい世界を形作る機会を見つけ、繁栄につなげていただきたい。


<感想>
 
 過去のトレンドが破壊される時代に、政府は女性、若者、高齢者の労働市場への参加促進の政策を、国民は自分の直観力をリセットして新たな世界を、作っていかねばなるまい。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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資本配分を頻繁に変更して危機に備える?


「マッキンゼーが予測する未来 近未来のビジネスは、4つの力に支配されている」
(リチャード・ドッブス他著、ダイヤモンド社)


  以下は掲題書からの一部抜粋。
 

 
第2部 直観力をリセットするための戦略思考

  第8章 労働力需給のギャップを解消する
      ーー技術革新が生み出す新たな労働市場のミスマッチ



 成熟経済化では、就業機会の増加の大半は複雑な問題解決「インタラクション」業務であり、同じルーチンを繰り返す生産および定型的「トランザクション」業務ではない


 2001年から2009年にアメリカで生まれたタイプ別就業機会

 問題解決「インタラクション」職種 +480万人
  複雑な問題解決、経験、文脈の理解が必要な対話を要求される
  (例:弁護士、医師)

 定型的「トランザクション」職種  ▲70万人
  顧客とのやりとりを台本に記述、ルーチン化、自動化が可能
  (例:銀行の窓口担当、小売業のレジ係)

 生産型職種  ▲270万人
  物理的原料・素材を最終製品に加工するプロセスを実施する
  (例:工場労働者、農業従事者)


 今後、世界には高度なスキルを持つ労働者が不足し、
 一方で低スキルの労働者には就業機会が不足する可能性が高い

  ***

 今から10年後も私たちが同じ産業で、同じポジションで、あるいは同じ企業で働いているだろう、と確信を持って言える人は一人もいないのではないだろうか。今新たに創造され、生まれたばかりの産業には、私たちには今日理解できないスキルや能力が要求されることだろう。そして、最新のトレンドと技術にただ追いついていくためだけに、不断の教育の継続と各種スキルの維持が必要なのだ。


 
第9章 小魚がサメに変貌するとき   
     ──新たな競合の出現と競争のルールの変化



 2025年までに、フォーチュン誌によるグローバル500社中、ほぼ230社が新興地域の諸国の企業になると思われる。
 2013年には、この数は130社であった。


 新興国企業は、先進国企業に比べ、
 世界中のどの市場でも高い成長を達成している


  惰性に陥ることを避けよ

 この「競争の新時代」には、企業経営者はこれまでよりもっと敏捷にならなくてはいけない。経営者は、現状維持に陥ることを警戒し、新しいスキル、とくに資本の配分と技術に関するスキルを磨かなくてはならない。
   
 事業の拡張と自社の競合の監視にとどまらず、資本配分とその有効活用にも敏捷になれるよう、自己を訓練しなければならない。事実、私たちが発見したのは、毎年資本配分を変更し、敏捷性に関して高い成績の企業は、リスクを大幅に低減させているということだ。1600社を超える企業のデータを調査したところ、敏捷性、すなわち頻繁に資本配分比率の変更を行う点で上位3分の1に入る企業の株主へのトータルリターンは、毎年資本配分を固定している敏捷性低位グループの企業よりも、30%も高かったのである。


<感想>
 現状維持に陥ることを警戒し、資本配分と技術に関するスキルを磨いて、外からの危機に備えなければなるまい。

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低金利の行方に備えたポートフォリオのリセット?


「マッキンゼーが予測する未来 近未来のビジネスは、4つの力に支配されている」(リチャード・ドッブス他著、ダイヤモンド社)


 以下は掲題書からの一部抜粋。
 

第2部 直観力をリセットするための戦略思考


 第6章 逆回転が始まった
     ーー資源に訪れる新たな機会


 企業経営者や政府のリーダーたちは、資源の価格について、自らの枠を越えて考えを拡張し、深く考えなければならないし、さらにエネルギー、水、食料といった要素の投入が十分なアウトプットにつながるよう、より良い生産や管理の仕組みを考えなければならない。


 わたしたちの生きる、相互に結合し、成長を続ける世界では、多くの役立つ解決策や技術がすでに試みられてきており、役立つことが証明されている。現存の技術や道具の規模を拡大し、新しいシステムを工夫し、素晴らしい技術革新と賢明な政策を実現していけば、読者の属する企業や組織機構を、貿易価格の不安定な変動環境下においても成功に導くことができるだろう。


 第7章 1つの時代の終わり
     ーー資本コストが下がり続ける時代よさらば

  シナリオ1 資本コストが上昇する


 2030年までに、需要の不均衡は拡大し、利用可能な世界の総貯蓄額に対し、望まれる投資総額は2兆4千億ドルを上回るという結果となるだろう。伝統的なマクロ経済学の視点からすれば、世界の望ましい投資額と世界中の人が喜んで行う貯蓄額との間のこうしたギャップは、実質金利に上昇圧力を加え、投資先案件が厳しく選別されることにつながる可能性がある。その結果、資本の生産性の改善が堅調に進まないかぎり、世界のGDP成長の陰りにつながってしまうことだろう。


  シナリオ2 金利を押し下げるシステムが確立される

 世界各国の政府が高齢化に伴う政府支出の増加と脆弱な経済成長に直面し、債務を現象させるために苦闘しており、量的緩和のような金融政策や、恒久的な債務の貨幣化といった慣例から外れた金融政策も、中央銀行や政府からタブー視されなくなるのかもしれない。

 この新しいマクロ経済の領域では、旧来の需要と供給の指標に注目する伝統的な視点だけでは、将来の資本コストを考える十分な指標とは言えないのかもしれない。2014年の春に、標準預金金利をマイナスに設定した欧州中央銀行の動きのように、これから先の何年間も、超低金利こそが普通の状態としてとどまるのかもしれない。


  思考原則を変えよ

 資産保有者は、自分の達成したい目的とリスク許容度、志向をもっと注意深く定義し、それに従って自社のポートフォリオを構成しなければならないだろう。おそらく、想像できる結果としては、たとえ短期的には一時的な損失を被るショックはあるものの、長期的な価値創造に焦点を当てた流動資産への資本配分を大きくする、ということだろう。たとえば、シンガポールの政府系投資ファンドであるGICでは、アジアの新興国市場に焦点を当てる場合、各国の短期的変動とは無関係に、20年後を到達点として見ている。

  ***

 すでに指摘したように、資本コストを取り巻く著しい変化は、短期的な道筋がどちらに向かうのか不確実なままである。かなりの程度、グローバル経済は著しい流動性の増加により変容した、流動性の洪水の中を航海している状態だと言えるだろう。この洪水の水がすぐに引いて金利を引き上げるのか、それともこのまま低金利が続くのか、確実性を持って判断することは困難である。どちらであるにせよ、企業は自分たちの乗る舟が浸水し、沈まないように、自分たちの考え方、実践する行動、そして保有する能力を見直し、方針を決定しなくてはならない。


<感想>
 リーマンショック後の量的緩和策の行方に備えたポートフォリオの見直しが必要かもしれない。

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新たな30億人市場に適応するためのリセット?


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 以下は掲題書からの一部抜粋。
 

第2部 直観力をリセットするための戦略思考


 第5章 次に来る30億人
     ──新たな消費者層の力を引き出す



 1990年から2025年の間に、世界中で30億人が消費者層に加わる
 世界市場初めて、世界人口の過半数が消費者層になろうとしている


 新たに消費者層に加わる人たちの多くは、新興国のあまり名も知られていない「ミドル級」の都市の住民である


 新技術により、新しい消費者層への新たな販売経路が開けてきている
 中国のインターネット小売市場規模は、アメリカを追い越した


  沸騰する市場にどのように適応するか

 こうした尋常ではない多様化した新興国市場での競争に勝てる企業には、共通した次の4つの傾向がある。

*次の成長機会を考えるときに、国や地方といった大まかな単位ではなく、もっと詳細な都市や都市の集積で考え、それに従って資本や人材の再配分を行う。

*現地の好みやニーズに合わせて製品と価格設定をカスタマイズし、速く低コストのサプライチェーンを築き、さらにコスト競争力があって幅広い層にアピールする価格帯をカバーできるよう、ビジネスモデルの革新を図る。

*市場にいたる複数の販売ルートを設計し、コントロールし、それに沿ってブランド、マーケティング、および販売戦略を再考する。

*組織機構、人材戦略、事業運営の慣行を、新興国を重点市場とするシフトを反映させて、全面的に変更する。


  現地に基づいて考え、グローバルに行動せよ

 先進国企業が組織改革を実行し、研究開発と商品設計を現地化し、サプライチェーンと資金調達を見直す必要性が高まっており、場合によっては、現地の既存インフラストラクチャーを活用しやすくするために、現地企業との提携が必要かもしれない。


 世界中で起こっている新しい消費者層の勃興が、既存の確立した企業にとっては達成の困難な、新たな要求を突きつけている。自国市場で築いた優位な要因は、はるか離れた市場には、簡単には移転し構築することができないし、当然のものと受け入れられもしない。


 これまでは閉ざされていると思っていた市場の消費者が、自分たちが製造している種類の製品への嗜好を、身につけていきていると気づくに違いない。自社のアプローチと管理のやり方を系統的に見直し、世界中のすべての有望市場に自社事業を展開していこう、という賢明な企業であれば、今の顧客がどこにいるのかを見つけ出し、出会うことができるだろうし、将来の顧客も見つけられるだろう。


<感想>
 これから出現する巨大な中間層対象に勝つためには、これまでの競争優位性を一旦リセットし、新たな対応策を模索し続けなければなるまい。

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世界(貿易、人間、金融とデータ)は相互結合がより強化?


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 以下は掲題書からの一部抜粋。 

第1部 4つの破壊的な力

 第4章 貿易、人間、金融とデータの価値
      ──音速、高速で強く結び付く世界



  新たなグローバル化の潮流1--モノやサービスの貿易

 貿易の増加は、何世紀もの間続いてきたトレンドであり、コンテナ化および輸送ネットワークの生産性の改善によってトレンドは加速してきている。今日、さまざまな新技術と新たなネットワークの出現により、この成長トレンドが増幅されている。そして新興国の消費者や企業の興隆により、グローバル化のプロセスも再生し、高密度化し、進化している。

 国境を越えた財貨、サービス、金融の移動は、2012年には26兆ドルに達し、世界の総GDPの36%を占めている。この比率は、1990年の総GDPに占めていた比率の1.5倍である。


  新たなグローバル化の潮流2──金融マーケット

 何十年もの間、原油が世界中を移動する主たる液体資産であった。ところが今日では、黒い黄金の流通は、高速で流通する別の商品に取って代わられ、影が薄くなってしまった。それが資金である。金融が貿易を動かし、資本の流れ自体のほうが主役となってしまった。巨額の資金や信用を動かすほうが、原油や靴を送るよりも簡単だからだ。資金を電子的に送るには、タンカーやコンテナ船に載せる必要がない。


  新たなグローバル化の潮流3──移り住む世界の人々

 世界中の人々もまた、相互のつながりを強めている。国外へ旅行し、働きに行き、留学する人の数は、何世紀にもわたって一貫して増加してきたが、過去数十年、こうした人の往来は爆発的に増加した。人々が都市に移り住み、高い所得を得るようになると、他の国々に移住したり、旅行したりするのが非常に簡単になる。生まれた国を出て他国に住んでいる国際的移住者の数は、国連の経済・社会問題局によると1960年には7500万人であったが、2013年には2億3200万人に増加した。


  新たなグローバル化の潮流4──データと通信

 おそらく近年最大の劇的な変化は、情報が世界を瞬時に飛び回るようになったことだろう。全人類の3分の2が携帯電話を保有しており、この比率はまだ急速に増加し続けている。
 「今日、世界の人口よりも多くの電話機が存在しており・・・・・・、スカイプのようなインターネット・サービスを通じて、世界中のどこにでもほとんどゼロに近いコストで電話をかけることができる」。そして「世界中の人々の相互結合の密度がこの水準に到達したことは、歴史上未曾有のことである」と、シンガポールのリー・クアン・ユー国立公共政策大学のキショア・マーブバニ学部長は語っている。


  相互結合の強まった世界に対応する4つのポイント

 どこから現れるかわからない新参者に備える 
 グローバルに、しかもデジタルなエコシステムを築け
 グローバルな結合と流れによる競争優位を活用せよ
 相互に連結した世界で、敏捷であれ


<感想>
 相互結合がより強まった世界(貿易、人間、金融とデータ)では、自社のコア・コンピタンスにしがみつくのではなく、グローバルなフローへの敏捷性が競争優位に結び付きそうだ。

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