あれっ、スパークスGが増配と取締役任期短縮を株主提案?
【 スパークス・グループ:帝国繊維へ株主提案 】
2018/1/19、スパークス・グループ(8739)が、帝国繊維株式会社(3302)に株主提案したことを開示した。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1545553
1.概要
連結子会社のスパーク・アセット・マネジメント(SAM)の運用するファンドは、帝国繊維が3月に開催予定の定時株主総会において以下の2つを株主提案(SAMが傘下の運用ファンドを通じて株主提案を行うのは11年ぶり2回目)
(1)剰余金の配当の件
期末配当として、90円/株を配当する(同社計画は30円/株)
⇒ 資本効率の更なる低下を防ぐため、 現金同等物の増加を抑制するのに必要な水準の配当の実施を提案
(2)定款の一部変更の件
取締役の任期を、現在の「選任後2年以内」から、「選任後1年以内」に短縮する
⇒ 帝国繊維の取締役会が株主からの信任の機会を増やすことによって、巨額の持合い株式に代表される経営上の課題に株主の視点を加味して対処する体制を整えるよう、取締役の任期短縮を提案
2.背景
(1)株式市場での評価
帝国繊維は優良な防災製品事業を営みながらも、時価総額は約594億円(17/12末)と、予想当期利益30億円、保有する金融資産約425億円*を考慮すると、株式市場で十分な評価を受けていないこと(*17/9末の現預金、有価証券・投資有価証券の合計値)
(2)主な要因
同社の非効率な資本配分にあること
a)本業とシナジーの薄いヒューリックの持合い株式を約225億円(12/29終値@1,266)も保有している
b)成長投資にも株主還元にも使用されない現預金および有価証券を約208億円5保有
c)過去10年間(17/9 vs 07/12末)で利益剰余金(いわゆる「内部留保」)が約207億円増加
⇒ 自己資本利益率(ROE)上昇に対する重石となっている
⇒ 利益剰余金の増加分は事業性資産に充てられることなく、ほぼそのまま、現預金・有価証券として蓄積されている
(3)これまで
過去4年間にわたり同社と対話の努力を継続し、(a)ヒューリック株式を合理的な期間内に売却すること、(b)成長投資と株主還元に関する明確な方針を示すこと、を提案してきた
⇒ 帝国繊維が資本の有効な活用法を検討するよう要望
3.数値の比較(17/9末 vs 07/12末)
(億円) 17/9末 07/12末
流動資産
現金預金 108 18(+89)
有価証券 100 10(+90)
投資その他の資産
投資有価証券 217 20(+197)
合 計 425 49(+376)
利益剰余金 286 79(+207)
<感想>
本件は、SAMが傘下の運用ファンドを通じて、帝国繊維宛て増配と取締役任期短縮の株主提案を行うもの。
当社に限らず、利益剰余金については、現預金・(投資)有価証券ではなく、より利益率の高い事業への成長投資に活用することが望まれよう。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら http://tsuru1.blog.fc2.com/
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2018/1/19、スパークス・グループ(8739)が、帝国繊維株式会社(3302)に株主提案したことを開示した。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1545553
1.概要
連結子会社のスパーク・アセット・マネジメント(SAM)の運用するファンドは、帝国繊維が3月に開催予定の定時株主総会において以下の2つを株主提案(SAMが傘下の運用ファンドを通じて株主提案を行うのは11年ぶり2回目)
(1)剰余金の配当の件
期末配当として、90円/株を配当する(同社計画は30円/株)
⇒ 資本効率の更なる低下を防ぐため、 現金同等物の増加を抑制するのに必要な水準の配当の実施を提案
(2)定款の一部変更の件
取締役の任期を、現在の「選任後2年以内」から、「選任後1年以内」に短縮する
⇒ 帝国繊維の取締役会が株主からの信任の機会を増やすことによって、巨額の持合い株式に代表される経営上の課題に株主の視点を加味して対処する体制を整えるよう、取締役の任期短縮を提案
2.背景
(1)株式市場での評価
帝国繊維は優良な防災製品事業を営みながらも、時価総額は約594億円(17/12末)と、予想当期利益30億円、保有する金融資産約425億円*を考慮すると、株式市場で十分な評価を受けていないこと(*17/9末の現預金、有価証券・投資有価証券の合計値)
(2)主な要因
同社の非効率な資本配分にあること
a)本業とシナジーの薄いヒューリックの持合い株式を約225億円(12/29終値@1,266)も保有している
b)成長投資にも株主還元にも使用されない現預金および有価証券を約208億円5保有
c)過去10年間(17/9 vs 07/12末)で利益剰余金(いわゆる「内部留保」)が約207億円増加
⇒ 自己資本利益率(ROE)上昇に対する重石となっている
⇒ 利益剰余金の増加分は事業性資産に充てられることなく、ほぼそのまま、現預金・有価証券として蓄積されている
(3)これまで
過去4年間にわたり同社と対話の努力を継続し、(a)ヒューリック株式を合理的な期間内に売却すること、(b)成長投資と株主還元に関する明確な方針を示すこと、を提案してきた
⇒ 帝国繊維が資本の有効な活用法を検討するよう要望
3.数値の比較(17/9末 vs 07/12末)
(億円) 17/9末 07/12末
流動資産
現金預金 108 18(+89)
有価証券 100 10(+90)
投資その他の資産
投資有価証券 217 20(+197)
合 計 425 49(+376)
利益剰余金 286 79(+207)
<感想>
本件は、SAMが傘下の運用ファンドを通じて、帝国繊維宛て増配と取締役任期短縮の株主提案を行うもの。
当社に限らず、利益剰余金については、現預金・(投資)有価証券ではなく、より利益率の高い事業への成長投資に活用することが望まれよう。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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