あれっ、三方よしのM&A事案?
【 常磐興産:三方よしのTOB 】
2024/9/9、日経電子版に、『「フラガール」のハワイアンズ運営会社、米ファンドが買収』が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC05BQK0V00C24A9000000/
以下は一部抜粋。
フォートレスによる1回目の買い付け価格は1650円で、常磐興産株の6日終値に33%のプレミアム(上乗せ幅)を付けた。買い付け期間は10日~10月24日まで。買い付け予定数の下限は445万401株(所有割合50.67%)に設定した。常磐興産は1回目のTOBへの賛同を表明し、株主に応募を推奨している。
2回目のTOBは、筆頭株主である建設会社の常磐開発(いわき市)、みずほ銀行や常陽銀行など大株主5社・団体を対象に実施し、買い付け価格は6日終値と同じ1240円。いずれも1回目のTOBには応募せず、2回目に応募する契約を結んでいる。
フォートレスは国内のホテル・レジャー施設への投資を拡大している。5月にはセガサミーホールディングス(HD)から大型リゾート施設「フェニックス・シーガイア・リゾート」(宮崎市)を買収した。
常磐興産 渋沢栄一氏らが発起人となり「磐城炭礦」として1884年に設立された。炭鉱の副産物だった温泉を利用したレジャー施設として、1966年に常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)の営業を始めた。炭鉱の町の再生に向けてリゾート施設を整備する取り組みは映画「フラガール」のモデルとなった。
<感想>
本件は、TOB価格を、1)一般株主宛てプレミアム付き高値、2)メインバンク等の大株主宛て時価、の2段階に分けた買収事案。
1)メインバンク:与信リスク(長短借入金約285億円)の軽減、2)買収者:TOB総額の軽減、3)会社:積極投資可能、等の三方にメリットがあるM&Aだと思われる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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