あれっ、男系男子の皇位承継に拘らず?
「天皇論 平成29年」(小林よしのり著、小学館)より
以下は、掲題書からの抜粋(その8)
第11章 尊皇を掲げる朝敵たち
自ら「旧宮家」の娘との結婚を拒み、古い貴族社会の因習を断ち切った今上陛下が、今さら「旧宮家」の子孫を皇室に入れるなんてことにこだわるだろうか?
まして、その男たちを自分の孫娘と結婚させようなどとお考えになるだろうか!?
そして、制度上、自ら発言ができない天皇陛下を代弁するかのように、陛下の信頼の特に厚いと言われる側近中の側近、羽毛田宮内庁長官(当時)と渡邉允前侍従長(当時)が揃って「女性宮家の創設を」と発言し、それを後押しするように秋篠宮殿下が「一定数の宮家は必要」と発言されている。
天皇陛下のすぐ側で、10年以上も仕えた渡邉前侍従長がテレビに出演して「女性宮家の創設」を訴えたのだから、これはもう99.9%陛下のご意志なのだと拝察するのが国民の常識というものだ。
昭和天皇は側室を廃止し、女官制度の大改革を行った。
今上陛下は民間から妃を迎えた。
いずれも「前例がない」と言われることだった。
だが「伝統を護る」とは単なる「前例踏襲」ではない。
伝統と因習は、似て非なるものである。
美智子皇后陛下は結婚50年の会見で伝統の大切さを十分強調した上で、こう仰っしゃっている。
一方で、型のみで残った伝統が社会の進展を阻んだり、伝統という名の下で古い習慣が人々を苦しめていることもあり、この言葉が安易に使われることは、好ましく思いません。
昭和天皇や今上陛下が因習を墨守し、皇室に今でも側室があり、結婚相手は上流貴族のみだったとしたら、それでも皇室は国民の敬愛の対象であり続けられたであろうか?
そして、「必ず男子を産まなければならない」ことに雅子妃が苦しみ抜かれているのを目の当たりにしても、なお天皇陛下は「男系堅持」を墨守するのがいいことだと考えられるのだろうか!?
<感想>
今こそ、皇室典範第第1条(皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。)について、天皇側近の方々のご発言の真意を忖度する必要があるのではなかろうか。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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