元証券マンが「あれっ」と思ったこと あれっ、量的緩和で国債が暴落?
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あれっ、量的緩和で国債が暴落?


「アベノミクスは進化する」(原田泰・片岡剛士・吉松崇編著、中央経済社)


  以下は掲題書からの一部抜粋。


第5章 中央銀行のバランスシート拡大と財政への信任 吉松崇


  中央銀行の量的緩和に伴うバランスシートの拡大が財政ファイナンスと認識されて、財政への信任が毀損され、国債の暴落を招くという理論。
⇒そのようなことはない。


おわりに

  財政の規模(財政赤字の規模)を決めるのは中央銀行ではなく政府である。政府の徴税能力に限界がある以上、財政赤字を無限に拡大することはできない。したがって、量的緩和という政策に対する評価を考えるうえで重要なのは、「財政赤字に伴い発行された国債が市場で十分に消化されている状況で、中央銀行による大量の国債購入はどういう経済的な意味を持つのか?」という問いである。

  イギリス、アメリカ、日本で行われた量的金融緩和は、まさにこの状況に当てはまる。この状況が当てはまらない事例(例えば、政府財政の粉飾が明るみに出た国債が暴落したギリシャ)を持ち出して、これらの国の政策を批判するのは的外れである。

  そういう前提のもとでは、本章で示したとおり、「量的金融緩和に伴う中央銀行による大量の国債購入、すなわち国債のマネタイゼーションが財政に対する信任を毀損する」という批判には、経験的にも理論的にも根拠がないことが明らかである。


<感想>

  日・米・英国の国債のCDS(Credit Default Swap)のスプレッド推移を見る限り、中央銀行の量的緩和に伴うバランスシートは拡大しているものの、財政に対する信任が毀損されてはいないことが理解できる。


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