あれっ、日本の家族も多様化?
【 多様になりつつある家族 】
先日、『「ふつうの家族」にさようなら』(山口真由著、KADOKAWA)を読んだ。
以下は、一部抜粋。
個人情報追加で精子はもっと高く売れる
今、慶応大学病院の精子提供が危機に瀕している。
子供の出自を知る権利なるものが、世界的に認知されるようになった。日本でも、将来的には、その権利が認められる可能性がある。精子ドナーにもあらかじめそれを伝えておかねければという趣旨で、2017年6月、同病院は、精子提供によって生まれた子どもが自らの遺伝的なアイデンティティを知りたいと願った場合、精子ドナーの個人情報をその子どもに開示する可能性がありますという内容を同意書に加えた。そうしたところ、病院としては匿名を守る考えに変わりないと記していたにもかかわらず、精子ドナーが激減したという。
同年11月には新たなドナーを確保できなくなり、翌年8月に新規の依頼の受入れを停止せざるを得なくなった。そして、いまや事業の継続が危ぶまれている。精子ドナーっていうのは、それほどに個人情報を明かしたくないもののようだ。実際、スウェーデン、イギリス、オーストラリアどこでもみんな、精子ドナーのアイデンティティを開示すると法律で定めた途端に、精子提供の数が減ったというデータもある。
同性婚を認めた感動的な判決
オバーゲフェル判決の出た当時のアメリカでは、リベラルとされる判事が4人、保守に属する判事4人と拮抗しており、ケネディがキャスティング・ボードを握っていた。
彼を取り込みたいリベラルサイドは、判決文を書く権利をケネディに譲った。最高裁判事のとっての最大の名誉は、後世に残る重要な事件で判決文を書くことだ。
結婚とは「お互いを助け合う約束であるのみならず、このカップルを助けるという社会の誓約であり、この結びつきを守り、育てるために、社会は結婚に象徴的な意義と実質的な利益を与える」と。
聖なる結婚、特別なステイタス
ジャネット・ハリー教授は、同性婚を高らかに承認するオバーゲフェル判決に反対するひとりだった。敬虔なキリスト教徒でも、保守派の判事でもなく、もっとも進歩的といわれた彼女が、である。
「いい? 1+1=2ではなくて、それ以上のものになるのが結婚だと、オバーゲフェル判決は説く。結婚は特別だ。結婚は神聖だ。結婚によってあなたはあなた以上の存在になる。こんなの錆が浮きそうなくらい古臭い価値観よ。私たちは長年こういう考え方と闘ってきた。ようやく私たちの立場も広まりつつあった。そこで、また亡霊のように結婚賛美がよみがえってくる」。
権利と義務の束としての結婚
こういう「結婚観」こそが、ジャネット・ハリー教授が“敵”と見なしたものだった。
「結婚も、契約の一種。家を借ります、物を買いますの延長線上にあるのよ。あなたと一緒に暮らします、家計にお金を入れます、性的に排他的は関係を維持します・・・・・・。家を借ります、物を買いますに比べて、約束する内容は膨大よ。でも、基本的には同じこと。結婚というのはね、相手を縛る権利と相手に縛られる義務。その集積なのよ。それ以上でも、それ以下でもないの」
結婚を特別視する考えを相手に、フェミニストの長きにわたる闘争が、ようやく実を結びはじめたその矢先、そこで出たのがオバーゲフェル判決だった。
多様になりつつある日本の家族
性別変更をして男になったAさんは、愛する女性と結婚しその女性が生んだ子どもを、自分の子として新宿区の区役所に届け出た。母の欄に妻を、父の欄に自分の名前を書いたのだ。
性別を変更している場合には、戸籍を見ただけでそれが分かってします。なぜなら、性別変更の記録は戸籍に残るからだ。
結局、この事件は最高裁まで争われ、2013年、最高裁はAさんを子どもの父を結論づけた。Aさん側の勝利である。性別を変えることが認められているのだから、Aさんはすべての法律において男性として扱われる。なので、「親」になるルールも、子ども産むことという女性用のルールではなくて、子どもを産んだ女性と結婚していることという男性用のルールが適用されるというわけである。
<感想>
日本の家族も多用になりつつある。
将来、日本においても、同性婚を認めることになるものと思われる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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