【 緊急事態宣言 】
昨年に引き続き、週内にも「緊急事態宣言」が発出される見込みとなった。
以下、前回の対応等を確認してみる。
1.緊急事態宣言~前回発出時の対応~
https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2020pdf/20200911014.pdf
2020/4/7 1)諮問委員会に諮問、2)衆参議院運営委員会での報・質疑、3)政府の本部決定、4)官報公示
政府:緊急事態宣言を発出
対象:1都3県(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県)、大阪府、兵庫県及び福岡県の計7都府県
期間:5月6日までの1か月
安倍総理:「人と人との接触を最低7割、極力8割削減するとの目標」を掲げ、国民に外出自粛を要請
臨時閣議:1)収入が減少した世帯への30万円の現金給付 (後に変更)、2)「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(地方創生臨時交付金など)及び令和2年度第一次補正予算を決定
対象区域とされた都府県:特措法に基づく「緊急事態措置」を実施
1)特措法第24条第9項:外出自粛、催物の開催制限、施設の使用制限等の協力要請等
2)同法第45条:外出自粛の協力要請(第1項)、施設の使用制限等の要請及び公表(第2項、第4項)、指示及び公表(第3項、第4項)
4/11 東京都:対象施設への休業要請(政府と東京都との間で緊急事態措置の内容調整後)
4/16 緊急事態宣言の全都道府県への拡大
1)都市部からの人の移動による感染拡大、2)大型連休期間中における人の移動の最小化
当初対象とした7都府県に、北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県及び京都府の6道府県を加え た計13都道府県を「特定警戒都道府県」と指定
4/17 安倍総理は、30万円の現金給付を取りやめ、全国民一律10万円/人の給付を表明(4/20閣議決定)
4/30 この変更を加えた第一次補正予算が成立(4月27日に国会に提出)
安倍総理:延長の期間について、「専門家の皆様にお話を伺いたいと考えています。」
5/4 政府は、新規感染者数を更に減少させるために、緊急事態宣言の期間を5月31日までの延長を決定
5/14 緊急事態宣言の対象区域から8都道府県を除く 39県を除外
5/21 大阪府、京都府、兵庫県を除外
5/25 北海道、埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県も「新型コロナウイルス感染症緊急事態解除宣言」
2.2020/7/2「自由民主党行政改革推進本部が公表した提言」
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/policy_topics/gyoukaku/20200702_3.pdf
大規模感染症流行時の国家ガバナンス 見直しワーキングルループ
問題点(一部抜粋):
・保健所を中心とする検査から入院隔離を基本とする既存の法体系、制度の枠組
・国、厚生労働省から地方自治体、保健所等に対する明確な指揮命令系統の確立
⇒全国統一的な対応が不徹底
「感染症法」の厚労大臣の権限:知事に対する技術的指導・助言、緊急時の指示など(間接的)
「特措法」による指揮命令系統:国(内閣官房)ー都道府県
「感染症法」による同上:国(厚労省、検疫所、感染研)-都道府県・政令市(保健所、地衛研)
提言(一部抜粋):
・明治以来120年余りの感染症対応のアンシャンレジームからの脱却
・民間の知力、能力をも再結集できる感染症の専門的対応体制の再構築
・国家主導で迅速かつ柔軟、確実に対処できる感染症有事下の国家ガバナンスの仕組みの改革
1-1)「特措法」と「感染症法」に基づく国による指揮命令が有機的に一体性、一貫性をもって行われ、都道府県がこれに協力する仕組みを構築し、国の司令塔機能を一層の強化
2)特措法担当大臣を支える感染症担当の危機管理官のポストの新設
3)「国家安全保障戦略」の改定
2-1)感染者の症状の有無・軽重に照らし、無症状者、軽傷者等は、医療機関に準ずる位置付けを法的に明確にした上で、宿泊施設や自宅等において隔離するとともに、必要な人的物的医療支援を行う法的な枠組の明確化
2)大規模感染症流行時に患者の急増により指定医療機関のみでは入院を要する患者に対応できない事態に対処するため公衆衛生と臨床医療の縦割りを見直し、両者の融合を図る観点から、地域医療を担う医師の判断により一般の医療機関に入院した患者に対する公費負担や医療機関に対する支援措置を行う法的な枠組の構築
3)感染者を受け入れた医療機関に対する損失補償など経済的支援策の法律上の明記
(他 省略)
3.2020/4/7「新型コロナウイルス感染症に関する安倍内閣総理大臣記者会見」
http://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0407kaiken.html
・諮問委員会の賛同を得て、特別措置法第32条に基づき、緊急事態宣言を発出する
・対象範囲は、関東の1都3県、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、関西の大阪府と兵庫県、九州の福岡県
・最も感染者が多い東京都では、政府として今月中を目途に五輪関係施設を改修し、800名規模で軽症者を受け入れる施設を整備する予定
・今回の緊急事態宣言に伴い、必要があれば、ここに自衛隊などの医療スタッフを動員し、特別措置法48条に基づく臨時の医療施設として活用することも可能
・医療への負荷を抑えるために最も重要なことは、感染者の数を拡大させないこと。そして、そのためには何よりも国民の皆様の行動変容、つまり、行動を変えることが大切
・特別措置法上の権限はあくまで都道府県の知事が行使するものだが、政府として、関東の1都3県、大阪府と兵庫県、そして福岡県の皆様には、特別措置法45条第1項に基づき、生活の維持に必要な場合を除き、みだりに外出しないよう要請
・東京都では感染者の累計が1,000人を超えた。足元では5日で2倍になるペースで感染者が増加を続けており、このペースで感染拡大が続けば、2週間後には1万人、1か月後には8万人を超える
・人と人との接触を最低で7割、極力8割削減することができれば、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、そして減少に転じていくことができる
・ゴールデンウイーク終了の5月6日までの1か月に限定して、7割から8割削減を目指し、外出自粛をお願いする
<感想>
今回の「緊急事態宣言」は、小池都知事 vs 政府の構図から発出されるもののように思われる。
時間があったのに、自民党からの提言への対応の遅れが悔やまれる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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