あれっ、黒田日銀総裁の不退転の決意?
2018/1/24、1/23に実施された日銀の金融政策決定会合に関する総裁記者会見要旨が公表された。
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2018/kk180124a.pdf
1.日銀の金融政策決定会合
[ 金融市場調節方針の維持 ]
長短金利操作、いわゆる「イールドカーブ・コントロール」のもとで、これまでの方針を賛成多数で決定
1)日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する
2)消費者物価指数(除、生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する
3)今後とも、経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う
4)「貸出増加を支援するための資金供給」、「成長基盤強化を支援するための資金供給」、東日本大震災および熊本地震にかかる「被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーション」等の措置について、受付期間を1年間延長する
< 短期金利 >
日本銀行当座預金のうち政策金利残高に-0.1%のマイナス金利を適用
< 長期金利 >
10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う
2.展望レポート:先行きの経済・物価見通しと金融政策運営の基本的な考え方
[ わが国の景気の現状 ]
「所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかに拡大している」
(1)輸出:増加基調(←海外経済:総じてみれば緩やかな成長が継続)
(2)設備投資:増加傾向継続(←企業収益や業況感が改善)
(3)個人消費:緩やかに増加(←雇用・所得環境の着実な改善)
(4)住宅投資:横這い圏内の動き
(5)公共投資:高めの水準を維持しつつ、横這い圏内で推移
(6)鉱工業生産:増加基調
(7)労働需給:着実な引締まりを継続
(8)金融環境:極めて緩和した状態
< 2018年度までのわが国経済の先行き >
1.海外経済が緩やかな成長を継続
2.極めて緩和的な金融環境
3.政府の既往の経済対策による下支えなど
⇒ 景気の拡大が続き、潜在成長率を上回る成長を維持するとみられる
< 2019年度 >
1.設備投資の循環的な減速
2.消費税率引上げの影響
⇒ 成長ペースは鈍化するものの、景気拡大が続くと見込まれる
< 実質GDP成長率に関する今回の見通し >
従来の見通しと比べると、概ね不変
[ 物価面 ]
< 今回の物価見通し >
従来の見通しと比べると、概ね不変
企業の賃金・価格設定スタンスがなお慎重
⇒ 弱めの動きが続く(除、エネルギー価格上昇の影響)
マクロ的な需給ギャップが改善を続けるもとで、企業の賃金・価格設定スタンスが次第に積極化
⇒ 中長期的な予想物価上昇率も上昇するとみられる
↓↓↓
この結果、消費者物価の前年比は、プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられるが、なお力強さに欠けており、引き続き注意深く点検していく必要がある
<感想>
本件は、黒田日銀総裁の、消費者物価の前年比+2%達成までは、現状の長短金利操作(「イールドカーブ・コ ントロール」)を維持するという強い意思が感じられる。
が、デフレ脱却のためには、テクニカルな話ではなく、消費(支出)しても問題ないと思える、国民マインドの変革に繋がる、もっと踏み込んだ政策の導入が望まれる。
(ご参考)https://ameblo.jp/tsuruichi1024/entry-12344393809.html
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら http://tsuru1.blog.fc2.com/
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