元証券マンが「あれっ」と思ったこと オウム真理教
【 麻原彰晃:オウム真理教 】昨日、「麻原彰晃の誕生」(高山文彦著、新潮文庫)を読了した。以下はその内容から。はじめに彼が求めたのは、保身と繁殖である。このもっとも醜い人間の本能を露骨に見せてくれたことは、私たち人類のこれからにとって大きな教訓となるだろう。人が自己の正義を語りはじめたとき、それを待っていたように堕落と頽廃がはじまる。それは太陽が沈んだら月がのぼるのと同様、ごく自然な現象だ。彼らは「正義とはなにか」という考え方をとらない。「なにが、どんなものがより正義に見えるか」、または「なにをどうすればより正義に見えるか」ということだけに神経を集中させる。彼らはそれを計る天秤を持っている。正義のまえにおいて自分がどうあるべきか、などという思考は、彼らの自己実現にとってマイナスでしかないのである。自前の都合のよい正義さえつくったら、たとえ大量殺戮のスイッチであろうと躊躇なく押すことができる。文庫本へのあとがき麻原をはじめとする7名のオウム死刑囚にたいして刑が執行されたのは、今年(2018年)7月6日のことだ。つづいて26日、残り6名にたいする死刑が執行された。元号が変わらぬうちに大量処刑をやりおおせてしまおうと国家が考えたのも、同様の感受性から生まれたものではないか。<感想>平成に始まり、平成に終わる、オウム真理教。平成元年(1989年)の坂本弁護士事件、平成7年(1995年)の地下鉄サリン事件が、平成30年に死刑囚13名が処刑された。多くの犠牲者に繋がった、保身と繁殖という、一人の醜い人間の本能に恐怖を感じる。----------------------------------------------------------------------元証券マンが「あれっ」と思ったこと発行者HPはこちら http://tsuru1.blog.fc2.com/ ----------------------------------------------------------------------
【 オウム真理教の死刑執行 】 2018/7/26、オウム真理教の死刑囚13人全員の執行が終わった。
今日は、 「死刑をめぐる論点─死刑存置論と死刑廃止論─」と題する文章*から、死刑存置論に関する記述を抜粋してみたい。
*http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/issue/0651.pdf1.合憲とする説
(1)憲法第31条
「何人も、 法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」と規定
⇒ その反対解釈により、法律の定める手続によれ ば、生命を奪われる刑罰、すなわち死刑を科せられる、と解釈できる
(2)憲法第13条
基本的人権の一般的な制約根拠となるの「公共の福祉」を根拠に、生命に対する権利もその内在的制約に服し、生命を剥奪する死刑も許容されると解する説
2.判例
死刑制度を存置する現行法制の下では、犯行の罪質、動機、態様ことに殺害の手段方法の執拗性・残虐性、結果の重大性ことに殺害された被害者の数、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等各般の情状を併せ考察したとき、その罪責が誠に重大であって、 罪刑の均衡の見地からも一般予防の見地からも極刑がやむをえないと認められる場合には、死刑の選択も許されるものといわなければならない。
3.政府の見解
政府は、死刑制度の憲法適合性について、「憲法三十一条には、(中略)『何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。』というふうに定められておりまして、死刑制度を禁止していないというふうに考えられる」と答弁している。
4.死刑存置論の主な論拠
(1)国民感情・国民の法的確信
(2)犯罪抑止力
(3)被害者(遺族)感情の鎮静
(4)凶悪犯罪者の再犯の可能性除去(死刑の特別予防効果)
<感想>
個人的には、概ね上記のような説の内容に基づいて、死刑存置論に賛成である。
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