元証券マンが「あれっ」と思ったこと 立会外分売
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あれっ、資金負担なしで持分比率を倍増?

 
【 RIZAP瀬戸社長:持分比率倍増の仕組み 】
 

 2024/3/7、RIZAPグループが、「株式の立会外分売に関するお知らせ」をリリースした。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2928/tdnet/2407821/00.pdf
 以下は、その概要。
 

< 株式の立会外分売 >
1.分売予定株式数:27,755,200株(発行済株式の約5%) 
 
2.分売予定期間:2024/3/15 ~ 2024/3/19
 
3.分売の値段:分売実施日前日の終値を基準として決定 
 
4.買付申込数量の限度:900,000株/人(売買単位:100 株)
 
5.実施取引所:札幌証券取引所 
 
6.実施の目的:市場流通株式数の増加 ⇒ 流動性の向上
 

< その他 >
1)瀬戸社長:本立会外分売での株式売却資金⇒第2回新株予約権を行使(2023/8/14に開示)予定⇒財務安定性の向上を目的
 
2)CBM(株)(瀬戸社長の資産管理会社)からの劣後ローン返済(2023/8:55億円及び 2024/1:45億円に実施)⇒ 関連当事者取引の解消
 
3)東証プライム市場への新規上場申請に向けた準備に着手 ⇒ 中長期での成長および企業価値のさらなる向上を目指す
 

< 瀬戸社長 >
時価の半分以下の行使価格(@194)で新株予約権を行使 ⇒ 資金を使うことなく、株式約27百万株をゲット(新株予約権行使による受領株式55百万株ー売却株式約27百万株)
 
1.立会外分配で得られる資金(feeは勘案せず)
分配価格@[392]円(3/8終値@405×[97]%)×約27百万株=約[109]億円
 
2.新株予約権で必要な行使総額
行使価格@194×55百万株=約107億円
⇒ 立会外分配での株式売却代金を新株予約権の行使代金に充当(⇒株式受領)
 

< RIZAPグループ >
新株予約権行使で受領する約107億円で、瀬戸社長の資産管理会社から借りていた劣後ローン100億円を返済
 

ご参考1) 立会外分売情報(東証)https://www.jpx.co.jp/markets/equities/off-auction-distro/index.html
 
ご参考2)立会外分配:申し込みまでの流れ
https://www.mizuho-sc.com/product/stock/offfloor/index.html
 

<感想>
過去も様々な手法を駆使していたRIZAPグループであるが、今回も株価低迷時に発行した新株予約権(行使価格も低い)を活用した、資金負担なしで持分比率を倍増させる仕組みに脱帽。
 
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あれっ、立会外分売による流動性向上?


【 立会外分売による流動性の向上 】


 2017/12/26、ロングライフHD(4355)が立会外分売に関して開示した。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171226442690.pdf


1.立会外分売の結果
(1)分売実施日:2017/12/26
(2)株数:400千株(a)
(3)分売値段:474円(12/25終値489円の3%ディスカウント)
(4)買付申込数量の限度:2千株(b)


2.分売の効果・目的
(1)効果
・200人以上の(個人)株主が増加(a÷b)
・流動性が400千株向上
(発行済株式数(11,190千株)の3.6%)

(2)目的
・東証2部への市場変更に向けた(現在JASDAQ(S))、分布状況の改善・流動性の向上


3.東証2部上場基準
http://www.jpx.co.jp/equities/listing/criteria/listing/

< 前提 >
右記数値:四季報浮動株比率24.1%、12/25終値@500ベース

・流通株式数:4,000単位以上 < 28,704単位
・流通株式時価総額:10億円以上 < 13.5億円
・流通株式数(比率):上場株券等の30%以上 > 24.1%


4.ご参考
(1)東証への届出
http://www.jpx.co.jp/markets/equities/off-auction-distro/

(2)用語解説
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ta/tatiai.html


<感想>
 立会外分売は、分布状況の改善・流動性向上に加えて、公募売出し対比、(1)事務手続きが簡易(目論見書不要等)、(2)引受手数料(通常4%)より手数料割安、などのメリットもある。
 売却株式数がそれほど多くない場合に有効な手法であり、今後とも株式売却全体の一定程度は立会外分売が選択されるであろう。
 なお、上記3の流通株式数は、今回の分売を加味しても未だ30%には届かないため、追加の対策が必要なものと思われる。

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あれっ、何で立会外分売なの?



ラクスの立会外分売


 2016/11/28 17:00、ラクス(3923)は、「株式の立会外分売実施に関するお知らせ」(http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1422713)をプレスリリース した。


「株式の立会外分売実施に関するお知らせ」

 1.分売予定株式 113,400株
 2.分売実施日   平成28年11月29日(火)
 3.分売値段    1,357円
 4.買付申込数量の限度 買付顧客1人につき200株(売買単位:100株)
 5.実施取引所  東京証券取引所
 6.実施の目的  当社株式の分布状況の改善及び株式の流動性向上を図るため
(ご参考)分売の算定基準日及びその価格
 平成28年11月28日(月) 終値 1,395円
 ディスカウント率          2.72%


 翌29日10:00に、「株式の立会外分売終了に関するお知らせ 」(http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1422771)をプレスリリースした。

「株式の立会外分売終了に関するお知らせ 」

 分売実施日      平成28年11月29日
 株数           113,400株
 分売値段        1,357円
 買付申込数量の限度 200株


<立会外分売>https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ta/tatiai.html
金融商品取引所の取引時間外(=立会外)で、ある株主からの大量の売り注文を小口に分けて、不特定多数に売り出す売買方法のこと。上場会社の株式分布状況の改善個人株主の増加を目的として利用されている。立会外分売での購入は手数料がかからないうえ、前営業日の終値よりも安く購入できる場合がある。(以下略)(太字は筆者)


 あれっ、でも何で、公募売出でなく、立会外分売なの?


 (1) 届出書/目論見書が作成不要で、手続きが簡便なこと
 (2) 当日終値ベースで値段が確定するため、売出期間中の値下りリスクがないこと
 (3) 引受手数料(通常4%)が不要で、ディスカウント率(通常3%)も小さいこと


 公募売出しに伴う「知名度の向上」等が不要な場合には、流動性向上個人株主の増加売却人の手取り等の観点での「立会外分売のメリット」も大いにありそうだ。


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