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あれっ、村上ファンドがTOB中の株式を大量取得?


【 村上ファンドの出口戦略 】

 2017/12/4、村上ファンド系の(株)オフィスサポートが、東栄リーファーライン(9133)株式に関する、変更報告書(大量保有報告)を提出した。


1.変更報告書(大量保有報告)
http://www.kabupro.jp/edp/20171204/S100BVX7.pdf


< (株)オフィスサポート+(株)レノの合計 >
・株数:706,600株(11.68%)
・簿価:422,741千円(598.27円/株)
・目的:投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと
・期間:2017/11/10~11/27


2.東栄リーファーライン:TOB(MBO)の開示(2017/11/8 15:00)
http://ir.toeireefer.co.jp/pdf/toeireefer20171108_01.pdf


< TOBの概要 >

・価格:600円/株
・期間:2017/11/9~2018/1/11(40営業日)
・下限:3,689,400株((全株式6,050千株-自己株式514,757株)×66.7%)

< 株価推移 >
11/8 518円(TOB開示日終値)
  9 596円(同翌日)
 30 609円(村上ファンド系の大量保有報告16:32)
12/1 640円
  4 681円
(12/2日経朝刊に記事掲載)


3.黒田電気(7517)の事例

(1)村上ファンド系列(共同保有者5名)の保有株数等
http://www.kabupro.jp/edp/20171107/S100BN3F.pdf
・株数:15,009,100株          (a)
・簿価:32,398,312円/2,158.6円/株(b)
・目的:純投資

(2)出口:MBK(日中韓3ヶ国企業への投資ファンド)による友好的TOB
https://www.kuroda-electric.co.jp/asset/28358/view(その後訂正あり)


< TOBの概要 >

・TOB価格:2,720円          (c)
・TOB期間:2017/11/2~12/15(30営業日)

(3)株式売却利益
・約84億円(a×(c-b))


<感想>
 上記1は、上記2のTOB(MBO)開示の翌日から、株式取得をスタートしたもの。
 上記3の流れとは全く異なるが、TOB価格が低すぎるとの判断の下での株式取得かと思われる。
 最終的に、(1)TOB(MBO)が成立するのか、(2)MBOに代わる投資家が出てくるのか等、今後の動向が注目される。

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あれっ、ベインキャピタルの出口戦略?


【 ベインキャピタルの出口戦略 】



 2017/11/30、ベルシステム24HD (6183)が凸版印刷(7911)との資本業務提携に絡んだ、ベインキャピタル(米系投資会社)の株式譲渡等に関して開示した。


1.当社株主による凸版印刷への当社株式の譲渡(等)に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171130427648.pdf

(1)株式の譲渡(ベインキャピタル⇒凸版印刷) 
・株 数:10,570千株(発行済株式数の14.4%)
・方 法:市場外の相対取引
・譲渡日:H29/12/5
(譲渡価格:未公表)

(2)新株予約権(第2回「WT 」)の譲渡(元代取⇒凸版印刷)
・WT数:9,6081,102個(目的となる普通株式の数1,372,586株)
・行使価額:700円/株(H27/9株式併合:7株→ 1株)
・行使期間:H27/5/29~H37/5/28
・譲渡日:H29/12/5

注1)譲渡制限付:発行会社の譲渡承認済
注2)WT譲渡価格(未公表):時価との差(650円(b-700円))を織り込んだものと思料


2.ベインキャピタルの株式売却方法


(1)IPOによる売出し(H27/11)
・株数:20百万株(所有比率:50.1%⇒14.5%へ )
・引受価額:1,478.33円 (a)
・売却益:約156億円((a-c)×20百万株)

(2)今回の相対取引(H29/12)
・株数:10.57百万株(所有比率:14.5%⇒ゼロへ)
・売却価格(11/29終値と仮定):1,350 円 (b)
・売却益:約69億円((b-c)×10.57百万株)
(日経電子版*によれば総額約147億円⇒73億円)
*
https://r.nikkei.com/article/DGXLASFL30HRN_Q7A131C1000000


3.ベインキャピタルの取得簿価
http://www.kabupro.jp/edp/20160527/S1007M8E.pdf

・保有株式数:10,570千株
・取得資金:7,399百万円・取得簿価:700円/株 (c)


<感想>
 本事例における出口戦略は、(1)IPOと(2)市場外の相対での売却(IPOから約2年)の組み合わせであった。 

 公募売出し(PO)における「発表から条件決定日までの価格下落リスク」や関係各者との事務等の負担を考えると、売り手側からは、市場外での相対での売却の方が無難であるように思われる。  

 株価は、ベインキャピタルの株式売却が市場外の相対で確定したことが好感された模様(1,437円(前日比+45円(+3.2%))。

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