歩田川和果 - つれづれ腐OL日記
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【BLコミック】しあわせのはなし 歩田川和果  


しあわせのはなし (ディアプラス・コミックス)

既刊「ねくたいや」のスピンオフです。
いや、スピンオフというよりは続編ですよね。私はそのつもりで読みました。

それくらい前作でも今作へのネタ振りがされてたし、オールキャスト出演でしたしね。
なので前作未読の方は是非合わせてお読みください~♪

↑で「オールキャスト」と書いたのは、歩田川さん独特の作風からです。
私は以前からよく「会話劇」という表現をさせていただいていますが、
歩田川作品のセリフの掛け合いとその行間を味わうのがたまらなく好きなのです。
初期作品は少し難解な部分もあるのですが、近作はかなり読みやすくなりました。
なので未読の方や友人にもとてもおすすめしたいのですが、
「セリフ長いの苦手」な方にはどう考えても向かないのでちょっと考えます(笑)


という訳で(?)、老舗ネクタイ屋を営む「有働家」の3兄弟総出演でした!!

・佳久(長男)実家の跡取り・イタリア修行から戻ってきたところ。
・友久(次男)百貨店勤務後独立。カジュアル路線のネクタイ屋を開業。
・春(三男)唯一のノンケ。人懐こいが怒ると凶暴。兄ちゃんズが大好き。


・環 佳久が好きだが既に3度告白して全て玉砕。友久との関係を知られ佳久に切り付けられる。
・永瀬 友久の恋人。元職場の同僚で現在は友久の店で働いている


何ともこじれまくった両想いですね。
佳久も環もお互い何となく両想いなんだろうな、という意思疎通はあれど、
実家の跡取り問題や、佳久の素直じゃない性格、環のヘタレな性格、等々が邪魔をしてのくされ縁。
もちろん一番溝を開けたのは友久と環がセフレ関係だったことがバレたからですが。

しかし佳久さんたら本当に環のこと切りつけてた!!しかも包丁で!!(ぞっ)
ちょっとかすった程度かな~とか思ってたら結構跡になってた!!(完全に刃傷沙汰)

友久が佳久に事の真実を全て話して、佳久もある程度の覚悟は決めて日本に戻ってきたのでしょうが、
佳久のツンをもうひとつ押し切れない環のヘタレ具合に焦れる・・・。
何度もアタックはするけど今一つ押しが足りない!!
その程度の押しじゃあ、佳久さんデレられないんだよ!!バカ!!

長年の片思いは、本心では愛されているのではという確信も手伝って、辛くも幸せなもの。
それを打ち破る気概がなかなか環に生まれない・・・というかそんな自分にさえようやく気付いた状態。
私も初見では気付かなかったのですが、読み返してみると佳久はツンツンしてるだけじゃなくて、
ちゃんとサインも送ってるんですよ・・・気付けよ、環~!!(自分の事は棚上げ)
帯の「最高級のヘタレ、見参」の文字に偽りなし。でも「最高級」って言うとなんか良さげだな。

ここまで環をさんざん扱き下ろしてきましたが、みなが少しづつ間違った方向に進んだ結果なんですよね。
兄の好きな相手に迫った友久、それを受け入れてしまった環、いつまでも素直になれなかった佳久。

今回は三男の春くんがかなり活躍してくれました!!
やはり末っ子強し!!
そして永瀬という少々お坊ちゃん然とした健全な男が加わったことにも意味がありますね。
友久がハマる事を恐れながらも永瀬に惹かれていった理由が良く分かります。

傷つけ合いはしましたが、お互い諦められないという結論にようやく至ってくれて本当に良かった。
過去は消えないので綺麗さっぱりハッピーエンドとはなりませんが、それがむしろ良いというか好きです。
なんか、こう「あああああああ~~!!!」って叫びたい気分。そんな感じ(謎)

ねくたいやシリーズ、2巻で完結。とても読み応えありました。
次作ではどんなテーマの作品を読ませていただけるのか今から楽しみです。





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【BLコミック】ねくたいや 歩田川和果  


ねくたいや (ディアプラス・コミックス)ねくたいや (ディアプラス・コミックス)
(2014/09/30)
歩田川 和果

商品詳細を見る

歩田川さんの作品の中では一番分かりやすくて読みやすいのではないかと思います。
そのまま二人劇のシナリオになりそうなセリフ回しとかは健在です。(今作は三人劇だ!)
ほぼ登場人物の会話でお話を成り立たせるスタイルが独特の味で好きな作家さまです。
なのでセリフは長めなのですが、読みやすいし、ちゃんと動きもあるからスラスラと読めてしまいます。
絵柄はくせというか特徴があると思います。ラフな感じですが雑ではなく、さっぱりしていて綺麗だと思います。


百貨店の紳士服売り場に勤めていた元同僚が開いたその名も「ねくたいや」
実家が老舗のネクタイ屋である有働は半年前に念願の自分の城を築いたところ。
そんな有働に想いを寄せる元同僚の永瀬は月に1度ネクタイを買う口実でこの店を訪れている。
そんな二人のお話。

永瀬は人あたりの良いお坊ちゃま風。販売員だし社交的で合コンもにも行く(もちろんゲイ同士の)
一方有働は寡黙でネクタイ一筋、真面目な感じかと思いきや・・・??この人色々隠してることありそうです。

永瀬は一度有働に告白して断られているのですが、有働も実はずっと永瀬が好きで。
「職場恋愛したらのめり込みそうで怖い・・・」とかどんだけネガティブでカワエエんだよこの人!
五年越しにようやく気持ちが通じて良かった×2なのですが、有働の「禁欲はしていない」発言www
両想いになったところから有働の正体というか本心が明らかになっていく展開です。

恋人になってすぐ、永瀬は百貨店を辞めて有働の「ねくたいや」に押しかけ就職します(笑)
そんなある日、有働の兄に長年恋しているという九々生(くぐりゅう)という男が現れます。
なにやら有働に馴れ馴れしいこの男、有働のセフレと判明。
気持ちは全くないし、セックスも永瀬の方が良いとか本人達目の前で吐く有働 (ノ∀`)ワロタ 

このお話、永瀬が「保証書付きの超へタレ」というふれこみなのですが、そうかな??
私は永瀬はものすごく良い男だと思います!
優しいし、嫉妬はするけど余所見されない様に頑張るって感じだし、程よく甘えてくるのも可愛いし・・・。
だけどね、意外と面倒な男だった有働はもっと永瀬にガツガツ来て欲しかったってことなんですよ!!
自室に永瀬をあげないのも「歯止めがきかなくなるから」とか・・・
どこまでも臆病な有働がハゲ萌える!(゚∀゚) だけどこの二人はただのバカップルだよね(笑)
だって二人して恋人になるって怖いよねとか、でも別れたくないとか、全部欲しいとか言い合ってんだぜ・・・。

九々生がお姫様だっこした有働をそのまま永瀬に投げ渡すシーンが好きです。
うまく受け止められなかったことを気にして体を鍛えようと心に決める永瀬・・・。
まだだっこは無理なので、「おんぶ」で階段を上がって有働の自室へ上がるシーンがこれまた良かった。
色々重たい(気持ち的に)有働を背負ってあげるよっていう男気が感じられて、妙にジーンと感動しました。
木の階段を上がる「ことんことん」という足音が二人の鼓動音とか気持ちが重なっていく音に聞こえて・・・。
素敵な言葉のチョイスをされる作家さんだと改めて思いました。

ところで、有働兄と九々生のスピンオフはないのですか・・・・。



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【BLコミック】歩田川和果作品3冊  

こんばんは、管理人のじゃい子です。

歩田川和果さんの新作を読んだらとても気に入ってしまい。
既刊も早速読んでみました。
まだ1冊見つからなくてコンプリートできてませんが(^_^;)

独特の作風の作家さんです
作画はクセがあるけど絵画的で美しいと思います。
ストーリー構成ではなく、主人公達の会話でお話が成り立っています。
漫画というよりは、朗読劇や二人芝居を見ている様な感覚。
時折グッとくるセリフやエピローグがあります。
エロは薄いと思いますが、キスシーンが非常に効果的で美しいと思います。
この作風はBL界の個性としてこれからも生かして欲しいと思います。
それでは簡単ですが3作品ご紹介します。

それから各作品にテーマというかモチーフが設定されています。
深読みしなくても楽しめますが、文系でお好きな方には妄想の幅は広がるかと。


エディドヤ (HUG COMICS)エディドヤ (HUG COMICS)
(2009/04)
歩田川 和果

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初コミックスです。
旧約聖書とかいきなり引用しちゃう感じなので(^_^;)
この作品がある意味一番とっつきにくくもあり、奥深いとも言えるかと。

旧約聖書の英雄・ダビデに姦淫され、身ごもるバテシバ。
最初はバテシバの夫・ウリヤの子と偽ろうとするが失敗に終わる。
そこでダビデはウリヤを死地へと送り、間接的に殺す。
寡婦となったバテシバはダビデの妻の一人として迎えられるが・・・。

親の遺産をあてに、働かず「バテシバ」の絵を描き続ける篠田。
そして篠田に好意を寄せる隣人・野瀬は篠田の過去を知る。

行方不明の篠田の元恋人次見と、次見が好きで篠田との仲を裂いた井上。
バテシバが篠田、ウリヤが次見、ダビデが井上であると思うのですが。
そして読み進めるとバテシバとダビデの息子・ソロモンは野瀬かなと。

旧約聖書の神の思惑は計り知れませんがwww
野瀬の恋は成就しなかったけれど、篠田を前へ進ませる特別な存在になれたのではないでしょうか。
そして井上の事も野瀬は救ってますよね。二人の今後にも妄想が広がります。

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付箋の気持ち (HUG COMICS)付箋の気持ち (HUG COMICS)
(2010/06/01)
歩田川 和果

商品詳細を見る

2作目です。
今回のモチーフは文房具。鉛筆・ボールペン・そして付箋。
大学の同級生二人が主役です。

英太が佳久を好きで、さりげなく偶然を装っていつも一緒にいようとします
受講スケジュールとかバイトのシフトとか頭に入れてるのでストーカー並です。

そんな英太を邪魔だと言いながらも何となく受け入れている佳久。
そしてとうとう我慢できずに佳久に告白する英太ですが・・・。

文房具とか他人のものを借りるのが苦手な佳久。
他人の熱が残ったものを握るのが気持ち悪いと。
まあたしかに私も電車のつり革とか握れないタイプなので分かるなと思います。
そして、バイト先の女子と比べたら英太の方が気持ち悪くなかったとか。
そんな調子ですが英太の告白にゆっくり考えて答えを出そうとする佳久。

ストーカー並の英太とは温度差があっても絶望的な予想しかしていなかった英太にとってはとても幸せなことで。
英太は果たして不憫なのか幸せなのか。多分今後の結果次第。
結果は読者の読み方によって違うかと思います。
私は・・・付き合っても1回は別れる様な気がするけど、最後は英太の粘り勝ちかな?と。

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チョークの橋 (HUG COMICS)チョークの橋 (HUG COMICS)
(2012/10/06)
歩田川 和果

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3作目が「ふじむすめ」(未読)で4作目がこちら。

サラリーマンの仁とバーテンダーの千聖は高校生からの付き合い。
仁が何かと人目を気にしているのが気になりますが、概ね関係は良好そう。

新人の洗礼として花見営業の場所取りをさせられる仁。
そこで中学の同級生・城崎と再会する。
城崎は現在、中学時代に仁がふられた中村と付き合っていることが分かって。

城崎を通して中村とも再会する仁。
中村に気持ちが残っているという訳ではないが、過去の恋の真実を知る。
中村に告白してホモだと噂を流されたことがトラウマだった仁でしたが。
噂を流したのは中村ではなく告白を目撃していた女子達で。
その女子達をうまくごまかしてくれたのが城崎だったのです。
実はそんなに気にする程の事態にはなっていなかったことを知る仁。

この城崎と中村のカプ。二人共イイやつで。
昔優等生の中村君がスキンヘッドの小説家になった過程も知りたいなと。

この再会が仁の気持ちを少し解きほぐしたことは確かです。
それでも色々グルグル考えすぎる仁は千聖に別れを持ち出すのですが。
全くその気の無い千聖のいいくるめ方?宥め方?に萌えました。
千聖の仁への一途・・というかヤンデレ1歩手前的な愛がツボです。


長くなりましたが以上3作品、とても面白かったです。
趣味に合う、合わないはもちろんあるかと思いますが私は好きです。
やっぱり色んな作風の作家さんに出会って楽しめるのは嬉しいなあと。
その分購入冊数が比例して増えていくのでお財布は厳しいですけどね(^_^;)


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【BLコミック】大きなサボテンの木の下で 歩田川和果  

大きなサボテンの木の下で (HUGコミックス)大きなサボテンの木の下で (HUGコミックス)
(2013/10/08)
歩田川和果

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明るいラブコメも好きなのですがこういう作品、好きですね~。
私は初見の作家さんです。既刊本も読みたいな~。

不幸体質のヘタレ攻めとイケメンだけどろくでなしの受けのお話です。

9年9ヶ月前、童貞を捧げた相手に3股かけられて振られるという経験をした巧。
結局1ヶ月で別れたその先輩・陽生とは今も友人の様なセフレの様な関係。

ストーリーがある訳ではないです。ひたすら二人の会話を楽しむ感じです。
でも気付くと体が近づいていたり、キスしてたり。この空気感がたまらんです。

陽生は本当にろくでなしだと思うのですが、巧に自分を投影して会話してると、洗脳?うまく陽生に言いくるめられてる自分がいますwww
今でも一番好きだの、浮気がそんなに悪いと思わなかっただの。こうして書くと身も蓋もないのですが(笑)、いつしか陽生に惹かれる私(^_^;)
好きだ、もう一度付き合ってくれと陽生は巧に言うのだけど、浮気はするだろうと。
そこは妥協できないかと。で、妥協しちゃう巧・・・www

巧は悪い男に騙さる不幸体質の典型ですね。
それでゲイ友にも巧は「不幸顔」してると指摘されます。
そして結局ヨリを戻した後は「出家した」だの「和尚」だのからかわれて(爆)

こういう考えが生理的にダメな方は受け付けないとは思います。
だけど私は結構イケるくちですwww
こんな悲惨な恋愛してる訳ではないですよ?wwwでも苦労性?苦労好き?
楽な生き方は悪だ!みたいな人生貧乏性が板についております。
もっと楽な生き方もあることは分かっているけど実践できないのよ。
でも周囲に何と言われようが本人はこれが一番楽で楽しい生き方なのですよ。
だから巧の気持ちが良く分かってしまうのです。

ちょっと分かるかも・・・?なそんなM気質なあなたにはおすすめの作品です。

エロがどうとか、そういう種類の萌えではありません。
しかしラストの1Pは激しく悶えました。
サボテンモチーフの表紙がBL感を駆逐しています。
レジには持って行きやすいですよ。

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