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つみき通信

このブログは、つみきの会の代表や、会員の親御さん、セラピスト達からの便りをお届けするものです。ぜひ時々お立ち寄りください。

10月9日新潟定例会報告

新潟定例会のご報告

 10月9日(日)に開催されました、新潟定例会のご報告をいたします。今回の定例会は、自己紹介、個別指導、藤坂代表の講義、質疑という内容でした。 藤坂代表とNOTIAセラピスト4名、年少から年長のお子さんがいらっしゃるご家族5組、病院勤務の作業療法士1名にご参加いただきました。

個別指導は、4組のお子さんとお母さまが参加され、藤坂代表よりご指導いただきました。それぞれ取り組まれている課題も初級から上級とさまざまで、動作模倣、ある/ない、おはしの使用、ひらがなの読みなど、みなさん日々、頑張っていらっしゃるようすがうかがえて、励みになりました。

 今回の藤坂代表のご指導の中で私が感じたのは、「課題を次へ繋げていく意識を持つ」ということです。例えば、動作模倣でしたら、どのように音声指示へ移行していくか?などの繋がりの意識が大事だと思いました。なかなか課題が進まないようなら、その子にとって習得済みの(簡単な)課題からやる、苦手意識をとるために、反応したらすぐに強化するなど、実演していただいて、具体的にどのようにセラピーに活かしていけばいいのかを知ることができました。

 藤坂代表の講義は「概念課題の教え方」についてでした。「色には名前がある」とか「りんごは果物、ぞうは動物」など、考えてみると「概念」というのは膨大なものにも思えます。概念の課題は中級・上級課題に多く出てきます。講義をお聴きして、概念課題を教えるのに、とても大事なのが、初級課題なのだと感じました。マッチングができる、受容的命名ができる、表出的命名ができる、この繋がりがとても重要と思います。

 個人的なことではありますけれども、息子は4歳でセラピー歴はもうすぐ2年になります。課題が進むにつれて「もっと教えたい、こんなことを教えたい」と母親の欲も強くなりがちなのですが、ときには初級課題に戻ってみるというのも、息子とセラピーを続けていくには必要なことと感じました。

 次回の新潟定例会は、年が明けて3月5日(日)を予定しております。

 新潟はこれから厳しい冬をむかえます。冬を越えて3月になり、次の定例会でたくさんの皆さまにお会いしたいと思います。どうぞご参加ください。

以上、新潟定例会のご報告でした。

新潟定例会のご報告

3月1日(日)に行われました、新潟定例会についてご報告させていただきます。

コロナウィルスが心配され各地の定例会はキャンセルになる中、新潟定例会は10家族以下で少人数ということで、スタッフと代表で相談して、開催いたしました。参加:10家族(うち療育・保育関係者3名)
MLにも投稿されていた初参加のご家族や松井SVのゆるっとABAキャラバンや保育園の訪問などで会員になられた先生もいらしてくださいました。

【個別指導 5組】
1組目:くるまのおもちゃあそび(模倣):
お父さんが車を走らせるのについてきて、ゴールは箱にいれる模倣。カーブが苦手でスムーズに走らせられない。
→四輪車は両手でつかんで持つのが難しい。藤坂代表がパンダのフィギュアを使って後追いをさせたら、うまくいった。まずはやりやすいものから。

2組目:物の名前付け:
(始める前に大泣きしていたが、だっこや声かけは注目の強化になるのでしない。泣いていたが課題を淡々と進めてクリアしはじめたら泣き止んだ。)
3つのものを用意して、タッチさせる。表出はタッチした直後に→「ひこうき」→タッチ。これ何?→「ひこうき」まだ難しい場合は、受容をしっかりする。

3組目:他者視点の取得:
自分からは見えているものと他人が見えているものは違うという理解が難しい。→まずは共同注視から。(”あれなに?”→と大人の指さしでそちらを見る、”あれなに?”指さしなし視線だけで追えるか)
これが出来ている前提で、○○君は何が見える?→ピーマン/せんせいは何が見える?→バナナ
も意味がわかってくる。(指導中に成功)。その次のステージが→見える見えない→隠す、隠れるにつながっていくので、かくれんぼで自分から隠れる事ができるのはまだ段階を踏んでから。

4組目:音声模倣:
(イスに座りたく無くて大泣き→シャボン玉をタッチ(目合わせも
音声指示で少しずつイスに誘導。←何度も指示を出さない、自分でイスに座れるようにする。)
”う”も”ま”も言えるのに、”うま”が”うあ”になってしまう→2音増やすのを急ぐより単音を広げる。

5組目:数字の書き方:
画用紙を横にして真ん中に線を引き、右にお手本を書いて、左はこどもに書いてもらう。8が苦手。9も書き順が違う。
→始点を書いてあげる。8と9を同時に取り組むのは難しいのでひとつに絞る。(指導中に8がきれいに書けるようになりました)

【講義 遊びの発達段階と教え方】
藤坂代表がJASPER(カサリKasari氏 Joint Attention, Symbolic Play, Engagement and
Regulationの略)の講義に出席されることも増え、スイスの発達心理学者ピアジェPiaget氏(つみきBookも参考にしている)とJASPERの
こどもの遊びの発達段階の対比表を作成されていました。その資料を見ながら、奥深い講義が行われました。
最後はABA(ロバースとNETそれぞれ)でどう教えていくかの講義が行われました。
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ピアジェ(以下P)は、【実践の遊び(定型発達児0才~2才:定型児はあっという間にこの段階を通り過ぎて象徴遊びへいく】
(JASPERでは1~6段階 以下J)
を ①単純な遊び(e.g.粘土をまるめる、ビーズの玉を転がす→②偶発的な組合せ(e二つ以上のものをつかって遊ぶが意図はない e.g.
ビーズをカップにいれる(J)、ブロックを積んでは壊す(P))→③意図的な組合せ(e.g.積み木をつんで塔をつくる、ビーズを色にわける(P)。自分に首飾りをかける(J))に分けている。すなわち【自分や物を動かして楽しんだり、自分が起因になる快楽の段階】

これを経て、次に【象徴的遊び(定型児2才~7才(現代は5才くらいまで?)時期は4才がピーク】につながる。
(JASPERでは8~10 11~16段階)
①ふりあそび:物を使ったふりあそび:e.g.人形にスプーンで食べさせる(P)。自分を使ったふり:e.g.空のコップを自分の口に持ってくる(J)
②見立て:e.g.箱を動かし、くるまという(P)。つみきを高くあげて、ひこうき。物無しの見立て(J) 帽子のかわりにコップを頭に置く
③なりきり:e.g.あかちゃんになっておっぱいを飲むふり。パパになって、ママにキスする(P)
④複数のもので想像の世界を作る:松葉でアリのお家を作り、自分がありのつもりで会話した(P)
人形に意志があるように動かしごっこあそびをする(J) ファンタジーの役をやる(J)
→この次の段階が、【ルールのある遊び 5才~】につながっていく

参加者も、資料を何度も戻り必死についていくような内容で、一度講義を聞いただけでは理解も難しいような内容でしたが、
こどもの遊び(の発達段階)がいかに重要か納得いくところが多く、それをどうABAのセラピーで、楽しく伸ばしていくかが課題と感じました。
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次回の新潟定例会は7月5日になります。多くの方のご参加をお待ちしております。
コロナウィルスが収束し、各地のイベント・定例会が通常通りになることを祈ります。

新潟定例会のご報告

7月28日(日)に開催された新潟定例会についてご報告いたします。大人18人、子ども6人が参加し、放課後デイや学童、福祉関係の非会員の方も訪れました。

【個別指導】3組参加
*3Dー2Dマッチング =教材はアンパンマンのキャラ3体
2Dマッチング(3枚の写真と写真のマッチング)はできるが、3枚の写真とフィギュアが難しい。切り抜きとフィギュア、3体から2体に減らすなどの工夫が必要。
アンパンマンシリーズだと分かりにくいので、教材をコップとバナナなど色や形、種類を全く違うものにするといい。

*「〇〇どこ?」「ここ」「〇〇どれ?」「これ」
コツは最初からプロンプトして間違わせないこと。一つの教材で「どこ?」「どれ?」に答えさせる。クリアしたらランダムローテーション。
確実に理解したら教材を少し離したところに置き、「〇〇どっち?」「こっち」に進む。

*2桁の数字の読み
1から20まで読めるが、単独、例えば6と16の数字カードなどでは混乱してしまう。
実は20〜30の方が簡単。15より25、35の方が分かりやすいので、こっちから教える手もある。
左右違う数字の方が言いやすいので単独で読ませる。順番で覚えるのではなく、2桁の読みに慣れさせる。25や35や45を単独で言わせて、そのあとは受容的命名。
選ばせていくうちに25を「に、ご」ではなく「にじゅうご」が定着していく。自閉症の子にとって十の位はミステリー。「15はなぜ1と5がくっついているの?」となる。

【集団プログラム】
*動作模倣、手遊び
「あれなんだ」の指差しで果物にタッチ。次は目線だけで果物にタッチ。紐を輪っかにして電車ごっこ、人間アーチをくぐる。次は伸ばした紐を片手で掴んで電車ごっこ。最後は紐なしで電車ごっこ。親子でテーブル運び、一人で椅子運び。

【講義 上級課題いろいろ】
NOTIAでは、2年前から1ケースだけだが、実験的に週20~30時間の早期集中介入に取り組んでおり、「W30 プロジェクト」と名付けている。課題は代表がお子さんの状態に合わせて立案している。そのW30のお子さんが上級課題に入ってきたので、最近の主な課題から、「つみきプログラム」にないオリジナルな課題を中心に紹介した。

・認知系課題
絵に開かれた情報から犯人を特定する。誰もいない部屋の中に置いてあったケーキが食べられている!ドアには鍵がかかっているけど、あれ?ドアの下に小さな穴が空いているぞ。「犯人は誰だ?」①ぞうさん②パンダさん③ねずみさん

・問題解決思考
犯人は誰だ?の発展。問題を解決するためにどのような手段を取ったらいいのかを考える。
「わあ火事だ!誰に助けてもらったらいい?」①火の神様②水の神様③風の神様

・ことば系課題
反論とその理由。「これ馬だよね」「違うよ」「なんで」「シマシマ模様があるからこれはシマウマ」。考えることが苦手だったので、理由を言わせる。考えさせる。

・「さー」言葉
健常の子には「あのね、それでね期」が3歳くらいで始まる。情報交換の要領で「あのねー先生ねー昨日ねースーパーでアイスを買った」「あのねー〇〇ちゃんねー幼稚園でねージャングルジム登った」と、自分のことを話させる。
あのねーが言えるようになったら、自分の好きなものばかり話すようになってしまったので話を促す。「あのね、で何かお話して」「あのねー〇〇くんと遊んだ」「へー何して遊んだの?」「すべり台」
接続詞「それでさー」の導入。「今日プールした」「それでP(プロンプト)」「それでねーお顔つけした」

・「り」言葉
日本語にはうっかり、てっきり、ゆっくり等「り」で終わる言葉が多い。こっそり、びっくり、がっかりと書かれたカードを用意して、「先生ガリガリ君が買いたかったけど、売り切れていたんだよーどれ?」「草むらを歩いていたらへびが出てきたんだ、どれ?」とカードを選ばせる。

・〜だけにあるもの
物の特徴を言わせようとしても、『特徴』が分からない。ぞうとサイとシマウマを並べて「目があるのは?」「鼻があるものは?」とそれぞれ答えさせ「シマシマがあるのは?」「シマウマ」「だけP」「だけ」と違いを認識させる。「サイだけにあるもの言って」「角」「キリンだけにあるものは?」「長い首」

認知系課題で実際に使われた代表作のイラストが配布され、今回も和やかで大変勉強になる定例会でした。
参加された皆様、セラピストの皆様、遠方よりお越しの藤坂代表、本当にありがとうございました。
次回開催は11月3日(日)です。
皆様のご参加をお待ちしております。

3/4 新潟定例会のご報告

3月4日(日)に新潟定例会が開催されましたので、ご報告します。
今回は7組、大人と子ども合わせて17人の方に参加していただきました。

【個別指導】
1組目 声の大小
←(指示を大きい声で出すと驚く場合)リラックスさせながら優しい声で導いてあげると良い

2組目 縄跳び
←(腕の回し方が大振りになる)動作模倣で腕の回し方を真似させる、脇に何かをはさみながら縄を回す等、色々試すと良い

3組目 大きい・小さいの弁別
←子供が飽きてそうな時は1回1回必ず強化をする。

4組目 これ・あれ・それ
←「それ」が難しいのでしっかりプロンプトする。上手になったら、それぞれの位置を入れ替えて行う。

5組目 口形模倣
←指示の言葉はなるべく少なくする。

6組目 数字を書く
←2や3の練習にあたって、まずは曲線を描く練習をする。

【集団プログラム】
動作模倣、手遊び歌、藤坂代表の視線の方向に注目し絵にタッチする、トンネルくぐり等を行いました。

【講義「たし算とひき算」】
2人のお子さんにデモをしてもらい、大変具体的に教え方を学ぶことができました。
・将来文章題に取り組むことを考えて、式を教える前に、まずはことばで簡単な文章題を出して数を加えたり、除いたりすることに慣れさせると良い。
・指を使ってたし算、引き算をする場合、6以上の数はグーで表す。
・引き算もできるようになったら、足し算と引き算の弁別を行う。

次回は7月1日(日)の予定です。
沢山の方のご参加をお待ちしております。

11/5新潟定例会のご報告

11月5日(日)に新潟定例会が開催されましたので、ご報告します。
今回は11組、大人と子ども合わせて25人の方に参加していただきました。

【個別指導】
1組目 指の模倣
←(お子さんが親の手の動きをよく見ていなかったため)音声指示は出さない、親は指を半開きにして次の動作が予測できない状態にしておくことで、手の動きに注意を向けさせる。

2組目 動作模倣(バイバイ)
←強化子は毎回変えず、気に入ったものを続けて出すと良い(興味が続くまで)。

3組目 動作の持続(手を上げる)
←動作によっては30秒くらいの持続を目指すものもあるが、手上げは疲れるので15秒くらいで良い。

4組目 時計の読み
←いつも「何時?何分?」と聞いているとそのパターンで覚えてしまう。時と分の違いに注意を向けられるよう「何時?」と「何分?」の質問をランダムローテーションで行うと良い。

5組目 動詞の表出
←新しい課題に取り掛かるときはできるだけハードルを低くすること。「トントンする」「フリフリする」まで言わせず、当面は「トントン」「フリフリ」で良しとする。

6組目 連続カードでお話を作る
←(お子さんが「一番~、二番~」と話していたが)より自然な話し方になるように「○○が~して、~して」という言い方が良い。

7組目 3人じゃんけん
←まずは、グーとパーなど組み合わせを固定する。それぞれの人数を変えて、何人になっても勝敗が変わらないことを理解させると良い。

【集団プログラム】
藤坂代表のご指導のもと、動作模倣、インタビュー、走って縄を飛び超えタンバリンにタッチする、等を行いました。

【講義「文字と文の理解」】
藤坂代表から以下のようなお話がありました。
○教える目安としては、数字の読みは年少~年中、ひらがなの読みは年中、カタカナの読みは年長、漢字の読みは小学校に入ってから。
○濁音や撥音は違いを強調して教える。
○漢字は難しいと思われがちだが、意外に覚えやすいので取り組んでみると良い。

家でセラピーしているとついつい自己流になってしまうのですが、今回も藤坂代表のお話をお聞きして初心に帰ることができ、また他の参加者の皆さんの様子に力をもらうことができました。

次回は3月4日(日)の予定です。沢山の方のご参加をお待ちしております。



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Author:つみき通信
NPO法人つみきの会は自閉症、広汎性発達障害という障害をもった子どもたちに、ABA早期家庭集中療育(ABAホームセラピー)を施す親とそれを支援する療育関係者の集まりです。
ABA療育に関心のある方なら、どなたでも参加頂けます。

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