江沢民の孫がアメリカで民事訴訟の標的に…中国系企業株巡る不正が原因
江沢民元国家主席の孫である江志成氏(※左画像)が経営する資産運用会社『博裕資本』の投資先会社が、ニューヨーク州で訴訟を起こされ、博裕資本も被告になっていることがわかった。江志成氏は江沢民氏の長男・江綿恒氏の息子で、祖父の威光をバックに莫大な資金を集め、香港や中国国内の他、海外の多くの優良企業に投資してきた。その投資先の一つが『薬明生物』という企業で、中国系の製薬会社『薬明康徳』の子会社だ。同社は北京大学卒業の技術者らが2000年に設立し、2007年に『ニューヨーク証券取引所』に上場。だが、同社は2015年に非上場化している。この非上場化の直後に同社は、『薬明生物技術』と『薬明康徳新薬開発』という2つの子会社を上場させ、莫大な利益を得た。博裕資本等が株を持っていたが、事実上、関係者だけで利益の分割を図ったのだ。薬明康徳の元株主らは、この不公正な非上場プロセスで被った損失を賠償するよう求めている。原告らが得た情報の出元はアメリカの証券取引委員会(SEC)とみられ、ドナルド・トランプ政権の意向も見え隠れする。
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印パ紛争に台湾が思わぬ形で巻き込まれている。2月27日にインド軍が撃墜したパキスタン軍の『F16』について、パキスタンは「アメリカから台湾に輸出されたものだ」と説明し、波紋を広げているのだ。インド軍の撃墜した戦闘機について、同国はパキスタン軍のF16と断定している。これに対して、パキスタン側が製造番号等を基に、「アメリカから台湾に輸出されたもの」と主張したのだ。パキスタン軍はアメリカからF16戦闘機を“対テロ戦争”の用途に限って供与されている為、インド軍との交戦に使用した場合、違反になる。その為、苦し紛れに「台湾のもの」という言い訳を考え出したようだが、驚いたのはインド、パキスタン両国と国交のない台湾の軍事当局だ。事の真偽は不明なままだが、台湾国内では野党等が軍の管理責任を問う声を上げ始めた。台湾政権にとっては、とばっちり以外の何物でもない。
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南北朝鮮の首脳会談で、非武装地帯(※DMZ)の開発についての秘密合意が結ばれているようだ。韓国政府筋が明らかにしたところによれば、南北直結鉄道の敷設の他、交流センター等の建物、自然保護エリアの設置等が検討されているという。DMZは朝鮮戦争休戦後の1953年に設立されたもので、257㎞に亘って南北に2㎞、計幅4㎞が立ち入り禁止区域となっている。韓国と北朝鮮は、軍事境界線に設置された監視所を南北相互で縮小することが既に決められているが、DMZの縮小・廃止をも視野に入れているとすれば、相当踏み込んだものと言える。米朝首脳会談が不調に終わる中、文在寅大統領の勇み足になりかねない。
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中国政府は、世界的に批判を浴びている新疆ウイグル自治区統制モデルを、世界各地に“輸出”することを検討している。この3年間、暴動等を抑え込み、自信を深めた当局は、ここにきて海外当局やメディアを新疆に招待し始めている。既にカザフスタンでは中国による指導が行なわれている形跡もある。カザフ当局が最近、中国に批判的な中国籍カザフ族の民族運動家を拘束したケースがあったが、背後には中国がいるという。一帯一路に協力する国には、中央アジアを中心として独裁的な元首も多くいる。その為、国内の少数民族や不満分子を抑え込む為に、ウイグルモデルは都合がいい。