5607中央可鍛工業
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独断と偏見に満ちた独り言のレポートですので、あくまでも参考程度に。投資は自己判断で!
5607中央可鍛工業です。
トヨタグループに向けにアルミ鋳造の会社ですね。
大株主にこそ出てきませんが、一族企業のオーナー経営の会社ですね。また、四季報の当社の前後の会社を見ると解りますが、鋳造は1961年10月に一斉に上場してますね~。
ザ・ジャパンの慣行ですね。横並び精神、ライバル関係、あんまり解りませんが・・・。「隣の芝生が青い」と思うのは個人だけで、ビジネスの世界では「隣の芝生が青いので、ウチの芝生も青くしてくれよ」ってなるのです。こういった同業は当然、○○協会とかにお互い加盟している訳で、そうなると同時期に仲良く上場が好ましいのです。
コメント頂きましたので調査することにしました。まあ、自動車部品業界は割安銘柄がゴロゴロしています。当社のその一つですので私の調査対象には当てはまります。
ビジネスについてです。
アルミ鋳造して、自動車向けに販売してますね。主なお客さんはトヨタ自動車です。売上ベースでは50%前後です。次に日野自動車、シェアは16%です。技術を利用して金属家具事業もスタートしましたが未だ全体の売上の3%なのであまり貢献はしていない様です。
ただ、一人当たり売上で見れば金属家具事業が2900万、可鍛事業が2600万となってます。本業の可鍛事業の取引先に買ってもらってるのでしょう。結構普通に良さげな商品ですもん。詳しくは当社のHP、オフィス家具の所を見てみましょう。
全トヨタ労働組合連合に所属しているのでトヨタ自動車とはしっかりした関係にあるのでしょうね。株式持合いもあるし、当社はトヨタ株を現在の時価で7億円、トヨタ自動車は中央可鍛工業株を5.1%保有しています。ここら辺でも「ザ・ジャパン」の慣行が見受けられますね。まあ、5%以上で大量保有報告書を提出ですので「俺達はこんな関係だ」ってすべての人に堂々と宣言している訳ですね。
財務諸表を見てみます。
まずトップが武山氏、で取締役にも武山氏がおります。で、常務取締役武山直民は、取締役社長武山尚生の弟でありますとの事です。当社の操業は昭和5年6月 普通銑鉄鋳物の製造を目的として武山鋳造所を創立ってなっているので、一族経営だろうな~ってここで思うのです。
ただ、裏付けが必要です。数字を見て行くと、2009年と2010年に赤字を出しています。2009年は15.5億円、2010年は3600万円です。この赤字は何って考えると、2009年はデリバティブ損、特損などでした。まあ、デリバティブをヘッジって言いながら投資してたんでしょ?って思わせる感じです。で言い訳がこんな感じで記述。「デリバティブの利用にあたっては、信用リスクを軽減するために、信用度の高い金融機関と取引」はい。解りました。もうこれ以上ツッコミません。
特損に関しては昔から残っていたゴミレベルの資産を一気に損に振り替えたのでしょうね。で、「100年に1回」って言い訳を使用します。リーマンショックって実はそれなりの余裕ある企業については「特損」を計上するチャンスだったのです。
2010年は売上の低さで赤字って考えて良いと思います。しかし2009年にしっかり膿をだし、2010年はカサブタってな言い訳で良いのではないでしょうか?まあ、それでも配当は毎年8円をずっと出していた訳ですし。良いでしょう。
ただ、この経営における赤字で誰も経営陣は辞めてないんですよ~。って事を考えるとやっぱり一族経営なんだなあ~って思うのです。
でも、逆にから見ればね、もう怖い経営者とか連れてきて、スーパーコストカットする必要が無いレベルのビジネスが出来ているって事。トヨタの人とゴルフを一緒にすればOKなのです。三好ゴルフ倶楽部株4株保有、金額800万円。さらに調べちゃうとは三好ゴルフ倶楽部の理事長の豊田芳年氏、偶然にも豊田自動織機の取締役名誉会長と同じ~。
技術もビジネスもしっかりした基盤があるからこういう事が出来るのです。本当にポジティブですよ~。「いいね!」
まあ、当社の売上の数字はトヨタ自動車の生産台数とかと当然、関連があります。JAMA(日本自動車工業会)の統計月報で見れます。ここのデータベースは非常に使いやすく。重宝しています。
あとは、怖い部分を探すのですが、蘇州中央可鍛有限公司と蘇州石川製鉄有限公司への28億ですかね~。それと減価償却がかなり進んでいる機械装置及び運搬具ですかね。180億円。これが償却が終わったら機械はゴミになるのかな~ってちょっと心配。
そんな事を考えつつ、有形固定資産除却損の内容を見ると、2011年7500万円、2012年は 2400万円なので、機械はスクラップにしちゃってる?って思うのです。ここら辺は機関投資家のアナリストに調べてもらいたいものです。もしくは工場見学会とかやってもらいたいものですね。
機械の買い替えになったらかなり厳しいですよ。しかしその確率はゼロではないし・・・。銀行からのコミットメント融資枠もまだちゃんと持ってるし、そしてそれはほとんど使われてないし。この融資枠はいつ、何に使うのかな~。
だって当社は普通に無借金会社になれますもん。キャッシュも資産もそれなりにあるし・・・。しかもそれを狙われないように買収防衛策も決議されてるし・・・。今後も淡々とビジネスを進めるのであればこんなコミットメント枠いらないでしょ~。
株価を見てみます。
348円、実績ベースでPER5.2倍、PBR0.4倍、配当利回り2.3%です。割安ですね。ただ、自動車部品の会社なので成長性は無いって言えちゃわない?だって自動車販売数は減るよってみんな考えているし、円安になっても生産は海外に移るだろうし・・・。
私の投資判断は「保留」となりました。
理由は4つです。
1つ目は設備投資の行方です。やはり機械の買い替えなど、もう一度位あるのではないかって考えます。
2つ目は変わらない配当です。配当利回り2.3%は特に魅力的なではないですよね。
3つ目は今後の利益の成長が期待できないのです。となるとPERは割安方向に振れない。
4つ目は自動車部品業界全体がみんな割安なのでいまの所横並び。
って事が挙げられます。
しかし、逆に機械の買い替えの目安が決まり、配当も上がり、利益成長として海外売上が10%以上になり有価証券報告書にその数字が上がってきたらチャンスかと思います。現在はほとんどビジネスが日本向けですので。
最後に、
機関投資家がまったく手を付けていない会社です。言い換えれば機関投資家が損も得もしていない会社です。機関投資家って一度損をしている会社の株をまた買うって事は難しいのです。ほぼムリ。ってかもし同じ会社の株で2連敗はクビですね。
機関投資家が買うタイミングとして、トヨタ自動車の株が一気に上がり、ポートフォリオの占有率が高まると、トヨタ自動車株を売ってこういった会社に投資する事もあります。
そういった動きを捉える事が出来れば、再調査で「買い」に変わる場合もあるのです。
がんばれ、中央可鍛工業!!