梅月夜の夢物語り

ようこそ!冬灯(とうか)のブログへ。徒然に徒然なるがままに書き綴っています。主に自作の詩、サザン、役所広司さんやドニー・イェンなどなど。他にも興味があることを気の向くままに語っております。

こんにちは。

今日はアニメ感想です。



    神在月のこども (2021)

      監督:四戸俊成
      声:蒔田彩珠・坂本真綾・入野自由・柴咲コウほか。
      製作国:日本

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〇あらすじ

都内に住む小学生のカンナは母・弥生を亡くした喪失感を拭えずに、好きだった「走ること」からも逃れようとするようになる。

校内マラソン大会でも思うように走れず、父が慰めてくれるが、逆にむかついて、その場から逃げるように走り出し、雨の中を近くの牛島神社に駆け込む。

何かにつまずいて倒れ込み、持っていた母の形見の勾玉の腕輪が地面に投げ出された。

その腕輪を拾い上げ、身につけてみると、降っていた雨粒が空中で静止してしまう。

そして、突然現れた大きな黒い牛の姿をした神に驚いていると、今度は鬼の少年・夜叉が現れ、カンナの腕輪を奪い取ろうとする。

その夜叉からカンナを守ろうと、学校の飼育小屋でいつも親しんでいた白兎のシロが姿を現し、やがて自分は「神の使い」だと話し始める。

シロが言うには、旧暦の10月・神無月かんなづき(出雲では神在月かみありづき)には全国から神々が出雲に集い、「神議かみはかり」という翌年の縁を結ぶ話し合いを行うが、その前日に神在祭が行われるので、各地の神社を巡り神々から食材や料理などの馳走を集めて、今夜の7時までに出雲に届けてほしいとのこと。

カンナは困惑するが、これはもともと母の弥生が「韋駄天いだてん」の末裔として果たしてきた役目だったという。

また、シロから出雲に行き、ご縁があれば母に会えると聞かされ、「韋駄天」の末裔としての役目を引き受けることになる。

そして、カンナは敬遠していた「走ること」に向き合い、時がほぼ停止してしまった東京から母が走った道をたどって、各地の神社の神々から馳走を預かりながら、出雲へ駆けていく。 

「韋駄天」に対する代々の因縁から夜叉に邪魔されたりもするが、カンナが夜叉を助けたことがきっかけで仲間になる。

その後も何度も走ることに挫けそうになりながらも、各地の神々との出会いなどを通して少しずつ母の死を乗り越えて成長していく。



日本の長編アニメーション映画
毎年旧暦の10月に全国の神々が出雲に集い、翌年の縁を結ぶ会議を行うという伝承を題材に、母を亡くしたことにより、大好きだった走ることから目をそらしていた少女が、兎と鬼の少年に導かれ、神話の地・出雲を目指して駆ける中で成長していく姿が描かれる。

親子愛、神話、友情といい感情が交錯した暖かい話。
そして切なく、もどかしくもある。

走ることが本当は好きなのに、母親の死がトラウマになってしまい、走れなくなってしまったカンナ。
決して彼女のせいではないのに、心に深く傷を負ってしまったその心は誰の言葉も聞き入れようとしない。
父の慰めも逆なでされるようで素直になれない。
周りのお節介や気遣いも逆に煩わしく感じてしまう。
ある意味とても感受性の強い子。

そんな彼女が実は母と同じ運命であると知らされる。
お母さんに逢えるかもしれない!
その想いだけで韋駄天の役目を引き受けるカンナだけど、そこには色々と試練も待ち受けていて。

ただ自分の想いだけで突っ走ってる彼女に、神様たちは渋い顔。
エゴだけでは任務は全うできないことを突きつけられたり、邪魔が入ったり。
そして母への想いが募る心を鬼につき入れられ、偽物でも優しい母と一緒に暮らすことを望んでしまったり。

結構試練が多い。
けれど、最終的には仲間となる鬼の少年との心の絆が彼女を大きく変えていく。
内容的にはとてもよかった。

カンナの心の成長記だ。
色んな試練を乗り越えて、母への伝えたい言葉をちゃんと伝えることができた彼女はまた走ることを択ぶ。
それはカンナにとっても大好きな行為だし、なにしろ二人三脚で走ってきた母の想いも背負っているということにあらためて気づいたからだ。

一歩前進する人間ほど強いものはない。
それは己の弱さを知り、覚悟を持って打ち克ったという勇気の印だ。
そしてそんな人間の有り様は輝いてみえる。
それは人を惹きつけ、やがては感動を呼ぶ。

父とも和解し、走り出した少女は強い。
鬼の少年との交流も良かった。
人種が違うだけに恋愛には発展しないのが残念だけど、ふたりはきっとカンナが死ぬまで友人として共に支え合っていくだろう。

感動できるいいアニメだ。














2024.12.01 / Top↑
こんにちは。
今日は映画の感想です。



    シン・シティ (2005)
  
     監督:ロバート・ロドリゲス
     出演:ミッキー・ローク、ブルース・ウィリス、ジェイミー・キングほか。
     製作国:アメリカ


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〇あらすじ

犯罪がうずまき、悪徳と欲望が栄えるベイシン・シティは、いつしか罪の街(シン・シティ)と呼ばれるようになっていた。

パーティ会場を抜け出した女に、一人の男がそっと近づいてきた。

男は彼女の悲しみと孤独を見抜いて、彼女に煙草を勧める。

震える女を抱き寄せ、愛を囁きかける。

そして女が彼に気を許した瞬間、男は彼女を射殺する。

仕事を終えた殺し屋ザ・マンは、女の小切手を奪って現金に変えた。

強面な大男であるマーヴは酒場でゴールディという美女と出会い、ホテルにて一夜を共にする。

しかし彼が目を覚ますとゴールディは死んでおり、直後に警官隊が駆けつけてくる。

辛くもホテルから脱出したマーヴは、ゴールディを殺し自分を陥れた犯人に復讐すべく、保護観察官ルシールの助けを借りつつ犯人探しを始める。

そして殺人鬼であるケビンとの戦い、ゴールディの双子の姉であるウェンディと出会ううちに、彼は犯行を企てたのが国を裏から牛耳る有力者、ロアーク枢機卿であることを突き止める。

ロアーク枢機卿とケビンは食人行為を共有しており、それを知ってしまったゴールディは自らの身を守るためにマーヴを頼り、しかし殺されてしまったのだ。

マーヴはこれが自分の妄想ではない事を確かめようと娼婦街を歩き回ってゴールディの縁者を探し、彼を犯人と思い込むウェンディの誤解を解いて、全てが現実である事を確信する。

その強面のせいで一度も女を抱いたことがなかったマーヴを、打算づくとはいえゴールディは愛してくれた。

マーヴは一度は敗北したケビンに逆襲して彼を生きたまま解体して犬に喰わせ、友人のダンサーであるナンシーにウェンディを預け、ついにロアーク卿の教会に乗り込む。

マーヴはロアーク枢機卿を殺害するも、警官隊の銃撃を受けてしまう。

一命を取り留めたマーヴは、ロアーク枢機卿たちの分まで罪を着せられ、刑務所で処刑を待つばかりの身となった。

そんなマーヴのもとをウェンディが訪れる。

マーヴは彼女をゴールディと勘違いしたことを謝罪するが、ウェンディはそのまま彼と一夜を共にする。

翌日、マーヴは電気椅子で処刑されるが、彼の脳裏にはゴールディとの一夜が焼き付いていた。

死刑宣告を受けながら顔を変えてシン・シティに戻ってきた男ドワイト。

恋人であるシェリーに手下と共にしつこく付きまとうジャッキーボーイに対し、ドワイトはきつい制裁を加えて追い返すことに成功する。

しかし、妙な胸騒ぎを覚えたドワイトは、シェリーの制止を振り切って彼らの車を追いかける。

ジャッキーボーイはドワイトの元恋人であるゲイルが仕切る娼婦街へ赴く。

彼はそこで見つけた娼婦ベッキーを無理やり連れて行こうとして拳銃を取り出すが、それは娼婦街のルールを破る行為であった。

ルールを破った彼は娼婦街を警備する殺人兵器ミホによって手下もろとも殺害されてしまう。

ところがそこでジャッキーボーイの正体は刑事であることが分かり、ゲイルたちはお互い干渉せずという警察とのルールを破ってしまった事が発覚する。

このままでは娼婦街は昔の無法地帯に逆戻りしてしまう。

ドワイトは娼婦街を救うため証拠の隠滅を図るが、娼婦街を手に入れようとするマフィアが彼を狙う。

底なし沼にジャッキーボーイの死体を沈めようとしたドワイトはマフィアが雇った傭兵部隊の襲撃を受け、危ういところをミホによって救われる。

しかしベッキーの裏切りによって情報を掴んだマフィアの用心棒マヌート一味が、既に娼婦街へと乗り込んできていた。

人質となったゲイルとの交換で、ドワイトはジャッキーボーイの死体を一味へ引き渡す。

その死体には爆弾が仕掛けられていた。

一瞬の不意をついたドワイトは娼婦たちと協力し、マヌート一味を皆殺しにしてゲイルを救い出す。 斯くして、警察との協定違反の証拠となるジャッキボーイの死体は始末され、マヌート一味の末路は娼婦街を狙うマフィアの大ボスへの見せしめとなった。

娼婦街の治安は保たれたのである。

心臓に持病を持つ老刑事ハーティガンは、連続幼女殺人犯であるロアーク・ジュニアを追い詰めて重傷を負わせ、少女ナンシーを助けることに成功する。

ところが相棒であるボブに裏切られ、銃で撃たれてしまう。

ハーティガンは少女を救えた事を確信しながら、意識を手放す。

しかしハーティガンは重傷を負いながらも生き長らえていた。

ロアーク・ジュニアの父親であるロアーク議員の復讐として、ハーティガンは連続幼女殺人の犯人にされてしまう。

だが救助された少女ナンシーだけはハーティガンを信じ、彼に手紙を送り続けた。

ハーティガンはその手紙を支えに尋問に耐え続ける。

それから8年後、ナンシーからの手紙が途絶え、彼女が再び狙われていることを知ったハーティガンは、罪を認めて刑務所から出所し、大人となったナンシーに会いに行く。

ナンシーは美しいダンサーへと成長していた。

再会を喜ぶ二人だが、その近くには治療の副作用で醜く変貌したロアーク・ジュニアが潜んでいた。ナンシーが狙われているというのは、ハーティガンを動かして彼女の居場所を突き止めるための罠だったのだ。

ふとした隙を突かれたハーティガンは、ナンシーをイエローバスタードに誘拐されてしまう。

イエローバスタードはナンシーをロアーク一族の農場に閉じ込め、ハーティガンを待ち伏せる。

ハーティガンはイエローバスタードの手下を一人ずつ始末しながら、必死に農場へ向かう。

年老いたハーティガンは苦戦を強いられるも、死闘の末に八年前と同じくイエローバスタードを倒して撲殺し、再びナンシーを救い出す。

しかし息子を失い家系を絶たれたロアーク上院議員は、執拗に復讐を企むだろう。

そうすればナンシーも危ない。

ナンシーをシン・シティへと逃したハーティガンは、ロアークに勝利し、その魔手からナンシーを守れるたったひとつの方法を取る。

彼は命を断つことで、これ以上ナンシーが狙われないようにしたのだ。

ハーティガンは少女を救えた事を確信しながら、自らの頭を銃で吹き飛ばす。

娼婦街での抗争から一人逃げ出してきたベッキーは、病院にたどり着いて治療を受けていた。

ベッキーは心配する母親からの電話に、自分が娼婦である事を隠しながら応対する。

そんなベッキーの不安と恐怖を見抜き、そっと煙草を勧めてくる一人の医師。

ベッキーは彼に心を奪われ、共にエレベーターへと乗り込む。

ザ・マンは次の標的を見定め、ゆっくりと仕事へ取り掛かった。



フランク・ミラーによるコミック『シン・シティ』を映画化。
原作での4つのEPを再構成し、相互に関連した3つのEPとしてまとめられている。

モノクロだけど飽きない映像が素晴らしい。
結構グロい場面も出て来るので苦手な人は要注意。

白黒の中に色を入れた演出が良かった。
インパクトが出て来る。
全編、スタジオ合成という試みなのもすごい。
アメコミをそのまま実写化したコントラスト強めの世界観が美しい作品だ。

センスが独特すぎる。
男たちが渋い。
車のシーンの雑な感じとかがアメコミ感満載(笑)

ブルース・ウィリス目当てで見たんだけど、みんなかっこいい。
何よりコミック風の映像がかっこいい。
惹き込まれる感じだ。
オムニバス映画な感じもある。

独特の世界観に、渋くてかっこいい男たち。
ハードボイルドな作品。














2024.11.30 / Top↑
こんにちは。
今日は海外ドラマの感想。



   グラスゴーの連続殺人鬼 (2016)

    出演:ダグラス・ヘンシュオール、マーティン・コムストン、ジョア
       ンナ・ロスほか。
    製作国:イギリス

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〇あらすじ
1956年~1958年のわずか2年の間に、スコットランド南部で8人を殺害したとされるピーター・マニュエル。
 本作では、マニュエルを強盗の罪で最初に逮捕した刑事ウィリアム・マンシーの目線でストーリーが進んでいく。



強盗 レイプ 殺人・・・凶悪犯を追って刑事の執念の捜査。
実際に起こった事件を基に、映像化された傑作ミステリー。

罪を犯しては薄ら笑いで挑発する卑劣な容疑者に心底腹が立つし父親も最悪だけど、近所で2年の間に8人も惨殺されたのに結果野放しにした警察にも憤慨してしまう。

ずる賢く、自分の弁護も自ら行い、裁判を煙に巻く犯人。
その勝ち誇ったような顔が怖い。
今回犯人役を演じたのは、マーティン・コムストン。
彼は以前観た「ライン・オブ・デューティ」というドラマでは熱血漢な刑事役だった。
そのギャップがすごい。
元々可愛らしい顔立ち、背が小さい彼のイメージとはかけ離れたサイコパスな男だったけど、演技が巧いからか、その童顔さが逆に恐ろしくも感じた。

劇場型というのだろうか、とにかく人が恐怖する顔が見たいというだけで殺すような愉快犯。
「落ち込むと無性に人を殺したくなる」
こんな人間がもし傍に住んでいたらと思うと、本当に恐ろしい。
年頃の娘がいる世の親は恐怖しかないだろう。

最初から犯人が分かってるパターンの作品は、追うものと追われるものの駆け引きや絶妙なやりとりが面白さの一つである場合が多いが、このドラマは二人だけのシーンはそれほど多くない。

当時の捜査って本当にあんな甘いものだったのかな。
確かに今とは捜査方針も違ければ、技術レベルもすごい差があるのは分かるけれど。
それにしてもあまりの無能さにちょっとイラついてしまう。
そんな中でも、素晴らしい刑事というのは存在するもので。

やっぱり直感も大切。
そして信じ抜くその心意気、勇気も大事だ。
あとは主人公の家庭のように支えてくれる家族の愛と絆だろうか。
これは自分の信念を突き進む時には絶対不可欠なパワーといってもいいだろう。
しsて執念ともいえるべき熱血で犯人を追い込んでゆく。

世の中どんな時代になろうと、こういう愉快犯は出て来るわけで。
もちろん科学も技術も発展していってる警察組織の在り様は素晴らしいと思う。
極悪な事件に負けず、解決していってほしいものだ。

この犯人も嫌な奴だったけど、その父親も最低だった。
息子が犯人だろうことは薄々分かっているのに、嘘のアリバイ証言をしたり。
庇い建てをする。
可愛い息子を護る為?
いあや、自分のエゴの為といった風だ。
殺人鬼の父親というレッテルを免れたい、息子になにかされるのではないかという恐怖ももちろん感じていたのだろうけど、親としては一番最低な人間像だ。

母親はただ怖がって反発できないでいるし、妹も無関係を装って、自分の生活だけを護ろうと必死。
その気持ちは解からなくはないけれど、ただの事件じゃない。
もうすでに人も殺されているのだ。

被害者家族も近くに住んでいるというのに、よく無関心を貫けるものだ。
よく息子の悪事を隠そうとするものだ。
よく息子の悪事を暴こうとしないものだ。

と、その家族の在り方自体に疑問を抱く。
そして腹が立つ。
本当に最低なのは彼の家族の方かもしれない。
彼のような殺人犯を野放しにしてきた彼らの罪は相当に重いはずだ。
反省もせず、恐怖に慄いていましたという台詞が免罪符になるとでも思っているとしたなら随分と自己中心で、思い上がりも甚だしい世間知らずな連中なのか。

そこに彼をサイコパスにしてしまった所以があるのではないかと思えてならない。
人間は無関心からくる虚栄心を一番悪と思っているというのに。
こんな悪魔に育ててきたのはあなたたち家族でしょうと詰りたい。

恐ろしいと思うと同時にイライラとしてしまうドラマでもあった。
でもやっぱりイギリスのミステリは面白い。




2024.11.29 / Top↑
こんにちは。

本日はアニメの感想を。



    モンスター・ハウス (2006)

     監督:ギル・キーナン
     製作国:アメリカ

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〇あらすじ
少年DJの家のむかいに立つ奇妙な屋敷。
そこにはネバークラッカーという年老いた男が住んでいた。
ネバークラッカーは、自宅の庭に他者が侵入することを非常に嫌い、それを侵した子どもたちのおもちゃ等を取り上げていた。
そして奇妙なことに、その老人は家に話しかけていたのだという。
はずみで庭に入ってしまったボールを取りに行こうとしたDJはネバークラッカーに怒られるが、怒った彼は心臓発作で病院へ運ばれてしまう。
そのときから奇妙なことが起こり始める。
なんと屋敷は生き物だったのだ。
大人は誰も信じてくれず、DJは親友のチャウダーと共に屋敷の監視を始めるのだった……。



子供時代に見るべき怖い映画というべきかな。
ハロウィンに観ると大盛り上がり間違いない。

チャウダーのドジっぷりが面白い。
そして子供たちの絆が素晴らしい。

家がモンスターだという設定が面白い。
かなりホラーかもしれない。
特に敷地内に入ると消えてしまうという設定はなかなか恐怖だ。
これ、実写版でも面白いのではなかろうか。
きっと怖い・・・。
さずがにアニメではひやっとする怖さ程度なので、子供向けのホラーコメディとして楽しめる内容だ。

見世物にされていた奥さんの魂のトラウマは可哀想な話。
モンスターハウス自体が奥さんの魂という悲惨な真実。
ネバークラッカーはそんな奥さんの魂を慰めるためだけに生きているような老人だ。
そしてなにも住民が嫌いで敷地に入ることを拒んでいたのではなく、妻の逆鱗に触れて呑み込まれないように阻止する為に異常なまでの怒りを見せて防いでいたという悲しい事実。

痛ましいことに彼が入院してしまうところからDJたちの奇妙な冒険が始まる。
勇気のある少年たちの行動、純粋さに触れたネバークラッカーは、頑なだった態度をあらため、素直になる。
そしてみんなで力を合わせ、妻の魂を鎮める。

家の中に入って探索するシーンは結構ハラハラして面白い。
少しラブ要素も絡んだりなんかして、青春を感じる。
吊り橋効果じゃないけれど、怖い思いをして、勇気を出して手を合わせて闘うという仲間意識の絆からお互いへの想いも高ぶるのは当たり前かもしれない。
お互いの全てが素敵に見えちゃうものなんだろう(笑)

もしかしたらトラウマになるかも?しれないホラーアニメ。
好きな子は何度も見てしまうぐらい癖も強い。
奥さんの過去を知る場面は少し切ないけど、ネバークラッカーの愛を知るとちょっと愛しさが増すような感覚になる。
意外とこのおじいさん、偏屈なんだけど可愛いヤツなのだ。
最後はみんなと仲間意識も芽生えるし、角がとれた後の素直な様子は、良いおじいさんなのだ。











2024.11.28 / Top↑
こんにちは。

今日はちょっと時期早めだけど、サンタのアニメ。



   クロース (2019)

    監督:セルジオ・パブロス
    声:ジェイソン・シュワルツマン、J・K・シモンズ、ラシダ・
      ジョーンズほか。
    製作国:スペイン


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〇あらすじ

北極圏に近い暗く凍てついた小さな町で郵便配達員をしているジェスパーはある日、人を寄せ付けない不思議なおもちゃ職人のクロースと出会う。

2人はひょんなことから、一緒に町でおもちゃを配達することに。

やがて2人の間には友情が芽生え、それは長年争っていた住民たちの間のわだかまりを次第に解いていく。




サンタクロースの誕生秘話を全く新しい伝説として描いた作品。

心温まる切ない物語。
サンタクロースがクリスマス・イヴの夜にプレゼントを子供たちに届けるまでを描いた本作。
最高にときめくハートフルストーリー。

サンタクロースの言い伝えに関する小ネタが面白い。
2Dの手描きアニメだからなのか、あたたかい雰囲気が素晴らしい。
「本当に欲のない行動は人の心を動かす」が印象的で、優しさについて考えさせられる。
これこそまさに慈悲の精神。

サンタクロースの起源の話であるが、主人公が自分の欲のために始めたことでも、その過程で欲のない行いに気づく物語でもある。

映像や演出がこなれており、大人も子供も楽しめる名作アニメ映画だ。
憎み合ってきた2つの民族が、クロースのプレゼントを通じて子供達から段々と仲良くなっていく様は心が温まるし、やる気のなかった主人公が愛に目覚めていく様も感動するが、最後が切な過ぎて・・・。

絵本みたいなアニメーションですごく好みだった。
白黒から徐々に世界が色づいて、国とか主人公の変化が表現されてるのがよかった。

つくづく子どもが平等に、それぞれの幸せを感じれる世界になってほしい。
そう思う。
空飛ぶトナカイの解釈、個人の思惑が街を変えていく。
そしてサンタクロースに続いていく。
心地よい余韻が広がる。

こんな物語がもっともっと増えますように。
そんな風に願う。
何世紀もの争いを止めることができるのは子供たちの笑顔だという事実を、優しさのオブラートに包むことで世界中に伝わってほしい。
本当に欲のない行いは、人を動かす・・・なのだから。

きっとこの主人公のように変われる、そんな気がする。
いい作品に出逢うと、それだけで心が浄化されるようだ。
聖なる日に見るにはピッタリな物語だろう。





2024.11.27 / Top↑