動物性食品に潜む危険:有害な添加物、合成ホルモン、着色料、抗生物質、グリホサート
<記事原文 寺島先生推薦>
The Dangers Lurking in Animal-Based Foods: Harmful Additives, Synthetic Hormones, Colorings, Antibiotics, Glyphosate
筆者:リチャード・ゲイル(Richard Gale)とゲアリー・ヌル(Gary Null)博士
出典:Global Research 2024年11月25日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年12月3日
米国農務省(USDA)は70年以上にわたり、アメリカ人の食生活の枠組みを形成し、国民の健康を維持するための食品ガイドラインを作成してきた。FDA(食品医薬品局)と並んで、食品の安全性を規制し、私たちの食事が信頼できる供給源からバランスよく摂取されたタンパク質、脂肪、炭水化物で構成されていることを保証する責任を担っている。しかし、前の世代の健康状況を振り返ってみると、当時と現在とでは対照的であり、公衆衛生と食生活の規範における不穏な軌跡を浮き彫りにしている。
1940年代から1960年代にかけて成人を迎えた団塊世代や X世代は、はしか、おたふくかぜ、水疱瘡といった小児期の病気が一般的だったが、大きな合併症を起こすことなく治癒し、子どもたちが生涯免疫力を保った時代を思い起こす。学校では家庭科の授業を通じて米国農務省の栄養ガイドラインが重視され、子どもたちは活動的な生活を送り、体力を養った。裏庭の「勝利の庭」*は、新鮮な農産物を栽培する文化的規範の一例であり、身体汚染(環境毒素が健康に与える累積的影響)という概念はほとんどなかった。肥満、自閉症、喘息、糖尿病、自己免疫疾患、慢性炎症性疾患はまれで、ほとんど存在しなかった。
「勝利の庭」*・・・戦時中の国々で行われた庭や公園を使用し、野菜・ハーブ・果物などを栽培する農園の事である。アメリカ、イギリス、カナダ等では、勝利の庭(Victory garden、ビクトリーガーデン)、戦時農園(war gardens)、防衛のための食料庭園(food gardens for defense)という語が使用される。(ウィキペディア)
対照的に、今日の若者は肥満の蔓延と、C、D、E、亜鉛、マグネシウムといった重要なビタミンやミネラルを含む栄養不足に直面している。肥満だけで年間33万5千人が死亡し、2千6百億ドル以上の医療費がかかり、数百万人の障害調整生存年数の損失につながっている。Lancet誌に発表された予測では、2050年までに成人の80%、15〜24歳の若者の40%近くが太りすぎか肥満になるという厳しい未来が予測されている。ティーンエイジャーはますます不健康になり、スポーツをしたり、兵役につくのに苦労するようになる。衝撃的なことに、今日の子供たちの多くは親より長生きできないかもしれない。
同様に厄介なのは、若者の間で精神衛生上の危機が急増していることだ。10代の自殺率は上昇を続けており、10代の20%が自傷行為を考えている。これは、それ以前の世代ではほとんど記憶に残っていない現象だ。しかし、セロトニン阻害薬の普及は、この流れを止めるにはほとんど役に立たず、より深刻なシステム上の問題を示している。
ワシントンD.C.にあるジェイミー・L・ウィッテン・ビルは、現在のUSDA本部。(Licensed under CC BY-SA 3.0)
その主な原因は、食品の非自然化と工業的過剰加工である。今日の食生活には、有害な添加物、過剰な塩分、高フルクトース・コーンシロップのような不健康な甘味料、そして永遠の化学物質、マイクロプラスチック、遺伝子組み換え作物(GMO)など、多くの汚染物質が蔓延している。米国農務省や食品医薬品局(FDA)などの規制機関は、しばしば利益相反にまみれた諮問委員会の後ろ盾を得て、これらの疑わしい慣行を繰り返し支持し、保護してきた。莫大な富と権力を振りかざす民間企業が、アメリカ人の消費を支配し、食生活は新鮮で栄養価の高い食材を欠いた状態にしておく。
この危機は、連邦政府保健機関の指導者たちの問題パターンを浮き彫りにしている。多くの場合、権威ある研究機関出身の医療専門家がスタッフを務めているが、彼らは意味のある改革を実施できずにいる。こうした指導者たちは、本来すべきこともせず、食品供給を支配し、公衆衛生を損なう企業の支配に異議を唱えることができないか、あるいはその気がない。
写真:ロバート・ケネディ・Jr
ロバート・ケネディ・ジュニアは、そのユニークな資質と数十年にわたる法学者・活動家としてのキャリアから、保健福祉省を率いる比類なき候補者である。前任者たちとは異なり、ケネディはアメリカの健康危機の核心である組織の腐敗を特定し、それに対抗してきた歴史を持つ。伝統的な医学者や学者としての肩書きはないが、連邦医療機関を悩ませている制度的問題に対する深い理解と、変革のためのビジョンを持っている。彼のリーダーシップがあれば、規制の不備に対処できるだけでなく、より健康的なライフスタイルを促進し、国の食料・農業政策をより厳しく監視することができるだろう。
この可能性を考慮すると、アメリカの食生活を支配している動物性食品がもたらす危険性を調べることは、より広範な健康への影響を理解するための重要な一歩である。肉食を中心としたアメリカ人の主食は毒素や化学残留物を含んでおり、以下の議論で検討するように、公衆衛生に広範な影響を及ぼす。
動物性食品に潜む危険性
食肉添加物
適切な言葉はないが、この国の食料品店やレストランで売られている食肉は、ホルモン剤、抗生物質、精神安定剤、防腐剤、添加物、殺虫剤で「散々」にされた家畜のものであり、栄養的というよりも、ほとんど医薬品である。これらの添加毒素は、健康への長期的な悪影響に関係している。例えば、猛毒の有機リン剤と脳障害である。ヒトの脳波から、たった一度の暴露が乳児の脳の電気的活動を何年にもわたって変化させ、異常行動や学習パターンを引き起こす可能性があることが示された。ハーバード・メディカル・スクールが行なった研究では、次のように結論づけられた。
「有機リン系農薬は長期的な脳障害を引き起こす危険な可能性がある」。
余談だが、有機リン酸塩は性欲を減退させ、集中力を低下させ、記憶喪失、統合失調症、うつ病、神経過敏などを引き起こす。さらに、米国環境保護庁は、一般向けの入手を制限する措置を講じている。[1]
そのひとつが、食肉を美しく見せるための着色料である。おそらくこれらの着色料を使用することは、ヌルヌルした茶色がかった緑色の腐ったような肉をそのままの状態で売ろうとすれば、大勢の消費者を失うから、という業界の暗黙の了解なのだろう。葬儀屋のように、食肉加工業者もこの有機物を人工的に処理し、生命の色を与える。牛肉や豚肉には赤や紫の色素が添加され、鶏の肉色を良くするために鶏の飼料には黄色の色素が入れられている。
食品産業で使用される合成着色料の大半はコールタールから派生したものである。一部の色素は、政府の最低基準を満たしていることを意味する「米国認証」のラベルが貼られていても、安全性テストが十分に行なわれておらず、その一部は、発ガン率の増加や、動物の先天性欠損症、死産、不妊につながる生殖障害と関連している。ホットドッグやソーセージなどの加工肉に使用される赤色40号(アリュラ・レッドAC)は、小児多動性やじんましんとの関連が指摘されており、動物では発がん性の可能性が示されている。虫を粉砕して得られる天然色素で、加工肉にも使用されるカルミンは、紅斑、血管浮腫、気管支痙攣、アレルギー性細気管支炎など、さまざまな反応を引き起こす。
食肉業界にとって、より必要な化学物質群は、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)とブチルヒドロキシアニソール(BRA)という石油から得られる防腐剤である。これらは肉の脂肪が腐敗するのを防ぐ。ラード、鶏脂、バター、クリーム、ベーコン、ソーセージ、コールドカット、牛乳、植物油、ポテトチップス、ピーナッツバター、ショートニング、レーズン、朝食用シリアル、チューインガムなど、あらゆるところに含まれている。業界は製品の賞味期限を延ばすためにこの油脂に頼っているが、その毒性は皮膚の水ぶくれ、疲労、目の出血、呼吸器系の問題などに関連しており、安全とは言い難い。
問題のある他の添加物:
■人工香料(発がん性が証明されているものもある)
■油脂の酸化を防ぐために使用されるEDTAは、大量に摂取すると細胞を死滅させる可能性がある
■グルタミン酸ナトリウム(MSG):俗に「中華料理店症候群」と呼ばれる頭痛、胸のつかえ、集中力の低下、疲労感を引き起こす可能性のある旨味調味料で、MSGはどのような形であれ、がんを悪化させるという証拠もあり[2]、酸加水分解法で製造された場合はがんを引き起こす物質を含む[3]。
抗生物質
抗生物質の過剰使用は、医療や食肉・水産業界全体に蔓延している。私たちの多くは、抗生物質が脅威となる有害なバクテリアから命を救うという意味で「良いもの」だと考え、実際過剰に使用しても、私たちの体にとって危険なものではないという誤った考えを持っている。
関連記事:The USDA Permits the Dangers Lurking in Animal-Based Foods. Fish and Dairy Additives, Microplastics, Improper Meat Handling…
動物(牛、豚、鶏など)にも人間にも抗生物質が過剰に使用され、それに対処するための薬剤に対して厳しい耐性を持つ、より強力な新種の細菌が発生していることは、ニュースに関心のある方ならご存知だろう。生物の環境条件への適応能力は、継続的かつ現在進行中の活動であり、だからこそ科学の多くは、戦うべき新たな「虫」や「害虫」(農薬を考えてみよう)を中心に定期的に自らの組織を編成しているのである。薬剤耐性菌や 「スーパーバグ」は、こうして私たちの食品中に誕生するのである。
抗生物質は動物飼育に広く使われているため、典型的なアメリカ人のように1日3回肉を食べると、時間の経過とともに血流や組織にこれらの毒素が蓄積される。このような汚染された動物を食べる人は、その動物で発生した抗生物質耐性菌を摂取している可能性もあり、病気のリスクが高まる。
ある研究では、ミネソタ州の食料品店の製品が検査され、肉サンプル、特に七面鳥に耐性菌が検出された。消費者は、自分たちの「食品」がリステリア菌、大腸菌、サルモネラ菌に感染していることを知ったら驚くだろう。これらは、過去20年間に安価な食肉製品に混入された最も深刻な3つの汚染物質である。これらの細菌は、それらを抑制するための抗生物質に耐えるだけでなく、大規模な工場農場でのずさんな品質管理プロセスからもしばしば逃れている。このように、サルモネラ、ノロウイルス、ボツリヌス症、大腸菌の存在が、セーフウェイ、マクドナルド、ウォルマート、アービーズなどの信頼できるブランドの食肉製品から全国で報告されている。ちなみに、悲しいことに、栄養不足、不健康な生活環境、ワクチンを含む大量の薬に苦しんでいる子どもや高齢者は、これらの細菌に感染した肉に特に感染しやすい。
一般的に、抗生物質を服用すると、すでに体の組織に蓄積されている抗生物質を追加しながら、自分自身を直接攻撃する。同時に、他の病原体を撃退する身体の能力が弱まるため、より強力な抗生物質が必要になる。やがて、継続的な攻撃によって、体のシステムが機能しなくなる―心臓発作、脳卒中、がん、または封じ込められない細菌感染やウイルスなどが考えられる。
CDCは、毎年4800万人が病気になり、128,000人が入院し、3,000人が食品媒介疾患で死亡すると推定している。[4] ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された報告は、一人の命を奪い、11人を入院させた18件の食中毒と、薬剤耐性のサルモネラ菌に汚染されたハンバーガー肉とを関連付けている。汚染された牛肉を辿ると、抗生物質のテトラサイクリンで過剰に処理された穀物を家畜が消費していたサウスダコタ州の農場に行き着いた。
アメリカでは、これらの抗生物質を現在のように動物にまで使用するコストは非常に高いものになっている。米国で使用される抗生物質の80%は家畜用である[5]。豚が最も多く(43%)、次いで牛(41%)である。
食用動物に使用される大量の抗生物質には問題があるのだろうか? もちろんある。おそらく問題があるから、FDAが動物への抗生物質使用に関するデータの公表を拒否したことで訴訟を起こされたのだろう。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症が爆発的に増加した主な原因は、食糧供給と人口が抗生物質で飽和しているためである。年間約120万人の入院患者がMRSAに感染しており[6]、MRSAの集団感染による死亡率は36%である[7]。
この数字が示唆するように、これらの工場農場を経営する強硬な事業家たちは、家畜に抗生物質を軽々しく、あるいは注意深く管理された方法で投与しているわけではない。彼らは事業存続のため、抗生物質の投与に依存しているのだ。抗生物質は、食肉や酪農の家畜が不衛生で有害な環境で生活させられているために蔓延する病気を食い止めるために、定期的に投与される。もしこれらの家畜に大量の医薬品を投与しなければ、屠殺用の「健康な」家畜ははるかに少なくなっていただろう。しかし、子牛の場合、投薬には第二の理由がある。子牛の中には、子牛を調理して食べる人たちが好む白く淡白な肉を生産するために、鉄分を奪われ貧血状態にされる牛がいる。病弱な子牛はあらゆる感染症の餌食となるが、抗生物質がそれを食い止めるのだ。
その結果、アメリカ人は毎日何度も抗生物質を食事から摂取していることになる。これは、動物への抗生物質の使用管理が厳しいヨーロッパに比べ、はるかに高い数値である。抗生物質は予防的に使用されるだけでなく、動物が特定の病気、例えば、レプロスピラ症、パルボウイルス、丹毒、大腸菌感染症、アトピー性鼻炎、胃腸炎、ペルフリンゲンス菌、仮性狂犬病などにかかった場合にも供給される。
新しい耐性菌の中でも特に悪名高いのが腸球菌である。ある研究では、肉、乳製品、鶏肉を含む食品から検出された腸球菌の高い割合が、テトラサイクリン(30%以上が耐性)、エリスロマイシン(20%以上が耐性)、ストレプトマイシン(10%以上が耐性)といった一般的な抗菌剤に耐性を持っていた。さらにショッキングなことに、わずか0.7%の菌株が、市場で最も強力な抗生物質のひとつであるシプロフラキシンに耐性を示した。
世界保健機関(WHO)は、「感染症は近い将来、既存の薬では抑えきれなくなる」と警告を発している。抗生物質耐性はこの傾向の大きな要因のひとつであり、抗生物質を家畜に与え、それが肉食動物の食事に混入することは、超耐性病原体の発生傾向に少なからず関与している。
抗生物質であれ何であれ、動物に投与される薬剤の乱用がもたらす他の厳しい結果をいくつか挙げてみよう。そのひとつは、動物に投与される多くの添加物が、人間に対する安全性をテストされていないことである。もし動物が屠殺されるかなり前に抗生物質の投与を中止する、するとその痕跡が肉に残ることはないと誤って考えられているからである。例えば、市場に出荷される豚を大きくするために使用され、屠殺される1カ月ほど前に食餌から取り除かれるホルモン剤カルバドックスや、豚の生化学を脂肪生産から肉生産に移行させるために投与される薬剤ペイリーンである。もちろん、それは進取的な製薬会社や彼らが支配する政府の規制機関にとっては有益なものだ。
最もショッキングなことは、これらの抗生物質やその他の薬剤が陸上動物の肉を通して肉食動物に届かない場合、肉食動物が知らず知らずのうちに海から摂取している可能性があるということだ。産業廃棄物の流出や投棄によって、薬剤が海に流出し、その結果、漁獲される海洋生物はかつてないほど有毒になっている。そのため、魚介類が呼吸する水に抗生物質の痕跡を接触させている可能性があり、現在の抗生物質耐性を助長している可能性がある。
残念ながら、食肉・乳製品業界は、どの製品が抗生物質やその他の医薬品で処理され、どの製品がされていないかを消費者に知らせる義務はない。[8]さらに言えば、彼らは肉が工場で製造されたクローンから来ているかどうかを私たちに知らせる必要さえない。
このすべてについて最初に疑問に思うかもしれないのは、なぜ私たちの健康を守る責任を負っている政府機関がこれについて何もしないのかということだ。
信じられないかもしれないが、FDAは実際に抗生物質を禁止しようとしたことがある。1977年、FDAは畜産業における抗生物質の使用を禁止しようとしたが、当時最大の畜産用抗生物質メーカーであったアメリカン・サイアナミッド社[9]をはじめとする強力な畜産・製薬企業のロビー活動によって、その努力は失敗に終わった。それは、政府が裕福で自由にお金を使う企業に腰砕けになった残念な話だ。彼らは当時も現在も同じ主張をしている―業界寄りの米国農務局連盟が言うように―抗生物質の広範な使用を制限することは肉のコストの跳ね上がりを引き起こす、というものだ。そして、これらの化学物質の広範な使用に起因する追加的な病気で不必要に苦しんでいる人々が負担している膨大な医療費を算入しないことを私たちは知っている。そうすることは彼らの利益にならないから、もちろん、彼らは算入しない。
最近の抗生物質候補としては、鶏の飼料に広く使われているバンベルマイシンがある。全米ブロイラー協会によれば、この抗生物質には健康上のリスクはないという。ちなみに、これは人間の健康や体の仕組みについてほとんど知らない業界擁護者から得られる典型的な回答である。しかし、これらの薬剤が導入されたとき、その短期的あるいは長期的な健康リスクについて確実に知っている者はいない。全米資源保護評議会の生化学者は、「すべての抗生物質は(新しいものであっても)いずれ耐性が生じる可能性がある」と考えている[10]。また、新しいもののひとつであるクロラムフェニコールは、低用量であっても、骨髄での赤血球の産生を妨げる致命的な病気である再生不良性貧血をヒトに誘発することがすでに示されている[11]。
食肉産業がなぜ自慢できるのか、よく理解できるようになった:感染症にかかっても、もう医者に行く必要はありません。私たちの製品を一口食べれば、あらゆる種類の抗生物質が手に入るのですよ。
ホルモン
食肉の安全性についての議論は、かつてFDAが合成ホルモンDES (ジエチルスチルベストロール) の食肉産業での使用を許可したことに触れずには終わらないだろう。DESは牛のサイズと体重を急速に増加させた。平均すると、子牛の体重は約80ポンドで、わずか14日から16日の間に700ポンドから1,200ポンドまで成長する必要がある。対照的に、ホームステッド・オーガニックス社によると、天然の草で育てられた牛が市場に出るには2~4年かかる。[12] FDAが流産や早産のリスクを減らすためにDESを女性に処方することも承認したことを思い出してほしい。子宮内でこの薬剤に曝露した女性および女児では、滅多に発症しない膣腫瘍が40倍増加した。乳癌も有意に増加した。FDAは1971年に女性へのDESの使用を禁止し、その後1972年に同じ理由で牛の飼料へのDESの使用を禁止した。しかし、FDAは、エストロゲン、プロゲステロン、テストステロンなどの合成ステロイドホルモンの牛への使用を許可した。更年期症状の治療のために何百万人もの女性に処方されているこれらのホルモンと全く同じものが、特定のがん、心血管疾患、認知症のリスクを高めることが示されていることが、多くの臨床試験の結果わかってきた。
ホルモンは、繁殖を調節したり、体重増加を促進したりするために米国で使用される主要な添加物の1つである。肉を売る側はともかく、私たちにとってのマイナス面は、合成ホルモンが受け手の動物にがんを引き起こす可能性があることだ。これは通常、肉の市場性に影響を与えないため、畜産のビジネス面ではマイナスにはならない。
家畜によく与えられるエストロゲンホルモンのひとつは、女性が子宮がんや乳がんにかかる確率を高め、子どもの思春期を早める可能性がある。さらに、エストロゲンに似た化合物であるライグロ、女性の月経周期を乱し、妊婦を流産させる可能性のあるプロスタグランジン(家畜全体が同時に排卵するように投与されることが多い)であるルタリゼ、そして最後に、肝臓がんを引き起こす可能性のあるアンドロゲンも挙げられる。
DDTや他の添加物
肉を調理することで、シェフは健康を害する化学物質(HCA)を作り出す。これは例えば、いくつかの文化圏で行われているように、牛肉を生で食べることで回避できるかもしれない。しかし、そんなことをすれば虫、寄生虫、生命を脅かすバクテリアのために、恐ろしい事態になり、結局は死んでしまうかもしれない。さらに言えば、着色料、抗生物質、ホルモン剤などの化学物質や、繁殖段階で家畜に導入される添加物から守るために、(肉食を控える以外に)できることはない。家畜や乳牛は生きている間、化学処理された飼料を大量に与えられている。食肉は分析が難しいだけでなく、政府は500種類以上の化学添加物の使用を許可しながら、これらの化学物質がどのように投与されているかをほとんど監視していないため、特定の食肉にこれらの添加物の痕跡があるかどうかを判断するのは難しい。
食肉を汚染する有害な化学物質の一例として、DDTを見てみよう。この農薬は非常に危険なもので、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』によって、この農薬の発ガン性やその他の危険性が世間に知られるようになり、1972年に禁止された。この農薬は40年代に普及し、30年近くにわたって広範囲に使用された。植物に侵入したDDTは、虫を殺すために散布されたDDTからではなく、土壌から植物に侵入したDDTであることを多くの人は知らない。何十年もの間、毎年DDTが植物に散布され続けた結果、土壌はDDTで飽和状態になった。つまり、農家が植物への散布をやめても、DDTの存在は残り続け、最長で2年から15年続くということだ[13]。次の段階として、家畜が作物を食べ、化学物質を濃縮する。DDTは非常に残留性が高く、世界の他の地域でも、その農業慣行や病害虫防除プログラムの中で、作物や土壌にまだ存在している可能性がある[14]。アメリカ国外でオーガニックでない製品を購入する際には、この点に注意する必要がある。
DDTは食物連鎖によって不注意に家畜に侵入する物質だが、その他にも多くの好ましくない化学物質が意図的に家畜に投与されている。食品添加物の硝酸ナトリウムは、ホットドッグ、ボローニャ、生ハム、ベーコン、ミートスプレッド、ソーセージ、ハムなど、ほとんどの加工肉に発色固定剤として使用されているが、健康にひどく有害である。硝酸塩を摂取すると、ニトロソアミンと呼ばれるガンを引き起こす可能性のある物質が生成される。ビタミンCは一部のニトロソアミンの生成を阻害することが判明しており、ベーコン製造業者の中には、ガンの脅威を少なくするために製品にビタミンCを添加しているところもあるが、ビタミンCの持つ力の約3分の2は調理中に失われてしまう。
そして、こうした医薬品の影響を示す動物性食品は肉だけではない。乳牛に与えたり散布したりした化学物質は乳に入り、鶏に与えたものは卵に入る。つまり、どんな動物性食品を食べるにしても、別メニューの医薬品を摂取せずにはいられないのだ。
その他の添加物
養鶏で使用される特定の添加物の1つは、モネンシンおよびサリノマイシンのようなイオノフォアである。これらの薬は、原虫のアイメリアによって引き起こされる寄生虫症であるコクシジウム症の管理によく使用されている。抗生物質と同じように成長を促進するわけではないが、飼料効率を改善するためにも用いられる。養鶏業者は、消費者に届く前に肉からイオノフォアの残留物を除去するために、回収期間を設けることになっている。高いイオノフォア残基を含む鶏肉の摂取による過剰な暴露は、イオノフォアが細胞内イオン輸送に影響を及ぼすことから、不整脈や神経学的問題など、ヒトに深刻な健康リスクをもたらす可能性がある。これらの化合物は、筋機能および心拍リズムに影響を及ぼす正常なイオン勾配を乱す。農家だけが、適切な休薬期間に関するFDAガイドラインに従うことに責任を負う。しかし、典型的な大規模な工場農場や加工施設では、1日に25万羽から100万羽の鶏を処理能力があり、タイソン・フーズのような最大の施設では、生産のピーク時には1日に200万羽の処理能力があることを考えると、これは希望的観測にすぎない。[15]
動物性食品に含まれる健康を害する添加物のリストをさらに見ていくよりも、動物性食品に含まれる毒素の影響はすぐには現れないという考えを強調することが重要である。ベーコンを一切れ食べて翌日病気になることはない。ルドルフ・バレンタイン博士が説明するように、毒素はゆっくりと、しかし陰湿に作用する。博士は、病気は細胞レベルの毒性から始まると書いている。細胞の毒性と死は、小器官の段階、細胞の段階、臓器の段階と進んでいく。
「ある臓器を構成する細胞のうち、十分な数が死ぬと、その臓器は病気になる」[16]。
グリホサートと遺伝子組換え飼料
ラウンドアップとして知られるグリホサートは、遺伝子組み換え(GM)作物栽培に広く使用されている除草剤である。この除草剤を人間が直接、あるいは大豆やトウモロコシのような遺伝子組み換え穀物を与えた家畜の肉を通して間接的に摂取した場合、重大な健康被害をもたらすことが明らかになっている。土壌の質、温度、微生物の活動にもよるが、数ヶ月の寿命を持ち、動物の組織、特に脂肪、肝臓、腎臓に蓄積される。グリホサートが多く残留する遺伝子組み換え穀物を食べた家畜の肉や内臓を人間が食べると、これらの化学物質が再凝集するという研究結果もある[17]。
ロバート・ケネディ・ジュニアは、グリホサートの製造元であるモンサント社に対する画期的な訴訟や、グリホサートとガンとの関連性に関する訴訟において、極めて重要な役割を果たした。グリホサートに長期間さらされ、非ホジキンリンパ腫に罹患した原告に陪審員が数百万ドルの損害賠償を命じたケースなど、画期的な評決の獲得に貢献した。最も注目すべき勝訴例は、グリホサートへの長期暴露後に非ホジキンリンパ腫を発症した学校の校庭管理人、デウェイン・ジョンソンのケースである。陪審団は、モンサント社が悪意を持って行動し、消費者にグリホサートの発がんリスクを警告しなかったとして、ジョンソンに2億8900万ドルの損害賠償を命じた(後に減額)。会社の内部文書により、モンサント社が科学的研究を意図的に抑制し、規制機関を操作しようとしていたことが明らかになった。彼の訴訟活動は、モンサント社がグリホサートの安全性に関する証拠を抑圧し、世論を操作してきた長い歴史を浮き彫りにした[18]。
非ホジキンリンパ腫やその他の癌に加えて、グリホサートは、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患、リーキーガット症候群に関連する状態である腸内細菌叢の形成異常(dysbiosis)につながる腸内細菌叢を破壊することによって、胃腸障害の一因となることが示されている。シダーズ・サイナイによると、IBSの有病率は、アメリカの子供や青年において着実に増加している。IBSは小児の約10~15%が罹患しており、その主な原因は食事と有害な腸内細菌叢の変化である[20]。
この除草剤はまた、正常な発育を阻害し、生殖能力を低下させる可能性のあるホルモン分泌経路に干渉することが示されている[21]。アメリカの子どもの約10%が何らかの内分泌かく乱作用の影響を受けており、例えば思春期の始まりに影響を及ぼしているが、これは環境や食事に含まれる化学内分泌かく乱物質の多さと確実に関連している[22]。さらに、小児の非アルコール性脂肪性肝疾患は2020年以降30%急増し、慢性腎臓病は今や子ども1,000人に1人が罹患している。この疾患もまた、食事性毒素、グリホサートの生物濃縮、不適切な食生活、代謝症候群と関連している[23]。
同様に、グリホサートが豊富な遺伝子組み換え穀物を食べた動物は、肉に高い残留物を蓄積する。遺伝子組み換え穀物に見られる変化したタンパク質プロファイルは、アレルギーを誘発し、病原性細菌を増殖させることで腸内細菌叢を乱す可能性がある[24]。
グリホサートと遺伝子組み換え穀物飼料で飼育された食肉は、ヒトの健康に重大なリスクをもたらすため、公衆衛生を改善するための食生活と政策改革が緊急に必要であることを浮き彫りにしている。オーガニックで遺伝子組み換えでない畜産物を摂取することで、グリホサート残留物とそれに関連するリスクへの暴露を軽減することができる。
農薬...そして水供給との関連
農薬は小さな健康問題ではない。アメリカでは、農場や家庭の庭、事業所、公園などで毎年10億ポンド以上の農薬が使用されている。監視団体Beyond Pesticidesによると、「UA農場では、トウモロコシおよび大豆にクロチアニジン、チアメトキサム、イミダクロプリドの三つのネオニコチノイド (ネオニクス) を260万ポンド使用した。ファーマは150万ポンド近くを飼料生産だけに費やした。」[25] 米国では年間10万人以上が農薬中毒にかかっていると推定されており、農家や農場労働者だけでなく、毎日の食事で知らず知らずのうちに農薬を摂取している他の数え切れない数の人々がいる。肉や乳製品を汚染する最も一般的な農薬は、グリホサート、アトラジン、ジカンバ、2, 4-D、ネオニコチノイド、ビフェントリンである。
では、私たちはどれだけの農薬をどこから得ているのだろうか? そしてそれはどこから来るのだろうか?
平均的なアメリカ人の1日の農薬摂取量は2.5 mgから5.0 mgの間であり、毎年1.8グラム以上に蓄積される。[26] このうち約4 mgが脂肪組織に貯蔵され、頭痛、疲労、筋肉痛、発熱などの毒性症状を引き起こす可能性がある。肉食をよしとする人たちは異議を唱えるかもしれない。「菜食主義者たちだって植物性食品からこれだけの致死的残留物を摂取しているかもしれない」と言って。しかし、微量の農薬を含む大豆やトウモロコシの飼料を牛が摂取すると、毒の多くが動物の脂肪組織に恒久的に定着することを考慮してほしい。この牛のTボーンを食べた人は、濃縮された量の有毒な残留物を摂取する。比較すると、農薬で処理された大豆を直接食べたほうが、毒素の濃度ははるかに低くなる。
政府の報告書によれば、米国で食べられている肉や鶏肉の6分の1が、「潜在的に有害な動物用医薬品、農薬、環境汚染物質の残留物 」を含んでいると推定されている。報告書はさらに、食肉や鶏肉製品から検出される約200種類の既知の薬物や農薬のうち、「42種類がガンの原因、またはその疑いがある、20種類が先天性異常の原因、6種類が突然変異の原因、6種類が胎児への悪影響の原因、その他が同様の毒性作用の原因である」と指摘している。
これらの毒はまた、湖、小川、河川への流出を通じて水供給を汚染する。The New Farm誌によると、この膨大な量の流失は、「約3900万人が暮らすアメリカの農村部の63%に浸透しており、そこでは安全でない可能性のある水を飲むことになる」という。これと同じ水が、屠殺と消費に供される動物に与えられるのだ。
さらに調査を進めると、農薬に汚染された水を飲んでいる人たちが全国に広がっていることがわかった。西部の農村部では4分の3が、南部と北中部の州では65%が、北東部では45%が、この過度に汚染された飲料を飲んでいる。さらに悪いことに、これらの農薬とともに、以下のような健康を破壊する物質も含まれている:
■リンデン:中枢神経系に作用する有害な殺虫剤。
■水銀:腎臓や神経に障害を起こすことが知られている。
■カドミウム:高血圧や腎臓障害を引き起こす有毒金属。
■鉛:神経系と腎臓を損傷することが知られている。
■硝酸塩:ガンの原因となるニトロソアミンの化学的前駆体。
肉や乳製品に含まれるこれらの汚染物質を、これまで詳しく調べ上げてきたが、今度は連邦政府の保健当局者に、代替食品ピラミッドを作成し、その上で販売している製品の「特徴」を強調するよう提案することができるかもしれない。それには肉や乳製品といったカテゴリーの代わりに、農薬、染料、抗生物質、防腐剤も加えなければならないだろう。
「自然な」毒素
肉に細菌が入る可能性を無視したり、他の汚染物質を考えない、ということがあってはならない。
動物は、人間もそうだが、組織や細胞から老廃物を周囲の血液に排出し続けている。この自然なプロセスは、動物が屠殺されると突然止まる。その時に存在していた老廃物はそのままで、私たちはその肉を食べるときにそれを摂取する。肺、膀胱、腎臓、汗腺、肝臓など、私たちの体のさまざまな排泄器官は、そのような老廃物を処理するのに長けているはずだと言うかも知れない。しかし、使い古された細胞や消化の副産物を取り除くためにすでに消費されている彼らの仕事量を増やすのは賢明なことだろうか? 私たちの臓器は、過負荷になると、いくつかの変性疾患のいずれかを発症することによって反応するだろう。[27]
肉が消化管に長く残りすぎることの危険性が知られている。腐敗し始め、有害ガス、頭痛、嗜眠などの症状を引き起こす可能性がある。しかし、肉は食べる前に外で腐敗することもある。果物や野菜とは異なり、肉は動物が死んだ瞬間から劣化し始め、加工、包装、市場や肉屋への輸送中に劣化し続ける。屠殺後、去勢牛は切断され、冷蔵倉庫に移される。肉の一部はその後、柔らかくするためにしばらく熟成させることがある。肉は最終的に包装のためにスーパーマーケットに送られる前に、倉庫で保管されることがある。もちろん冷蔵されると劣化は遅くなるが、処理するための一定時間は冷やされない。
重要なのは、肉を冷蔵庫から出したままにしていた時間は、細菌が狂ったように増殖していたということだ。室温で20時間保存されたソーセージはグラム当たり7000万個、牛肉はグラム当たり6億5000万個、スモークハムはグラム当たり7億個も生菌が増加する。ミシガン州立大学の人間生態学科は、再加熱した食品には、以前に食品に含まれていた細菌の毒素が含まれている可能性があると警告したことがある。調理によって細菌は死滅するかもしれないが、毒素はまだ存在している可能性があると警告した。[28]
さらに悪いことに、一部の細菌は調理しても死滅しない胞子を形成する。そして、残り物を取っておくと、胞子が発芽して成長する。新しい細菌は、2回目の加熱に耐えられるほど強いかもしれない。さらに、新しい細菌が増殖しなくても、彼らが放出する毒素が周囲に残ってダメージを与える可能性がある。Texas Agricultural Extension Serviceのアル・ワグナー博士は、特定の細菌について、「調理によって細菌は破壊されるが、生成される毒素は熱に安定であり、破壊されない可能性がある」と述べて、この考えを支持している[29] 。肉に残された細菌毒素は、ウイルスや細菌などの脅威を攻撃するために不可欠な細胞メカニズムに影響を与えることによって、体の免疫反応を停止させる場合がある。[30]
動物性食品の摂取によって私たちが直面する危険よりも、さらに大きな危険がある。それは、動物性食品を含まない、より健康的な植物ベースのライフスタイルに向けて私たちが行動しないことである。そう、現在の工場農業の慣行に終止符を打つことには非常に現実的な健康上の理由がある。しかし、国民はだれでも、食事に関連する病気のリスクを減らすために肉の摂取量を減らすことができるのだ。
*
リチャード・ゲイル(Richard Gale)はプログレッシブ・ラジオ・ネットワークのエグゼクティブ・プロデューサーであり、バイオテクノロジーおよびゲノム産業の元シニア・リサーチ・アナリスト。
ゲイリー・ヌル(Gary Null)博士は、オルタナティブと栄養健康に関する全米で最も長く続いている公共ラジオ番組の司会者であり、最近のラスト・コールトゥ・トゥモローなど、数々の賞を受賞したドキュメンタリー映画監督でもある。
彼らはGlobal Researchに定期的に寄稿している。
Notes
[1] Than K, “Organophosphates: A common but deadly pesticide,” National Geographic (National Geographic Society), July 2013
[2] Blaylock R (ed). “The Great Cancer Lie: It is Preventable and Beatable,” Blaylock Wellness Report. October, 2008.
[3] Pommer K, “New Proteoloytic enzymes for the production of savory ingredients,” Cereal Foods World, 40 (1995):745-748.
[4] FDA. “Estimates of foodborne illness in the United States.” https://www.cdc.gov/foodborneburden/index.html
[5] “Around 160,000 tons of antibiotics are fed to farm animals annually in 2020” The World Counts. https://www.theworldcounts.com/challenges/consumption/foods-and-beverages/antibiotics-used-for-livestock
[6] “MRSA: Methicillin Resistant Staphylococcus aureus,” South Carolina Department of Public Health. https://dph.sc.gov/diseases-conditions/infectious-diseases/insect-or-animal-borne-disease/mrsa-methicillin-resistant
[7] University of Florida. “Silent MRSA carriers have twice the mortality rate of adults without the bacteria.” UFHealth. March 29, 2021. https://ufhealth.org/news/2021/uf-study-silent-mrsa-carriers-have-twice-mortality-rate-adults-without-bacteria
[8] Barnard N. “Meat Too Tough to Eat,” The Hartford Courant, 28 Aug. 2006.
[9] “Antibiotics Can Lead to Tainted Meat,” USA Today, 6 Sept. 1984.
[10] “Chloramphenicol Use by Cattlemen Said to Be Dangerous,” Vegetarian Times. September 1984: 6.
[11] Ibid.
[12] “From Field to Feeder: Beef Cattle,” Homestead Organics, 2003.
[13] “Pesticide Environmental Fate One Line Summary: DDT,” (Washington, DC.: US Environmental Protection Agency,1989); Augustijn-Beckers et al., “SCS/ARS/CES Pesticide Properties Database for Environmental Decisionmaking II,” Additional Properties Reviews of Environmental Contamination and Toxicology, 1994; Vol. 137.
[14] “Persistent Bioaccumulative and Toxic (PBT) Chemical Program: DDT,” US Environmental Protection Agency, http://www.epa.gov/pbt/pubs/ddt.htm.
[15] USDA National Agricultural Statistics Service (NASS). Poultry Slaughter Report 2023. U.S. Department of Agriculture.
[16] Ballentine R, “Dietary Suggestions for Chronic Pain,” http://www.holistichealthservices.com/research/chronic_pain.html.
[17] Swarthout JT, Loiseau G, Laurent S, et al. (2021). Residues of glyphosate in food and dietary exposure. Comprehensive Reviews in Food Science and Food Safety, 2021; 20(5): 5226–5257.
[18] Gillam C. Dewayne Johnson’s Case Against Monsanto: A Landmark Trial Over Roundup Weed Killer and Cancer. The Guardian. 2018
[19] Antoniou MN, Habib ME, Howard CV, et al. I”mpacts of dietary exposure to pesticides on faecal microbiome metabolism in adult twins.” Environmental Health, 2022; 21(1), Article 46.
[20] Cedars-Sinai. “Study: Prevalence of IBS Exceeds Previous Estimates”. Cedars-Sinai Newsroom. 2022
[21] Schoeters G, Baeyens W, Colles A. “Glyphosate and AMPA in human urine of HBM4EU-aligned studies: Part B Adults.” Toxics, 2022; 10(10), Article 552.
[22] Kishi R. ”Environmental Chemical Exposure and Its Effects on Infants’ Reproductive Hormones”. Nihon Eiseigaku Zasshi, 2018; 73(3): 313–321.
[23] Małyszko J., et al. “Cognitive impairment in patients awaiting kidney and liver transplantation: A clinically relevant problem?” Brain and Behavior, 2024; 14(8), e3647.
[24] European Food Safety Authority (EFSA). Assessment of genetically modified oilseed rape 73496 for food and feed uses, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA-GMO-NL-2012-109). EFSA Journal, 2021; 19(6), e06610.
[25] “Pesticide use on crops for meat and dairy feed further threatens endangered species.” Beyond Pesticides, March 1, 2022.
[26] Swarthout JT, et al. “Residues of glyphosate in food and dietary exposure.” Comprehensive Reviews in Food Science and Food Safety, 2021; 20(5), 5226–5257.
[27] Liebstein AM, Ehmki NL. “The Case for Vegetarianism,” American Mercury (April 1950): 27.
[28] Fraser A, et al., “What you can’t see, can’t hurt. Your kids and you! Preventing food-borne illness in your child care center or day care home,” Michigan State University, 1995. http://web2.msue.msu.edu/bulletins/Bulletin/PDF/E2568.pdf.
[29] Wagner AB, “Bacterial Food Poisoning,” Texas A&M University. http://aggie- horticulture.tamu.edu/extension/poison.html.
[30] University of Pennsylvania School of Medicine, “Bacterial Toxin Closes Gate On Immune Response, Researchers Discover,” Science Daily, 2008.
The Dangers Lurking in Animal-Based Foods: Harmful Additives, Synthetic Hormones, Colorings, Antibiotics, Glyphosate
筆者:リチャード・ゲイル(Richard Gale)とゲアリー・ヌル(Gary Null)博士
出典:Global Research 2024年11月25日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年12月3日
米国農務省(USDA)は70年以上にわたり、アメリカ人の食生活の枠組みを形成し、国民の健康を維持するための食品ガイドラインを作成してきた。FDA(食品医薬品局)と並んで、食品の安全性を規制し、私たちの食事が信頼できる供給源からバランスよく摂取されたタンパク質、脂肪、炭水化物で構成されていることを保証する責任を担っている。しかし、前の世代の健康状況を振り返ってみると、当時と現在とでは対照的であり、公衆衛生と食生活の規範における不穏な軌跡を浮き彫りにしている。
1940年代から1960年代にかけて成人を迎えた団塊世代や X世代は、はしか、おたふくかぜ、水疱瘡といった小児期の病気が一般的だったが、大きな合併症を起こすことなく治癒し、子どもたちが生涯免疫力を保った時代を思い起こす。学校では家庭科の授業を通じて米国農務省の栄養ガイドラインが重視され、子どもたちは活動的な生活を送り、体力を養った。裏庭の「勝利の庭」*は、新鮮な農産物を栽培する文化的規範の一例であり、身体汚染(環境毒素が健康に与える累積的影響)という概念はほとんどなかった。肥満、自閉症、喘息、糖尿病、自己免疫疾患、慢性炎症性疾患はまれで、ほとんど存在しなかった。
「勝利の庭」*・・・戦時中の国々で行われた庭や公園を使用し、野菜・ハーブ・果物などを栽培する農園の事である。アメリカ、イギリス、カナダ等では、勝利の庭(Victory garden、ビクトリーガーデン)、戦時農園(war gardens)、防衛のための食料庭園(food gardens for defense)という語が使用される。(ウィキペディア)
対照的に、今日の若者は肥満の蔓延と、C、D、E、亜鉛、マグネシウムといった重要なビタミンやミネラルを含む栄養不足に直面している。肥満だけで年間33万5千人が死亡し、2千6百億ドル以上の医療費がかかり、数百万人の障害調整生存年数の損失につながっている。Lancet誌に発表された予測では、2050年までに成人の80%、15〜24歳の若者の40%近くが太りすぎか肥満になるという厳しい未来が予測されている。ティーンエイジャーはますます不健康になり、スポーツをしたり、兵役につくのに苦労するようになる。衝撃的なことに、今日の子供たちの多くは親より長生きできないかもしれない。
同様に厄介なのは、若者の間で精神衛生上の危機が急増していることだ。10代の自殺率は上昇を続けており、10代の20%が自傷行為を考えている。これは、それ以前の世代ではほとんど記憶に残っていない現象だ。しかし、セロトニン阻害薬の普及は、この流れを止めるにはほとんど役に立たず、より深刻なシステム上の問題を示している。
ワシントンD.C.にあるジェイミー・L・ウィッテン・ビルは、現在のUSDA本部。(Licensed under CC BY-SA 3.0)
その主な原因は、食品の非自然化と工業的過剰加工である。今日の食生活には、有害な添加物、過剰な塩分、高フルクトース・コーンシロップのような不健康な甘味料、そして永遠の化学物質、マイクロプラスチック、遺伝子組み換え作物(GMO)など、多くの汚染物質が蔓延している。米国農務省や食品医薬品局(FDA)などの規制機関は、しばしば利益相反にまみれた諮問委員会の後ろ盾を得て、これらの疑わしい慣行を繰り返し支持し、保護してきた。莫大な富と権力を振りかざす民間企業が、アメリカ人の消費を支配し、食生活は新鮮で栄養価の高い食材を欠いた状態にしておく。
この危機は、連邦政府保健機関の指導者たちの問題パターンを浮き彫りにしている。多くの場合、権威ある研究機関出身の医療専門家がスタッフを務めているが、彼らは意味のある改革を実施できずにいる。こうした指導者たちは、本来すべきこともせず、食品供給を支配し、公衆衛生を損なう企業の支配に異議を唱えることができないか、あるいはその気がない。
写真:ロバート・ケネディ・Jr
ロバート・ケネディ・ジュニアは、そのユニークな資質と数十年にわたる法学者・活動家としてのキャリアから、保健福祉省を率いる比類なき候補者である。前任者たちとは異なり、ケネディはアメリカの健康危機の核心である組織の腐敗を特定し、それに対抗してきた歴史を持つ。伝統的な医学者や学者としての肩書きはないが、連邦医療機関を悩ませている制度的問題に対する深い理解と、変革のためのビジョンを持っている。彼のリーダーシップがあれば、規制の不備に対処できるだけでなく、より健康的なライフスタイルを促進し、国の食料・農業政策をより厳しく監視することができるだろう。
この可能性を考慮すると、アメリカの食生活を支配している動物性食品がもたらす危険性を調べることは、より広範な健康への影響を理解するための重要な一歩である。肉食を中心としたアメリカ人の主食は毒素や化学残留物を含んでおり、以下の議論で検討するように、公衆衛生に広範な影響を及ぼす。
動物性食品に潜む危険性
食肉添加物
適切な言葉はないが、この国の食料品店やレストランで売られている食肉は、ホルモン剤、抗生物質、精神安定剤、防腐剤、添加物、殺虫剤で「散々」にされた家畜のものであり、栄養的というよりも、ほとんど医薬品である。これらの添加毒素は、健康への長期的な悪影響に関係している。例えば、猛毒の有機リン剤と脳障害である。ヒトの脳波から、たった一度の暴露が乳児の脳の電気的活動を何年にもわたって変化させ、異常行動や学習パターンを引き起こす可能性があることが示された。ハーバード・メディカル・スクールが行なった研究では、次のように結論づけられた。
「有機リン系農薬は長期的な脳障害を引き起こす危険な可能性がある」。
余談だが、有機リン酸塩は性欲を減退させ、集中力を低下させ、記憶喪失、統合失調症、うつ病、神経過敏などを引き起こす。さらに、米国環境保護庁は、一般向けの入手を制限する措置を講じている。[1]
そのひとつが、食肉を美しく見せるための着色料である。おそらくこれらの着色料を使用することは、ヌルヌルした茶色がかった緑色の腐ったような肉をそのままの状態で売ろうとすれば、大勢の消費者を失うから、という業界の暗黙の了解なのだろう。葬儀屋のように、食肉加工業者もこの有機物を人工的に処理し、生命の色を与える。牛肉や豚肉には赤や紫の色素が添加され、鶏の肉色を良くするために鶏の飼料には黄色の色素が入れられている。
食品産業で使用される合成着色料の大半はコールタールから派生したものである。一部の色素は、政府の最低基準を満たしていることを意味する「米国認証」のラベルが貼られていても、安全性テストが十分に行なわれておらず、その一部は、発ガン率の増加や、動物の先天性欠損症、死産、不妊につながる生殖障害と関連している。ホットドッグやソーセージなどの加工肉に使用される赤色40号(アリュラ・レッドAC)は、小児多動性やじんましんとの関連が指摘されており、動物では発がん性の可能性が示されている。虫を粉砕して得られる天然色素で、加工肉にも使用されるカルミンは、紅斑、血管浮腫、気管支痙攣、アレルギー性細気管支炎など、さまざまな反応を引き起こす。
食肉業界にとって、より必要な化学物質群は、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)とブチルヒドロキシアニソール(BRA)という石油から得られる防腐剤である。これらは肉の脂肪が腐敗するのを防ぐ。ラード、鶏脂、バター、クリーム、ベーコン、ソーセージ、コールドカット、牛乳、植物油、ポテトチップス、ピーナッツバター、ショートニング、レーズン、朝食用シリアル、チューインガムなど、あらゆるところに含まれている。業界は製品の賞味期限を延ばすためにこの油脂に頼っているが、その毒性は皮膚の水ぶくれ、疲労、目の出血、呼吸器系の問題などに関連しており、安全とは言い難い。
問題のある他の添加物:
■人工香料(発がん性が証明されているものもある)
■油脂の酸化を防ぐために使用されるEDTAは、大量に摂取すると細胞を死滅させる可能性がある
■グルタミン酸ナトリウム(MSG):俗に「中華料理店症候群」と呼ばれる頭痛、胸のつかえ、集中力の低下、疲労感を引き起こす可能性のある旨味調味料で、MSGはどのような形であれ、がんを悪化させるという証拠もあり[2]、酸加水分解法で製造された場合はがんを引き起こす物質を含む[3]。
抗生物質
抗生物質の過剰使用は、医療や食肉・水産業界全体に蔓延している。私たちの多くは、抗生物質が脅威となる有害なバクテリアから命を救うという意味で「良いもの」だと考え、実際過剰に使用しても、私たちの体にとって危険なものではないという誤った考えを持っている。
関連記事:The USDA Permits the Dangers Lurking in Animal-Based Foods. Fish and Dairy Additives, Microplastics, Improper Meat Handling…
動物(牛、豚、鶏など)にも人間にも抗生物質が過剰に使用され、それに対処するための薬剤に対して厳しい耐性を持つ、より強力な新種の細菌が発生していることは、ニュースに関心のある方ならご存知だろう。生物の環境条件への適応能力は、継続的かつ現在進行中の活動であり、だからこそ科学の多くは、戦うべき新たな「虫」や「害虫」(農薬を考えてみよう)を中心に定期的に自らの組織を編成しているのである。薬剤耐性菌や 「スーパーバグ」は、こうして私たちの食品中に誕生するのである。
抗生物質は動物飼育に広く使われているため、典型的なアメリカ人のように1日3回肉を食べると、時間の経過とともに血流や組織にこれらの毒素が蓄積される。このような汚染された動物を食べる人は、その動物で発生した抗生物質耐性菌を摂取している可能性もあり、病気のリスクが高まる。
ある研究では、ミネソタ州の食料品店の製品が検査され、肉サンプル、特に七面鳥に耐性菌が検出された。消費者は、自分たちの「食品」がリステリア菌、大腸菌、サルモネラ菌に感染していることを知ったら驚くだろう。これらは、過去20年間に安価な食肉製品に混入された最も深刻な3つの汚染物質である。これらの細菌は、それらを抑制するための抗生物質に耐えるだけでなく、大規模な工場農場でのずさんな品質管理プロセスからもしばしば逃れている。このように、サルモネラ、ノロウイルス、ボツリヌス症、大腸菌の存在が、セーフウェイ、マクドナルド、ウォルマート、アービーズなどの信頼できるブランドの食肉製品から全国で報告されている。ちなみに、悲しいことに、栄養不足、不健康な生活環境、ワクチンを含む大量の薬に苦しんでいる子どもや高齢者は、これらの細菌に感染した肉に特に感染しやすい。
一般的に、抗生物質を服用すると、すでに体の組織に蓄積されている抗生物質を追加しながら、自分自身を直接攻撃する。同時に、他の病原体を撃退する身体の能力が弱まるため、より強力な抗生物質が必要になる。やがて、継続的な攻撃によって、体のシステムが機能しなくなる―心臓発作、脳卒中、がん、または封じ込められない細菌感染やウイルスなどが考えられる。
CDCは、毎年4800万人が病気になり、128,000人が入院し、3,000人が食品媒介疾患で死亡すると推定している。[4] ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された報告は、一人の命を奪い、11人を入院させた18件の食中毒と、薬剤耐性のサルモネラ菌に汚染されたハンバーガー肉とを関連付けている。汚染された牛肉を辿ると、抗生物質のテトラサイクリンで過剰に処理された穀物を家畜が消費していたサウスダコタ州の農場に行き着いた。
アメリカでは、これらの抗生物質を現在のように動物にまで使用するコストは非常に高いものになっている。米国で使用される抗生物質の80%は家畜用である[5]。豚が最も多く(43%)、次いで牛(41%)である。
食用動物に使用される大量の抗生物質には問題があるのだろうか? もちろんある。おそらく問題があるから、FDAが動物への抗生物質使用に関するデータの公表を拒否したことで訴訟を起こされたのだろう。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症が爆発的に増加した主な原因は、食糧供給と人口が抗生物質で飽和しているためである。年間約120万人の入院患者がMRSAに感染しており[6]、MRSAの集団感染による死亡率は36%である[7]。
この数字が示唆するように、これらの工場農場を経営する強硬な事業家たちは、家畜に抗生物質を軽々しく、あるいは注意深く管理された方法で投与しているわけではない。彼らは事業存続のため、抗生物質の投与に依存しているのだ。抗生物質は、食肉や酪農の家畜が不衛生で有害な環境で生活させられているために蔓延する病気を食い止めるために、定期的に投与される。もしこれらの家畜に大量の医薬品を投与しなければ、屠殺用の「健康な」家畜ははるかに少なくなっていただろう。しかし、子牛の場合、投薬には第二の理由がある。子牛の中には、子牛を調理して食べる人たちが好む白く淡白な肉を生産するために、鉄分を奪われ貧血状態にされる牛がいる。病弱な子牛はあらゆる感染症の餌食となるが、抗生物質がそれを食い止めるのだ。
その結果、アメリカ人は毎日何度も抗生物質を食事から摂取していることになる。これは、動物への抗生物質の使用管理が厳しいヨーロッパに比べ、はるかに高い数値である。抗生物質は予防的に使用されるだけでなく、動物が特定の病気、例えば、レプロスピラ症、パルボウイルス、丹毒、大腸菌感染症、アトピー性鼻炎、胃腸炎、ペルフリンゲンス菌、仮性狂犬病などにかかった場合にも供給される。
新しい耐性菌の中でも特に悪名高いのが腸球菌である。ある研究では、肉、乳製品、鶏肉を含む食品から検出された腸球菌の高い割合が、テトラサイクリン(30%以上が耐性)、エリスロマイシン(20%以上が耐性)、ストレプトマイシン(10%以上が耐性)といった一般的な抗菌剤に耐性を持っていた。さらにショッキングなことに、わずか0.7%の菌株が、市場で最も強力な抗生物質のひとつであるシプロフラキシンに耐性を示した。
世界保健機関(WHO)は、「感染症は近い将来、既存の薬では抑えきれなくなる」と警告を発している。抗生物質耐性はこの傾向の大きな要因のひとつであり、抗生物質を家畜に与え、それが肉食動物の食事に混入することは、超耐性病原体の発生傾向に少なからず関与している。
抗生物質であれ何であれ、動物に投与される薬剤の乱用がもたらす他の厳しい結果をいくつか挙げてみよう。そのひとつは、動物に投与される多くの添加物が、人間に対する安全性をテストされていないことである。もし動物が屠殺されるかなり前に抗生物質の投与を中止する、するとその痕跡が肉に残ることはないと誤って考えられているからである。例えば、市場に出荷される豚を大きくするために使用され、屠殺される1カ月ほど前に食餌から取り除かれるホルモン剤カルバドックスや、豚の生化学を脂肪生産から肉生産に移行させるために投与される薬剤ペイリーンである。もちろん、それは進取的な製薬会社や彼らが支配する政府の規制機関にとっては有益なものだ。
最もショッキングなことは、これらの抗生物質やその他の薬剤が陸上動物の肉を通して肉食動物に届かない場合、肉食動物が知らず知らずのうちに海から摂取している可能性があるということだ。産業廃棄物の流出や投棄によって、薬剤が海に流出し、その結果、漁獲される海洋生物はかつてないほど有毒になっている。そのため、魚介類が呼吸する水に抗生物質の痕跡を接触させている可能性があり、現在の抗生物質耐性を助長している可能性がある。
残念ながら、食肉・乳製品業界は、どの製品が抗生物質やその他の医薬品で処理され、どの製品がされていないかを消費者に知らせる義務はない。[8]さらに言えば、彼らは肉が工場で製造されたクローンから来ているかどうかを私たちに知らせる必要さえない。
このすべてについて最初に疑問に思うかもしれないのは、なぜ私たちの健康を守る責任を負っている政府機関がこれについて何もしないのかということだ。
信じられないかもしれないが、FDAは実際に抗生物質を禁止しようとしたことがある。1977年、FDAは畜産業における抗生物質の使用を禁止しようとしたが、当時最大の畜産用抗生物質メーカーであったアメリカン・サイアナミッド社[9]をはじめとする強力な畜産・製薬企業のロビー活動によって、その努力は失敗に終わった。それは、政府が裕福で自由にお金を使う企業に腰砕けになった残念な話だ。彼らは当時も現在も同じ主張をしている―業界寄りの米国農務局連盟が言うように―抗生物質の広範な使用を制限することは肉のコストの跳ね上がりを引き起こす、というものだ。そして、これらの化学物質の広範な使用に起因する追加的な病気で不必要に苦しんでいる人々が負担している膨大な医療費を算入しないことを私たちは知っている。そうすることは彼らの利益にならないから、もちろん、彼らは算入しない。
最近の抗生物質候補としては、鶏の飼料に広く使われているバンベルマイシンがある。全米ブロイラー協会によれば、この抗生物質には健康上のリスクはないという。ちなみに、これは人間の健康や体の仕組みについてほとんど知らない業界擁護者から得られる典型的な回答である。しかし、これらの薬剤が導入されたとき、その短期的あるいは長期的な健康リスクについて確実に知っている者はいない。全米資源保護評議会の生化学者は、「すべての抗生物質は(新しいものであっても)いずれ耐性が生じる可能性がある」と考えている[10]。また、新しいもののひとつであるクロラムフェニコールは、低用量であっても、骨髄での赤血球の産生を妨げる致命的な病気である再生不良性貧血をヒトに誘発することがすでに示されている[11]。
食肉産業がなぜ自慢できるのか、よく理解できるようになった:感染症にかかっても、もう医者に行く必要はありません。私たちの製品を一口食べれば、あらゆる種類の抗生物質が手に入るのですよ。
ホルモン
食肉の安全性についての議論は、かつてFDAが合成ホルモンDES (ジエチルスチルベストロール) の食肉産業での使用を許可したことに触れずには終わらないだろう。DESは牛のサイズと体重を急速に増加させた。平均すると、子牛の体重は約80ポンドで、わずか14日から16日の間に700ポンドから1,200ポンドまで成長する必要がある。対照的に、ホームステッド・オーガニックス社によると、天然の草で育てられた牛が市場に出るには2~4年かかる。[12] FDAが流産や早産のリスクを減らすためにDESを女性に処方することも承認したことを思い出してほしい。子宮内でこの薬剤に曝露した女性および女児では、滅多に発症しない膣腫瘍が40倍増加した。乳癌も有意に増加した。FDAは1971年に女性へのDESの使用を禁止し、その後1972年に同じ理由で牛の飼料へのDESの使用を禁止した。しかし、FDAは、エストロゲン、プロゲステロン、テストステロンなどの合成ステロイドホルモンの牛への使用を許可した。更年期症状の治療のために何百万人もの女性に処方されているこれらのホルモンと全く同じものが、特定のがん、心血管疾患、認知症のリスクを高めることが示されていることが、多くの臨床試験の結果わかってきた。
ホルモンは、繁殖を調節したり、体重増加を促進したりするために米国で使用される主要な添加物の1つである。肉を売る側はともかく、私たちにとってのマイナス面は、合成ホルモンが受け手の動物にがんを引き起こす可能性があることだ。これは通常、肉の市場性に影響を与えないため、畜産のビジネス面ではマイナスにはならない。
家畜によく与えられるエストロゲンホルモンのひとつは、女性が子宮がんや乳がんにかかる確率を高め、子どもの思春期を早める可能性がある。さらに、エストロゲンに似た化合物であるライグロ、女性の月経周期を乱し、妊婦を流産させる可能性のあるプロスタグランジン(家畜全体が同時に排卵するように投与されることが多い)であるルタリゼ、そして最後に、肝臓がんを引き起こす可能性のあるアンドロゲンも挙げられる。
DDTや他の添加物
肉を調理することで、シェフは健康を害する化学物質(HCA)を作り出す。これは例えば、いくつかの文化圏で行われているように、牛肉を生で食べることで回避できるかもしれない。しかし、そんなことをすれば虫、寄生虫、生命を脅かすバクテリアのために、恐ろしい事態になり、結局は死んでしまうかもしれない。さらに言えば、着色料、抗生物質、ホルモン剤などの化学物質や、繁殖段階で家畜に導入される添加物から守るために、(肉食を控える以外に)できることはない。家畜や乳牛は生きている間、化学処理された飼料を大量に与えられている。食肉は分析が難しいだけでなく、政府は500種類以上の化学添加物の使用を許可しながら、これらの化学物質がどのように投与されているかをほとんど監視していないため、特定の食肉にこれらの添加物の痕跡があるかどうかを判断するのは難しい。
食肉を汚染する有害な化学物質の一例として、DDTを見てみよう。この農薬は非常に危険なもので、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』によって、この農薬の発ガン性やその他の危険性が世間に知られるようになり、1972年に禁止された。この農薬は40年代に普及し、30年近くにわたって広範囲に使用された。植物に侵入したDDTは、虫を殺すために散布されたDDTからではなく、土壌から植物に侵入したDDTであることを多くの人は知らない。何十年もの間、毎年DDTが植物に散布され続けた結果、土壌はDDTで飽和状態になった。つまり、農家が植物への散布をやめても、DDTの存在は残り続け、最長で2年から15年続くということだ[13]。次の段階として、家畜が作物を食べ、化学物質を濃縮する。DDTは非常に残留性が高く、世界の他の地域でも、その農業慣行や病害虫防除プログラムの中で、作物や土壌にまだ存在している可能性がある[14]。アメリカ国外でオーガニックでない製品を購入する際には、この点に注意する必要がある。
DDTは食物連鎖によって不注意に家畜に侵入する物質だが、その他にも多くの好ましくない化学物質が意図的に家畜に投与されている。食品添加物の硝酸ナトリウムは、ホットドッグ、ボローニャ、生ハム、ベーコン、ミートスプレッド、ソーセージ、ハムなど、ほとんどの加工肉に発色固定剤として使用されているが、健康にひどく有害である。硝酸塩を摂取すると、ニトロソアミンと呼ばれるガンを引き起こす可能性のある物質が生成される。ビタミンCは一部のニトロソアミンの生成を阻害することが判明しており、ベーコン製造業者の中には、ガンの脅威を少なくするために製品にビタミンCを添加しているところもあるが、ビタミンCの持つ力の約3分の2は調理中に失われてしまう。
そして、こうした医薬品の影響を示す動物性食品は肉だけではない。乳牛に与えたり散布したりした化学物質は乳に入り、鶏に与えたものは卵に入る。つまり、どんな動物性食品を食べるにしても、別メニューの医薬品を摂取せずにはいられないのだ。
その他の添加物
養鶏で使用される特定の添加物の1つは、モネンシンおよびサリノマイシンのようなイオノフォアである。これらの薬は、原虫のアイメリアによって引き起こされる寄生虫症であるコクシジウム症の管理によく使用されている。抗生物質と同じように成長を促進するわけではないが、飼料効率を改善するためにも用いられる。養鶏業者は、消費者に届く前に肉からイオノフォアの残留物を除去するために、回収期間を設けることになっている。高いイオノフォア残基を含む鶏肉の摂取による過剰な暴露は、イオノフォアが細胞内イオン輸送に影響を及ぼすことから、不整脈や神経学的問題など、ヒトに深刻な健康リスクをもたらす可能性がある。これらの化合物は、筋機能および心拍リズムに影響を及ぼす正常なイオン勾配を乱す。農家だけが、適切な休薬期間に関するFDAガイドラインに従うことに責任を負う。しかし、典型的な大規模な工場農場や加工施設では、1日に25万羽から100万羽の鶏を処理能力があり、タイソン・フーズのような最大の施設では、生産のピーク時には1日に200万羽の処理能力があることを考えると、これは希望的観測にすぎない。[15]
動物性食品に含まれる健康を害する添加物のリストをさらに見ていくよりも、動物性食品に含まれる毒素の影響はすぐには現れないという考えを強調することが重要である。ベーコンを一切れ食べて翌日病気になることはない。ルドルフ・バレンタイン博士が説明するように、毒素はゆっくりと、しかし陰湿に作用する。博士は、病気は細胞レベルの毒性から始まると書いている。細胞の毒性と死は、小器官の段階、細胞の段階、臓器の段階と進んでいく。
「ある臓器を構成する細胞のうち、十分な数が死ぬと、その臓器は病気になる」[16]。
グリホサートと遺伝子組換え飼料
ラウンドアップとして知られるグリホサートは、遺伝子組み換え(GM)作物栽培に広く使用されている除草剤である。この除草剤を人間が直接、あるいは大豆やトウモロコシのような遺伝子組み換え穀物を与えた家畜の肉を通して間接的に摂取した場合、重大な健康被害をもたらすことが明らかになっている。土壌の質、温度、微生物の活動にもよるが、数ヶ月の寿命を持ち、動物の組織、特に脂肪、肝臓、腎臓に蓄積される。グリホサートが多く残留する遺伝子組み換え穀物を食べた家畜の肉や内臓を人間が食べると、これらの化学物質が再凝集するという研究結果もある[17]。
ロバート・ケネディ・ジュニアは、グリホサートの製造元であるモンサント社に対する画期的な訴訟や、グリホサートとガンとの関連性に関する訴訟において、極めて重要な役割を果たした。グリホサートに長期間さらされ、非ホジキンリンパ腫に罹患した原告に陪審員が数百万ドルの損害賠償を命じたケースなど、画期的な評決の獲得に貢献した。最も注目すべき勝訴例は、グリホサートへの長期暴露後に非ホジキンリンパ腫を発症した学校の校庭管理人、デウェイン・ジョンソンのケースである。陪審団は、モンサント社が悪意を持って行動し、消費者にグリホサートの発がんリスクを警告しなかったとして、ジョンソンに2億8900万ドルの損害賠償を命じた(後に減額)。会社の内部文書により、モンサント社が科学的研究を意図的に抑制し、規制機関を操作しようとしていたことが明らかになった。彼の訴訟活動は、モンサント社がグリホサートの安全性に関する証拠を抑圧し、世論を操作してきた長い歴史を浮き彫りにした[18]。
非ホジキンリンパ腫やその他の癌に加えて、グリホサートは、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患、リーキーガット症候群に関連する状態である腸内細菌叢の形成異常(dysbiosis)につながる腸内細菌叢を破壊することによって、胃腸障害の一因となることが示されている。シダーズ・サイナイによると、IBSの有病率は、アメリカの子供や青年において着実に増加している。IBSは小児の約10~15%が罹患しており、その主な原因は食事と有害な腸内細菌叢の変化である[20]。
この除草剤はまた、正常な発育を阻害し、生殖能力を低下させる可能性のあるホルモン分泌経路に干渉することが示されている[21]。アメリカの子どもの約10%が何らかの内分泌かく乱作用の影響を受けており、例えば思春期の始まりに影響を及ぼしているが、これは環境や食事に含まれる化学内分泌かく乱物質の多さと確実に関連している[22]。さらに、小児の非アルコール性脂肪性肝疾患は2020年以降30%急増し、慢性腎臓病は今や子ども1,000人に1人が罹患している。この疾患もまた、食事性毒素、グリホサートの生物濃縮、不適切な食生活、代謝症候群と関連している[23]。
同様に、グリホサートが豊富な遺伝子組み換え穀物を食べた動物は、肉に高い残留物を蓄積する。遺伝子組み換え穀物に見られる変化したタンパク質プロファイルは、アレルギーを誘発し、病原性細菌を増殖させることで腸内細菌叢を乱す可能性がある[24]。
グリホサートと遺伝子組み換え穀物飼料で飼育された食肉は、ヒトの健康に重大なリスクをもたらすため、公衆衛生を改善するための食生活と政策改革が緊急に必要であることを浮き彫りにしている。オーガニックで遺伝子組み換えでない畜産物を摂取することで、グリホサート残留物とそれに関連するリスクへの暴露を軽減することができる。
農薬...そして水供給との関連
農薬は小さな健康問題ではない。アメリカでは、農場や家庭の庭、事業所、公園などで毎年10億ポンド以上の農薬が使用されている。監視団体Beyond Pesticidesによると、「UA農場では、トウモロコシおよび大豆にクロチアニジン、チアメトキサム、イミダクロプリドの三つのネオニコチノイド (ネオニクス) を260万ポンド使用した。ファーマは150万ポンド近くを飼料生産だけに費やした。」[25] 米国では年間10万人以上が農薬中毒にかかっていると推定されており、農家や農場労働者だけでなく、毎日の食事で知らず知らずのうちに農薬を摂取している他の数え切れない数の人々がいる。肉や乳製品を汚染する最も一般的な農薬は、グリホサート、アトラジン、ジカンバ、2, 4-D、ネオニコチノイド、ビフェントリンである。
では、私たちはどれだけの農薬をどこから得ているのだろうか? そしてそれはどこから来るのだろうか?
平均的なアメリカ人の1日の農薬摂取量は2.5 mgから5.0 mgの間であり、毎年1.8グラム以上に蓄積される。[26] このうち約4 mgが脂肪組織に貯蔵され、頭痛、疲労、筋肉痛、発熱などの毒性症状を引き起こす可能性がある。肉食をよしとする人たちは異議を唱えるかもしれない。「菜食主義者たちだって植物性食品からこれだけの致死的残留物を摂取しているかもしれない」と言って。しかし、微量の農薬を含む大豆やトウモロコシの飼料を牛が摂取すると、毒の多くが動物の脂肪組織に恒久的に定着することを考慮してほしい。この牛のTボーンを食べた人は、濃縮された量の有毒な残留物を摂取する。比較すると、農薬で処理された大豆を直接食べたほうが、毒素の濃度ははるかに低くなる。
政府の報告書によれば、米国で食べられている肉や鶏肉の6分の1が、「潜在的に有害な動物用医薬品、農薬、環境汚染物質の残留物 」を含んでいると推定されている。報告書はさらに、食肉や鶏肉製品から検出される約200種類の既知の薬物や農薬のうち、「42種類がガンの原因、またはその疑いがある、20種類が先天性異常の原因、6種類が突然変異の原因、6種類が胎児への悪影響の原因、その他が同様の毒性作用の原因である」と指摘している。
これらの毒はまた、湖、小川、河川への流出を通じて水供給を汚染する。The New Farm誌によると、この膨大な量の流失は、「約3900万人が暮らすアメリカの農村部の63%に浸透しており、そこでは安全でない可能性のある水を飲むことになる」という。これと同じ水が、屠殺と消費に供される動物に与えられるのだ。
さらに調査を進めると、農薬に汚染された水を飲んでいる人たちが全国に広がっていることがわかった。西部の農村部では4分の3が、南部と北中部の州では65%が、北東部では45%が、この過度に汚染された飲料を飲んでいる。さらに悪いことに、これらの農薬とともに、以下のような健康を破壊する物質も含まれている:
■リンデン:中枢神経系に作用する有害な殺虫剤。
■水銀:腎臓や神経に障害を起こすことが知られている。
■カドミウム:高血圧や腎臓障害を引き起こす有毒金属。
■鉛:神経系と腎臓を損傷することが知られている。
■硝酸塩:ガンの原因となるニトロソアミンの化学的前駆体。
肉や乳製品に含まれるこれらの汚染物質を、これまで詳しく調べ上げてきたが、今度は連邦政府の保健当局者に、代替食品ピラミッドを作成し、その上で販売している製品の「特徴」を強調するよう提案することができるかもしれない。それには肉や乳製品といったカテゴリーの代わりに、農薬、染料、抗生物質、防腐剤も加えなければならないだろう。
「自然な」毒素
肉に細菌が入る可能性を無視したり、他の汚染物質を考えない、ということがあってはならない。
動物は、人間もそうだが、組織や細胞から老廃物を周囲の血液に排出し続けている。この自然なプロセスは、動物が屠殺されると突然止まる。その時に存在していた老廃物はそのままで、私たちはその肉を食べるときにそれを摂取する。肺、膀胱、腎臓、汗腺、肝臓など、私たちの体のさまざまな排泄器官は、そのような老廃物を処理するのに長けているはずだと言うかも知れない。しかし、使い古された細胞や消化の副産物を取り除くためにすでに消費されている彼らの仕事量を増やすのは賢明なことだろうか? 私たちの臓器は、過負荷になると、いくつかの変性疾患のいずれかを発症することによって反応するだろう。[27]
肉が消化管に長く残りすぎることの危険性が知られている。腐敗し始め、有害ガス、頭痛、嗜眠などの症状を引き起こす可能性がある。しかし、肉は食べる前に外で腐敗することもある。果物や野菜とは異なり、肉は動物が死んだ瞬間から劣化し始め、加工、包装、市場や肉屋への輸送中に劣化し続ける。屠殺後、去勢牛は切断され、冷蔵倉庫に移される。肉の一部はその後、柔らかくするためにしばらく熟成させることがある。肉は最終的に包装のためにスーパーマーケットに送られる前に、倉庫で保管されることがある。もちろん冷蔵されると劣化は遅くなるが、処理するための一定時間は冷やされない。
重要なのは、肉を冷蔵庫から出したままにしていた時間は、細菌が狂ったように増殖していたということだ。室温で20時間保存されたソーセージはグラム当たり7000万個、牛肉はグラム当たり6億5000万個、スモークハムはグラム当たり7億個も生菌が増加する。ミシガン州立大学の人間生態学科は、再加熱した食品には、以前に食品に含まれていた細菌の毒素が含まれている可能性があると警告したことがある。調理によって細菌は死滅するかもしれないが、毒素はまだ存在している可能性があると警告した。[28]
さらに悪いことに、一部の細菌は調理しても死滅しない胞子を形成する。そして、残り物を取っておくと、胞子が発芽して成長する。新しい細菌は、2回目の加熱に耐えられるほど強いかもしれない。さらに、新しい細菌が増殖しなくても、彼らが放出する毒素が周囲に残ってダメージを与える可能性がある。Texas Agricultural Extension Serviceのアル・ワグナー博士は、特定の細菌について、「調理によって細菌は破壊されるが、生成される毒素は熱に安定であり、破壊されない可能性がある」と述べて、この考えを支持している[29] 。肉に残された細菌毒素は、ウイルスや細菌などの脅威を攻撃するために不可欠な細胞メカニズムに影響を与えることによって、体の免疫反応を停止させる場合がある。[30]
動物性食品の摂取によって私たちが直面する危険よりも、さらに大きな危険がある。それは、動物性食品を含まない、より健康的な植物ベースのライフスタイルに向けて私たちが行動しないことである。そう、現在の工場農業の慣行に終止符を打つことには非常に現実的な健康上の理由がある。しかし、国民はだれでも、食事に関連する病気のリスクを減らすために肉の摂取量を減らすことができるのだ。
*
リチャード・ゲイル(Richard Gale)はプログレッシブ・ラジオ・ネットワークのエグゼクティブ・プロデューサーであり、バイオテクノロジーおよびゲノム産業の元シニア・リサーチ・アナリスト。
ゲイリー・ヌル(Gary Null)博士は、オルタナティブと栄養健康に関する全米で最も長く続いている公共ラジオ番組の司会者であり、最近のラスト・コールトゥ・トゥモローなど、数々の賞を受賞したドキュメンタリー映画監督でもある。
彼らはGlobal Researchに定期的に寄稿している。
Notes
[1] Than K, “Organophosphates: A common but deadly pesticide,” National Geographic (National Geographic Society), July 2013
[2] Blaylock R (ed). “The Great Cancer Lie: It is Preventable and Beatable,” Blaylock Wellness Report. October, 2008.
[3] Pommer K, “New Proteoloytic enzymes for the production of savory ingredients,” Cereal Foods World, 40 (1995):745-748.
[4] FDA. “Estimates of foodborne illness in the United States.” https://www.cdc.gov/foodborneburden/index.html
[5] “Around 160,000 tons of antibiotics are fed to farm animals annually in 2020” The World Counts. https://www.theworldcounts.com/challenges/consumption/foods-and-beverages/antibiotics-used-for-livestock
[6] “MRSA: Methicillin Resistant Staphylococcus aureus,” South Carolina Department of Public Health. https://dph.sc.gov/diseases-conditions/infectious-diseases/insect-or-animal-borne-disease/mrsa-methicillin-resistant
[7] University of Florida. “Silent MRSA carriers have twice the mortality rate of adults without the bacteria.” UFHealth. March 29, 2021. https://ufhealth.org/news/2021/uf-study-silent-mrsa-carriers-have-twice-mortality-rate-adults-without-bacteria
[8] Barnard N. “Meat Too Tough to Eat,” The Hartford Courant, 28 Aug. 2006.
[9] “Antibiotics Can Lead to Tainted Meat,” USA Today, 6 Sept. 1984.
[10] “Chloramphenicol Use by Cattlemen Said to Be Dangerous,” Vegetarian Times. September 1984: 6.
[11] Ibid.
[12] “From Field to Feeder: Beef Cattle,” Homestead Organics, 2003.
[13] “Pesticide Environmental Fate One Line Summary: DDT,” (Washington, DC.: US Environmental Protection Agency,1989); Augustijn-Beckers et al., “SCS/ARS/CES Pesticide Properties Database for Environmental Decisionmaking II,” Additional Properties Reviews of Environmental Contamination and Toxicology, 1994; Vol. 137.
[14] “Persistent Bioaccumulative and Toxic (PBT) Chemical Program: DDT,” US Environmental Protection Agency, http://www.epa.gov/pbt/pubs/ddt.htm.
[15] USDA National Agricultural Statistics Service (NASS). Poultry Slaughter Report 2023. U.S. Department of Agriculture.
[16] Ballentine R, “Dietary Suggestions for Chronic Pain,” http://www.holistichealthservices.com/research/chronic_pain.html.
[17] Swarthout JT, Loiseau G, Laurent S, et al. (2021). Residues of glyphosate in food and dietary exposure. Comprehensive Reviews in Food Science and Food Safety, 2021; 20(5): 5226–5257.
[18] Gillam C. Dewayne Johnson’s Case Against Monsanto: A Landmark Trial Over Roundup Weed Killer and Cancer. The Guardian. 2018
[19] Antoniou MN, Habib ME, Howard CV, et al. I”mpacts of dietary exposure to pesticides on faecal microbiome metabolism in adult twins.” Environmental Health, 2022; 21(1), Article 46.
[20] Cedars-Sinai. “Study: Prevalence of IBS Exceeds Previous Estimates”. Cedars-Sinai Newsroom. 2022
[21] Schoeters G, Baeyens W, Colles A. “Glyphosate and AMPA in human urine of HBM4EU-aligned studies: Part B Adults.” Toxics, 2022; 10(10), Article 552.
[22] Kishi R. ”Environmental Chemical Exposure and Its Effects on Infants’ Reproductive Hormones”. Nihon Eiseigaku Zasshi, 2018; 73(3): 313–321.
[23] Małyszko J., et al. “Cognitive impairment in patients awaiting kidney and liver transplantation: A clinically relevant problem?” Brain and Behavior, 2024; 14(8), e3647.
[24] European Food Safety Authority (EFSA). Assessment of genetically modified oilseed rape 73496 for food and feed uses, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA-GMO-NL-2012-109). EFSA Journal, 2021; 19(6), e06610.
[25] “Pesticide use on crops for meat and dairy feed further threatens endangered species.” Beyond Pesticides, March 1, 2022.
[26] Swarthout JT, et al. “Residues of glyphosate in food and dietary exposure.” Comprehensive Reviews in Food Science and Food Safety, 2021; 20(5), 5226–5257.
[27] Liebstein AM, Ehmki NL. “The Case for Vegetarianism,” American Mercury (April 1950): 27.
[28] Fraser A, et al., “What you can’t see, can’t hurt. Your kids and you! Preventing food-borne illness in your child care center or day care home,” Michigan State University, 1995. http://web2.msue.msu.edu/bulletins/Bulletin/PDF/E2568.pdf.
[29] Wagner AB, “Bacterial Food Poisoning,” Texas A&M University. http://aggie- horticulture.tamu.edu/extension/poison.html.
[30] University of Pennsylvania School of Medicine, “Bacterial Toxin Closes Gate On Immune Response, Researchers Discover,” Science Daily, 2008.
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