アフガニスタン - 寺島メソッド翻訳NEWS
FC2ブログ

ガーニー前アフガニスタン大統領のFacebookアカウントが乗っ取られ、タリバン政権の承認とアフガニスタンの海外資産の凍結の解除を国連に訴える内容が投稿された

ガーニー前アフガニスタン大統領のFacebookアカウントが乗っ取られ、タリバン政権の承認とアフガニスタンの海外資産の凍結の解除を国連に訴える内容が投稿された
<記事原文 寺島先生推薦>
Former Afghan president Ghani says Facebook account hacked after post calls on UN to recognize Taliban govt and unfreeze assets

Russia Today 2021年9月27日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年10月15日

 アシュラフ・ガーニー前アフガニスタン大統領によると、自身のFacebookのアカウントが何者かに乗っ取られ、その乗っ取られたアカウントから、①アフガニスタンの新政権との協力と、②アフガニスタンの海外資産の凍結の解除を、国連に求める投稿が行われた、とのことだ。

 9月27日の朝、ガーニー前首相はTwitterに投稿を行い、自身のFacebookのアカウントが乗っ取られた事実を伝え、「アカウントが元に戻るまで、前日から今までにこのアカウントから発せられた情報は信用しないでください」とツイートした。

 ガーニー前首相がツイートを行ったのは、或る投稿(今は消去されている)が自身のFacebookのページに出現したほぼ30分後のことだった。なお、前首相のFacebookにはフォロワーが250万人ほどいる。アカウントを乗っ取ったと思われる投稿者は、アフガニスタンの前指導者になりすまし、アフガニスタンの人々に呼びかけていた。

 その投稿の記載内容によると、アフガニスタンは新政権や、新内閣が確立したにもかかわらず、海外にむけた代表者が前政権の代表者のままであり、その代表者はアフガニスタン国内に混乱の種をまく可能性がある、とのことだった。さらにその主張によれば、国連の常任大使として知られているグラム・モハメッド・イサクザイ大使はアフガニスタン国連大使の座を辞すべきであり、いかなる状況においても彼がアフガニスタンの代表になるべきではない、とのことであった。

 イサクザイ大使が国連に参加しても、「彼を支持する政府や国民は存在しない」とその投稿には書かれていた。さらにその投稿の主張によれば、国連はアフガニスタンの新政権に連絡をとり、新政権を承認すべきだ、としていた。また、国際機関はアフガニスタンの海外資産の凍結を解除し、アフガニスタン国民を支えるべきだ、とも訴えていた。


ALSO ON RT.COM

Deposed president Ghani expresses ‘deep and profound regret’ for fleeing Kabul, swears he did not steal millions of dollars

 「国際社会は、アフガニスタンが発展や平和を手にすることを望んでいるなら、友愛の手をさしのべるべきだという点を理解すべきだ」とその投稿は続けていた。このガーニー前大統領になりすました投稿が最後に主張していたのは、「私は現職の自国の国連理事を恥ずかしく思っている」ということだった。

 先週、タリバン統治下のアフガニスタン・イスラム首長国は、国連に書簡を送り、カタールのドーハにあるタリバンの政治支局のスハイル・シャヒーン報道官を新しい国連理事として承認するよう求めた。この書簡によれば、イサクザイ国連大使は、もはやアフガニスタンの国連代表ではない、とのことだった。

 

グレート・ゲームでアフガニスタンを弄んだのはどんな国々か?

グレート・ゲームでアフガニスタンを弄んだのはどんな国々か?

<記事原文 寺島先生推薦>

The Great Game of Smashing Countries

ジョン・ピルジャー(John Pilger)

Global Research 2021年8月25日

<記事翻訳> 寺島メソッド翻訳グループ

2021年9月19日

 


 西側諸国の政治家たちは、こぞって嘘泣きをする姿を見せているが、10年以上も前自由を勝ち取っていたアフガニスタンを壊したのは、まさにその米国と英国とその同盟諸国だ。

 1978年に、アフガニスタン人民民主党が導いた民主化運動により、ザーヒルシャー国王のいとこであったムハンマド・ダーウードの独裁政権は排除された。これは人民による激しい革命であり、英米両国には驚きを持って迎えられた。

 ニューヨーク・タイムズ紙の記事によれば、カブール在住の外国人記者たちは、「インタビューを行ったほとんどすべてのアフガニスタン国民が、クーデターが起こったことを歓迎していた」ことに驚いていたようだった。ウォール・ストリート誌は、「15万人が新しい国旗を奉じて行進していた。行進に参加した人々は心の底から熱狂しているようだった」と報じている。

 ワシントン・ポスト紙の記事によれば、「アフガニスタン国民の新政府に対する忠誠心については、ほとんど疑問の余地はない」とのことだった。宗教色を排除し、近代的な統治法を取り、さらにはある程度社会主義的色彩ももっていた新政府が主張したのは、アフガニスタンの理想的な再建についてだった。具体的には、女性や少数民族にも平等な権利を与えることだった。政治犯は刑を解かれ、警察の捜査記録は公衆の面前で焼却された。

 君主制下においては平均寿命が35歳だった。子どもの三人のうち一人が幼年期に亡くなっていた。国民の9割は、字が読めなかった。新政府は無料医療制度を導入した。識字率をあげる大規模な取り組みが始められた。

 女性たちが手に入れた権利は前例のないものだった。1980年代下旬においては、大学生の半数が女性であり、アフガニスタンの医師の4割、教員の7割、公務員の3割が女性だった。

 このような変化があまりに劇的であったため、女性たちは、自分たちの権利が拡大されたことを鮮明に覚えている。2001年にアフガニスタンから亡命した外科医サイラ・ヌーラニ(Saira Noorani)さんは、こう語っている。

 「すべての少女が学校や大学に行けました。行きたいところにはどこでも行くことができましたし、着たい服も何でも着ることができました。金曜日には、カフェに行き、映画館で最新のインド映画を楽しんだものでした。こんな生活がまったくおかしくなってしまったのは、ムジャヒディーンが勝利を収め出してからのことでした。そしてムジャーヒディーンを支援していたのは西側諸国だったのです」

 米国にとってアフガニスタン人民民主党が問題だったのは、この政党をソ連が後援していたからだった。しかし、アフガニスタン人民民主党は、西側諸国があざ笑っていたようなソ連の「操り人形」ではなかったし、アフガニスタン人民民主党が起こした君主制に対するクーデターは、米国や英国のメディアが当時報じていたような「後ろにソ連がいる」クーデターでもなかった。

 ジミー・カーター政権の国務大臣であったサイラス・ヴァンスは後に自身の回顧録でこう書いている。「このクーデターにソ連が共謀していたという証拠は見つけられなかった」と。

 この同じ政権内にはズビグネフ・ブレジンキー 国家安全保障問題担当大統領補佐官がいた。彼はポーランドからの移民で熱狂的な反共産主義者で、極端な過激派であり、米国の大統領たちに影響を与え続けていたが、そのことが明らかになったのは2017年に彼が亡くなった後のことだった。

 1979年7月3日、米国民や米国議会の知らぬところで、カーター大統領は「機密作戦」計画に5億ドルを投じ、アフガニスタン初の宗教色のない民主的な政権を転覆させようとしていた。この作戦は、CIAにより「サイクロン作戦」と名付けられていた。

 この5億ドルを使って買収し、賄賂を送り、武装させた相手がムジャーヒーディンという名で知られている部族宗教勢力であった。ワシントンポスト紙のボブ・ウッドワード記者が半公的な正史に書いていたのは、CIAが賄賂だけで7千万ドルを費やしていた事実だった。同記者は、「ゲリー」という名のCIAの工作員とアムニアット・メリーという名の部族郡長の会合の様子を以下のように記述している。

 「ゲリーはテーブルに50万ドルの札束を置いた。100ドル札を30センチほどの高さに山積みしたものだ。ゲリーは、いつもの20万ドルよりも相手に対する効果は大きいと確信していた。それが、“俺たちはここに来た、マジなんだ、カネはある、お前たちにはカネがいるんだろう?”ということを伝える最も良い方法だった。ゲリーはすぐにCIAの本部に要求し、現金で1千万ドルを手にしていたものだ」

 世界中のイスラム地域から兵士を迎えた米国の秘密軍はパキスタン領内の基地で、パキスタンの諜報機関や、CIAや英国のMI6の指揮下で訓練を受けた。他の戦士たちは、ニューヨーク市ブルックリン区のイスラム大学に派遣された。そこからは9-11で破壊されたあのツインタワーが見える。そのような派遣学生の中に、サウジアラビアのエンジニアであったウサーマ・ビン・ラーディンがいた。

 この作戦の目的は、中央アジアでイスラム原理主義者の勢力を広めることにより、ソ連を弱体化し、最終的には破壊することだった。

 1979年8月には、カブールの米国大使館はこう報告していた。「アフガニスタン人民民主党政権を退陣させれば、米国はより大きな利益を得るだろう。その結果アフガニスタンの社会や経済の再建が今後挫折することになるだろうが

 上記で斜体にしてある部分を再読して欲しい。こんな冷酷な意図がはっきりと公文書に記されることはそうあることではない。米国の言い分は、アフガニスタンの真の進歩的な政権や、アフガニスタンの女性の権利などは「地獄に落ちてもかまわない」ということだ。

 その6ヶ月後、ソ連はアフガニスタンに軍を送るという致命的な動きを見せたのだが、それは米国が作り出したジハード戦士たちがソ連国境付近の脅威となったからだ。CIAが提供したスティンガーミサイルで武装し、マーガレット・サッチャー英首相に「自由な戦士だ」と歓迎されたムジャーヒディーンが、最終的にはソ連赤軍をアフガニスタンから追い出すことになった。

 自身のことを「北部同盟」と自称していたムジャーヒディーンは、部族軍長たちにより支配されていた。これらの部族軍長たちはヘロイン取引を管理し、地方の女性たちを怯えさせた。タリバンは極端に厳格な一派であり、タリバンのムッラ(イスラム教の宗教的指導者)は黒い服をまとい、山賊行為や、強姦や、殺人を犯した者を処罰していたが、女性たちを一般の生活から追い出すことも行っていた。

 1980年代に私は、RAWAという名で知られている「アフガニスタン女性革命協会」という協会と話をすることができた。この協会は、アフガニスタンの女性の苦難を世界に向けて発信しようとしていた。タリバン統治下において、女性たちブルカの下にカメラを隠して、虐待行為の証拠を撮影しようとしていた。さらに西側に支援されていたムジャーヒディーンに対しても、彼女たちは同じことをした。RAWAの一人「マリナ」さんが私にこう語っていた。「私たちはすべての主流メディアにビデオテープを渡しました。でもメディアは私たちのことを知りたがっていないようでした・・・」

 1996年に啓蒙的なアフガニスタン人民民主党政権は倒された。ムハンマド・ナジーブッラー大統領は国連に赴き、助けを懇願した。帰国するなり、同大統領は殺害され街灯に吊された。

 「国家というのはチェスの駒だといっていいだろう」。これは1898年に英国のカーゾン卿が語った言葉だ。「そのチェス盤上で、世界支配をかけたグレート・ゲームが開催中なのだ」

 インド総督であったカーゾン卿がその言葉で指していたのがアフガニスタンのことだったのだ。その100年後、トニー・ブレア首相はすこし違う言い方をした。

 9-11の後、彼はこう言っていた。「今がチャンスだ。万華鏡が回されたのだ。景色はうつろいやすくなっている。しかしすぐにまた落ち着くだろう。やつらがやってしまう前に、我々がこの世界を再編成してしまおう」

 アフガニスタンに関して、ブレアはこう付け加えた。

 「私たちが去ることはありません。私たちはあなた方を惨めな貧困状況からなんとかして救い出すことを約束します」

 ブレアは良き助言者であるジョージ・W.ブッシュ大統領が、大統領執務室から米国による爆撃の被害者に対して語っていたこと同じことを言っただけだった。

 「アフガニスタンで抑圧されている人々は、米国がいかに寛大であることを知ることになるでしょう。私たちは軍の標的を攻撃すると同時に、飢饉や苦悩を解決するための食料や、医薬品や、生活必需品も、もたらしますから」

 ほとんどすべてが虚言だった。英米がアフガニスタンの人々を心配しているということはとんでもない幻覚でしかなかった。逆に帝国主義的な残虐行為が行われていたのだ。そして西側内の「私たち」はそのようなことはほとんど感知していない。

 2001年にアフガニスタンは飢饉に苦しみ、パキスタンからの緊急救援隊を当てにしていた。ジョナサン・スティール記者が報じていたとおり、米軍による侵攻が間接的に2万人程度の死者を出す原因になった。というのは飢餓の被害者たちへの救援物資の輸送が止まり、人々が家から追われることになったからだ。

 その18ヶ月後、私は米軍のクラスター爆弾の不発弾をカブール市内のがれき内で見つけたことがあった。アフガニスタンの人々は、爆弾を、空から投下された黄色の救援物資だと間違えてしまうことがよくあった。救援物資だと思って近づいた空腹の子どもたちが、その爆弾によって手足を吹き飛ばされた。

 ビビ・マル村で、私はオリファという女性がオットのグル・アーメッドさんの墓の前で跪いているのを見た。彼は絨毯職人だった。さらにその墓は、夫以外の7人の家族のものでもあった。うち6人が子どもだった。そして隣に住んでいた2人の子どもも亡くなった。

 米軍のF-16機が晴天の空から現れ、Mk82の500ポンド爆弾を、オリファさんの泥と石と藁でできた家の上に投下した。 その時オリファさんは留守だった。帰ってきた彼女が遺体を拾い集めた。

 数ヶ月後、カブールから何人かの米国人がやって来て、オリファさんに15枚の紙幣が入った封筒を渡した。総額15ドル。「殺された家族1人につき2ドルでした」とオリファさんは語った。

 アフガン侵攻は詐欺だった。9-11以降、タリバンはウサーマ・ビン・ラーディンから距離を置こうとしていた。タリバンは様々な点において、米国の顧客だった。ビル・クリントン政権は、タリバンと一連の秘密の取り引きを行い、30億ドルの天然ガスパイプラインを米国の石油会社と共同して建設することを許可した。

 厳重に秘密が守られる中で、タリバンの指導者たちが、米国に招かれ、石油会社のユノカル社のCEOのテキサスの自宅や、バージニア州のCIA本部で歓待を受けていた。タリバンとの取り引き相手の一人にW.ブッシュの副大統領をつとめたディック・チェニーもいた。

 2010年に私はワシントンを訪れ、現代のアフガニスタンに苦難を与えた黒幕であるズビグネフ・ブレンジンスキーにインタビューを行なう機会を得た。私はブレンジンスキーに、彼が自伝の中でソ連をアフガニスタンに引き込むために、「イスラム教徒たちを扇動」しようという大掛かりな計画を企んだことを認めていたことについて触れた。

 「そのことに後悔はありませんか?」と私は尋ねた。

 「後悔!後悔!何を後悔しろと言うんだね?」

 今、カブール空港のパニック状況が見える。記者たちや将軍たちが、遠く離れたテレビ局のスタジオから「我々の防衛団」が引き上げているのを嘆き悲しむ声が聞こえる。今こそ過去の真実に目を向け、同じような苦しみが2度と起こらないようにする時なのではないのか?

*

「明らかにサイゴンとは違う」!?ブリンケン米国務長官はカブール大使館脱出をベトナム敗戦と比較しないよう強調

  「明らかにサイゴンとは違う」!?ブリンケン米国務長官はカブール大使館脱出をベトナム敗戦と比較しないよう強調

<記事原文 寺島先生推薦>

‘Manifestly not Saigon’? WATCH US helicopters evacuate Kabul embassy as Blinken defiantly rejects Vietnam pullout comparisons

Russia Today 全米ニュース
2021年8月15日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年8月29日


 米軍のヘリコプターがカブールの米国大使館職員たちを脱出させているところを映像に取られた。複数の航空機が大使館構内を行き来するところが目撃された。この映像は、1975年にベトナムのサイゴンから脱出した場面を彷彿とさせるものだった。

 少なくとも2機のタンデムローター(訳注:ローターが前後二カ所にあるヘリコプター)機CH-47チヌークが、大使館構内で目撃されたが、この映像は、1975年4月、首都サイゴン陥落時に、米国の大使館職員たちを慌てて退出させた時の写真と不気味なくらい類似しているように見える。当時、北ベトナム軍が首都に迫りつつある中、今回と同じ機種のヘリコプターが大使館の屋上に乗りつけて、外交官たちを拾っていたのだ。



 ジョー・バイデン米大統領も、ブリンケン現国務大臣も、この2件の慌てた退出劇の間に類似性があることを全く認めようとはしていない。日曜日(8月15日)、ブリンケン国務大臣は、カブール撤退がバイデン政権下での「サイゴン再来」になるかについて直接質問を受けた。ABCの取材に対して、ブリンケン国務大臣は「サイゴンとは全く違う」と語気を強めた。



 「いいですか。今回の件はサイゴンの時とは全く違います。我が国が20年前にアフガニスタンに向かったのは、9-11で我が国を攻撃した輩たちに対処するためだった。そして我々はその使命を達成したのです」と、ブリンケン国務大臣はCNNに答えた。



 しかし今回の撤退は、ベトナム敗戦よりもばつの悪いことだと考える向きもある。というのもバイデン大統領は、アフガニスタンからの撤退はサイゴン陥落のような惨事を再度引き起こすことはないと明確に約束していたからだ。



 バイデン大統領が7月上旬に主張していたのは、北ベトナム軍と比べてタリバンの力は「比べものにならないくらい弱い」ため、慌てふためく撤退劇は起こらないということだったのだ。

 

 (バイデン大統領が7月に語っていた内容)
アフガニスタンから逃亡すべく、米国大使館の屋上から大使館職員が救助される姿を見ることは全くないでしょう。



 タリバン軍がカブール郊外に侵入した8月15日、アフガニスタン政府は事実上崩壊した。タリバン側はカブールを破壊し、カブール市民の命を奪うことがないよう、不必要な戦闘を避けたいとして、交渉を申し入れた。

 アフガニスタンのアシュラフ・ガニー大統領は、既にアフガニスタンから出国し、報道によれば隣国のタジキスタンにいる模様だ。関係者は「安全上の理由のため、ガニー大統領の行動について何も伝えることができません」と、大統領の居場所を説明することを拒んでいるが、ガニー大統領が出国したことは、アブドラ・アブドラ国家和解高等評議会議長が明言している。

ALSO ON RT.COM

President Ghani leaves Afghanistan, top official confirms, as US-backed govt relinquishes power to Taliban


ケイトリン・ジョンストーン。人々を騙すのが米国の情報機関の仕事だ。ニューヨーク・タイムズが出したアフガニスタンでの報奨金についての記事はCIAがニュースだと装って垂れ流した情報だ


<記事原文 寺島先生推薦>
Caitlin Johnstone: It is the US intelligence’s job to lie to you.
NYT’s Afghan bounty story is CIA press release disguised as news



RT 論説面

ケイトリン・ジョンストーン


ケイトリン・ジョンストーン氏はオーストラリアのメルボルンに本拠地を置くフリージャーナリスト。彼女のサイトはこちら。Twitterアカウントはこちら




 「米国の工作員からの情報によると」という終わり方をする見出し記事を目にすれば、それまでに読んだ部分については、「フムフム。これはこの話は嘘だと言っているのだな」と考え直した方がいい。

 「ロシアが秘密裡にアフガニスタンの武装組織に米国兵士を殺害するための報奨金を申し出ていた。米国の工作員からの情報だ。」という見出しのニューヨーク・タイムズの記事が世間を賑わせた。 ニューヨーク・タイムズに匿名の情報源が伝えたところによると、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)が秘密裡にタリバン関連の武装組織にアフガニスタンの合同軍を殺害すれば報奨金を出すよう申し出ていたそうだ。そしてその標的には米軍も含まれていて、トランプ政権はこの事実を何ヶ月も前から知っていたそうだ。

 はっきり言って、これは報道機関による誤報だ。大手メディアが証拠もなしにこのような匿名の情報源からの記事を出す時は、CIAがニュースだと装って流した記事をただ垂れ流しているだけに過ぎない。そんな記事が伝えるのは、読者に情報工作員と呼ばれるものたちが、公平で責任のある情報と見せかけて、我々に何を信じようとさせているかということだ。こんなやり方は、大手メディアのニュースでは日常茶飯事にみられるものであるが、 だからといって道義に反するものではないと言っていいわけが無い。

ALSO ON RT.COM

There they go again: NYT serves up spy fantasy about Russian ‘bounties’ on US troops in Afghanistan

 イラクへの侵略戦争後の世界において、米国や米国の同盟国の情報工作員からの敵対国家に対する匿名の証拠のない非難に対応できる唯一の手段は、反論材料を山のように大量に積み重ね、彼らの言い分が嘘であることを証明する方法しかない。米国はこんな嘘を重ねてきた記録をたくさん所持しているので、ほかの対応方法は合理的な方法ではない。さらに、米国の情報工作員は常にこのような嘘を成り立たせるための基礎的な役割を果たしている。

 大手メディアに統制された虚構の外からの声が叫び続けているのはこれらの情報が、「根拠もない、信頼できない、たとえ情報が真実だとしても報じ方が全く公平ではないもの」であるという事実だ。

 「昔からあるいつもの話だ。いわゆる情報工作員がありえない話をでっち上げてメディアに情報を流し、メディアはそれを匿名の関係者からのタレコミだと伝える」。ジャーナリストのステファニア・マウリチ氏はこうツイートした。

ALSO ON RT.COM

America to end ‘era of endless wars’ & stop being policeman, Trump gives same old election promises he broke


 「だから逆に、私たちは、まさにその米国情報機関が報奨金を払って無実の囚人たちをキューバのグアンタナモ収容所に連れてこさせたことや、アフガニスタンでの拷問について嘘をついたことや、イラクの大量破壊兵器やベトナムのトンキン湾事件などを戦争の口実にでっち上げたことなどをさもありなんと思えるのだ。これだけの事をやってきたのに、証拠はあったのだろうか?」作家で分析家でもあるジェフリー・キー氏はこうツイートした

 「ロシアがアフガニスタン駐留の米軍に対抗するためタリバンを支援するなど全くありえない話だ。一方、米国がシリアでロシアと対抗するためにイスラム教の聖戦主義者たちの反乱軍を支援するのは全く問題はないのだろうか?聖戦主義者たちは、タリバンは英雄であると公言しているのに」。こうツイートしたのは、作家で分析家でもあるマックス・アブラムズ氏だ。

 一方、トランプ政権を批判している民主党のマックレジスタンスという団体は、この根拠のないでっち上げ記事を本当にあった恐ろしい事件としてとらえており、レイチェル・マドー氏はこの記事をプーチン大統領がアフガニスタン駐在の米国兵士の「クビ」を取るために報奨金を持ちかけているとまで言っている。このような言い方は興味深い。というのは、米国兵士のクビに報奨金を出すという行為を有り得ることだと考えるのは、この手口が他国を植民地にするという野望のために実際米国政府がやってきた恐ろしい手口の1つだからだ。そのような米国の手口は今回のようにニューヨーク・タイムズがでっち上げたことではなく、歴史上本当に起こったこととして認知されていることだ。

 多くの人々が指摘しているように、ロシアがアフガニスタン駐留の米軍に反攻しようという過激派組織に資金を提供するのは正当な行為であることは理にかなっている。そのような援助は米国と米国の同盟国がシリアでロシアとロシアの同盟国に対して行ったことや、サイクロン作戦という名でアフガニスタンでソ連に対して行ったことと全く同じ行為だからだ。さらに、 本来米軍はアフガニスタンと何の関係もないし、米軍が米国外で起こしている暴力行為は、米軍の勢力拡張論者たちが国外に軍を駐留させるという間違いのせいで起こっているのだ。米軍には簡単に防御できる自国の国境を守る以外に果たすべき役割はない。そして政府が、地球上を自国の軍隊基地でとり囲もうとする前提こそ間違っているのだ。


ALSO ON RT.COM
Unsophisticated’ disinformation: Moscow rebuffs NYT story alleging Russia offered Taliban money to kill US troops in Afghanistan

 しかしそんな議論をする必要はない。なぜなら、今議論の対象にしないといけないことは、今回のような報奨金事象が本当にあった事なのかどうかについて、だからだ。そしてこの事象が実際にあったことだとは到底思えない。米国の情報機関の仕事はまさに人々に嘘をつくことだ。ニューヨーク・タイムズは、機を捉えては新しい戦争を始めるため情報を拡散することをこれまで何度も繰り返してきた。そう、許してはならないあのイラク侵攻もそうだった。嘘で固められた情報のせいで、何百万人もが命を奪われた。こんな主張をきちんと取り上げてもらうには山のような反証材料を積み上げないといけない。そんなことは我々には本当に到底無理な事だ。

 もう一度反芻しよう。「人々に嘘をつくのが米国の情報機関の仕事だ」。さらにもう一度反芻しよう。「人々に嘘をつくのが米国の情報機関の仕事だ。CIAがメディアに流す情報を軽蔑以外の他のものとして受け取らないようにしよう」。

アフガニスタンのISISは地域全体に混乱をもたらすアメリカの道具

2017.10.9
RT Exclusive

RTカルザイ・インタビュー


「アフガニスタンではダーイッシュ(アラビア語でISの頭字語)が現れて以来、その残虐な行為がよく知られているにもかかわらず」イスラム国(IS、以前はISIS/ISIL)テロリストに対して何の行動もとられなかったと、ハミド・カルザイ元大統領は語った。彼は当時テロシストに支援を与える「国籍のない外国ヘリコプター」のことを語った。

続きを読む»

プロフィール

tmmethod

Author:tmmethod
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
リンク
最新記事
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
最新コメント