2011.03.22(Tue)
シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫) (2011/01/25) 有川 浩 |
見込まれたと思っていいよな、司さん――と心の中で勝手に決め打つ。見込まれるということは甘やかされるよりよっぽど気持ちがいい。
「二年間で劇団の収益から300万を返す。それが出来なかったら劇団を潰せ」
鉄血宰相・春川司の命で再び走り出した“シアター・フラッグ”。
順調に再開を始めたと思いきや、メンバー内で起こるいくつもの亀裂。
そして旧団員との確執。
それぞれの事情を抱えながら、“シアター・フラッグ”は借金を返済できるのか?
いやー、今回も面白かったです!
何より、劇団員のみんなが「シアター・フラッグ」を守りたい、っていう気持ちが前面に出ていたもの。
その為にはどうしたらいいのか?
っていう問題をそれぞれがそれぞれの立場から見つめて実行して。
一致団結している姿、本当に良いなあって思いましたよ。
そういう姿勢が強かったせいか、司は今回、確かに有川さんのあとがき通り、ちょっと印象薄。
だけど、やっぱりこの劇団、まだまだ司を軸に動いている感じ、否めないなー。
何かあった時、すごく頼りにしているのは、主催者の巧じゃなくて司なんだよね。
一番年上っていうのはあると思うけど、多分同年代でもいつの間にか中心になるのは変わらない気がする。
そういう意味でも、今後は“シアター・フラッグ”が司の手を離れて自立していくのは大きな課題ですね。
制作も持ち回りは彼らの「劇団を運営していく」という意識も、そして今後やっていく自信にもなるはず。
今回のお話。
なんだか個人的にぐっとくるものが結構あった(笑)
特に千歳とスズの話。
これは個人的にはちょっと目から鱗状態。
そういう見方も出来るんだなーって思ったりして。
思わずわが身を振り返りたくなったりするのでした(笑)
流石に今回は2作目ということもあって、劇団員みんな話が一巡したりして賑やかなこと限りなし。
前回はちょっと危ういところもあったんだけど、今回でシアターフラッグメンバーはばっちりですw
それぞれの個性とかも大分見えてきた感じ。
前回、一人「芝居で食べていけるようになりたい」というガッツが見えた分、ゆかりのキャラは気になっていました。
今回大きなチャンスをつかんだ彼女。
やる気が見えていた分、なんだかすごくこの状況がうれしい。
でも。
彼女が出演することになった昼ドラ、即座に「あ、『花嫁のれん』だ」と思ったのは私だけでしょうか(笑)
だって、この本出版されたのが今年の1月ですよ!
『花嫁のれん』はその一ヶ月前まで放送されていたんですよ!
ゆかりの役はさしずめ仲居頭のあの方か~なんて思わず思ってしまいましたw
そして小宮山との仲も。。。
前回ちょっと思わせぶりなこと言っていたんで気になってたのですが(そしてゆかりはあの言葉流してたのね・・・)。
今回小宮山が攻めましたねーw
心の中で拍手喝采ですw
ちょいほだされ感はありますが、あんな言葉の数々かけられたら女冥利につきるな。
で、結局、その夜はどーなったんでしょうか。
その後、ジンに「リアル夫婦漫才」って言われて「漫才ちゃう」ってそっち否定? みたいなこともあったんですよね。
今回はやっぱり一番気になる司と千歳はおあずけ。千歳の側がそれどころじゃない、っていうのもあったけど。
んで、巧と牧子も変化、ありましたねー。
前回は千歳が巧の意識を「現れただけで変える」ことが大きなインパクトかつ意味があることで、その分私も勘違いしちゃっていたのかもしれません。
今回は巧の意識に千歳を特別に思う感が微塵も感じられなかった。。。
女性としてではなく、女優として魅力的に感じていただけなのかもしれないなあ。
その分、今回は牧子の方がよりクローズアップされた感じが大きい。
この二人もこのまま順当かな?
そして茅原とスズの関係も何やらちょっとそっちの方面にいきそう?
もー、なんなのこの劇団!(笑)
女子メンツの方が人数少ないとはいえ、全員が身内とくっつくって!
どれだけ狭い範囲なのよーと思わなくも、ない(笑)
まあ、まだ確定ではない人が多いけど、有川作品だからなあ。。。
二年間の期間で借金300万の返済。
そろそろゴールは見えてきました。
今の状況はまだちょっと厳しめ。だけど、まだ希望はある。
そして今回、巧が見据えたらしい“ゴールの先”。
その内容が果たしてどんなものなのか。
次の3がラストのようです。
有川さんは「しばらくお待たせします」とは言うけど、他の作家さんとは刊行ペースが違うからなあ。
一体どのくらいを覚悟して待ったらいいのか、さっぱり分かりません(笑)
だけど楽しみですw