のんびりまったり雑記帳 2011年03月
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シアター! 2(有川 浩)

シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)
(2011/01/25)
有川 浩



見込まれたと思っていいよな、司さん――と心の中で勝手に決め打つ。見込まれるということは甘やかされるよりよっぽど気持ちがいい。

「二年間で劇団の収益から300万を返す。それが出来なかったら劇団を潰せ」
鉄血宰相・春川司の命で再び走り出した“シアター・フラッグ”。
順調に再開を始めたと思いきや、メンバー内で起こるいくつもの亀裂。
そして旧団員との確執。
それぞれの事情を抱えながら、“シアター・フラッグ”は借金を返済できるのか?



いやー、今回も面白かったです!
何より、劇団員のみんなが「シアター・フラッグ」を守りたい、っていう気持ちが前面に出ていたもの。
その為にはどうしたらいいのか?
っていう問題をそれぞれがそれぞれの立場から見つめて実行して。
一致団結している姿、本当に良いなあって思いましたよ。

そういう姿勢が強かったせいか、司は今回、確かに有川さんのあとがき通り、ちょっと印象薄。
だけど、やっぱりこの劇団、まだまだ司を軸に動いている感じ、否めないなー。
何かあった時、すごく頼りにしているのは、主催者の巧じゃなくて司なんだよね。
一番年上っていうのはあると思うけど、多分同年代でもいつの間にか中心になるのは変わらない気がする。
そういう意味でも、今後は“シアター・フラッグ”が司の手を離れて自立していくのは大きな課題ですね。
制作も持ち回りは彼らの「劇団を運営していく」という意識も、そして今後やっていく自信にもなるはず。

今回のお話。
なんだか個人的にぐっとくるものが結構あった(笑)
特に千歳とスズの話。
これは個人的にはちょっと目から鱗状態。
そういう見方も出来るんだなーって思ったりして。
思わずわが身を振り返りたくなったりするのでした(笑)

流石に今回は2作目ということもあって、劇団員みんな話が一巡したりして賑やかなこと限りなし。
前回はちょっと危ういところもあったんだけど、今回でシアターフラッグメンバーはばっちりですw
それぞれの個性とかも大分見えてきた感じ。
前回、一人「芝居で食べていけるようになりたい」というガッツが見えた分、ゆかりのキャラは気になっていました。
今回大きなチャンスをつかんだ彼女。
やる気が見えていた分、なんだかすごくこの状況がうれしい。
でも。
彼女が出演することになった昼ドラ、即座に「あ、『花嫁のれん』だ」と思ったのは私だけでしょうか(笑)
だって、この本出版されたのが今年の1月ですよ!
『花嫁のれん』はその一ヶ月前まで放送されていたんですよ!
ゆかりの役はさしずめ仲居頭のあの方か~なんて思わず思ってしまいましたw
そして小宮山との仲も。。。
前回ちょっと思わせぶりなこと言っていたんで気になってたのですが(そしてゆかりはあの言葉流してたのね・・・)。
今回小宮山が攻めましたねーw
心の中で拍手喝采ですw
ちょいほだされ感はありますが、あんな言葉の数々かけられたら女冥利につきるな。
で、結局、その夜はどーなったんでしょうか。
その後、ジンに「リアル夫婦漫才」って言われて「漫才ちゃう」ってそっち否定? みたいなこともあったんですよね。

今回はやっぱり一番気になる司と千歳はおあずけ。千歳の側がそれどころじゃない、っていうのもあったけど。
んで、巧と牧子も変化、ありましたねー。
前回は千歳が巧の意識を「現れただけで変える」ことが大きなインパクトかつ意味があることで、その分私も勘違いしちゃっていたのかもしれません。
今回は巧の意識に千歳を特別に思う感が微塵も感じられなかった。。。
女性としてではなく、女優として魅力的に感じていただけなのかもしれないなあ。
その分、今回は牧子の方がよりクローズアップされた感じが大きい。
この二人もこのまま順当かな?
そして茅原とスズの関係も何やらちょっとそっちの方面にいきそう?
もー、なんなのこの劇団!(笑)
女子メンツの方が人数少ないとはいえ、全員が身内とくっつくって!
どれだけ狭い範囲なのよーと思わなくも、ない(笑)
まあ、まだ確定ではない人が多いけど、有川作品だからなあ。。。

二年間の期間で借金300万の返済。
そろそろゴールは見えてきました。
今の状況はまだちょっと厳しめ。だけど、まだ希望はある。
そして今回、巧が見据えたらしい“ゴールの先”。
その内容が果たしてどんなものなのか。
次の3がラストのようです。
有川さんは「しばらくお待たせします」とは言うけど、他の作家さんとは刊行ペースが違うからなあ。
一体どのくらいを覚悟して待ったらいいのか、さっぱり分かりません(笑)
だけど楽しみですw


和菓子のアン(坂木 司)

和菓子のアン和菓子のアン
(2010/04/20)
坂木 司



「和菓子は、アンがなくっちゃはじまらないんだから」

高校を卒業しても、自分の進路が決まらない梅本杏子。
大学へ行くほどしたい分野があるわけじゃない。すぐに就職したいほどやりたい仕事があるわけでもない。
しかしそんな杏子が好きなことはおいしいものを食べること。
一念発起して始めたアルバイトは和菓子屋の「みつ屋」。
しかし、そこは店長を始め、社員・アルバイトが一癖も二癖もある人物ばかりで・・・。



坂木さん自体がなんだかかなりお久し振り。
そんな坂木さんの作品は「おいしいものが好き」な坂木さんらしい、和菓子屋さんが舞台。
そして主人公ももちろんおいしいもの好きな女の子。

まず杏子の家庭からして、坂木作品を読んでいる読者はもうにんまりw
だって杏子のお母さんは和製チャーリーズエンジェルですよw
始まってすぐに話題に上るのは例のクリーニング屋さん。
もうこれでお母さんの正体はまるわかり。
ご近所さんなんですねー。

杏子のバイト先「みつ屋」。
見かけに反して賭け事大好きな椿店長を始め、イケメン乙女の立花さん。
この二人は意外と早くにその裏の顔が分かりましたね。
そうなると、同じアルバイト仲間の桜井さんだって何かあるっていうのはすぐに予想がつきます。
ちょっと細かいことを言うと、桜井さん、杏子よりも一・二ヶ月早く入っただけなのに見通し良すぎ(笑)
年末年始のお客の買い物の見当なんて去年も経験してないと分からない気がするけどなあ。。。
そして杏子を含む全員に花の名前(立花さんはちょっとあれだけど・・・橘もあるしなあ)。
更には『切れない糸』のチャーリーズエンジェル三人も松竹梅。
その中で、唯一食べられて和菓子にもよく用いられる梅が杏子の身内。
意味がある・・・とは思わないけど、名前にも結構凝ってます。
そして梅が大好きな私はもう、梅のお菓子が出てくると口が・・・(笑)
もう色々あの手この手でバリエーション出してくるんだからー!
羨ましいぞ杏子。

そしてさすがなのが和菓子の描写。
んもー、文章だけどどんなものなのか想像するのが楽しい!
特に私が一番好きな花である紫陽花をテーマにした和菓子なんか、どういうものなんだろうって実物を見てみたくなっちゃいます。
その時期に和菓子屋さんへ行ったらあるのかなあ。
今回は舞台が和菓子屋さんということもあって、絡められた謎も和菓子にちなむものがほとんど。
和菓子は日本古来のお菓子だけれど、日本は色んなものに意味を持たせる文化。
ひとつひとつのお菓子に物語が付随していて、意味を持っている。
それを知るのが、本来のストーリーとはまた別な意味合いですごく楽しかったです。
(もしかしたら、本編よりも面白かったかも・・・笑)
んー、もっと色々な和菓子のストーリーを知りたい気分にさせてくれます。

ケーキ屋さんなどを舞台にしたパティスリー物も大好きですが、和菓子もいいなあ・・・なんて読み終わって思ってしまいます。
なんて単純(笑)
ただ、杏子が働く「みつ屋」はデパートの地下に出店しているので、他のお店との絡みがまったく無いわけではないのです。
ケーキ屋さんである「金の林檎」というお店が絡む『甘露家』。
このお話は一時期問題にもなった食品偽造問題にも抵触しています。
生ものだし、椿店長との話にも出ていた「昨今の流行たる口どけのいいお菓子」。ケーキ屋の得意とする分野なのに。
消費者としても、こういう話は悲しくなります。
だけど、売り手である桂沢さんも、好きだからこそ、余計悲しい思いをしたんだろうなあ。

謎解きの部分は・・・ややあっさりしたものが多いかな。
どうしたって謎解きとなるとお客の事情に立ち入らないわけにもいかないし。
ただ、最後の『辻占の行方』は・・・個人的にはうーん。。。
彼氏の方も、あそこまで手間隙かけてやるかい? というのがあって、ちょっと強引にも感じたし。
電報風メッセージも無理矢理な感じ、なきにしも。
そして椿店長の過去と、それにまつわる菓子木型。どんな確率の偶然なの!(笑)
杏子と立花さんのいきちがいも、なんだか蛇足なような・・・。
最後に色々詰め込みすぎて、ちょっと散漫な印象を受けました。
もういっそシリーズにして、ゆったりペースでやって欲しかったなーという感じ。
まだまだ色んな和菓子の背景も読みたいな(笑)


高杉さん家のおべんとう 2(柳原 望)

高杉さん家のおべんとう 2 (MFコミックス)高杉さん家のおべんとう 2 (MFコミックス)
(2010/06/23)
柳原望



「毎日の食事を作るとなると、もう一つ大切なことがあるの。それはね
 その場その場で帳尻合わせる行きあたりばったり力よ」


なんとか大学に助教の職を得た温巳。
久留里との生活もなんとか軌道に乗り出した。
しかし、二人を取り巻く環境は、様々な恋心があふれ出して・・・。



あらすじを書こうと思うと、どんな風に書いたら良いのだろう・・・としばし悩みました。
それくらい、意外と話として大きな変化はなかった・・・ということでしょうか。
でも、大きな変化はなく、ゆったりとした雰囲気がこの作品の持ち味なのかな。
少なくとも私はその作風が好きなのですがw

大きな変化はないながらも、次第に打ち解け合う温巳と久留里。
そして久留里に至っては温巳へのほのかな想いも芽ばえ始めています。

フラグはどんどん立ちますねー。
久留里の温巳への想いも、そして小坂さんの温巳への想い。
丸宮くんの久留里への想いもさることながら、今度風谷ゼミには丸宮くんのお兄さんが加わり、更には小坂さんへの横恋慕(?)!
でも、これで案外丸く収まる感じになるような気もする。。。

温巳 & 久留里
小坂さん & 丸宮(兄)
なつ希ちゃん & 丸宮(弟)

みたいな。
でも、今回小坂さんを微妙に意識している温巳もいたりして。
まあ好意を持たれていると思って逆好意を抱いている節もあるから、まだ分からないけど。
個人的には意外と小坂さんの年にびっくりした。。。
これは平成何年の頃のお話だ・・・?
博士号を取るとなると、このくらいは普通なのかな。。。

それにしても、今回ちゃんと顔見せ登場のなつ希ちゃんのおばあちゃん。
格好良いですねーw
“行き当たりばったり力”は確かに強い。
何でもかんでも、計算どおりにはいきませんからね。
急なトラブルにも素早く対応出来る機転は、その力に通じるかも。
お料理も確かにそういう対応が必要になることは多そう。
よくあるのは、材料が不足した時とかかな?
意外と別のもので代用可能というのはよく聞きますしね。
評判だったなつ希のお弁当も、節子さんが作っていた、ということですよね。
茶巾寿司とか可愛いですよねー。
彩り良くお弁当を作れる人は尊敬しますw

もう一人、風谷教授は確かに曲者(笑)
救命具用意しておいて自分で突き落とす役を買って出るタイプ・・・しかもにっこり笑顔で。怖!

久留里となつ希ちゃんの仲はだんだん良くなっているけど、今回なつ希ちゃんは受難でしたね。
もうちょっと要領よさそうな子だと思ったんだけどな。
御手洗先生も介入すべき点を先生なりに見計らっているんですね。
少しのことですぐに口を出さないところは流石、なのかな?
丸宮兄弟は・・・これは、もう家系でしょうか。超直球。
急にディープな話題をあけっぴろげに暴露しちゃいますが、なんとなくこれが彼らなりの処世術のような気がしました。
どうしたってこんな話題は好奇にさらされやすいから。
変に隠すことなく口にして「なんでもないことですよー」って態度とっていた方が逆に自分の身を守る術になっているのかなーと。
そんな風に感じました。
丸宮(弟)くんはプラス笑顔、って感じかな。1巻の様子から。

“残念な人”認定されちゃった主人公(笑)
確かに地理学者でありながら、フィールドワークそっちのけでネットからの情報で動いちゃうところはね。
ようやく悟っても、「てゆーかそれ普通」って香山さんにバッサリだし(笑)
でも初詣ツアーの空回りっぷりが・・・なんだか他人事には見えないのはどうしたことだろう。。。
なんだかそんなところに親近感を持ちつつ・・・(笑)
学者としても人としても、ちょっと“ダメダメ”な温巳の成長がやっぱり今後のメインテーマですね。

今回美味しそうなのはきのこの炊き込みご飯、かなー。
レシピがそれぞれ違うというのは普通のことのような気もするけど。。。
きのこ、子どもの頃はあんまり好きじゃなかったけど、大人になって好きになった品ですw
そういえば、今回はたけのこのもあったし、炊き込みご飯率高めでしたね。
鶏鍋も美味しそうだったなーw
季節が冬でイベントも多い時期だったし、やっぱり“旬”のもの、という感じが強かったですね。
確かに“旬”は良いですよねーw

混戦模様のラブ展開、次は何か新展開があるんでしょうか。。。
ちょっと楽しみでありつつ、あまり苦い展開は嫌だなーという気もしてしまいます。
メンタル弱いです、自分(笑)

もう誘拐なんてしない(東川 篤哉)

もう誘拐なんてしないもう誘拐なんてしない
(2008/01)
東川 篤哉



ひょんなことからヤクザの娘を誘拐することになってしまった、大学生の翔太郎。
助っ人の力を借り、どうにかこうにか身代金を手にすることが出来たものの、翌朝、裏切りにより身代金は行方不明。
替わりに残っていたのは一人の男の死体・・・!
女子高生と大学生のドタバタ逃走劇が関門海峡を挟んで炸裂する青春ミステリ!



現在、絶賛東川作品読み倒し中です。
いっそこのまま全作品制覇してもいいかもしれない。。。

特にこの作品、好きーw
まずなんといっても表紙!
大好きな杉田比呂美さんなんですもんw
しかも、中身も可愛いんですよー。
このお話は、あらすじにも書いた大学生の翔太郎と、ヤクザの娘で女子高生の絵里香サイド(誘拐犯側)。
それから、絵里香の実家・花園組サイド(被害者側?)。
このネーミングのギャップが良いですよね。ヤクザなのに花園w
(取り立てて珍しいという捻りではないけど・・・)
花園組サイドのメインは絵里香の姉で家事手伝いの皐月さん。そして花園組の幹部たち。
それぞれの視点が交互に描かれるのですが、その際、文と文の間にイラストが挿入されています。
翔太郎・絵里香コンビはタコのイラスト。
皐月さんサイドは花(恐らく花園組にかけて)のイラスト。
これも杉田さんのイラストだと思われるのですが、とにかくタコのイラストが可愛いー!
しかし何故タコなのか。。。
最初、絵里香と出会った時、翔太郎が乗っていたのがたこ焼き屋さんのワゴンだったからかな?
とにかく、どこサイドのお話なのか見当がつきやすいし、イラストも可愛いしで満足w

そして個人的には花園組、大好きですw
やっぱり東川さん。ヤクザなのにどいつもこいつもアホばっかりw
そんな中、紅一点でありながら皐月さんのさばけ具合はかなり素敵。
組長でもある父親は妹の絵里香ばかりを猫っ可愛がりして。
普通はもうちょっと・・・こう色々ありそうですが、皐月さん、そんな中普通に父親と会話していますからね。
変に捻くれていないところが良いキャラしてる。
しかも、父親は父親で、娘の器で花園組は持っている、なんて言っちゃいますからね(笑)
この二人、不仲なようで実はかなりあけっぴろげ。
もう読んでいて楽しくて楽しくて!
章の間にタコさんイラストが挿入されると、「えー、もうちょっと読んでいたい!」って思ってしまいました(笑)

そんなわけでキャラクターは実に面白い、です。
が。
お話としては、ですね。
ミステリとしては、やっぱり誘拐が絡んでいるので、身代金の受け渡しとか。
そういったトリックはしっかりしていて、成る程なーって感じ、しました。
しかも実際にある舞台ですからね。
それを使い、ちゃんと無理のない(多分・・・)トリックになっているとは思います。
犯人は想像ついてしまいますが。
他にいないもんね(笑)

絵里香が自分を誘拐して欲しかった理由。
それは離れ離れになってしまった妹の手術費用が欲しかったため。
なのですが。
話の、かなり最初のうちから、結局その手術費用を捻出する必要はなくなってしまったことが読者に発覚してしまいます。
つまり、誘拐劇はまったく必要なし!

そして皐月の側でも、一件の殺人事件に遭遇します。
最後にそれらは一連の犯行・・・となるのですが。
その事件に行き着くための、偽札騒動。
一応偽札は身代金の受け渡しのトリックに使われた、わけだけど。
そもそも、それはこのトリックを想定して作られたわけじゃない。
犯人側としても、絵里香の誘拐劇はシナリオの外なわけで。
そうすると、偽札事件は偶然なのだとわかります。
分からないのは、何故印刷会社の社長を殺害したのか?
犯人と被害者の関係はどんなものだったのか?
その辺りのことは、一切触れられていません。
んー、どうリンクするのかと思ったんだけどなー。
この事件は蚊帳の外っぽい。

オチは意外でした。ワカメ怪人(笑)
だけど、最初の方で判明した、結局手術資金の必要がない、というすり合わせは最後まで行われなかったですね。
そして分かってはいたことだけど、翔太郎と絵里香の組み合わせより、皐月さんと山部の方が良いカップルに見えていた自分としてはちょっと残念。
でもお話としては文句無しに面白かった!
ちょっとしたドタバタ劇が読みたい時、オススメです。


高杉さん家のおべんとう 1(柳原 望)

高杉さん家のおべんとう 1高杉さん家のおべんとう 1
(2010/01/23)
柳原 望



博士号(地理学)は取ったものの、就職できず崖っぷちのまま三十路に突入した高杉温巳。
ある日急逝した叔母の遺言でいきなり中学生の保護者になってしまう。
従妹の久留里は12歳の美少女だが、他人にはなかなか心を開かない女の子だった。
戸惑いながらぎこちなく始まった共同生活だが、久留里へのお弁当をきっかけに二人の距離は少しずつ近づいていく。



「何か面白い漫画が読みたい! しかも新鮮なもの(初読み)」
と思い。
最近ちらほら評判を聞いていたので、この作品にしました。
なんか「お弁当で心の交流」みたいなのがいいなあーと思って。
だって、食べることは生きること、ですからね。

そうしたらもう大当たり!
まだ1巻しか読んでいませんが、じっくりゆっくり二人の関係が変わっていきそうな感じ。
また、それにお弁当をつくるというのが一役かっているわけで。
温巳と久留里はそれぞれお弁当と夕飯(家計)を担当していて。
で、温巳も言っていますが、

「食事作りもだけど弁当作りもちまちま達成感あるよな
 小さな達成感の積み重ねが人間を強くするんだよな」

っていう。
結局はお弁当作りってひとつの「計画 → 実行」っていう側面があるんですよね。
複数のオカズ作るから、その手順をひとつひとつ計画し、実行して最終的にはお弁当完成って。
計画して実行までがひとつのプロセスなのですが、それをやり遂げることで達成感がある。
そして達成感を味わうことで、自信にもつながる。
人間って計画倒れしちゃうと、「自分ってダメなやつ・・・」って思うしね(笑)

私も一応お弁当持参なので、こういうのって本当に共感大(笑)
それにやっぱりお弁当以外でも料理って側面でそれなりに「分かるー」って思えて。
色々楽しく見ていますw
流石に久留里みたいにチラシチェックはしていませんけどね(笑)
著者の柳原さんのあとがき漫画にもありましたが、言われてみれば確かにお買い物は現実版シュミレーションゲームかも。

久留里の感覚は確かに主婦だけど、彼女はそれを元々持っていたわけじゃない。
そういう側面は今まで育った環境の中で身に付いたんだっていうことを、最初ではなく少しずつ話も進展した第7話あたりで持ってくるのが上手いなあ、と。
久留里のそういった側面をしっかり掘り下げ、尚且つ母親である美哉さんのことも少し見えました。
そっかー、“初恋”だったんですね。温巳の。

温巳や久留里の周りの人々も面白そうですねw
温巳の大学の風谷教授をはじめ、同期の香山さんに研究員の小坂さん。
久留里の側にも香山さんの娘さんで同級生のなつ希ちゃん。
彼女はかなり面白そうだし、久留里の学校生活で大きな影響与えそうだなー。
クラスの女子のリーダー的存在で意外と頭も回りそう。
クラスの女子のイジメ権とか、中一女子でそこまで考えます?
今の世の中では当たり前のことなのかしら・・・・・・怖!
あと、全校女子から「天使の笑顔の君」と呼ばれている(笑)という丸宮くん。
完全に久留里に“落ちた”ようで。
ていうか「天使の笑顔の君」ってすごいなアダ名!(笑)
彼は久留里に、そして小坂さんが温巳に・・・そして肝心の久留里は温巳に・・・・・・。
と早くも混戦状態になりそうな模様。。。
まさか1巻で既にこんな状態になるとは・・・。
あんまりこの話でどろどろは読みたくないなー。

それにしても、「地理学」ってなんだか不思議です。
特に地誌!
確かにそれぞれの土地に異なる風土というのは存在していると思うけれど、それを総合的に“言葉”で記述する。。。
例題にもあった「のんびり」とは、言われればなるほど、確かに“何をもってしてそう言う”のか?
特に昨今ではひとつの“言葉(単語)”に対する捉え方はそれぞれで、解釈は千差万別。
だからといって、データ一辺倒ではなんか味気ないなー。
“お弁当”はこの作品の最重要だけど、温巳の専門ももっと色々読んでみたいですw

料理しないわけじゃないけど・・・なレベルの私ですが、今回チャレンジしたいのは味噌入りハンバーグかなw
普段は塩コショウで下味+ケチャップというのが定番ですが、味噌入りも気になるー。
また選ぶ味噌でも違いそうで。
料理って本当に実験みたい。そんで奥が深い!

二人の今後の関係、そして周りとの関係。
あとはお弁当のこととか温巳の学者として・・・とか。
気になることが色々あります!
早速続きを買いに行こうと思いますw

SHIBUYA DEEP A クリスマススペシャル

1分半劇場 根津サンセットカフェ Vol.3 [DVD]1分半劇場 根津サンセットカフェ Vol.3 [DVD]
(2007/04/25)
倉科カナ、片桐仁 他



最早放送から二ヶ月以上経過した番組。。。
クリスマス特別番組です(笑)
こういうのは時期もあって生モノなのですが、一応レポ混じりのものをアップすると言った手前
自己満足で更新しておきます(笑)
流石にここまで遅くなるつもりはなかっただけに・・・「楽しみにしています」的コメントくださった方には本当に申し訳ないです。。。

見たけど番組の振り返り、そして見逃した・または見れなかったという方はこんな感じだったと参考になれば。

基本は倉科カナちゃん中心です
(ので、他のゲスト目当ての方は物足りないと思います。流石に二時間まるごとは難しい・・・)

番組のレポは「続きを読む」から。

続きを読む

謎解きはディナーのあとで(東川 篤哉)

謎解きはディナーのあとで謎解きはディナーのあとで
(2010/09/02)
東川 篤哉



「失礼ながらお嬢様、やっぱりしばらくの間、引っ込んでいてくださいますか」

複合企業・宝生グループの令嬢、宝生麗子はその身分を隠して国立の警察に勤務する女刑事。
彼女の屋敷に勤める執事の影山は物腰柔らかで言葉も丁寧だが、とんでもない毒舌と鋭い頭脳の持ち主だった。
執事にけちょんけちょんに言われ、お坊ちゃん上司の戯言をかわしつつ、麗子は事件に挑んでいく。



今話題のユーモアミステリ。
毒舌執事とお嬢様のコンビって今まであるようでなかったタイプなのかもしれません。
語り口も軽くて読みやすいところが人気の秘訣?
この小説の人気については「のんびりたまに雑記。」にて。

さてさて。
実際、この人気に後押しされて読んでみました。
うん、面白かった!
間違うことなきエンターテイメント。
実際取り扱っているのは殺人事件なのですが、キャラクターのせいなのか、どこか軽いですよね。全体の空気が。

第一に、風祭モーターズの御曹司で何故か刑事になった麗子の上司。
シルバーメタリックのジャガーで現場に駆けつけたいがため・・・に刑事になったと噂のとんでもない男で、なおかつ誰もが思うことを誰よりも先に口にするというウザい上司(笑)
こんなのが殺人事件の現場にいるのは嫌だなあ(笑)
作中の扱いもまさにそれでw

そして作中の探偵役なのが執事の影山。
年のころ30代半ば。
ダークスーツを着こなし、銀縁メガネをかけたすっきりした風貌。
執事とお嬢様・・・となれば、意外と付き合いは長く、少なくとも信頼関係はある・・・というのが定石そうですが、実は影山が宝生家の執事となったのは第1話めでまだ一ヶ月。
それまで何をやってきたのかは一切不明、となっています。

そんな二人だからか、メインの紅一点である麗子。
大企業のバリバリのお嬢様でありながら、作中一の常識人に見えます(笑)
ツッコミ役だし(笑)
麗子と影山に信頼関係が希薄、という関係性が、この作品において面白いところなんじゃないかなあ。
だからこそ麗子のツッコミが活きてくるというか。

あと、この作品においては犯人の存在感も希薄・・・というところが読みやすさに繋がっているのかな?
どうしても殺人事件において動機っていうのは重要な要素なんだけど(それだけで1作書いちゃう作家だっているし)。
それを犯人の口から語らせないところがこの作品の特徴のひとつかな、と。
第1話に至っては犯人、姿すら現してませんからね(笑)
動機は影山が推測を口にするか、もしくは全く動機には触れないとか。
第2話の殺しのワインはそうですよね。
むしろこの話においては動機、ちょっと気になったり。
そして第6話・クライマックスに至っては犯人が語ろうとしたら麗子自身が止めちゃうしw
なんというチープ(笑)

あと、馬鹿馬鹿しさで言えば最も印象に残っていた迷台詞がw
第2話で、長男の妻が家政婦に浴びせた暴言「泥棒猫・馬の骨・野良犬」ときて最後は「雌豚」という動物のオンパレード!
結局どれだよと思わずにはいられませんw
アホすぎる(笑)

読み終わったあとに表紙を見返すと、作中のアイテムが実はぞくぞくと。
帯をめくると地味に(笑)存在するのが風祭警部なのかな?
そういえばイラストレーターは人気の中村佑介さんなんですねー。

以下、各話での感想です。


第1話【殺人現場では靴をお脱ぎください】

これ、被害者の気持ち分かるー(笑)
私の場合は住居の構造上ちょっと出来ませんけど、同じ状況ならきっとやる。
まあ、そもそもそんな面倒な靴、買わないけど(女子力問題発言)。
しかしこの犯人「それってアリ?」レベルがしょっぱなからきました。
一応これはセーフなレベルなんでしょうかね。。。


第2話【殺しのワインはいかがでしょう】

あの衝撃的な台詞の回ですね(笑)
他にもダテ眼鏡をかけた麗子に対して影山の
「わたくしとキャラがかぶっていますが」も結構個人的には笑いのツボでしたw
割と理詰めで犯人にいきついた回かなーと。
あと注射器はなんとなく思いつきました。が、コルクより針が長い注射器ってあるんでしょうかね?
斜めに刺せば問題無し・・・?


第3話【綺麗な薔薇には殺意がございます】

よくよく考えれば。
この話の藤倉家にとってはかなり災難だなあ・・・。
犯人も被害者も、血縁関係的には無い訳だし。。。
里香ちゃん・・・知らない“おじさん”を「お兄さん」と訂正されたら名乗るくらい正直な子なのに・・・。
いや、この一連ちょっと面白かったんですけどね、麗子のツッコミも含めて。
だけど、今はこうして名乗らないどころか気軽な挨拶(コミュニケーション)すら控えるよう教育する場合もあるようですね。


第4話【花嫁は密室の中でございます】

麗子の他にもお嬢様が登場。
影山曰く「さすが本物は違うものでございます」
と言うけれど・・・そして麗子の呟きも私のツボでしたけどw
どう違うと感じたのか知りたいです(笑)
その前に麗子に言われた同じ台詞の意趣返しとも取れるんだけど。
多分これはシリーズになりそうだし、是非とも有里には準レギュラーくらいになってほしいな。
有閑マダム的立ち位置でw
ちなみに、有里の弟の名前が“佑介”で、表紙のイラストレーターさんと同じ名前なのは図ったんでしょうか。
この回までは雑誌に掲載されたようなのですが、掲載時にもう組んでいたのかなー。


第5話【二股にはお気をつけください】

被害者にはとある秘密が・・・!
というその正体・・・なんだか懐かしさにくらくらしたのは私だけでしょうか(笑)
と言っても実物は見たことないのですが。
久し振りにこの単語聞いた(見た)なあ、という気分。
確かに外では問題は無いですが(座敷とかはきついけど)、今後を考えるとちと厳しいですね。
しかし・・・ぶっちゃけますけど、仮にも代議士の娘さんということは一応お嬢様。
灰皿振り回すようなキャラにも描かれていなかったし・・・色々強烈でした(笑)


第6話【死者からの伝言をどうぞ】

この事件の核とも言えるトロフィーですが・・・。
ぶっちゃけ、私も下じゃなく上からじゃないかというのは分かりました。
分かったからといって、イコール犯人までは辿り着けないのでいまひとつ意味はなさないのですが。
重いものなら持ち上げるより落とす方が楽じゃん、という思考。
つまり横着者の方が真相に近づける! ということですね・・・駄目駄目だ。
基本的には不可能とされそうな女性キャラを砲丸投げの元選手、として無理矢理容疑の対象にしてしまう力技にはいっそ惚れ惚れします(笑)



この作品、読み終わった後に思ったのは「絶対続編あるんだろうなー」ですね(笑)
だってこのネタはいくらでも続けられるもの。
この軽妙なノリは東川さんの個性なのかな?
今までの作品のタイトル「もう誘拐なんてしない」「ここに死体を捨てないでください!」とかにその系統の気配を感じる。。。
初東川作品なので、ただ言っているだけですが(笑)
今まで気になっていて置いておいた作品もあるし、これを皮切りに読んでみようなかあ。
個人的にはライト系で初の(?)「本屋大賞」、取って欲しいですね。


     
プロフィール

sui

Author:sui
いらっしゃいませ。こちらのブログは管理人のマメでない性格ゆえ、更新はゆっくりめです。
感想は多分にネタバレを含みますので、未読の作品に関してはご注意ください。
思い出した時にでもお立ち寄りくだされば嬉しいです。


コメントやトラックバックなども大変嬉しく、歓迎です。
が、こちらの判断により、削除してしまう場合もあります(例:初めましての間柄でトラックバックのみを行うなど)ので、ご了承ください。

日記、始めました。
『のんびりたまに雑記。』リンクから行けます。
今読んでいる本などちょこちょこ書いていく予定です。
また、web拍手でいただいたコメントも、こちらの方でお返事させていただきます。

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