アメリカYahoo!のジオシティーズが今年中に閉鎖となるようです。
■米ヤフー、GeoCitiesを年内に終了へ--個人ホームページ時代の終焉とともに:ニュース - CNET Japan
ネット歴が浅い人にはご存じのない方も多いでしょうが、このジオシティーズというのはインターネットのホームページスペース提供サービスで、現在はYahoo!の一部となっていますが、もともとはGeoCities社が運営していたもので、1990年代後半のインターネット黎明期?発展期には、ここがホームページスペースの主流であり、有名な存在でした。ちなみに他にもTripodとかtoktokなんてのもありましたね。
せっかくなので、オッサンホイホイになるのを承知で当時の思い出とかいろいろ書いてみようと思います。
※2016/1/8若干追記
xkcd commemorates the end of Geocities / secretlondon123
1996~7年あたりから徐々にインターネットが日本でも普及し始め、次第にインターネットに慣れたユーザーが増えてゆき、そんな人の中に「自分のホームページを作りたい」という需要が生まれ始めます。当時からTripod、toktokなどのサービスはありましたが、一番主流だったのがこのジオシティー。それの理由は、「無料」であったことと、「始めるのが簡単」だったことなのです。
当時のインターネットサービスはたいていが有料で、プロバイダ代も月2000円くらいが普通、しかもテレホーダイじゃなければ従量制、それなのに速度はISDNでも64Kbpsという時代でした。つまりお金がかかるのが当たり前だったのですよね。また、プロバイダでもホームページスペースを用意しているところはありましたが、そこも追加料金がかかる場合が多かったです。そこで無料のサービスというのは、当時は新鮮でもあり、また魅力的だったのです。
さらに、ほかのサービスではFTPでのアップロードなど、初期からそれなりの知識が必要でしたが、ジオシティーにはウイザードがあり、今のブログと同じく簡単なものならすぐに構築できた点も大きかったと思います。
ちなみに当時のホームページは、CSSでさえほとんどなく、HTMLベタうちでテーブルを駆使して構築しているサイトが多かった様に思えます(フレームでさえ嫌っている人がわりといた)。でも、それ故に自分でデザインを構築する必要があって、それが味になっていました。もちろんいいものもあれば、個性が溢れまくっているものも。そんな時代の名物のひとつが伝説の愛生会病院かもしれません。
私もはじめてHPを構築した時はジオシティーズでしたね。
しかしゲームやマンガ系の趣味カテゴリのサーバは空いているスペースが少なく、キリのいい番号が空くのを狙って取りにいったものです。ちなみにそのサイトはゲーム系でしたが、今探しても無駄です。というのは、当時のジオシティーズでは、「2~3ヶ月更新がないと消滅する」という掟があったので。HDDの容量も少ない時代でしたからね。たぶん借りられるスペースの大きさは20Mくらいだったと思います。
こういったHPは趣味にも使われましたが、一部ではアングラにでも使われていたようです。で、最初の海外のジオが「米塩」、日本のが「和塩」なんて呼ばれていましたね。あと、「鳥」(Tripodのこと)とか「地球病」なんて言葉もありましたっけ。
■参考:地球病 - 通信用語の基礎知識
でも、当時アングラ扱いされていた告発系サイトの情報が簡単にブログに書かれていたり、MADがニコニコ動画で見られたりすると、時代が変わったなあとオッサンは思うわけで。
あと、ジオシティーズ騒動なんてのもありました。これはいきなりジオシティーの規約が変わり、「アップロードした時点でコンテンツに関するモロモロな権利を無条件にYahooに認めるだけでなく、著作人格権をも行使してはいけない」と読み取れる条項が足された件です。ある意味それ以後もネット上で弾に起きる、いきなり規約改定をして騒動になるパターンの先駆けのように思えます。
■ジオシティーズが新規約で利用者のコンテンツを横取り - スラッシュドット・ジャパン
そんなジオシティーズですが、2000年代に入るとほかの無料サービスも増え、さらに容量もジオより大きくなってきました。そして慣れた人はプロバイダのサーバに移るなどの傾向も見られるようになりました。
決め手となったのが、2000年代前半にブログが台頭してきたこと。これにより、初心者の導入口がそちらになってしまい、またその利便性からブログに移転するサイトも増え始め、ホームページスペースの需要自体が縮小してゆきます。
Yahoo!でもYahoo!ブログのほうがクローズアップされて、現在ジオの場所を探すのにちょっと手間どりました。
しかし日本のジオはまだあります。
■Yahoo!ジオシティーズ - 容量50MBのホームページスペース。日記やゲストブック、アバターなどの機能。
ただ、もしかしたら日本のジオシティーもそのうち役目を終えて消滅するのかもしれません。ただ、それはどのWebサービスにも言えることでしょう。むしろポータルとして10年生きのこっているYahooとかのほうが希な存在なわけで。 でも、ジオもたとえ消えても一時代を築いたものとして、記憶には留めておきたいなと思うわけです。
※2016/1/7追記
これを書いてから7年ですが、リニューアルを挟みつつまだあるところは素直にすごいと思います。
■米ヤフー、GeoCitiesを年内に終了へ--個人ホームページ時代の終焉とともに:ニュース - CNET Japan
ネット歴が浅い人にはご存じのない方も多いでしょうが、このジオシティーズというのはインターネットのホームページスペース提供サービスで、現在はYahoo!の一部となっていますが、もともとはGeoCities社が運営していたもので、1990年代後半のインターネット黎明期?発展期には、ここがホームページスペースの主流であり、有名な存在でした。ちなみに他にもTripodとかtoktokなんてのもありましたね。
せっかくなので、オッサンホイホイになるのを承知で当時の思い出とかいろいろ書いてみようと思います。
※2016/1/8若干追記
xkcd commemorates the end of Geocities / secretlondon123
日本インターネット黎明期の代表的HPサービス
1996~7年あたりから徐々にインターネットが日本でも普及し始め、次第にインターネットに慣れたユーザーが増えてゆき、そんな人の中に「自分のホームページを作りたい」という需要が生まれ始めます。当時からTripod、toktokなどのサービスはありましたが、一番主流だったのがこのジオシティー。それの理由は、「無料」であったことと、「始めるのが簡単」だったことなのです。
当時のインターネットサービスはたいていが有料で、プロバイダ代も月2000円くらいが普通、しかもテレホーダイじゃなければ従量制、それなのに速度はISDNでも64Kbpsという時代でした。つまりお金がかかるのが当たり前だったのですよね。また、プロバイダでもホームページスペースを用意しているところはありましたが、そこも追加料金がかかる場合が多かったです。そこで無料のサービスというのは、当時は新鮮でもあり、また魅力的だったのです。
さらに、ほかのサービスではFTPでのアップロードなど、初期からそれなりの知識が必要でしたが、ジオシティーにはウイザードがあり、今のブログと同じく簡単なものならすぐに構築できた点も大きかったと思います。
ちなみに当時のホームページは、CSSでさえほとんどなく、HTMLベタうちでテーブルを駆使して構築しているサイトが多かった様に思えます(フレームでさえ嫌っている人がわりといた)。でも、それ故に自分でデザインを構築する必要があって、それが味になっていました。もちろんいいものもあれば、個性が溢れまくっているものも。そんな時代の名物のひとつが伝説の愛生会病院かもしれません。
私もはじめてHPを構築した時はジオシティーズでしたね。
しかしゲームやマンガ系の趣味カテゴリのサーバは空いているスペースが少なく、キリのいい番号が空くのを狙って取りにいったものです。ちなみにそのサイトはゲーム系でしたが、今探しても無駄です。というのは、当時のジオシティーズでは、「2~3ヶ月更新がないと消滅する」という掟があったので。HDDの容量も少ない時代でしたからね。たぶん借りられるスペースの大きさは20Mくらいだったと思います。
「和塩」「米塩」
こういったHPは趣味にも使われましたが、一部ではアングラにでも使われていたようです。で、最初の海外のジオが「米塩」、日本のが「和塩」なんて呼ばれていましたね。あと、「鳥」(Tripodのこと)とか「地球病」なんて言葉もありましたっけ。
■参考:地球病 - 通信用語の基礎知識
でも、当時アングラ扱いされていた告発系サイトの情報が簡単にブログに書かれていたり、MADがニコニコ動画で見られたりすると、時代が変わったなあとオッサンは思うわけで。
ジオシティーズ騒動
あと、ジオシティーズ騒動なんてのもありました。これはいきなりジオシティーの規約が変わり、「アップロードした時点でコンテンツに関するモロモロな権利を無条件にYahooに認めるだけでなく、著作人格権をも行使してはいけない」と読み取れる条項が足された件です。ある意味それ以後もネット上で弾に起きる、いきなり規約改定をして騒動になるパターンの先駆けのように思えます。
■ジオシティーズが新規約で利用者のコンテンツを横取り - スラッシュドット・ジャパン
ジオシティーズの衰退とブログサービスの台頭
そんなジオシティーズですが、2000年代に入るとほかの無料サービスも増え、さらに容量もジオより大きくなってきました。そして慣れた人はプロバイダのサーバに移るなどの傾向も見られるようになりました。
決め手となったのが、2000年代前半にブログが台頭してきたこと。これにより、初心者の導入口がそちらになってしまい、またその利便性からブログに移転するサイトも増え始め、ホームページスペースの需要自体が縮小してゆきます。
Yahoo!でもYahoo!ブログのほうがクローズアップされて、現在ジオの場所を探すのにちょっと手間どりました。
しかし日本のジオはまだあります。
■Yahoo!ジオシティーズ - 容量50MBのホームページスペース。日記やゲストブック、アバターなどの機能。
ただ、もしかしたら日本のジオシティーもそのうち役目を終えて消滅するのかもしれません。ただ、それはどのWebサービスにも言えることでしょう。むしろポータルとして10年生きのこっているYahooとかのほうが希な存在なわけで。 でも、ジオもたとえ消えても一時代を築いたものとして、記憶には留めておきたいなと思うわけです。
※2016/1/7追記
これを書いてから7年ですが、リニューアルを挟みつつまだあるところは素直にすごいと思います。