真紅のthinkingdays 自由の国~『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』
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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅 (言葉を探す人)   ★劇場鑑賞した映画は Instagram にアップしています @ruby_red66 ★Stay Blue

自由の国~『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』

アメリカ人の半分は

 米カリフォルニア州在住、映画評論家にしてコラムニスト町山智浩氏が、その
内側から見つめたブッシュ政権下の現代アメリカ。今のアメリカが如何にブッシュ
政権によって疲弊し、荒廃したかが軽妙かつシニカルに綴られている。町山氏の
著作を読むのは初めて。映画が時代を映す鏡であることを、改めて感じさせても
くれた。

 第1章 暴走する宗教
 第2章 デタラメな戦争
 第3章 バブル経済と格差社会
 第4章 腐った政治
 第5章 ウソだらけのメディア
 第6章 アメリカを救うのは誰か
 終章  アメリカの時代は終わるのか


 前半は、大国の醜悪な部分をこれでもかと見せ付けられてかなりゲンナリ。しか
し、ブッシュをちゃかし、民主党大統領候補オバマが登場してくる後半からは俄然、
面白くなる。アメリカの大統領選って、本当にエンターテインメントだなぁと思う。
特に今回はヒラリーVS.オバマ、どちらに転んでもアメリカ建国史上初の女性 or 
黒人大統領の誕生
ということで、盛り上がりも最高潮。すっかり脇役に回された感
のある共和党大統領候補・マケインについても言及されていて、せめて4年前、ブッ
シュでなく彼が大統領になっていたら、世界はここまで混沌状態には陥ってなかっ
たのでは?
 と思わずにいられない。欲を言えば、大統領選をここまで盛り上げた
MVP(?)、アラスカ州知事にして共和党副大統領候補、サラ・ペイリンについて
も書いて欲しかったと思う。
 
 ペーパーバック仕様で読み易いけれど、賞味期限のある本かも。手に取るならば
是非お早めにどうぞ。

『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』
                       町山智浩・著/文藝春秋・2008)
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テーマ : 紹介したい本
ジャンル : 本・雑誌

2009-01-21 : 読書 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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非公開コメント

真紅さま こんにちは!
私は町山さんのファンなので、この本はすぐ購入して読みました。この本の内容は、町山さんが週一レギュラーで出演している関東地域の某ラジオ番組の中でリポートしたことを簡潔に文章化したものが多いのですが、確かにこうして読み返しますと、私もアメリカという国に対してゲンナリしたり血圧が上がったり(笑)してしまいました。おっしゃるとおり「賞味期限付き」の本でありますが、今超話題(笑)のアメリカの真の姿を手っ取り早く知るには最高の書かもしれません。
「レンディション」について触れた個所もありましたね(P85~)。ラジオでここの章をリポートしたとき町山さんは「レンディションというショッキングな事実が映画化された意義」についてとても熱心に語ってくれたので、ジェイクさん主演の映画「レンディション」は日本でもきっと上映されるだろうと期待していたんです。でもついに上映の機会はなく、ほんとに残念でありました・・・。
あ、それから(この本にはでてませんが)町山さんが同じラジオ番組内で紹介してくれた「バンク・ジョブ」という映画、英国のびっくり仰天事実が描かれてて面白かったですよ。上映館は少ないですが、機会があったら(いつかDVDででも)ぜひぜひご覧ください~♪
2009-01-21 16:05 : メグ URL : 編集
メグさま、こんにちは。コメントありがとうございます!
そうなんだ~、メグさんって町山さんのファンなんですね。
私は、内田先生が信頼なさってる方で、9条について共著を出されているので知っていたんです。
町山さんの雑誌などは読んだことがない(と思う)のですが。。
そうそう、『レンディション』! 私も「あ~!」と思ったんだけど記事に書くのを忘れてました(笑)。
でもね~、日本公開されなかったのも仕方ないかな・・、と思ってしまうような内容の映画みたいですね。
ああ~、せめてDVDにならないかな~。。
で、『バンク・ジョブ』ですが、めっちゃ観たい映画です!
他のブロガーさんにもオススメいただいてるし。。。観たい、どーしても観たい!
大阪では単館上映なんですよ。今月いっぱいはやってるみたいなので、なんとか観ますね。

ところで、メグさんともコメント欄だけの長いお付き合いですが。。
メグさん、ブログは開設なさらないのですか?
いろいろ映画や本についてお詳しいので、もったいないな~、と思ってしまいました。
もし開設なさったら、教えて下さいね。
ではでは、またです~。
2009-01-21 19:26 : 真紅 URL : 編集
真紅さま 再度おじゃまいたします。
いつも心あたたかいレスをありがとうございます。
内田先生とは、内田樹先生のことですね?内田先生と町山さんは親交があったんだ♪ 昨年、内田先生が書いた「私家版・ユダヤ文化論」という本を読んだとき、急に町山さんのブログの話がでてきたので「あらら?」と思ったのでした。
町山さんは昨年秋ごろは「アカデミー作品賞に値する映画は今のところ『ダークナイト』だけ」と言ってたけど、そのあと本命作品がどんどん公開されて、「ダークナイト」は候補に入れなくて残念です。でも、「ミルク」も「レスラー」も町山さんがお薦め作品として紹介してくれた作品なので期待しています。「愛をよむひと」は邦題は「朗読者」のままが良かったと思うのですが・・・。楽しみな作品がこれからもたくさんありますね。
「映画が時代を映す鏡であることを、改めて感じさせてくれた」という真紅さんのご感想、すばらしい。ほんと、その通りですね。
2009-01-23 11:16 : メグ URL : 編集
メグさま、こんにちは。再びのコメントありがとうございます。
そうです、内田樹さんのことですよ。
『ユダヤ文化論』は私も読んだのですが、町山さんのことに触れていたのですね、すっかり忘れています。
『TDK』、作品賞候補からは漏れたけど、ヒースの助演男優賞がありますから!!
そして私も『朗読者』の邦題には激怒しています。酷いですよね。
原作を愛している方はガッカリではないでしょうか?
でも、万年候補のケイトには今年こそオスカーを、、と願っています。
『ミルク』も『レスラー』も楽しみですね。主演男優賞はミッキー・ロークにあげたいです。
町山さんの本、今度は映画評論を読んでみたいなと思っています。
ではでは。。
2009-01-23 14:30 : 真紅 URL : 編集
真紅さま こんにちは!
久しぶりに帰国した町山さんが先日、東京のラジオの深夜番組に出演して「ちゃんと『ダークナイト』に賞(外国作品賞)をあげる日本のアカデミー賞の方がアメリカのアカデミーよりマトモだよ」と町山さんらしいご意見を言ってくれたので溜飲をさげた私でしたが(笑)、本日本家でもちゃんとヒースさんが表彰・称賛されたので「すべて良し」としました。それに他の受賞作品もみな秀作ぞろいだったようですし♪
ところでひとつ情報を。週刊朝日最新号(表紙がアンジーなの!)に先日話題となった「村上春樹「エルサレム賞」受賞スピーチ」が全文掲載されています。しかも内田樹先生の解説付き(!)。お読みくださいませ~。このスピーチの内容は新聞でも報道されましたが、改めて全文を読み感嘆しました。さすがです。でも写真のお顔を見ますと、万年青年のような村上さんもやっぱりフケてきたかな・・・とちょっと思いました。
2009-02-23 21:32 : メグ URL : 編集
メグさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですか~、町山さんがそんなことをおっしゃっていたのですね。
アカデミー賞って映画界最高の栄誉、権威だとされていますが、基本的にはアメリカ国内の賞ですよね。
だから一種のショーだと捉えたほうがいいのかもしれませんね。
と言いつつ自分もオスカー、オスカーと騒いではいるんですが(笑)。
ヒース、よかったですね。やっぱり悲しいけど。。。

『週刊朝日』ですか、情報ありがとうございます!
私は『週刊B』派なのですが(オヤジか!笑)、今回はAを購入したいと思います!
ハルキさん、昔Aに『村上朝日堂』連載してはったもんね。。懐かしい~。
ハルキさんも還暦ですからね。新作長編が楽しみです。
ではでは、またです~。
2009-02-25 10:26 : 真紅 URL : 編集
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